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こんばんは!樫部です。
本日は前回の続きで、問寒熱のポイントについて、お話ししていきたいと思います。
前回のお話しはこちら!
悪寒発熱があれば表証の可能性が高くなり、無ければ裏証の可能性が出てきます。
表証とは、つまり太陽病、衛分証、上焦証のことを指します。
表証の場合は、悪寒発熱の所見が重要となってきますが、その他の症状についても聞いていくことで、より表証の弁証を確定することに繋がり、舌脈所見と刷り合わせることで確定させていきます。
頭痛や身体痛は、邪が体表部位の経絡に鬱滞して、気血の運行を妨げることによって起きます。
また、肺は皮毛を主り、鼻は肺の竅である為、邪気が皮毛や口鼻から侵入すると、肺の宣発粛降機能が失調してしまい、鼻閉、鼻汁、咳嗽が起こりやすくなります。
舌については、邪が体内に深く侵入していないと舌苔の変化は顕著に現れないものの、風寒表証では普段よりも舌が潤い、風熱表証では舌尖や舌辺が紅くなるといった特徴がみられます。
脈は、外邪が表を襲うと正気が抗争する為、脈気が外に向かって流れる為、一般的には浮脈となります。
表証の場合は、必ず悪寒か発熱のいずれか、または両方同時に存在します。
まずは表寒証なのか、表熱証なのかを身体症状を確認することで区別を明らかにしていきます。
悪寒が重く、発熱が軽いということであれば、表寒証、
発熱が重く、悪寒が軽いということであれば、表熱証であるといえます。
表寒証と表熱証の違いをまとめると、次の通りです。
無汗、口渇なし、苔薄白、舌質は不変とされるが普段よりも湿潤、脈浮緊
無汗または有汗、軽度の口渇、舌尖・舌辺が紅い、脈浮数
他に、畏寒はあるが発熱しないものは但寒不熱で寒、発熱のみで悪寒がしないものは寒熱往来といいます。
また、不定期な発作に加えて胸脇苦満、口苦、咽乾、食欲減退、脈弦がみられる場合は、少陽病の半表半裏証の可能性があります。
問寒熱についてのお話は以上です。
次回は「飲食と味覚」について、お話していきたいと思います。
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
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こんばんは!樫部です。
本日は「問寒熱」について、お話ししていきたいと思います。
前回のお話はこちら!
寒熱の「寒」は悪寒のこと、「熱」は発熱のことを指していますが、
それらの有無を質問することを問寒熱といいます。
悪寒発熱がないのは裏証か内傷雑病で、悪寒発熱があれば表証の可能性が高くなります。
悪寒と発熱が引き起こされるのに、病邪の性質、正気と邪気の抗争具合(邪正抗争)の両方が関与します。
一般的には、邪気の性質という観点からみると、寒邪は悪寒を引き起こし、熱邪は悪熱を引き起こします。
陰陽の失調という観点からみると、邪正抗争が激しく、陽が盛ん(実熱)となれば発熱し、陰が盛ん(実寒)であれば悪寒がみられます。
また、陽気が不足(虚寒)すると悪寒し、陰気が不足(虚熱)すると発熱します。
問寒熱では、悪寒発熱の出現時間、程度とその特徴、兼証についても質問していきます。
では、悪寒とはどういった状態をさすのでしょうか?
悪寒は、寒く感じて、暖かくしても寒気が取れない感覚のことをいい、風に当たらなくても寒気を感じます。
寒邪により肌表の陽気が収斂して、衛気が肌表に行き渡らないと、正常に温煦作用を得られずに起きます。
これは、陰盛(実寒)、陽気不足(虚寒)でみられます。
その他に、暖めると寒さが緩解するのは畏寒、風に当たると寒気を感じて嫌悪感を抱くのは悪風、激しい寒気と震えを伴うのは寒戦といいます。
次に、発熱・身熱についてです。
発熱・身熱とは、体温が正常時よりも上昇する、全身もしくは身体の一部に発熱を自覚することをいいます。
暑がって暑さに対して強い嫌悪感を抱く悪熱もあります。
陰虚(陰気不足)、陽盛(実熱)には、熱象の症状(発熱、悪熱、煩熱、潮熱がみられ、一般的に悪寒はみられない)が現れます。
外邪が肌表を襲った場合、肌表を守る衛気が邪気と抗争することで熱を発して発熱がみられます。
つづく
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
『症状による中医診断と治療 下』
神戸中医学研究会、燎原書店
『基礎中医学』
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