東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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第4回|脾と湿

2025.10.23

 

 

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こんばんは、三鬼です。

 

 

 

 

皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 

 

スマホを見ながら口だけで噛み、気づけば味も記憶も薄い

——そんな食事が続くと、午後に重だるさや眠気がまとわりつきます。

 

 

 

東洋医学で脾(ひ)は、食べ物を気血へと変える「台所長」。

 

 

 

そして不快の代表格が湿(しつ)

——重く、まとわりつき、流れを鈍らせる性質を持つ邪です。

 

 

 

今日は、“ながら”がなぜ湿を呼ぶのかを、生活の手触りからほどいていきます。

 

 

 

なぜ“ながら食べ”でからだが重くなるのか

 

 

 

1)火加減が上がらないから

 

 

脾は消化の火を司ります。

 

 

画面へ注意が吸い寄せられると、食べる動作は「ついで」になり、咀嚼(そしゃく)が浅くなります。

 

 

火にかけた鍋をかき混ぜず、材料が温まり切らない状態に似ています。

 

 

火加減が上がらなければ、食は材料のまま残り、湿として体内にとどまります。

 

 

これが、食後の頭のもや・体の重さ・集中の切れやすさにつながります。

 

 

 

2)“液体の甘さ”は湿に変わりやすいから

 

 

冷たくて甘い飲み物、吸うだけで入ってくるエナジー。

 

 

脾は温かい・よく噛めるものを好みますが、冷甘は火を弱め、余った甘さは湿に転じます。

 

 

しかも、画面の刺激は脳の「もっと」を煽り、“もう一口”のループを生みます。

 

 

火は弱いのに材料ばかり増える

——湿が溜まるのは自然な流れです。

 

 

 

3)区切りがないと、脾は段取りを失う

 

 

台所長の脾は段取りが得意。

 

 

けれども、始まりと終わりのない食事は段取りを曖昧にし、「今は消化、今は休息」という切り替えがぼやけます。

 

 

結果、食後もいつまでも体内で仕事が終わらない感じが続き、だるさとなって現れます。

 

 

 

どう整える? —— 脾が喜ぶ“食の儀式”

 

 

 

1)食卓をオフラインにする

 

 

スマートフォンは椅子の背もたれへ。

 

 

視界から去るだけで、咀嚼は深くなります。

 

 

見る・聞く・食べるを同時にせず、味わうことを一つに。

 

 

 

2)最初の一口は30回

 

 

最初の一口だけでいい。

 

 

30回噛むと、脾の火に「始めます」の合図が伝わります。

 

 

味が立ち上がり、少量でも満足感が生まれ、食べ方全体のテンポが落ち着きます。

 

 

 

3)“温甘”でやさしく補う

 

 

黒糖ひとかけ、温かい汁物、蒸した根菜

——温かく、噛める甘さは脾の味方。

 

 

反対に、冷甘・液糖はできるだけ昼間の最小限に。

 

 

 

4)噛める主役を置く

 

 

パンだけ、スープだけ、麺だけに偏らず、噛む要素を一品入れる(豆・全粒穀・根菜)。

 

 

噛む行為そのものが、脾にとっての励ましです。

 

 

 

5)食後の“立ち上がり5分”

 

 

食後すぐの深い集中や再スクロールは脾の仕事を混乱させます。

 

 

まずは立って片づける/外光を浴びるなど、軽い動きで切り替えを。

 

 

これが午後の眠気の最短ケアです。

 

 

 

一日の流れでみる、脾と湿のケア

 

 

・朝:白湯で台所の火を起こす。温かいものを少量でも。

 

・昼:噛める主食+温かい汁。食後は5分だけ立つ。

 

・夕:遅い時間の重食は避け、汁物で締める。

   寝る2〜3時間前には食事を終えると、夜の内側の仕事(修復)が妨げられません。

 

 

 

 

きょうからできる三つ

 

 

①最初の一口だけ30回噛む。

 

②スマートフォンは椅子の背へ(手が届かない位置に置く)。

 

③温かい汁物を一品足す。

 

 

脾が整うと、思考に余白が生まれます。

 

 

食べたものが自分の力へ変わっていく手応えは、心を安定させ、午後の景色を軽くします。

 

 

画面から目を離し、ひと口を味わう

——それだけで、からだの台所は静かに、着実に働きはじめます。

 

 

 

ごちそうさまでした。

 

 

 

 

【参考文献】

『黄帝内経 素問・霊枢』東洋学術出版社

『難経』東洋学術出版社

張仲景『傷寒論/金匱要略』東洋学術出版社

神戸中医学研究会 編『東洋医学概論』緑書房,2019年

神戸中医学研究会 編『中医診断学』緑書房,2020年

伊藤 剛・伊藤 裕『中医気血津液学』燎原,2014年

 
 
 

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