東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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手法の選択肢

2012.01.31

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鍼灸に、裏ワザ、奥の手はあるのか。

そんなモンないっちゃないけど、あるっちゃある。(微笑)

なかなかとれにくい症状を抱えた患者さんの場合、普通の治療で効果がイマイチの場合が、たまにある。

どう考えても、診断といい、選んだツボといい、治療後の反応といい、有効なのは間違いない。

・・・なのに、治っていかない場合。

単に、治療頻度を増やせば解決することもある。

単に、患者さんの生活そのものに大きな問題がある場合ももちろんある。

単に、患者さんとの信頼関係がうまく構築できてないだけのこともある。

でも、もしそういうことがなかった場合、治療する手法の選択肢に、ある程度幅が必要。

「工夫」する必要が出てくる。

指くわえて見てたら、残酷にも、治らないまま時間がたっちゃう。

せっかくの関係が破綻します。(苦笑)

・・・臨床って、勝てば官軍みたいなところがあって、どんな手ェ使ってでも、治しゃいい、みたいな部分があります。

例え理論的でなかったとしても、鍼灸じゃなかったとしても。

・・・でもまあ、ウチは鍼灸専門だし、こだわりも極めて強いので、最後まで鍼灸にはこだわります。

鍼灸にも色々あるってことです。

刺絡、燔針、皮内鍼、円皮針、などなど・・・。

「気一元」というものの枠組みの中で、「陰陽」という法則性の中で、表現し放題。

変幻自在性。

特別なことする必要ないっていうか、鍼自体が特別なことなんでその中で最大限工夫するのが鍼師。

・・・と思ってま~す。(笑)

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ものさし

2012.01.13

 

 

 


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何かを測る時、一定の基準が必要。

 

1㎜、1㎝の長さを、皆さんよく知っている「あの長さ」に規定したから、それに基づいて色々と考えることが出来るのだ。

 

コレがまず重要。

 

「ある立場」に基づいて、共通認識を持つこと。

 


もし、ここがバラバラだったら、

「俺の1cmは、君の1cmとは違うな~。」

とか、

「私の場合は、それを1cmとは考えないけど?」

なんてことになり、話が一向に進まない。

 


議論にならず、頭に来るだけ。(笑)

 

不毛な争いだ。

 

・・・で、なんとか万人の共通認識として「1cm」の定義が規定出来たならば、それをもとに「物差し」を作る。

 


これは、色々なタイプの物差しがあった方がいい。

 

状況状況に応じて、最適な物差しを使い分けれるからだ。

 


差し金、巻尺、コンパス、三角定規etcetc・・・。

 


すると今度は、

「ではこの場合なら、どの物差しを選ぶか。」

と、

「その、選んだ物差しの”ゼロ”の位置を、対象のどこにあてる(設定する)か。」

が問題になってくる。

 


もしここがずれてたら、

「僕の場合は、それではなくこの物差しを使った方がやりやすいな~。」

とか、

「私はそこがゼロだとは思わないわ。だからあなたとは計測値が一致しないの。」

となって、グラグラとして、これまた一定しない。

 

だから決まりごと(ルール)が必要になってくるワケだ。

 


ただ、一定のガイドラインは必要でも、一定の”アソビ””そのガイドラインの裏”が生じてくるのも事実。

 


東洋医学も、ここら辺が難しい部分であり、面白い部分でもある。

 

あるシナリオは、絶対的でない。

 


たまたまの結果論と、冷静さを欠いた、さかしらな自己主張がのさばるこの業界。

 


・・・かと言って、これは統制しようがないんだから、この問題は最終的には個々のモラルにかかっている。

 


自分自身への「自戒」も込めて。

 



 


↑↑中国の伝説で、土から人間を作ったとされる神、伏羲(ふくぎ)と女媧(じょか)の図。

 


それぞれ曲尺(直角定規)とコンパスを手にしています。

 


・・・で、なぜ下半身が蛇なのか。

 

