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こんばんは、謝敷です。
11月になりました。
すっかり冷え込んで、「寒いな」と感じるようになりました。
今年もあと2ヶ月なのですね。
さて、乳がん経験者の痛みに対する鍼治療の影響を、
リアルワールドデータ(RWD)で検討した論文を見ています。
前回は、鍼治療を受ける人と受けない人では、
もともとの患者背景が異なる可能性があり、
こうした「交絡」を考慮することが重要であることを見ました。
今回は、鍼治療を受けた人の中でも、
鍼の回数や、鍼治療の目的は、この研究の目的であった痛みだったのか…
といった観点で、違いはあったのでしょうか。
この研究では、主解析に加えて、
こうした点について探索的な解析も行っています。
まず、鍼治療を受けた495人を、
年間の鍼治療回数が、10回以上と未満に分類し比較しています。
結果、
10回以上の人は、178人(36%)
10回未満の人は、317人(64%)でした。
いずれの群も研究参加前後で比較すると、
鎮痛薬の使用や医療資源利用の変化に統計学的な差が認められました。
しかし、減少幅(差の差)について、
10回以上鍼治療を受けた人と10回未満の人と比較すると、
両群間に統計学的な有意差は認められませんでした。
「たくさん鍼を受けていれば医療費が下がる」とは、
この結果だけから結論づけることはできません。
続いて、鍼治療の受診理由を見てみると、
全対象者のうち、疼痛を目的として鍼治療を受けていた人は264人で、全体の約53%でした。
つまり、残りの人は、疼痛以外の目的で鍼治療を受けていた、ということが分かります。
そこで、この2群を比較すると、
疼痛を目的に鍼治療を受けた人では、
疼痛以外の目的で鍼治療を受けた人と比べて、
短期間のオピオイド処方が相対的に47%少なくなり、
短期間のNSAIDs処方も相対的に49%少なくなる、という結果が示されました。
この差は統計学的にも有意で、
がん関連疼痛の診断記録の有無を調整した後も、この差は有意でした。
つまり、主解析では、患者背景を調整すると、
鍼治療群全体と非鍼治療群との間に、
オピオイド使用の明確な差は認められませんでしたが、
鍼治療を受けた人の中でも、
「疼痛を目的として鍼治療を受けた人」に絞ると、
鎮痛薬使用について違いがみえてきた…というわけです。
ただし、この研究は、探索的解析な解析ではあるあめ、
「疼痛目的の鍼治療によって鎮痛薬が減った」と
因果関係を断定することはできません。
しかし、大きなデータを色々な切り口から検討してみる、
例えば、今回でいえば
「誰が、何のために、どのくらい鍼治療を受けているのか」
といったことを検討してみると、
同じデータからでも、見えてくることが変わってくる点に、面白さを感じました。
Ng DQ, Lee S, Lee RT, Wang Y, Chan A.
Real-world impact of acupuncture on analgesics and healthcare resource utilization in breast cancer survivors with pain.
BMC Med. 2024 Sep 16;22(1):394. doi: 10.1186/s12916-024-03626-2. PMID: 39285302; PMCID: PMC11406884.
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