東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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交差点の身体設計

2025.09.11

 

 

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こんばんは、三鬼です。

 

 

 

 

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 

 

今夜は、毎日の街角で目にする“信号の切り替え”を、からだの中の切り替えに重ねて眺めてみます。

 

 

 

色と時間のわずかな配分を整えるだけで、呼吸も消化も眠りも、驚くほど静かに流れを取り戻す。

 

 

 

その設計図を、交差点から読み解きます。

 

 

 

 “全部青”の一日から抜け出す

 

予定が詰まるほど、私たちは無意識に“一日じゅう青信号”で走らせがちです。

 

 

けれど街は賢く、歩行者と車の流れを時間で分け、色で順序を守らせ、渋滞を抑えています。

 

 

この小さな交通工学は、そのまま東洋医学の「気機(昇・降・出・入)」に移し替えられます。

 

 

今回は交差点という日常の風景から、切り替えの作法を身体に移植してみましょう。

 

 

忙しい一日のどこに“赤”を挟み、どこで“黄”を延ばすか―

 

 

それを決めるだけで、からだの渋滞は驚くほど静かにほどけていきます。

 

 

 

三色+白黒で読む五行

 

信号の三色は、五行の働きをわかりやすく視覚化した図式です。

 

 

進めと背中を押す緑は木に配当され、肝の疏泄に似ています。

 

 

段取りが整えば気は前へ進みますが、行き過ぎれば考えが先走り、肩が張り、ため息が増える―

―いわゆる気滞の景色です。

 

 

行くか止まるかを見極める黄は土で、脾の運化と判断に重なります。

 

 

噛む、温める、少し立つといった小さな「黄の時間」を削るほど、食後の重さやむくみといった湿が体内に滞りやすくなります。

 

 

立ち止まり視野を戻す赤は火で、心が「明らかにして統べる」瞬間です。

 

 

赤を無視する日々は、浅い眠りや動悸、散る集中として現れます。

 

 

 

さらに、白いゼブララインは金に相当し、肺が境界を整えて内外の気を出し入れする働きに重なります。

 

 

背景の黒は水、夜と静けさをたたえる腎の倉庫です。

 

 

ここに気を納める力が弱るほど、翌日の制御は甘くなります。

 

 

三色に白黒が添えられて初めて、交差点という小さな盤面に五行の働きがひっそりと揃うのです。

 

 

 

渋滞が生まれるとき

 

身体の中の“交差点”にも、街とよく似た渋滞のパターンが見られます。

 

 

すべてを同時に青にする日々は、会議と通知と思考が一斉に流れ込み、のぼせやイライラ、頭痛といった肝火の気配を立ち上がらせます。

 

 

ここには、意図的に赤を挿し込む勇気が要ります。

 

 

黄の時間がほとんどない生活は、早食いやながら食い、就寝直前のスクロールに象徴され、食後の眠気、重だるさ、むくみとして現れます。

 

 

赤が抜け落ちると、就寝直前まで刺激が続き、心神は落ち着きを失い、腎の納気も弱って浅い眠りと朝のだるさを招きます。

 

 

常に点滅に備えるような過警戒は、肩首のこわばりと浅い呼吸を生み、肺の宣発が鈍って“外へ出す力”が痩せていきます。

 

 

結局のところ、いずれも色の配分と切り替えのタイミングの乱れなのです。

 

 

 

一日の設計:サイクル、スプリット、オフセット

 

交通工学は三つの設計概念を教えてくれます。

 

 

まずサイクル――一回の切り替え長です。

 

 

朝・昼・夜という大枠のなかで、朝には緑を長く与え、短い散歩や肩甲帯の大きな回旋で肝の疏泄を起動します。

 

 

昼は黄を確保し、温かい汁物を一杯、よく噛み、食後は五分だけ立って降ろす力を助けます。

 

 

