東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 病因病理

再分析(病因病理について)

2010.07.16

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治療を長いことやっていると、これまではうまくいっていたのに、途中からうまくいかなくなり出すことがたまにあります。

 


みんなみんな、全てがストレートに治ったら、こんないいことはないんだけど、なかなかそうもいかないのが「病気」というものなんです。

 


・・・しかしこういう時、東洋医学をちゃんとやっている人なら、極めて冷静に対処できるはずです。

 


清明院では、初診の際、問診にて

「その患者さんのこれまでの病の歴史や体質」

を十二分に聞いた上で、それを東洋医学的に分析し、さらに「今、この瞬間」の脈や舌などの体表観察情報と合わせて、「証」を立てます。

「体表観察」について
「弁証論治」って何ですか?  参照

 

かなり細かく分析しますので、まず初診時に立てた「証」、つまり東洋医学的な診断(治療時点における病理状態)は極めて重要です。

 


しかし、治療が進むに従って、治療開始当初の「証」が、徐々に変動してくることがあります。

 


これもまあ当然と言えば当然なんです。

 


・・・だって「治療」してるんだから。

 


これを見逃して、いつまでも初診時に立てた「証」にこだわって、同じ治療を続けていると、場合によっては徐々に徐々に悪化していってしまう患者さんもいます。

 


そんな時、モノを言う(効いてくる)のが、初診の時に聞いた、

「これまでの病の歴史(既往歴)や、その患者さんの体質(体質素因)」

です。

 


これに基づいて分析した、その人の病の全体像のことを、北辰会では

「病因病理(びょういんびょうり)」

と呼んでいますが、この「病因病理把握力」こそが、こうした時に大変役立ちます。

 


病気というのは、治りにくいものほど、単一の原因から直線的、短絡的に起こっているものは少なく、いくつかの原因(病因)があいまって、

 

複雑性と立体性をもって形成されていることが多いです。

 


これまでうまくいっていた治療が、途中からうまくいかなくなった、ということは、その患者さんの病因病理の中のおいて、初診時とは異なる、

 

どれか他の病因が今度はメインになってきた、ということを暗示しています。

 


だからそういう時は、初診カルテに基づいて、場合によっては患者さんに追加問診をして、冷静に「再分析」します。

 


カッコよく言えば「論理の再構築」です。

 


分かりやすく言えば「いっぺん全部バラシ」です。

(笑・・・言い過ぎかな?使える情報はまた使う訳だからリフォームみたいなもんか。まーいーや。)

 


これをすることにより、今度は新たにメインになってきた、別の病因、病理に対して、治療をしかけていきます。

 


とまあこんな風に、「病気」というのは、東洋医学が作ったロジックの網目から逃げることは出来ないようになっているんです。

 

 

 


・・・スゴイこと考えたもんだわ、しかし。

 

 

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日本東方医学会「新・中医臨床カンファレンス」に参加してきました。

2023.02.02

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清明院では現在、求人募集しております。

 

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募集内容の詳細はこちら

 

 

 

 

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1.23(月)の夜は、日本東方医学会の分科会である「新・中医臨床カンファレンス」を視聴してきました!!

 

 

これは、参加者の先生(主に医師・鍼灸師)が自身の症例を1例持ち寄って、それに対して、考えられる中医学的な病因病理と証に関して、中医学専門のベテランの医師の先生が解説して下さるという、初級~中級の先生方にとっては非常にありがたい内容の講座です。

 

 

講師の先生方は以下の通り。

 

長瀬 眞彦 吉祥寺中医クリニック 院長 ・ 日本東方医学会 理事長
髙橋 博樹 東銀座タカハシクリニック 院長 ・ 日本東方医学会 理事
菅沼 栄  えみクリニック東大前 中医師 ・ 日本東方医学会 講師

 

 

どの先生も、現場の第一線で活躍されている、大変高名な先生方です。

 

 

日本東方医学会の現会長である長瀬眞彦先生も、駆け出しの頃、この講座で非常に勉強され、成長したと仰っておりました。

 

 

今回の症例は、高橋先生による

 

 

手掌を中心とした湿疹(掌蹠膿疱症)

 

という、往診治療中のご高齢の女性患者さんの症例でした。

 

