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こんばんは 謝敷です^^
これまでEBMの誕生から32年の変化、
現時点で重要とされているポイントをご紹介してきました。
3原則やら、3つの要素やら、5つのステップと、
色々な切り口をお伝えしたので、ここでは一度それらを整理して、
次週より鍼灸のエビデンスをご紹介したいと思います!
【EBMの3原則】
1990年にEBMの概念が生まれてから、
EBMは以下の3点を基本原則として発展しました。
1. エビデンス・ピラミッド
エビデンスの信頼度に順位付けを行う
2.複数のエビデンスを包括的に参照し検討すること
1つのエビデンスだけでなく複数のエビデンスを包括して検討する
3.患者さんの価値観を考慮すること
目の前の患者さんにとって適切かを検討する
【EBM実践の3要素】
基本原則を踏まえ、EBMを医療現場で実践していくには3点つの要素が重要であるとしています。
①利用可能な最善の科学的根拠
エビデンス・ピラミッドで信頼度の高いものを包括的に検証する
②臨床的な専門技術や経験
臨床現場で培われる技術や経験、知見を駆使する。
③患者さんの価値観や期待
患者さんの価値観や期待をくみ取り考慮する
【EBM実践の5つのステップ】
この3つの要素を具体的に行動に移すには5つのステップが提示されていました。
Step 1:疑問の定式化
臨床上の疑問を整理し、検討できる形にする
Step 2:情報収集
信頼度の高いエビデンスを収集する
Step 3:批判的吟味
収集したエビデンスを鵜呑みにせず、自分自身で検討する
Step 4:患者へ適用
目の前の患者さんに適用可能か、様々な要素を踏まえ検討する
Step 5:各ステップの評価
1~4のステップを踏んで行った診断や治療について、適時評価・検討を繰り返す
私の中でも、これらの項目が、未整理のまま認識されているところがあったので、
原著論文を読み返し、整理し直すことができました。
が、鍼灸のエビデンス紹介までかなりのお時間を頂きました。
いよいよ次週から、鍼灸のエビデンスを見ていきたいと思います!
<参考文献>
・Guyatt GH. Evidence-based medicine. ACP J Club. 1991;114:A–16.
・Djulbegovic B, Guyatt GH. Progress in evidence-based medicine: a quarter century on. Lancet. 2017 Jul 22;390(10092):415-423.
・Sackett DL. Evidence-based medicine. Semin Perinatol. 1997 Feb;21(1):3-5.
・(3要素の日本語訳)厚生労働省医政局研究開発振興課 片岡穣「厚生労働行政の立場からの提言」
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/forum/150308/pdf/03.pdf
・橋本淳. EBMの実践とEBH. J. Natl. Inst. Public Health. 2000; 49 (4): 320-328.
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こんばんは 謝敷です^^
前回はEBMを実践するうえで重要となる3つの要素を確認しました。
今回は、具体的にエビデンスを臨床現場で活用する方法として
5つのステップが示されていますので、そちらをご紹介したいと思います!
Step 1:疑問の定式化
臨床現場では、疑問がいっぱい湧いてきます。
この患者の病態は何か、どのような治療があるか、
最善な治療は?副作用は?費用は?予後は?
これら多種多様な疑問は、漠然としたままでは取り掛かることができません。
そこで、メインの疑問点に絞り、
「どんな患者さん(Patient)に、
どのような治療(Intervention)や原因(Exposure)があり、
その治療を実施した時や原因がない場合と比較して(Comparison)
どのような結果になるか(Outcome)、
といった、要素(PICOやPECOと言います)に分けて整理していきます。
その後、
Step 2:情報収集
として、PubMedといった医学文献のデータベースなどを活用して、検索し、情報を収集します。
膨大な文献から有用な妥当性の高い情報を効率的に得るため、
Cochrane Library やUpToDateといった二次的な情報源も整っています。
(詳細は鍼灸のエビデンス紹介の際に説明致します。)
Step 3:批判的吟味
論文内容を安易に活用するのではなく、
情報の信頼度や、結果の解釈について、検討を行います。
この研究は適切だったか、結果の解釈は妥当か等々…。
そのうえで、
Step 4:患者へ適用 として、
今、自分が担当する患者に有用なのか、効果のみではなく、
安全性や費用負担なども併せて検討し、診断や治療を選択、適用します。
そして最後に、実際の治療経過をとおして
Step 5:各ステップの評価 を都度、繰り返します。
論文では、EBMは”生涯にわたる自主的な学習プロセス“と記されています。
EBMと口にするのは簡単ですが、
この5つのステップを効率的かつ確実に実施していくには多様な能力が求められるのですね。
今週もありがとうございました!
<参考文献>
・Sackett DL. Evidence-based medicine. Semin Perinatol. 1997;21(1):3-5.
・橋本淳. EBMの実践とEBH. J. Natl. Inst. Public Health. 2000; 49 (4): 320-328.
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