蛇は「カ」とも読み、蛇身(カミ)が神(カミ)の語源になった、なんて説もあります。

(この説は、民俗学の吉野裕子先生です。)

 


脱皮といい、とぐろ(螺旋)といい、「死と再生」、生命のシンボルとしての信仰対象なんですネ。

 


陰の蛇と陽の蛇が、曲尺とコンパスを持ち、螺旋を形作る・・・。

 


・・・うーむ。


↑↑セキルバーグの都市伝説で一躍有名になったフリーメイソンのシンボルマーク。これもコンパスと曲尺デスネ・・・。

 

ちなみに真ん中の「G」は神=God、幾何学=GeometryのGで、コンパスは真理、曲尺は道徳を意味するそうです。

 

そして、その2つがなす形はダビデの星・・・。

 

陰陽です。

 

うーむ、年明けから、妄想が止まらん・・・。(笑)

 

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「神」の字解き

2011.12.29

 

 


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こないだの「神主学説」の講義で、言い忘れたことがありました。(苦笑)

 

僕らは学校教員の先生方と違って、講義するのは年に数回です。

 

講義が決まると、それに向かって考えを整理したり、資料をまとめたりします。

 

そういう作業の中で、臨床家の立場、講師の立場から、

「あ、コレは伝えた方がいいな。」

とか、

「へえ~、これ面白いから、みんなに教えてあげよ!」

とか、色々と気付くことがあるワケです。

 

ただ、いかんせん、”年に数回”ですから、伝えようと思った情報のすべてを伝えきれない場合がよくあります。

 


2時間の講義の中に、あまり情報を詰め込むと、

「結局、煩雑すぎてよく分からんかった・・・。」

と言われることもあります。

 

今回の講義でも、伝えたいことはいくつもあって、その中に「神主学説(しんしゅがくせつ)」「神(しん)」という文字の意味についての話がありました。

 


・・・ところがコレ、すっかり忘れちゃってて、講義の中ではまったく触れませんでした。(爆)

 

なので、今触れます。

 


この字は、「ネ」・・・つまり、しめすへんに「申」です。

 

しめすへんは、神様にいけにえを捧げる祭壇(台)を意味します。

 

もともとは「示」と書きまして、これを「丁」と「ハ」と「一」に分解して考えますと、「丁」がいけにえを乗せる台、「一」はいけにえそのもの、「ハ」はいけにえから滴り落ちる血である、という考え方もあるそうです。

(コワイネ~ なにやらコワイネ~)

 


「申」は、稲妻が蛇行しながら光って落ちる様子を示しているそうです。

 

古代では、稲妻と稲光と、その時に出るあの轟音いうのは、神の怒りの咆哮である、という考え方もあったようです。

 


つまり、「神」という文字は、もともとは超越的で霊妙な自然界の意思と、それを畏敬する人間とを表わした文字だ、ということです。

 


『黄帝内経(こうていだいけい)』の中では、この「神」のことを、”陰陽では測れないモノ”としています。

 

(『素問』天元紀大論篇(66)「陰陽不測謂之神.」)

 


つまり、人知を超えたモノ、という位置づけなんですネ、もともとが。

 

それが、東洋医学の世界では、色々な意味に用いられているわけであります。

カテゴリ「心」「心包」 参照

 


興味深いことですネ。

 

また、「心(こころ)」も、「神(かみ)」も、「鍼(はり)」も、み~んな、「シン」と読みますね・・・。

 

・・・これまた、単なる偶然とも思えず、興味深いことですネ。

 

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「気」が動く感覚

2011.12.09

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「気」を動かし、人体の「陰陽」のバランスを整えて、結果的に「治る力」を最大限引き出し、病気を治したり、病気を予防する東洋医学。

この「陰陽」の境界線をどこに引くか、それをどう動かすかが問題であることは、先日述べました。


そこで今日は、「気が動く感覚」というものについて考えてみたいと思います。


「鍼灸によって気が動いた感覚」これは、”正しい鍼灸治療”を受けた人にしか分からない感覚かもしれません。

 