 

なかなか改善しなかったこの病気が、漢方と栄養療法によって改善した、という症例でした。

 

 

中医学では湿疹ときたら、基本的には

 

「皮膚に熱が籠ってしまった状態」

 

と考え、その原因を追究し、治療を進めます。

 

 

我々北辰会の流儀では、さらにそのメカニズムまで細かく絞り込んで、ごく小数穴で治療にあたりますが、一般的な中医学的な治療では、考えられるメカニズムに対して、複数の方剤や、栄養療法も合わせてアプローチすることが多いようです。

 

 

解説にあたった先生方が、本症例の問題点を絞って解説して下さり、僕はある意味出る幕がありませんでしたが、経絡に関する着眼点に関して長瀬先生が振って下さったり、

 

オンラインなので、佐賀県の先生が参加されていて、近くの鍼灸の先生を紹介したり、なかなか有意義な時間となりました。

 

 

今回の症例は大ベテランの高橋先生の症例でしたが、難しい病気じゃなくていいし、治せなかった症例でも良いので、若い先生にこそ、ガンガン症例を出して欲しいですね。

 

 

ここは学会でもないし、小規模だし、少々勉強不足で恥かいたって、大したことないです。笑

 

 

まあ、何にしろそうですが、自分の症例を、自分の考えだけで完結させていると、うまくいっていても、うまくいっていなくても、自分に都合よく解釈し、知らず知らず、裸の王様になっていく危険性があります。

 

 

ある程度の熟練度を得るまでは、恥を忍んでせっせと発表し、諸先輩方の御批判、御指摘を積極的に仰ぐべきでしょう。

 

 

僕自身も、学会発表や論文化した症例以外にも、ボツになってお蔵入りになった症例も合わせたら、発表を企図してまとめた症例はこれまでに数十例はあると思います。

 

 

そういう意味でも、素晴らしい企画だと思います。

 

 

この講座は、毎月第4月曜の20:00~やるようです。

 

 

お申込みはこちらから、ご興味のある、全国の医師、鍼灸師、薬剤師の方はぜひ!!

 

 

 

 

 

 

 

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(一社)北辰会 症例解説「腰痛」ライブ配信を視聴しました!

2023.01.31

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1.22(日)の朝から行われた、(一社)北辰会症例解説ライブ配信「腰痛」を視聴しました!

 

 

今回の解説者は尾崎真哉先生と、油谷真空先生です。

 

(面白い組み合わせ☆)

 

 

まあ、鍼灸師にとって腰痛を診ない日はないわけですが、「たかが腰痛、されど腰痛」です。

 

 

腰痛や肩こりといった、一見ありふれたような症状を、いかに完璧に治すか、もし重症であって、治せなかったとしても、いかに完璧に対応するか、これは非常に重要なことだと思います。

 

 

今回の症例も、若手ホープの山本先生が一生懸命治療にあたっている様子がよく分かり、微笑ましかったです。

 

 

また、尾崎先生の病因病理図は相変わらずの精緻さで、これもまた微笑ましかったです。

 

 

やっぱり症例ですよね、なんと言っても。

 

 

我々の目的は症例(というか日々の一人一人の患者さんの治療)なんですからね。

 

 

今回の症例検討も、皆さん大いに学びになったと思います。

 

 

腰痛といっても、あそこまで掘り下げられるし、場合によっては掘り下げないといけないんです。

 

 

 

 

 

 

 

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(一社)北辰会、第15回古典ライブを視聴しました。

2023.01.02

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12.11(日)の朝に行われた、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴しました!!

 

 

今回も藤本新風代表と、奥村裕一学術部長という、北辰会最強コンビによる、岡本一抱(1655-1716)『万病回春病因指南』を題材とした、「小児科を学ぶ」というテーマでの講義でした。

 

 

 

 

小児を取り巻く環境、生活様式は、16世紀に中国で『万病回春』が書かれた時代と、現代日本とでは、まったく違います。

 

 

勿論、同じ日本でも、岡本一抱が生きた17世紀の江戸時代とも、まったく違います。

 

 

核家族化、少子高齢化、インターネットの普及などなど。

 

 

清明院に来る小児も、動画を常に見ている子供は非常に多いです。

 

