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こんばんは 謝敷です^^
前回はEBMの四半世紀を振り返った論文から、EBMの基本原則の1つ目をご紹介しました。
論文は→こちら
本日は2つ目の基本原則をご紹介します!
2つ目は、特定のエビデンスを最良とするのではなく、複数のエビデンスを包括的に参照し検討すること。
基本原則の1で、エビデンスの種類を信頼度順に分類しましたが、
その頂点(=最良と示された研究手法の論文)でも、
論文間で結果が異なっていたり、
必ずしも正しい、または最良ではない結果が示されていることがあることが明らかになりました。
そこで複数の研究を系統的に検討する試みが行われ(システマティック・レビュー)、
より包括的にエビデンスを評価することができるようになりました。
また、さらなる課題として、
実際に医師がエビデンスを適切に評価できるスキルがないことや、
スキルがあってもエビデンスを精査する時間がないこと等が挙がり、
臨床医が効率的に質の良い最良のエビデンスを参照できるよう、
これらのエビデンスを活用した「臨床診療ガイドライン」の作成が進歩しました。
そして2004年には、GRADEシステムと呼ばれる
エビデンスの確実性や推奨の強さを評価するシステムも構築されます。
単に論文を検索し、臨床上の判断の参考にするのではなく、
真に最良であるエビデンスを臨床家が参照しやすいようブラッシュアップされていった、ということですね。
これらの変革(エビデンスの分類と評価)により、
これまでの“通説”が誤りであることが分かったり、新たな標準治療が確立される等、具体的な成果を生みました。
(たとえば…
「乳幼児は仰向けで寝かせるべきではない」といった通説が誤りであることが判明し、
乳幼児の突然死を防ぐことに繋がったり、
早期乳がんに対する化学療法やホルモン療法の標準治療が確立したようです!)
近年では、当然のように参照されている様々な資料も、EBMが導入されたからこそ、確立されてきたものだったのですね。
<参考論文>
・Djulbegovic B, Guyatt GH. Progress in evidence-based medicine: a quarter century on. Lancet. 2017 Jul 22;390(10092):415-423. doi: 10.1016/S0140-6736(16)31592-6.
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