東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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脛痠(けいさん)とは

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「脛痠(けいさん)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
脛痠とは、下腿がだるく無力なことをいいます。
 
 
 
最古の記載は、『黄帝内経・霊枢』にあり、「髄海不足」によって生じると考えられています。
 
 
 
弁証分類は、主に次の3つがあります。
 
 
 
1.腎気虚の脛痠
 
2.腎陰虚の脛痠
 
3.湿熱下注の脛痠
 
 
 
以上のように、脛痠は内傷の症候の一つで、虚証に多いとされています。
 
 
 
まずは、腎気虚と腎陰虚の脛痠についてです。
 
 
 
ともに腎虚が基本となり、房事過多、老化、慢性病などにより、腎の気陰が消耗することが引き起こされます。
 
 
 
腎のは骨を主り、骨は髄を主るので、腎が虚すと脛骨を栄養出来なくなり、脛痠が生じます。
 
 
 
鑑別のポイントは寒熱の違いであり、熱象がみられるものが腎陰虚、寒象がみられるものが腎気虚です。
 
 
 
腎気虚の脛痠は、下腿に涼感があり風を嫌う特徴をもちます。
 
 
 
その他にも、腰膝酸軟、息切れ、顔がどす黒い、ED、頻尿、排尿後の余瀝、脈沈弱で数でない、舌質淡紅、舌苔薄白といった症候を呈します。
 
 
 
治法は、益気補腎を用います。
 
 
 
腎陰虚の脛痠は、下腿の灼熱感、五心煩熱、頭がふらつく、耳鳴、顔面紅潮、口渇、咽渇、夢精、舌質紅、舌苔少、脈細数がみられる特徴をもちます。
 
 
 
治法は、育陰補腎を用います。
 
 
 
次に湿熱下注の脛痠についてです。
 
 
 
この場合、水湿の邪に侵されて生じることが多く、『素問・太陰陽明論』には「湿に傷るれば、下まずこれを受く」と記載があるように、湿邪が重たく、下に集まりやすい性質を持つため、身体の下方、特にまず先に下腿影響を及ぼします。
 
 
 
そして、湿濁が下腿の肌肉に停滞し、それが化熱して湿熱となり、湿熱が気陰を消耗して精髄による栄養が不十分となることで脛痠が発生します。
 
 
 
この場合、下腿の腫脹、疼痛、熱感があり、顔色黄で脂垢がつく、尿赤短利、脈濡数、舌苔黄膩を呈することが特徴です。
 
 
 
治法は、清利湿熱に益気活血を補助として用います。
 
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 
 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は前回の続きで「湿熱と寒湿の膝腫痛」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
いずれも風湿の邪により起こるものであり、湿気の多い環境や冷えなどが原因ですが、熱化と寒化の違いがあります。
 
 
 
湿熱薀結の膝腫痛は、風湿が熱化して湿熱となり、湿熱が経脈に停滞して膝を犯したことで引き起こされます。
 
 
 
この場合、患部の熱感、脂垢のついたような顔、尿が濃い、先硬後軟、舌質嫩で紅、舌苔薄黄、脈滑数または軟数が特徴です。
 
 
 
治法は、清熱滲湿、疏利関節を用います。
 
 
 
寒湿阻滞の膝腫痛は、風湿が寒化して寒湿となり、寒湿が膝部に停滞して、気血を阻滞したことで引き起こされます。
 
 
 
この場合、患部の冷え、舌苔白滑で湿潤、顔色が青白い、舌質暗紫、舌苔白滑、脈沈緊または沈遅といった特徴をもちます。
 
 
 
治法は、散寒温経、除湿活血を用います。
 
 
 
つづく
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 

 

 

 

 

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