(取り上げると泣き喚く子も多いです。)

 

 

また、清明院では育児ノイローゼ気味のお母さんを診ることも非常に多く、ネグレクトやDVの問題も、もしかしたら昔より多いのではないかと危惧しています。

 

 

また、新生児から小児期のワクチンなどの医療体制、食事内容も、昔と今とではまったく異なります。

 

 

しかし、だからと言って、東洋医学が数千年培ってきた、伝統的な小児科医療に対する考え方を学ぶ必要はないかというと、まったくそんなことはありません。

 

 

現代日本の鍼灸の現場においても、漢方の現場においても、小児特有の諸疾患、諸症状の相談は非常に多く、私の少ない経験からも、東洋医学的なアプローチが非常に有効であることは疑いありません。

 

 

2009年に清明院を開業した時、こんな都会のど真ん中で、小児は滅多に来ないだろう、来るとしても親御さんが治療に来たついでに受けるくらいだろうから、と思って、

 

小児の治療費を500円に設定したところ、小児が来過ぎて、スタッフもいない中でベッドが全て小児で埋まり、保育園状態になり、参ったことを思い出します。苦笑

 

 

それだけ、現代の小児科の治療で解決しない悩みを持っておられるご家庭は多いのです。

 

 

今回は「小児科を学ぶ」というテーマで、とりわけ「泄瀉」「痢疾」にクローズアップして、小児科全般に対する往時の見解、また、江戸期の医家による鍼灸配穴など、総論的な解説もして頂きました。

 

 

 

 

圧巻だったのは新風先生の症例。

 

 

新風先生の院のスタッフのお子さん(乳幼児)が風邪をひかれたのを、お母さんに配穴を指示しながら治癒に導いた症例。

 

 

ああいう経験は非常に重要なことで、教わって実践している側のスタッフさんからしても、鍼の凄さに触れるいい機会だったろうと思います。

 

 

また、講義の中に出てきた香月牛山(1656-1740)『小児必用養育草』も、恥ずかしながら目を通したことが無かったので、読んでみようと思います。

 

 

思うに、小児の病というのは治るにしても悪化するにしても非常にスピードが速く、モタモタ対応していると置いていかれることもあるので、正確な体表観察と、親御さんへの無駄のない問診から、

 

想定できる妥当性の高い病因病理を考えて事に当たることが非常に重要だと思います。

 

 

なお、本ライブ配信は北辰会会員限定企画です。

 

 

 

これを機に入会の方はこちらからぜひ!!

 

 

 

 

 

 

 

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日本東方医学会「新・中医臨床カンファレンス」に参加してきました。

2022.11.11

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10.24(月)の夜は、日本東方医学会の分科会である「新・中医臨床カンファレンス」を視聴してきました!!

 

 

これは、参加者の先生(主に医師・鍼灸師)が症例を1例持ち寄って、それに対して、考えられる中医学的な病因病理と証に関して、中医学専門のベテランの医師の先生が解説して下さるという、

 

初級~中級の先生方にとっては非常にありがたい内容の講座です。

 

 

講師の先生方は以下の通り。

 

長瀬 眞彦 吉祥寺中医クリニック 院長 ・ 日本東方医学会 理事長
髙橋 博樹 東銀座タカハシクリニック 院長 ・ 日本東方医学会 理事
菅沼 栄  えみクリニック東大前 中医師 ・ 日本東方医学会 講師

 

 

どの先生も、大変高名な先生方です。

 

 

東方医学会の現会長である長瀬眞彦先生も、駆け出しの頃、この講座で非常に勉強され、成長したと仰っておりました。

 

 

今回の症例は、鍼灸師の先生による

 

膝を中心とした全身の痛み

 

という、往診治療中のご高齢の女性患者さんの症例でした。

 

 

この患者さんは、上記以外にも、ポリオの後遺症であったり、様々な重篤な既往歴を持っておられる患者さんであり、鍼灸治療によって疼痛は改善傾向、という症例でした。

 

 

中医学では痛みときたら、大きく「不通即通」「不栄即通」と分類して考え、どちらなのか、あるいは両方であってもそのウエイトは?と考え、治療を進めます。

 

 

