東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「脾」って何ですか?(その3)

2010.06.17

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これまでのお話・・・

「脾」って何ですか?(その1)
「脾」って何ですか?(その2)

 

続いていきます。どんどんいきます。しつこいぐらいいきます(笑)。

 

 


☆脾の形態

 


前回、一般的によく言われる、「胃の蠕動運動」というものに対する、東洋医学的な解釈を書きました。

 


図を出さずに説明しましたので、なかなかイメージがつきにくかったと思います。

 


なので今日は、図を用いて説明しなおそうと思います。

 


まず、これが東洋医学のいう、「脾」の図です。
脾の臓(医宗金鑑)

・・・一瞬、「おいおい、ナメてんの?」と思うぐらい(笑)、単純な形態です。

 


これを原始的で稚拙だ、と評価するか、なぜこのような形態と考えたのかに興味を持つかが、大きな違いを生みますねえ・・。

 


ちなみに、上の図の出典である

『医宗金鑑(いそうきんかん)』

という書物は、清(しん)の時代に中国が国を挙げてまとめた、近世を代表する、”最後の漢方医学全書”とまで言われる、大変有名な本です。

 


そんな権威のある本に、適当なことが書いてあるはずない、なんか深い意味があるはず、と考える方が自然じゃないでしょうか?

 


このような図になる、というのは、何度も言っていますが、
東洋医学的に患者さんの症状、所見をよく観察した場合、このようなものが体内にあり、機能している、

 

と考えた方が妥当性が高いから、であります。

 

 


・・・まあともかく、前回書いたように、この、”刀のような”形をした脾が、胃を刺激する様をイメージしやすい、いい図があります。それがこれです。


脾胃(臓腑経絡詳解)

↑↑これは江戸時代、岡本一抱(1655-1716)が書いた『臓腑経絡詳解』の図です。

 

 

この図を見ますと、「胃の腑」に「脾の臓」がぴったりとくっついていることが分かります。

 


ちなみに、これで見ると「胃の腑」の形態は、西洋医学的な「胃=stomach」の図と大変よく似ています。面白いですねえ・・・。

 


いかに、”内臓を東洋医学的に考察する”場合に、その「写実性」が重視されていなかったかが、逆によく分かります。

(麻酔技術も精密な解剖技術、道具もない時代に、それを追求してもあまり意味がなかったんでしょう。)

 

 

また、この「脾の臓」の図を見て、「これは膵臓だ!」とか、「脾臓だ!」とか考えるのも、無理があるでしょう。

 


東洋医学の医師達が問題にしたのは実際に解剖してみての「写実性」ではなく、東洋哲学に立脚しながら、

「”機能”をいかに完璧に説明するか、そしてそれをいかに調えるか」

だった訳です。

 


この図のように、胃の腑にピタッと密着した「脾」が、胃の腑に飲食物が入ってきた時にU字型に変形し、”胃に巻きついて”、胃をぐりぐりと刺激する、という風に説明します。

 

 

それを理解するのにいい図はこちらです。

 

 

脾胃(竹山師匠)

 

 

↑↑こちらです。

 

 

いい感じで巻き付いてますでしょ??(笑)

 

 

これは韓国ドラマ「ホジュン」で有名な、ユネスコの世界記録遺産にもなった『東医宝鑑』の図です。

 

 

ドラマでも出てくるシーンですが、ホジュンの師匠が亡くなったあと、自分の体をホジュンに解剖させるシーンが出てきますから、ホジュンは脾胃に相当する部位を実際に見ているでしょう。

 

 

それでこの図を残したというのは興味深いですね。

 

ともかく、この脾胃の働きがいい人ほど、消化、吸収が速やかに、スムーズに、効率よく、なされます。

 


では、どういう人はこの働きがよくて、どういう人はこの働きが悪いんでしょう。

 


それはもちろん普段食べているものの影響もあるけど、ズバリ「運動量」「運動のやり方」によります。

 


特に手足を使った運動をあまりしない人は、この「脾」の働きがとても緩慢だ、と東洋医学は教えてくれています。

 


普段から手足を使う運動をある程度やっている人は、消化吸収がとてもスムーズですが、普段運動不足の人は、消化吸収が遅いし、体にいいものをとってもろくに吸収できません。

(まあコレについても、またあとで詳しく述べようと思います。)

 


また、「食べてすぐ寝ると牛になる」ということわざがありますが、あれはどうも日本人が重んじる”お行儀”の観点から言われるようになったらしく、

どちらかというと医学的、生理的な面から、というよりも、親や雇い主といった、上の立場の者が下の立場の者に言ったのが元々の由来だそうです。

 

参考サイト「ことわざ学習室」

 


