東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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松木

「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その6)

2010.12.06

こんばんは、松木です。続きを書いていきます。「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その1)「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その2)「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その3)「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その4)「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その5)本日は、単盲検法、二重盲検法について書いて行きます。前回も書いた通り、実験においてはなるべくプラセボ効果やバイアスが関与しない状態で行いたいわけです。プラセボに関しては、患者自身が治療をされたのか、されていないのか分からないようにしておけば防げます。これを単盲検法(シングルブラインドテスト)と言います。例えば、頭痛薬と、砂糖のどちらかを患者に投与して、頭痛薬の効果を調べたいとします。砂糖は「なにも治療していない群」と考えます。この時、患者自身が頭痛薬を飲んだのか、砂糖を飲んだのか分からないようにして服 ....

「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その5)

2010.12.05

こんばんは、松木です。前回の続きを書いていきます。「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その1)「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その2)「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その3)「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その4)その5までやって参りました。「科学について」から数えると13記事目になります。なぜこのことについて長々とお話しているかと言いますと、我々は東洋医学の良さを多くの人に知ってもらいたい、と日々思っています。そして、現在の日本の医学の主役は、科学哲学からなる西洋医学です。西洋医学が主役の世の中に対して、東洋医学の良さを知ってもらうためには、東洋医学の、西洋医学にない良さを我々自身が知っておく必要があります。そのためには、西洋医学がどんな方法で発展しているかについて知っておくことは不可欠だと思います。要は、海外旅行に行くと、日本のいいところ悪いところが ....

「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その4)

2010.11.27

こんばんは、松木です。続きを書いていこうと思います。「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その1)「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その2)「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その3)本日は「無作為化比較試験(RCT)」について解説していきます。ある病気に対してある治療法が有効であるかを調るとします。そのためには、1、同じ病気の人を複数探す。2、そのなかで、治療する人、治療しない人をつくる。3、治療後、治療した人と治療していない人を比べる。という流れで実験するという方法が思いつきます。この際、治療する、治療しない人を「無作為(ランダム)」に選ぶ、というのがこの実験方法の特徴です。なぜランダムに選ぶかというと、二つの群に偏りがなるべく生じないようにするためです。同じ病気の人といっても、人は一人一人違いますし、厳密には症状も違いがあります。そういう人たちをグループに分けて比較 ....

ニュースを読んで思うこと(その2)

2010.11.26

こんばんは、松木です。 休養されていたお笑い芸人、岡村隆史さんの復帰が決まりましたね。 何が原因で休養されていたかは、今のところ公表されていませんが、とにかく無事復帰されるみたいで何よりです。ところで、この記事を私はヤフーニュースで知ったのですが、ヤフーにはニュースに対してコメントできる機能があります。 そしてそのコメントに対して、「私もそう思う」、「私はそう思わない」のいずれかを選べる機能が付いております。 多分ファンの方からでしょう、「待ってました。」とか「体調に気をつけて頑張って下さい。」 というようなコメントが多数あります。 しかしこのようなコメントにも、必ず「私はそう思わない」を選んでいる方がいます。どういう思いでそれを選ばれたのかは分かりません。また、色々な意見があってしかるべきだと思います。しかし当人や、その周辺の人たちとしたら、こんなことが毎日続いているわけですから、その苦 ....

「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その3)

2010.11.25

こんばんは、松木です。続きを書いていこうと思います。「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その1)「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その2))前回、「EBMが定める手順」があるということを書きました。これは、エビデンスの基となる研究には、色々な種類があり、それごとに決まりがある、ということです。そして、どの研究によって得られたエビデンスかによって、相対的に信頼度に差があるとされています。この研究ごとの信頼度の順番というのは以下の通りです。1、無作為化比較試験(RCT)およびそのメタ研究2、コホート(追跡)研究3、症例-対象(case-control)研究4、症例集積5、専門医の意見上の方が信頼度が高いということになっています。ご存知ない方は、読んだだけですと、どんな研究の事を指しているのかよく分からないと思いますが、これについてはまた説明します。また、臨床的には、診断・予後・治 ....