我々北辰会の流儀では、さらにそのメカニズムまで細かく絞り込んで、小数穴で治療にあたりますが、一般的な中医学的な治療では、考えられるメカニズムに対して、複数の方剤や、複数の経穴でアプローチすることが多いようです。

 

 

 

解説にあたった先生方が、本症例の問題点を絞って解説して下さり、僕はある意味出る幕がありませんでしたが、私自身の経験から、症例を公に出す際の注意点として、気付いた点をいくつかコメントさせて頂きました。

 

 

まあ何にしろそうですが、自分の症例を、自分の考えだけで完結させていると、うまくいっていても、うまくいっていなくても、自分に都合よく解釈し、裸の王様になっていく危険性があります。

 

 

ある程度の熟練度を得るまでは、恥を忍んでせっせと発表し、諸先輩方の御批判、御指摘を積極的に仰ぐべきですね。

 

 

僕自身も、学会発表や論文化した症例以外にも、ボツになってお蔵入りになった症例も合わせたら、発表を企図してまとめた症例はこれまで二数十例はあると思います。

 

 

そういう意味でも、素晴らしい企画だと思います。

 

 

この講座は、毎月第4月曜の20:00~やるようです。

 

 

お申込みはこちらから、ご興味のある医師、鍼灸師、薬剤師の方はぜひ!!

 

 

 

 

 

 

 

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日本東方医学会「新・中医臨床カンファレンス」に参加してきました。

2022.09.29

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9.26(月)の夜は、いつもお世話になっている長瀬真彦会長にお声がけ頂き、日本東方医学会の分科会である「新・中医臨床カンファレンス」を視聴してきました!!

 

 

これは、参加者の先生(主に医師・鍼灸師)が症例を1例持ち寄って、それに対して、考えられる中医学的な病因病理と証に関して、中医学専門のベテランの医師の先生が解説して下さるという、

 

初級~中級の先生方にとっては非常にありがたい内容の講座です。

 

 

講師の先生方は以下の通り。

 

長瀬 眞彦 吉祥寺中医クリニック 院長 ・ 日本東方医学会 理事長
髙橋 博樹 東銀座タカハシクリニック 院長 ・ 日本東方医学会 理事
菅沼 栄  えみクリニック東大前 中医師 ・ 日本東方医学会 講師

 

 

どの先生も、大変高名な先生方です。

 

 

東方医学会の現会長である長瀬眞彦先生も、駆け出しの頃、この講座で非常に勉強され、成長したと仰っておりました。

 

 

今回の症例は、鍼灸師の先生による

 

大腸と右足のすねの内側からの出血、日中の倦怠感、16時頃からの微熱、不眠・中途覚醒

 

という、往診治療中のご高齢の女性患者さんの症例でした。

 

 

この患者さんは、上記以外にも、うつ病であったり、癌であったり、様々な重篤な既往歴を持っておられる患者さんであり、現状はどうにか改善傾向ではあるものの、対応に苦慮しておられる、という症例でした。

 

 

こういう症例に、駆け出しの先生が鍼灸単独で臨むというのは、ある意味非常に危険なことではありますが、私も在宅医療を20年以上やっていますので、

 

苦慮しながらも一生懸命やっている、また、こういう症例をこそやりたい、と考える気持ちはよく分かります。

 

 

しかし、その清らかな気持ちと同時に重要なのは、そもそも往診治療を成立させてくれている、同意書を書いて下さっている医師の先生との綿密なコミュニケーションや、

 

患者さんの服薬内容などの西洋医学的な処置にも複眼的に注意を払いながら、置かれている環境まで含めて患者さんを俯瞰で見て、「三方よし」で慎重に進める姿勢でしょう。

 

 

また、それと同時に、基礎中医学的な「出血」「発熱」のメカニズムをキチッと押さえながら、学術的に的確な弁証論治も進めないといけません。

 

 

解説の先生方が問題点を絞って解説して下さり、僕はある意味出る幕がありませんでしたが、私自身の経験から、症例を公に出す際の注意点として、気付いた点をいくつかコメントさせて頂きました。

 

 

まあ何にしろそうですが、自分の症例を、自分の考えだけで完結させていると、うまくいっていても、うまくいっていなくても、自分に都合よく解釈し、裸の王様になっていく危険性があります。

 

 

ある程度の熟練度を得るまでは、恥を忍んでせっせと発表し、諸先輩方の御批判、御指摘を積極的に仰ぐべきですね。

 

 

この講座は、毎月第4月曜の20:00~やるようです。

 

 

お申込みはこちらから、ご興味のある医師、鍼灸師、薬剤師の方はぜひ!!

