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こんばんは 謝敷です
強い日差しに蝉の声、やや疲れはじめた濃い緑の葉が作る木陰が揺れるのを見ると、
「終戦」という文字が浮かぶのは、日本人独特の性でしょうか。
平和な社会に生かされていることに感謝しながら、自身の目標や人生について考えさせられる思いがします。
さて、本当は1回で終わらせるはずの雑談でしたが、意外と長くなってしまったので、本日までお付き合い頂きます。
本日は「論文を出すこと」についてです。
論文は、研究分野によってもジャーナルだけではなく、書き方や形式が異なりますが、
ここでは、医学系の論文をメインにお話したいと思います。
例えば、私が初めて投稿した論文(こちら)は、
東洋医学における歯痕舌という舌の所見と血圧との関連を検討したものですが、
これは、大学で実施している地域健診のデータをもとに分析を行いました。
解析・文章化
統計ソフトを用いて、歯痕舌の有無と血圧値、それに関係する因子を含めて関連を検討し、
背景目的、研究方法、結果、考察等々を文章化していきます。
解析と言っても、仮説とおりに結果が出ないことも沢山ありますし、結果が出ても、適切な統計手法で検討されているか、
解析結果から、どのようなことが言えるか(結果をどう解釈するか)など、
どのように表現すべきか(言い過ぎていないか等)、文章化に至るまでに、教室内で沢山議論を重ねます。
英文校正・共著者確認
教室内でOK!となったら、英語話者ではないため、英文が適切であるか等の確認をするため、英文校正の会社に確認を依頼します。
英文校正も終了した原稿は、共著者に内容を再度確認していただきます。
共著者とは、この論文が完成する様々な過程でご協力いただいた先生方となります。
私の場合は、地域健診に、循環器に関する研究項目を組み込む研究デザインそのものを作ってくださった先生方や
運営上指揮をとってくださった先生方、統計指導や、循環器系のアドバイスを下さった先生方等、10名の先生にお入り頂きました。
これら全ての共著の先生方に内容をご確認頂き、コメントがあれば、その内容も含め再度議論し、修正し、最終原稿が出来上がります。
ジャーナルの選定
やっと論文ができた;;。とホッとしたのも束の間、ここからの道のりも意外と長いのです。
この論文テーマが合うと思われる雑誌(ジャーナル)を探し、そのジャーナルに提出します。
研究の世界にくるまで、「ジャーナル」と言ってもピンときませんでしたが、「Nature」等の雑誌はご存じの方も多いと思います。
Natureのように、世界中には様々なテーマを取り扱い、専門家や臨床家が学びを得るような雑誌が沢山あります。
そのような雑誌に、自分が書いた論文原稿を載せてもらう(採用)というのが、論文投稿のイメージです。
採用されるまでには、国籍・機関を問わず、その分野の専門の先生の審査を受けるため、「査読付きジャーナル」と呼ばれたりします。
投稿の際は、自分の研究手法やテーマが、ジャーナルの方針と一致しているか確認する必要があります。
私の場合は、高血圧患者さんを診る先生方に読んで頂きたかったので、循環器系の雑誌に投稿しました。
提出・審査
現在は、基本的にジャーナルの専用サイトに、論文原稿のソフトデータを提出します。
その際、ジャーナルによって、提出形式(全体の構成や参考文献の書き方、システムの仕様)が異なるため、
そのジャーナルの規定に合っているか確認を行います(この確認や修正も意外と面倒…)
提出後は、編集者がまず論文と自分たちのジャーナルの分野(目的等)が一致しているかを確認します。
IFの高いジャーナルでは、この時点で6-7割が優に落とされます。
コメント対応
編集者が、雑誌への掲載を検討しても良いと判断された論文は、その分野の専門の先生によって審査(査読)されます(Under review)。
1ヶ月程度の査読期間を経て、不採用(Reject)となるか、査読者からのコメントが来ます。
コメントが来たら、その指摘に回答するため、再度解析を行なったり、文章を編集します。
このコメント対応もなかなか苦戦し、回答レターだけで論文のページ数を超えることも多々あります。
掲載
このコメントにしっかりと対応できない場合は、またまた不採用となりますが、
コメントにもしっかりと対応できると、ついにジャーナル掲載(Accept)となり、
インターネット等で検索可能な論文となります。
Rejectとなった場合は、別のジャーナルに提出し直すことができます。
その際は、また論文の構成や参考文献の記載方法を、そのジャーナル用に修正し、
専用提出サイトに入力し直して、再トライ!!!!となります。
私の論文は、最初1社にRejectされ、2社目の米国高血圧学会のジャーナルに掲載頂きました。
5~10社以上のジャーナルにRejectされることもあるようで、なかなか産み落とせない、Never Give upの辛い期間でもあります笑
頑張って生み出した論文も、何万とある論文の1つにすぎませんが、
こうした小さな論文の積み重ねが、少しずつ医療の歩みを進めていく…
そう思うと怖くなることも、途方に暮れてしまいそうなこともありますが、
「鍼」を受けた時の体感や、これまでの私の身体の変化や経験が、
やはり、もっと鍼を医療の選択肢にしていかねばならない!というパッションを強固にしてくれます。
あまり研究や論文執筆が得意ではない私ですが、今後も、鍼が様々な疾患の、苦しい症状の治療において、
当然のように治療選択肢の一つになっていく未来を夢見て…もう少し頑張っていきたいと思います。
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