 

これは、清明院の多くの患者さんが、清明院HP内、「患者さんの声」に書いて下さっているように、大体は、実に気持ち良いものです。

 

「昔鍼灸をやったことがあるけど、とにかく痛かったし熱かったし恐かったし、症状は楽になんないし、何の説明もないし、トラウマです。」


という人は、”正しい鍼を受けた”とは言えないでしょう。

 

(苦笑・・・まあこれもある意味で、「マイナスの方向に気が動いた」とも言えますが。)

 

”正しい鍼灸治療によって、陰陽バランスが整う方向に気が動く感覚”というものの感じ方は、人によって違います。

 

人によっては、

「体が温まる感じで、とにかく気持ちいい!」

とか、

「心、気持ちがリラックスする感じ。」

とか、

「一時的に痛みやしびれが出ることがあるけど、それが治まると症状がスッキリする感じ。」

とか、

「トイレに行きたくなる感じ。」

とか、

「睡眠が足りてても、鍼した瞬間、猛烈に眠くなる感じ。」

などなど、とにかく人によって全然違います。

 

中には、症状や脈や舌、その他東洋医学的な所見は明らかに良性に変化していても、鍼をしている最中は、

「いや別に、特に何も感じませんでした。」

 

「症状も全く変わりませんでした。」

と仰る人もいます。(笑)

 

熱いお風呂が好きな人もいれば、ぬるいお風呂が好きな人もいるように、「感覚」というのは非常に個人差があり、個性があります。

 


「気が動く感覚」も、例外ではないのです。

 


過敏から鈍感まで、人それぞれ、千差万別です。

 

まあ、子供や動物に鍼をすると、彼らは基本的には大人よりも、人間よりも敏感であり、シャープに気が動きますので、反応が興味深いです。


よく言われることとして、

「鍼って、そういう敏感な体質の人じゃないと効かないんじゃないですか??」

という話がありますが、コレはそんなことないと思います。

 


敏感であろうが鈍感であろうが、気が動き、陰陽バランスが整えば、おのずと「治る力」は引き出され、よくなるものと、僕は思っています。

 

ただ、「そのことを術者自身が正確に把握できれば」の話ですがネ。

 

これはつまり、「気を”動かした側の”感覚」の問題です。

 

ここにもまた個人差があり、しかも様々なガイドライン(流派による違い)があります。

 

 

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表裏内外(ひょうりないがい)

2011.12.06

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「気」を動かし、人体の「陰陽」のバランスを整えて、大自然、大宇宙の「陰陽の動き」にマッチした、健康な体、病気にならない体になろうぜ、というのが、東洋医学の眼目。

 

 

理論的立て付け。

 

・・・で、治療する上では、病の「陰陽」を、人体の「何と何」に設定するかが問題。

 


そこには、無数の物差しがある。

 

しかも、その組み合わせもある。

 


だから診断パターンは無限。

 

方法論も無限。

 

この医学は

 

”陰陽バランスの調和をはかる”

 

という「治療戦略」そのものは数千年前に確立、完成されているけど、「治療戦”術”」についてはまだまだいくらでも進化可能。

 


・・・と、いつか先輩から教わった。

 



 

表裏の境界線。

 

内外の境界線。

 

病が裏へ、内へ行かないようにひたすら工夫。

 


病がなんとか表へ、外へ赴くようにひたすら工夫。

 

上下左右前後、寒熱虚実、臓腑、正邪のバランス調整を駆使しながら。

 


でも、浮かすだけじゃ不十分だったりもする。

 


あえてピントをぼかした戦術に出た方がいい時もある。

 

いちいち枝葉に構えてちゃ、キリがなかったりもする。

 

・・・そういう意味で、「枝葉に構わず」の夢分流はやっぱすごい。

 


カッコイイ。

 

「ザコはどいてろ」方式だ。

 

(by『スラムダンク』水戸洋平(笑)

 

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夢見がちな人生

2011.10.21


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いつも通り、患者さんの脈を診る。

(さらに…)

