東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「腎」って何ですか?(その4)

2010.12.18

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これまでのお話・・・


「腎(じん)」ってなんですか?(その1)

「腎」って何ですか?(その2)
「腎」って何ですか?(その3)

まだまだいきます!

 

☆「腎の臓」の形と位置(その3)


前回までは、「腎の臓」が存在する”位置”に焦点を当てて、お話してきました。

 


今回は”カタチ”に焦点を当ててみたいと思います。

 


また画像を出しますと、

腎(類経図翼)

↑・・・コレなんですが、「腎の臓」、何やら、「マメ」に似ていますねえ?

 


西洋医学の言う「腎臓=kidney」も、解剖学の本なんかを見ますと、

「ソラ豆のような形をしていて云々・・・」

と、出てきます。

 


ここから今日は、東西の医学の言う「腎」の概念の違いが一つ、見て取れますので、紹介します。

 


豆と言えば、みんな食べたことのあるものとして、大豆、小豆、エンドウマメなんかがおなじみですね?

 


この中でも大豆は、「畑のお肉」と言われるぐらい、たんぱく質を豊富に含んでいて、健康食品としてたまに取り上げられるほどです。

 


これらの栄養学的な詳しい解説はなんぼでも優良サイトがありますので避けますが、漢方の生薬としても、

黒豆(こくず)、

赤小豆(せきしょうず)、

あるいは黒豆を加工して

香豉(こうし)

などなど、と言って、古くから豆は重用されてきたようです。

 

また、薬膳の分野では、これら豆類の「食品としての」作用として、大体共通しているのは、

”利水(りすい)”

という、水分代謝を良くする作用が説かれています。

 


水分代謝というのは要は”お水の巡り”のことですから、これがうまくいかないと浮腫み、冷え、ダルさなどなどの原因になります。

 


そして水分代謝とくれば、当然、おしっこが大事です。

どうしてムクむの?
どうしてムクむの?(その2) 参照

 

この、おしっこをしっかりと出す働きに大きく関わるのが「腎の臓」であるため、豆類は、腎の働きの一部を助けてくれる、とも解釈できます。

 


僕も普段の臨床で、東洋医学的に、「腎の臓」が弱っていて、水分代謝がうまくいってない、と判断した患者さんに対して、

「豆類を積極的に摂るといいですよ。」

とご提案させていただくことがあります。

 

これ+鍼することにより、徐々におしっこの出がよくなり、浮腫みがひいてきたりすることはよくあります。

 


・・・しかし、西洋医学的に、腎炎や腎透析などで、慢性的な「腎臓=kidney」の機能不全になってしまっている患者さんには、
あまり積極的な「たんぱく質」の過剰摂取は、

 

腎臓に過剰な負担をかけるため禁忌ですので、お勧めしません。

 

(ただ、最低限のたんぱく質は必要だから、積極的ではなくても、植物性の良質なたんぱく質を少しはとった方がいいらしいのですが。)

 


これを一つ考えても、東洋医学の言う「腎の臓」と、西洋医学の言う「腎臓=kidney」は違う、ということがお分かりになるかと思います。

 


・・・まあつまりは、

病院で腎臓病と言われた=東洋医学的にも”腎の臓の病”

とはならないよ、ということでございます。

 

 

次回に続く

 

 

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