 

 

 

 

 

 

 

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(一社)北辰会、第6回古典ライブを視聴しました!!

2021.10.23

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10.20(水)の夜は、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴してきました!!

 

 

10.20は満月であり、この日から秋の土用なんですね。

 

 

秋からいよいよ立冬に向かう18日間、何しろ養生が重要です。

 

 

今回のテーマは「咳嗽」です。

 

 

清明院のある東京も、今週からはグッと気温が下がって、咳の出ている患者さんもチラホラおります。

 

 

しかしコロナは今年最低の感染者数を更新。

 

 

人流は戻る一方です。

 

 

さて、これで第6波がどうなるか。

 

 

年内には、簡単に経口摂取できる治療薬が出るとか出ないとか。

 

 

ワクチン→治療薬→徐々にでも集団免疫の形成・・・、となって、もうそろそろ二年になるこの騒乱も、収束に向かうといいですね。

 

 

鍼灸、漢方などの東洋医学は、コロナ禍においても、予防も治療も後遺症にも、全てに役立つとは思うのですが、現状の日本では、コロナが2類感染症である以上、手は出せません。

 

 

ですので、何しろあらかじめ身体を調えて、かからない、万が一かかっても、重症化しない、後遺症も残さない、これに尽きますね。

 

 

さて、今回の内容ですが、咳のことを東洋医学でも西洋医学でも「咳嗽(がいそう)」と言いますが、咳(がい)と嗽(そう)の意味は微妙に違います。

 

 

具体的には、

 

咳:咳が出る時に声が出るけど痰が出にくいもの。肺が中心の病

 

嗽:咳が出る時に痰がでて声がない、あるいは出にくいもの。脾が中心の病。

 

ということです。(『雑病源流犀燭』より)

 

 

とはいえ、咳と来れば基本的には東洋医学では「肺」の異常を考えます。

 

 

今回の講義では、新風先生からも奥村先生からも、臨床家の心構えとして重要な発言が多数ありました。

 

 

『実用中医内科学』でも、よく読み飛ばしがちな歴史的な沿革を踏まえることが参考になる。

 

 

『症状鑑別診断学』”弁症状”の分類を読んで満足していてはいけない。

 

 

例えば”表寒虚に外関補法”みたいに機械的に配穴するのではなく、病因病理と穴位効能をよく踏まえて、その患者さんの病態に合わせて工夫した配穴をすることが重要。

 

 

などなど、金言至言が飛び出すこの講座、是非チェックしてください☆

 

 

また今回は、漢方医である竹本喜典先生からもコメントがあり、厚みがありましたね。

 

 

 

会員の方は勿論、これを機に入会の方はぜひ!!

 

 

 

 

 

 

 

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(一社)北辰会ライブ配信を視聴しました。

2021.10.06

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清明院では現在、求人募集しております。

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10.3の日曜日は、朝と夜に(一社)北辰会ライブ配信を視聴しました!!

 

 

今回のテーマは「症例解説 動悸、胸痛」でした。

 

 

解説者は関東支部のエースである坂井祐太先生、本部の重鎮である油谷真空先生という良いコンビです。

 

 

本部の若手である高繁先生が、動悸、胸痛というなかなか怖い症状に、果敢に挑んだ症例でした。

 

 

僕も20代の頃、こういう、循環器の薬を使ってもなかなか症状が改善しない、精密検査をしてもなかなかはっきりしないようなものを、東洋医学の論理と手法で治せるようになりたくて、

 

一例一例チャレンジし、掘り下げて勉強、考察しては、よく失敗していました。苦笑

 

 

その中でも、このような胸部の症状というのはある意味怖い症状であり、ちょっと対応をミスすれば悪化したり、深刻な結果を招く可能性も考えられるものです。

 

 

高繁先生の果敢なチャレンジと、その中でのまだ甘い部分を鋭く解説した、良い症例検討会だったと思います。

 

