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「牛車腎気丸」という薬

2019.04.04

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こないだ、とあるドクターと話していて、「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」という有名な漢方薬の話になった。

 

 

慢性腰痛や耳鳴りの患者さんなんかで、これを処方されている患者さんを、たまに見かける。

 

 

効果のほどを問うと、多くの患者さんは

 

「・・・うーん、うん。。。」

 

て感じの回答が多い。(苦笑)

 

 

・・・何で、こんなことになってしまっているのか。

 

 

少し考えてみたいと思います。

 

 

この薬の出典は、南宋の医家である厳用和(げんようわ)先生が1253年に書いた『済生方』です。

 

 

『済生方』は、厳用和先生の30年以上の臨床経験と学問に基づいて、それまで無数にあり過ぎて、ある意味で医家を混乱させていた、数万もの方剤群を、

 

500程度にスッキリとまとめて下さった、ありがたい本で、中国はもちろん、日本でも珍重され、現代にまで伝わっている書だそうです。

 

 

牛車腎気丸以外にも、現代のうつ病などによく使われる帰脾湯加味帰脾湯など、『済生方』の処方は現代でも応用され続けています。

 

 

牛車腎気丸は、陽気を補い温める作用を持つ「補陽剤」のグループで、あの『金匱要略』に出てくる八味地黄丸の中の桂枝肉桂に変更し、

 

さらに牛膝車前子を加えたものであり、八味地黄丸からさらに、腎を補う作用と、水を捌く力を強めてあるもの、と言えますね。

 

 

ということは、「腎陽虚>下焦の水湿邪」、という診断がつかないのに、使ったらマズい、ということになる。

 

 

腎陽虚とは言っても、八味地黄丸と、牛車腎気丸と、中国明代、張景岳右帰飲、右帰丸あたり、ここを四診(望聞問切)から判断した上で、

 

適切に使い分けているドクターが、どれくらいいるだろうか・・・。

 

 

ネット上を少し見ただけでも、牛車腎気丸のエビデンスレポートはいくつもあるようだが、東洋医学の発想で創方された薬を出すなら、東洋医学的な診断に基づいて、

 

しかも一定期間はそれのみで、使って頂きたいと思うのは僕だけだろうか。。。

 

 

西洋医学的な病名に基づき、他の西洋薬とともに漢方薬を出す、これでは何が何だか、じゃないでしょうか・・・?

 

 

 

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