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一貫堂医学について 4 (解毒証体質について)

2018.09.12

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これまでのお話・・・

 

一貫堂医学について 1

一貫堂医学について 2

一貫堂医学について 3     参照

 

 

 

さて、今日は三大体質の3つ目、解毒証(げどくしょう)体質について掘り下げます。

 

(矢数先生・・・、このネーミング、”臓毒証”と紛らわしいんすけど。。。(苦笑))

 

 

一貫堂の言う解毒証体質とは、四物黄連解毒剤がフィットする体質のことを言うそうです。

 

黄連解毒湯”解毒”という言葉をとって”解毒証体質”と呼ぶことにしたんだそうです。)

 

 

「四物黄連解毒剤」とは、「四物湯」「黄連解毒湯」を合わせた薬のことで、現代日本の薬局等でも簡単に手に入る「温清飲」というお薬のことです。

 

 

簡単に言えば、黄連解毒湯は火熱を取る清熱材、四物湯は血を補う補血剤、この二つを組み合わせた薬が「温清飲」です。

 

 

・・・で、一貫堂医学の言う「解毒証体質」”毒”とは、第一に「結核性毒」のことを言うんだそうです。

 

 

ここで、普通の中医学を学んできた者にとっては

 

「へ?黄連解毒湯の毒が結核毒??なんのこっちゃ??」

 

となるのが普通だと思いますが、この時代の結核は、予防も治療も、非常に重要な病でした。

 

 

国民皆保険もなかった時代、歴代の有名な鍼灸家、漢方家の先生の中には、当時西洋医学が治せなかった結核を、鍼灸漢方で治してもらったのをきっかけに、

 

鍼灸医、漢方医になったという先生がたくさんおられるようです。

 

 

大正、昭和初期の時代の医師にとって、結核を如何に予防するか、なってしまったら如何に治すか、これが非常に大事なポイントだったんでしょうね。

 

『日本の結核流行と対策の100年』森亨     参照

 

 

そしてこの「解毒証体質」は、年齢によって3つの方剤を使い分けるようです。

 

 

すなわち、小児期は柴胡清肝散、青年期は荊芥連翹湯竜胆瀉肝湯を使い分ける、といった感じです。

 

 

まず柴胡清肝散ですが、これは各時代の書物によって微妙に生薬の配合が違うようですが、一貫堂では上記の温清飲桔梗、薄荷葉、牛蒡子、天花粉を加えたものだそうで、

 

要するに「肝経、胆経、三焦経の3つの経絡の風熱邪を叩く薬」なんだそうです。

 

 

これらの経絡が喉頭、頚部、耳周辺を流注することから、ここに熱を籠らせないようにし、扁桃炎、中耳炎を起こさせないようにすることが、

 

幼児期の結核を予防、治療する上で非常に重要と考えたのでしょう。

 

 

次に荊芥連翹湯ですが、これも柴胡清肝散の変法であります。

 

(構成生薬の詳細は、ちょっと複雑なのでここでは省略します。)

 

 

これは何を狙っているというと、解毒証体質の場合、小児期は扁桃炎や中耳炎を起こしやすいが、青年期になると蓄膿症を起こすようになると考え、

 

柴胡清肝散肝経、胆経、三焦経を狙っているのに対して、より「陽明経(顔面部)の風熱邪にターゲットを寄せている」のだそうです。

 

(要は上の横か、上の前か、です。)

 

 

最後に竜胆瀉肝湯ですが、これも歴代の医家によってそれぞれ生薬の配合が異なるようですが、一貫堂処方では、

 

「肝を瀉して水邪を捌き、肝を瀉す力を四物湯で少し緩めている方剤」

 

と、言うことが出来るようです。

 

 

解毒証体質者の場合、淋病や睾丸炎、外陰部の炎症など、下焦を病むことも多く、一貫堂処方の竜胆瀉肝湯は、その治療、予防のために長期服用も可能な体質改善薬であるそうです。

 

 

まあここまでを簡単にまとめれば、柴胡清肝散であれ、荊芥連翹湯であれ、竜胆瀉肝湯であれ、一貫堂が解毒証体質に用いる薬の大本は「温清飲」なわけです。

 

 

・・・で、「温清飲」は清熱解毒の「黄連解毒湯」+補血の「四物湯」です。

 

 

「黄連解毒湯」の初出は752年、王燾(おうとう 670?-755)が著した『外台秘要』「四物湯」の初出は1110年頃、北宋の国定処方集である『和剤局方』だそうです。

 

 

で、「温清飲」の初出は一貫堂医学について 2で紹介した『万病回春』(1587)です。

 

 

ということは、瘀血証体質通導散も、解毒証体質の諸薬の大本である温清飲も、出典は『万病回春』ということになります。

 

 

また、臓毒証体質防風通聖散も、『万病回春』の中には何カ所も出てきます。

 

 

森道伯先生も、江戸期の和田東郭原南陽と同じように、中国明代、龔廷賢の書物である『万病回春』をかなり読みこんでいたことが分かりますね。

 

 

多くの名医が読んだ『万病回春』、現代で東洋医学を行う者として、避けて通れないでしょう。

 

 

 

長くなったんで続く

 

 

 

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