 

やっぱり我々は鍼灸臨床家集団ですから、鍼灸の実際の症例を通じて、それを掘り下げて、自分に置き換えて、自分ならそこでどう考え、どう行動するか、と考えながら学ぶのが一番いいと思います。

 

(もちろんそれを主軸にしつつ、各時代の文献学や、この医学の歴史的経緯を学ぶことも重要なのは言うまでもないですが)

 

 

そして夜は緊急講義として、再び坂井祐太先生による「B試験解説」という講義。

 

(関東支部のホープ、大活躍です☆)

 

 

これは、数年前から北辰会では講師希望や、講師候補以上の会員の先生方を対象にした、試験制度がありまして、この医学の基礎的な知識を問う「A試験」と、

 

実際の症例を通じて、より臨床的な推論能力を要求される「B試験」があるのですが、今回は先日行われた「B試験」の解説講義でした。

 

 

この解説講義は私も過去にやったことがあるのですが、今回の坂井先生の解説も、素晴らしく分かり易い解説だったと思います。

 

 

まあ、あのように、理路整然とした解説を聞くと

 

「なんだーそうかーそういうことかー(*´Д`)」

 

となるのですが、要はそういう思考を、実際の臨床現場では常に頭フル回転で使いながら治療にあたっているのです。

 

 

我々臨床家は、その場で患者さんの愁訴を楽にしてあげることはもちろん大事ですが、同時に、長いスパンで考えて、その患者さんの経過をいい方向に導いていかないといけません。

 

 

これを実現するには、毎回の弁証と同時に、東洋医学的な患者さんの病のメカニズム(病因病理)を考えることが重要です。

 

 

ここがなかなか難しく、初学者にとっては伝わりにくいところでもあろうかと思いますが、臨床をやっていると、その重要性がよく分かります。

 

 

朝と夜、両方参加された会員の先生方にとっては、非常に濃い1日になったのではないでしょうか。(^^)

 

 

次回は10.20(水)21:00~藤本新風先生と奥村裕一先生による会員限定有料配信の「古典ライブ」です!!

 

 

会員の方はお見逃しなく!

 

 

また、これを機に入会の方もぜひ!!

 

 

 

 

 

 

 

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(一社)北辰会定例会、大阪会場に参加してきました!!

2019.09.17

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9.15の日曜日は、大阪で行われた(一社)北辰会定例会に参加してきました!!

 

 

今回は前日の土曜の夜に日本伝統鍼灸学会の学術部会議があったので、前泊ではなく、早朝に起きて大阪に向かうってやつをやってみました。

 

(これ、ほぼはじめてに近かったですが、キツイキツイ。。)

 

 

でも、早起きして行ったかいがありました。

 

 

午前中は実技訓練。

 

 

愛媛の水本先生の班で、久々に先生の勢いのある臨床に触れ、メチャクチャ楽しかったです☆

 

 

サクサクと、素早い体表観察に基づく直線的な論理で病因病理を組み立て、鮮やかに治療するスタイル、大好きです。(*‘∀‘)

 

 

また、僕が普段意識していないところも先生は意識しておられ、非常に参考になりました。

 

 

合穴の意味、胸部の諸穴の診察、湧泉の観察、もっと意識せねば。。。

 

 

午後は関東支部の竹山先生の症例「円形脱毛症」

 

 

これも2017年版の皮膚科の診療ガイドラインでは

 

「単発型あるいは少数の脱毛斑(数個程度)の症例の場合,発症後1 年以内は経過を観察するだけでもよい.また経過の長い全頭型や汎発型の場合,

 

治療を断念しかつら等を使用するよう勧めるという選択も妥当な対応といえる.」

 

とあるように、明確な治療法が確立されていない、なかなか難しい病気であり、しかもCQ(クリニカルクエスチョン)において、鍼灸治療については

 

「評価:C2 行わない方がよい」

 

となっており、その理由として、

 

「鍼灸の施術方法は施術者や患者ごとに同一の方法ではなく,病状の経過の記載も不十分で,医学的な評価水準には達していない.現段階では鍼灸治療による発毛効果に関して有用性を論じる段階にはないが,

 

