胸痛とは①

2023.10.31

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こんばんは！樫部です。

本日は「胸痛」について、お話していきたいと思います。

胸痛とは、胸部の疼痛を指しますが、臨床的には広汎な病態が含まれます。

胸痺、心痛、真心痛、厥心痛、痰飲、肺癰、肺癆および、急性熱性病などで胸痛が生じます。

この中でも胸痺、心痛などは胸痛が主症状です。

部位としては、胸は上焦に属し、心、肺の二臓が胸中にある為、胸痛は心肺の病変の一つです。

心の病証でよく発生することから、「胸痛」と「心痛」が同義で用いられることがあります。

胸下は上脘であり、胸と胃は隣接している為、歴代の医書では「心痛」と「胃脘痛」を混同して「心痛」と記載されていることが多いです。

たとえば、『千金要方』には9種の心痛(虫、注、気、悸、食、飲、冷、熱、去来心痛)は、主に胃脘痛のことを指しています。

以上のように、「胸痛」、「心痛」、「胃脘痛」は混同されやすく、実際、心痛は胸痛に含まれ、胸痛の一つの症状でもあります。

胃脘痛は、胸痛、心痛と混同してはならないことに関しては、『臨証指南医案・心痛』に「情況は一に似て、症は実に別あり……心痛と胃痛は各分せずして一門とするを得ず」と指摘されている通りです。

今回は、胸痛が主体であるものについて、お話していきたいと思います。

つづく

【参考文献】

『鍼灸臨床能力北辰会方式理論篇』

藤本蓮風監修、(一社）北辰会学術編著、緑書房

『鍼灸臨床能力北辰会方式実践篇』

藤本蓮風監修、(一社）北辰会学術編著、緑書房

『症状による中医診断と治療上』

神戸中医学研究会、燎原書店

『基礎中医学』

神戸中医学研究会、燎原書店

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