確かに、食べたり飲んだりした直後というのは、「脾胃」が一生懸命お仕事中であり、気血が脾胃に集まっていますので、あまり動かない(仕事を邪魔しない)方がいい、と、僕も思います。

 


ただ、ある程度仕事が片付いたならば、積極的に手足を動かし、脾を鼓舞してあげるといいよ、ということです。

 


前回言ったように、現代の日本は、食事の欧米化による脾胃への過剰な負担に加えて、多忙によって食事時間も不規則で、しかもよく噛まずに早食い、

 

さらには交通手段の発達による運動不足も、脾胃に悪影響です。

 


実際に患者さんを診てても、特に若い人ほど、脾胃をいためている人が多いことに気付きます。

 


コレは実は、結構怖いことなんです。それについてもこのシリーズで徐々に明らかにしていこうと思っています。

 

 


次回に続く

 

 


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「脾」って何ですか?(その2)

2010.06.16

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前回のお話

「脾」って何ですか?(その1)

 

「脾」の解説を続けます。

 

☆「脾」と「胃」はセット

 


東洋医学の「脾」という臓が一番深く関わる臓腑は、何と言っても「胃」という”腑(ふ)”です。

 


よく東洋医学家の間では、この2者をまとめて、「脾胃(ひい)」と呼んで、生理学、病理学を考えます。

 


この「胃の腑」については、また後ほど細かく解説しようと思いますが、東洋医学ではこの両者を、

「概念」の上から、

「機能」の上から、

「形態」の上からも、

キチッと分類し、説明しています。

 


人間の生命維持に欠かせない、毎日のことである「摂食行動」というイベント時には、脾と胃、この両者が非常にうまく協調することによって消化、吸収というスムーズな営みを作ります。

 

つまり「脾」を理解し、治療するためには「胃」への理解も欠かせない、まさに脾胃は2つで1つ、ニコイチ!!という訳です。

 


・・・と言っても、今はまず「脾」の方から解説していきます。

 


まず、人間がものを食べる、あるいは飲む、という行為を行うと、飲食物は「胃の腑」に入ります。

(これはなんとなく、一般的にも理解しやすいですよね?)

 


すると、ここでまず働くのが「脾」です。

 


「脾の臓」というのは「胃の腑」に隣接し、密着している臓、と考えられています。

 


これが、(形態については次回説明しようと思っていますが)刀のような形になったり、馬の蹄鉄のようなU字型の形に変化したりして、

 

飲食物の入った胃の腑をグイグイと揉む、と考えます。

(まあコレが要は、西洋医学的に言う”胃の蠕動運動”ってやつの、東洋医学的解釈です。イメージしにくいかな?)

 


そして、このように脾が胃を刺激することによって、飲食物を、胃よりも下に存在する「小腸の腑」「大腸の腑」に送っていきます。

 


ただ、ここで当然考えなくてはならないのは、単純に入ってきた飲食物を下へ下へ送っていくだけでなく、体にとって必要なものを取り出さなくてはなりません。

 


それこそが「脾」の最も重要な働きなんです。

 


要するに脾は「胃の腑」に入ってきた飲食物から体にとって重要な栄養である「気血のもと」を取り出し、なおかつ速やかに大便、小便を作って、

 

無駄なものが体に溜まらないようにする、「消化、吸収の要」なんです。

 


だからこの「脾」が弱ると、実に様々な消化器症状を呈します。

 


腹痛、下痢、便秘、嘔吐、胃もたれなどなど、挙げていけばキリがありません。

 


そして、「脾」が弱れば、無駄なもの、要らないものが体の中に留まりやすくなりますので、浮腫みやだるさ等の原因にもなり、他の4つの臓にも大変悪影響です。

 

現代は、戦後の食べるものがない時代とは180度違いますので、食べ過ぎ、飲み過ぎ、あるいは食事の欧米化により「脾」を痛めている人がとても多いように思います。

 


パンとコーヒー、チョコレート、キャラメル、ファーストフード、コーラ、スプライト、ファミレスでの肉食などなど、これらはすべて、

 

過剰になると、こぞって「脾胃」をいじめます。

 


小さい頃から、こういう加工食品まみれの食生活をしている現代の子供が、中年になる頃には、一体どんな「脾胃」になっちゃうんでしょうか・・・。

 


うちの身内にもいるけど、現代の、あまりにも多いアレルギーベイビー、消化器疾患の増加の大きな一因に、これがあるような気がしてなりません。

 


やっぱ日本人は白メシとみそ汁、魚と群馬の山で採れた野菜です!(笑)

 


欧米風の食卓や考え方も「一見」オシャレでスタイリッシュでいいけども、自分がどこまでいっても日本人であることを忘れてはイカンよなー、と思います。

 

 


次回に続く

 

 

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