すでに広く実施され、発毛効果を示す症例報告がある点を考慮し,また無効あるいは有害であることを示す良質のエビデンスも存在しな
いことから,推奨度をC2 とした.」

 

とある。

 

 

このように、EBMの考え方においては、たとえ明らかに有効と思われる有効例がいくつかあったとしても、その論理と手法がバラバラで、大規模な比較優位のきちんとした手法に則った報告がなされていなければ、

 

良質のエビデンスが存在しない、と断じられ、「やらない方がよい」という結論になってしまうのです。

 

 

因みに、鍼灸学校で使用されている『東洋医学臨床論 鍼灸編』では、全頭脱毛や壮年性の脱毛(禿髪症)、精神の問題で患者自身が髪を抜いてしまう抜毛狂(トリコチロマニア)などは「注意を要するもの」とし、

 

自律神経の失調や精神的ストレス等で増悪する円形脱毛については「適応となるもの」と位置付けて、東洋医学的な弁証分類と治療法を提示している。

 

 

このように、鍼灸師側としては、

 

「効果があるものもあるんだから、やったっていいじゃないか、やる価値があるじゃないか」

 

という立場なわけです。

 

 

今回の症例では、1年間、キチッと定期的に治療に通ってもらって、完璧ではないにせよ、脱毛以外の不定愁訴も含め、一定の結果を出しているという、

 

実にリアルな症例でした。

 

 

明日来るかもしれない脱毛症の患者さん、会員諸氏は学ぶところが多かったと思います。

 

 

実は今週末、関東支部でこの症例を解説します。

 

 

支部ではどうなるか、S先生が荒らしてくれるそうなので、来られる方はお楽しみに!!!(∩´∀`)∩

 

 

 

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失敗すると悪化する治療だから、成功すれば良化させることができる

2019.08.23

20190516_002121.JPG

 

 

 

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鍼治療は良くなることはあっても悪化することはない、という人がいるらしい。

 

(これ、昔から聞くけど、誰??(笑))

 

 

そういう人は、

 

「鍼なんてどこに打ったって治る。」

 

と宣うだろう。

 

(これは何回か、実際に聞いたことあるなあー。。。)

 

 

この考えからすれば、どんな患者さんに対しても、何の考えもなしに、どこにどういう鍼をしても、良くなることこそあれ、悪化することはない、となる。

 

 

普通に考えて、

 

「・・・んなワケなくね??」

 

でしょう。

 

 

もしそれが本当なら、世界中から患者が来て、東京ドームみたいな鍼灸院だらけにならないすかね・・・??

 

 

鍼灸学生の頃、この主張はおかしくないですか??と、学校の先生に聞いた。

 

 

すると、その先生は

 

「君の言う通りだ。失敗した時に悪化しない治療、というのはおかしい。」

 

と仰った。

 

 

これを今でも、なんかよく覚えている。

 

 

たとえ、自分の全知識と全経験を総動員して、一生懸命診断して、病因病理と証を考えて、渾身の一穴を選んだとしても、そこに対する手技を過てば、

 

効果が出ないばかりか、悪化することもある。

 

(そもそも診断自体が間違っている場合もあるけど。)

 

(また、本当に悪化かどうか、という判断も大事だけど。)

 

「メンケン」って何ですか?   参照

 

 

・・・あ、因みにこの場合、そもそも立脚している理論自体が間違っているのでは?という議論は論外ね。

 

(苦笑・・・しかしそういう意地悪な突っ込みも、良くある。)

 

 

だから、治療がうまくいかない場合、まずは自分の手技の問題はどうか、診断は合っているのか、果ては立脚している理論(当てているものさし)自体が合っているのかどうか、

 

ということまで含めて、再検討、再分析する訳だ。

 

ものさし 

「再分析」を含む記事     参照

 

 

まず、全身全霊で、一生懸命臨床をやっているということが言うまでもなく大前提だけど、あってはならないことだけど、万が一患者さんが、

 

治療後悪化してしまった、という変化があったとして、しかも、それでもまだこちらを頼ってくれる、という時があったら、大きな上達(自分なりの新地平開拓)のチャンスではないだろうか。

 

 

悪化する治療というのは、何かを変えれば治せる治療。

 

 

そう考えて、ポジティブに精進することが大事。

 

 

 

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