東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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口苦(こうく)とは

2023.05.02

 

 

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こんばんは!樫部です。
 
 
 
本日は「口苦(こうく)」について、お話していきたいと思います。
 
 
 
口苦とは、口腔内に苦味を自覚することをいいます。
 
 
 
『黄帝内経』では、「胆瘅(たんたん)」と呼ばれており、『素問・奇病論』に「病ありて口苦きは、……病名は胆瘅という。……これは人は、数(しばしば)謀慮して決せず、ゆえに胆の虚気は上溢して口はこれがために苦し」と述べられています。
 
 
 
ただし、厳密には口苦は症状であり、「胆瘅」は病名であるため、イコール同じものという訳ではなく、「胆瘅」の主要症状として口苦があげられます。
 
 
 
弁証分類は、主に2つです。
 
 
 
1.邪在少陽の口苦
 
2.肝胆鬱熱の口苦
 
 
 
いずれも、口苦に加えて、咽の乾燥、イライラ、目がくらむなどの症状がみられますが、病因病理は異なります。
 
 
 
まず、邪在少陽の口苦についてです。
 
 
 
傷寒太陽病が治癒せず、邪が少陽に伝入し、胆は少陽の腑であることから、胆熱が上蒸して口苦が発生します。
 
 
 
『針灸甲乙経・巻九』に「それ胆は、中精の腑。五臓は胆より取決し、咽はこの使たり。……胆気上溢して、口はこれがために苦し」と記載されている通りです。
 
 
 
この場合、口苦に加えて、寒熱往来、食欲不振、悪心、胸脇部が脹って苦しいなどの半表半裏証がみられることが特徴です
 
 
 
その他にも、尿は黄色で、舌苔薄白あるいは薄黄、脈浮弦で有力といった所見を呈します。
 
 
 
治法は、和解少陽を用います。
 
 
 
次に、肝胆鬱熱の口苦についてです。
 
 
 
情緒の抑うつ、五志過極などで化火して、肝胆の鬱火が生じて疏泄が失調してしまい、胆気が上溢して口苦が引き起こされます。
 
 
 
『雑病源流瘅燭・口歯唇舌病源流』には、「肝は胆に熱を移せばまた口苦く、内経の言う胆瘅これなり。注にいう、肝は謀を主り、胆は決を主る、あるいは謀りて決せず、これがために急怒すれば、すなわち気は上逆し、胆汁は上溢するゆえなり」と述べられています。
 
 
 
この場合、頭痛、目眩感、両脇の脹痛、顔面紅潮、目の充血、イライラ、易怒、舌質尖辺紅、舌苔薄黄あるいは黄膩、脈弦数などの肝火の症候がみられることが特徴です。
 
 
 
その他にも、口渇して水分を欲する特徴をもち、太息、尿が濃い、便が硬いといった症状もみられます。
 
 
 
治法は、清熱疏肝、解鬱を用います。
 
 
 
苦いという味は、胆の味であり、『黄帝内経 素問・四時気篇』に「胆液泄すればすなはち口苦し」、『黄帝内経 素問・邪気臓腑病形篇』には「胆病めば、善太息し、口苦く、宿汁嘔し、……」と記載があります。
 
 
 
胆汁の分泌は、肝の疏泄にも関連がありまして、『黄帝内経 素問・痿論』に「肝気熱すれば、すなわち胆泄し口苦く筋膜乾く、……」と述べられています。
 
 
 
 
【参考文献】
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論篇 』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践篇』
藤本蓮風 監修、(一社)北辰会 学術 編著、緑書房
 
『症状による中医診断と治療 上』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
『基礎中医学』
神戸中医学研究会、燎原書店
 
 
 
 
 

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