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こんばんは!樫部です。
本日は「息切れ」についてお話ししていきたいと思います。
呼吸が速くなり、息が十分入らないことを「息切れ」といいますが、
東洋医学的には「短気」といい、虚実の両面があります。
「短気」は「少気」とは厳密には異なり、区別します。
「少気」は、呼吸が短く静かな呼吸をして、「ハァハァ」大きな音が出ない特徴があり、虚証でみられます。
この場合は、息をしても吸い足りない感覚があり、酸素不足によって息切れが起こります。
短気の弁証分類は、主に4つあります。
1.痰飲中阻
体質的に湿痰を溜め込みやすかったり、飲食不節によって湿痰を生じると、気機の昇降が阻害されて発症します。
息切れに随伴して、脘腹脹満、咳が出て痰が出る、吐気といった症状がみられます。
2.気滞血瘀
七情の問題から肝鬱気滞を起こすと、気機の昇降が阻害されて発症します。
胸悶や脇肋の脹満、善太息がみられます。
また、情緒が激しく変動することにより、症状が増悪する特徴があります。
症状が重くなってくると、胸痛や背部痛も起こってきます。
3.心脾両虚
心と脾が弱ってくると、気血が虚して心脈が満たすことが出来ず、発症します。
この場合、気力の低下、不眠多夢、自汗といった症状を伴います。
4.脾腎両虚
脾腎ともに弱ると、納気が出来ずに発症します。
この場合の息切れは、音の静かで弱い特徴があります。
また、体重が減少し、畏寒、四肢厥冷、軟便または下痢がみられます。
短気については以上になります。
次回は少気の弁証分類について、お話していきたいと思います。
つづく
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
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こんばんは!樫部です。
本日は前回の続きで、心悸の弁証分類について、お話ししていきます。
前回のお話はこちら!
5.心胆気虚
主に突然驚いたり、恐怖する刺激により生じます。
特徴としては、些細なことにも驚いたり恐怖して動悸し、眠りが浅く、多夢となります。
6.心血瘀阻
心気虚、心血虚によって心の運血機能が低下すると瘀血が形成され、心脈を阻塞することによって生じます。
この場合、心悸に加えて、刺すような心痛、胸悶感を伴います。
また、顔面や口唇は青紫色、四肢の冷え、舌質暗紫や瘀斑がみられます。
7.痰火擾心
肝鬱化火、六淫の内鬱化火、辛辣物の過食、温補薬の過服などにより、痰火が発生し、心を阻塞するために生じます。
この場合の動悸は、イライラしたり焦ると出やすく、
その他にも、胸悶、煩燥、不眠、口苦、口渇、喀痰といった症状がみられます。
8.水気凌心
この場合は2つのパターンがありまして、
パターンその1は、心陽虚に脾肺気虚が合わさって飲邪を生じることで引き起こされます。
この場合、心悸は動くと増悪する特徴があり、
その他に全身倦怠感、息切れ、頭のふらつき、眩暈、咳嗽、食欲低下、二便の異常、希薄な痰がみられます。
パターンその2は、心陽虚に腎陽虚が合わさり、下焦の寒湿が上泛して、心悸が引き起こされます。
心悸に加えて、全身の倦怠感、尿量減少、足腰の冷えと酸痛、浮腫がみられます。
9.心脾両虚
思慮過度、飲食不節などによって、心気虚、脾の運化不足により、気を心に運べず心気不足が起こり、引き起こされます。
この場合、運動により増悪しやすく、
健忘、食欲低下、倦怠無力感、自汗といった症状もみられます。
心悸についてのお話は以上です。
次回は「息切れ」について、お話ししていきたいと思います。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
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