残念な出来事

2010.11.24

こんばんは、松木です。昨日は祝日のためか、都内の道路は大変空いておりました。私はバイクで移動するのも仕事の一部ですので、昨日は快適に移動しておりました。午後からは風は強いものの晴れ間も見え、心地よく仕事をしておりました。昼過ぎにトイレを借りにコンビニに入り、お茶を買って出てきたところ、バイクのシートが刃物で切られておりました。。。往診を始めて今年で4年目ですが、このようなイタズラをされたのは初めててでした。怒りもこみ上げてきますが、それよりもなんだか悲しくなりました。こういった種類のイタズラは本当に陰湿で腹立たしいですが、このような被害を受けて心から思うことは、「自分は絶っっ対にこのような事を人にしたくない!このような気持ちに人をさせたくない!」ということです。もちろんはじめからこのようなイタズラをするつもりは毛頭ありませんが、より一層、確固たる、強い気持ちでそう思いました。「相手の気持ち ....

「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その2)

2010.11.23

こんばんは、松木です。前回までのお話「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その1)予定通り本日は、EBMにおけるエビデンスって何?ということについて書いていこうと思います。単刀直入に言いますと、EBMにおけるエビデンスとは、「臨床研究による実証報告」のことです。ここで言う臨床研究とは、人間を対象にした研究のことです。科学的な研究に対して、「in vitro(試験管内)では効果があっても、in vivo(生体内)では効果があるか分かりませんよ」といった批判が出ることがあります。そのようなことがない為に、あくまで実際の人体に対して行った研究を採用しているわけです。また、実証報告というのは、効果があった報告ということです。何を持って効果があったとするかと言うと、それは統計学的に見て判断します。要するに同じ病気の人1000人に対して700人に効いた、ということはこの病気にこの治療は効くだろう、 ....

「EBM(根拠に基づいた医療)」について(その1)

2010.11.22

こんばんは、松木です。今日から「EBM:Evidence-based Medicine(根拠に基づいた医療)」について書いていこうと思います。とは言いましても、私自身も勉強不足の部分が多々ありますので、間違いがありましたら、ご指摘頂きたいと思います。まあこれはEBMに限らず、今まで書いた全ての記事に言える事ですが。一般の方にはどの程度浸透しているのか分かりませんが、医療業界ではEBMという言葉、エビデンス(根拠)という言葉は、たいへんよく耳にします。例えば、この治療法のエビデンスは〇〇で、とか、この治療法にはエビデンスがないからダメだ、などです。エビデンスとは根拠のことですから、要するに「ある病気に対して、ある治療が効く理由」ということです。医学なんだからそんなのあって当たり前じゃないか、と思われるかもしれませんが、EBMにおけるエビデンスというのは、その理由を説明する場合に決まりがあるの ....

科学について(その8)

2010.11.21

こんばんは、松木です。今週はEBMについてお話しする予定ですが、先日偶然学校の先生方と科学論についてお話しする機会がありましたので、そのことを少し書こうと思います。先日、久しぶりに専門学校の先生方と飲み会に行ったときのことです。いつも通り鍼灸について延々と話しているわけなんですが、学校の先生というのは、いかに鍼灸の良さを人(学生)に伝えるかが日々の重要な課題となっていますので、自然とそのような話になります。そこで「東洋医学」と「科学」について、先生方の様々な意見を聞くことができました。この問題は教員として学生に東洋医学を教えるに当たって、なるべく誤解がないように教える上で大切なことだと思います。そのなかで、「科学の適応と限界」を知っておくことが重要だというのが、その席での共通の意見でした。そのとき先輩の先生から、中谷宇吉郎の「科学の方法」を読むと面白いことが書いてあるぞ、と伺ったので早速読 ....

科学について(その7)

2010.11.13

こんばんは、松木です。 前回の続きを書いていきます。 科学について(その1) 科学について(その2) 科学について(その3) 科学について(その4) 科学について(その5) 科学について(その6) まだまだ科学論については多くの内容がありますが、今回はこの辺で一旦終わりにしたいと思います。 誤解を招いてはいけませんので言っておきますが、私は別に科学否定論者ではありません。 科学というのは大変便利な道具であることには間違いありませんし、有用なものはどんどん使いたいと私は思っています。 しかし、この科学の便利さ、すごさ故に、盲目的に科学を理解している人もいらっしゃいます。 「科学」といっても定義は様々あり、「ある限定した範囲」を非常に上手に説明しうるものではありますが、「完全ではない」ということです。 これは非常に重要なのではないかと思います。 ところで、最近「エビデ ....

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