暖房が難しい

2011.10.20


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昨日あたりから、いよいよ寒くなって来ました。

(さらに…)

ととのえ方

2011.10.18

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以前、東洋医学の言う「メンケン」というものについて書いた。

「メンケン」って何ですか? 参照

仮に、コレが出てしまったって、正しい治療が出来ているなら、何の問題もない。

しかし、治療後に、たとえ一時的にしろ、不快な症状が出るのは、患者さんを不安にするし、よくないといえばよくない。

・・・というか、メンケンなしでよくなるに越したことはない。

いつも言うように、東洋医学は、「気」を動かし、人体の「陰陽」のバランスを整え、患者さんの「治る力」を最大限引き出そうとする医学。

で、その「陰陽バランスの崩れの中心」を明らかにするために欠かせないのが、詳細かつ精密な「体表観察」であり、「問診」

それに基づいて治療を進めていくのが「弁証論治」

・・・ですので、治療後に不快な症状が一時的に出たとしても、治療直後では脈、舌などの東洋医学的な所見が好転していることが確認できていれば、

 

特に慌てる必要はない。

しかしながら、極力「メンケン」を出さないように、患者さんが一時でも「不快」ではなく、常に「快」という感覚に包まれながら治癒まで導く、

ということが出来た方が、「より」いいハズ。

そこで要求されるのが、陰陽のバランスを整えるんだけど、その「整え方」を上手にやること。

なんでも、強引にグイッと整えるのがいいとは限らない。

場合によっては優しく、微妙に、そ~っと整えていかないとうまくいかないこともある。

あるいは、いったんあえて崩した方が、結果的に早く整う場合もあるかもしれない。

シーソーみたいな、ヤジロベエみたいな感じ。

上手い先生ほど、ここら辺のさじ加減が絶妙。

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「勢い」と「慎重さ」

2011.10.07


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何か事がうまくいき出すと、決まって人は「波に乗る」、「調子に乗る」。

このままどんどん、何もかもがうまく運ぶような気がして。

(さらに…)

(社)北辰会関東支部9月定例会

2011.09.26


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昨日、9月25日の日曜日は、代々木オリンピックセンターで行われた、(社)北辰会関東支部、定例勉強会に参加してきました!!

こないだこのブログで告知したように、今回ワタクシ、朝10時からお昼休みをはさんで14時45分まで、臨床コースの方で、

「問診・カルテ取り実技」

という講義を担当させていただきました。

「問診」実技訓練!?  参照

これは、10人程度の班に分かれて、一人のモデル患者さんを、みんなで問診しながら、北辰会専用カルテを記入していく、という講義で、

受講生の先生方が問診していく内容に関して、僕の方からアドバイスや注意点を指摘していく、という、これまでにない、初の試みの企画でした。

感想としては、僕自身、非常に勉強になったナー、という感じです。(笑)

また、受講生の先生方がどの辺が弱いか、東洋医学的に問診を進めていく作業の中で、どの辺でつまづくか、という重要な問題が、

非常に鮮明になったように思います。

モデル患者さん役の先生も、非常に赤裸々に(笑)、情報提供して下さり、みんな非常に勉強になったんじゃないかと思います。

そして3時からは今年行われた、代表理事、藤本蓮風先生による講義、

「太極陰陽論 常と変、転化の法則」

および、以前の研修会で行われた、

「鍼で人は悪化するか~悪化実験~」

の、DVD特別上映でした。

こちらも、関東支部としてはかなり久しぶりのビデオ講義でした。

DVD上映講義というのは、生の講義と違って、「臨場感」に欠ける、という欠点があります。

また、音声も、生の講義と比べると若干聞きとりにくい、という欠点もあります。

僕はこの2つの講義については、関西で生で受講しましたので、内容の素晴らしさは分かっているのですが、

DVD上映講義でどの程度伝わるものなのか、受講生の方々の感想を待ちたいと思います。

そして終わった後は酒・・・。(笑)

充実の週末。

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