夜は赤から黒へゆっくり滑り込む時間を長く取り、画面を早めに閉じ、照明を一段落とし、吐く息を長めにして心腎の連携を回復します。

 

 

 

次にスプリット――三色の配分比です。

 

 

たとえば仕事の四十五分は緑に集中し、三分は黄で判断を挟み、二分は赤で目を閉じて全体を見渡す。

 

 

細部の比率を決めるだけで、午前の流れは驚くほど静かに進みます。

 

 

最後にオフセット――交差点間のずらしです。

 

 

会議の終了を五分前倒しするだけで、次の交差点まで“歩行者の時間”が生まれ、むくみも遅延も焦りも減っていきます。

 

 

色の比率とタイミング、そして余白。

 

 

この三点が揃うと、街の流れが解けるように、体内の渋滞も自然と薄れていきます。

 

 

 

 

身体に信号機を設置する

 

身体そのものに小さな信号機を設置する感覚は、日々の助けになります。

 

 

鎖骨の下を外へ撫で広げて胸の輪郭を描くように息を吐くと、肺の白が立ち上がり“出す力”が戻ります。

 

 

みぞおちから臍へ縦にやさしく撫で下ろすと、脾の黄が延びて降ろす動線が滑らかになります。

 

 

肝の緑は、期門のあたりを呼気に合わせてふわりと緩めるだけでも、推進の渋滞がほどけていきます。

 

 

心の赤は、掌の中心・労宮に片手を重ねて静かに呼吸することで視野が戻り、腎の黒は、かかとに重心を落として足裏で床を感じていると、気が自然と下に帰っていきます。

 

 

特別な道具も場所もいりません。

 

 

信号の切り替えに合わせるように、いつでもどこでも行える“小さな運転管理”です。

 

 

 

九十秒の再同期

 

信号一回分――九十秒だけ、再同期の儀式を持ってみましょう。

 

 

椅子に座ったまま、まず足裏を床に貼り付けるように意識し、腎の黒を作ります。つぎに口をすぼめ、吸う一に対して吐く二の比で六呼吸ほど繰り返すと、肺の白が起ち、余分な熱と雑音が静かに外へ出ていきます。

 

 

最後にみぞおちから臍へ縦にやさしく撫で下ろし、腹部の降りる感覚を確かめます。耳を全体的につまんで軽く回すと、肝と心の回路がすっと明るくなります。

 

 

会議の前、移動の前、画面を閉じる前―

―この短い手順だけで、色の最小単位が整います。

 

 

 

 

「歩車分離」という安心設計

 

高度な交差点は、歩行者と車の動きを時間で分離します。

 

 

身体でも同じことが言えます。

 

 

刺激(会話・画面・運動)と回復(沈黙・温め・呼吸)を同時に流さない。

 

 

たとえば入浴中は通知をオフにし、食事中は画面を見ない。

 

 

夜の一時間は意識的に“赤から黒へ”の通路を空け、翌日の緑を無理なく長くする。

 

 

分離の設計こそ、疲れの素を“事故”にしない最大の保険です。

 

 

 

 

いま、どの色を点けるか

 

東洋医学は、症状を「一台の故障」としてではなく、全体の同期の乱れとして見ます。

 

 

今日、あなたの交差点は、どの色が長すぎ、どの色が足りないでしょうか。

 

 

スプリットを1パーセントだけ再配分してみてください。

 

 

人流がすっと解ける街角のように、からだの渋滞も、静かに消えていきます。

 

 

 

明日のあなたの一日は、きっと少ない力で、より遠くまで進みます。

 

 

 

【参考文献】

高思華・王鍵(主編)『中医基礎理論』人民衛生出版社、2016年。 

呉勉華・王新月(主編)『中医内科学』(全国高等中医薬院校規画教材・第9版)中国中医薬出版社、2012年。 

公益社団法人東洋療法学校協会(編)『新版 東洋医学概論』医道の日本社、2023年。 

 
 
 

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