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2010.12.24
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これまでのお話・・・
「腎(じん)」ってなんですか?(その1)
「腎」って何ですか?(その2)
「腎」って何ですか?(その3)
「腎」って何ですか?(その4)
「腎」って何ですか?(その5)
「腎」って何ですか?(その6)
さ~、グイグイいきましょー!!
☆腎と呼吸
「呼吸」とくれば当然、一番関わりが深いのは「肺の臓」、ということになりますが。
東洋医学的には実は「肺の臓」だけでなく、「腎の臓」も大きく関わります。
東洋医学では”呼吸”というものを”呼”と”吸”に分けて考えますが、その”吸”の方に「腎の臓」が関わります。
どう関わるかというと、
「しっかりと深く息を吸い込み、おさめる」
働きをプロデュースしているのが「腎」である、と考えます。
つまり「腎」が何らかの原因によって弱ってくると、息が吸いにくくなったり、吸った時に咳こんでしまったりするようになります。
カゼをひいて咳が出る、という場合でも、「吸う時に」出るのか「吐く時に」出るのか、あるいはその両方なのか、という風に、腎なのか肺なのか、
はたまたその他か、という具合に、原因になっている臓の異常を考えていく場合があります。
・・・このように、東洋医学の言う「腎の臓」というのは、「志」や「精」を蔵し、呼吸の”吸”を助けたりと、どちらかというと、求心性の力(引き集める力)を持った臓だと言えます。
次回に続く
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2010.12.22
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これまでのお話・・・
「腎(じん)」ってなんですか?(その1)
「腎」って何ですか?(その2)
「腎」って何ですか?(その3)
「腎」って何ですか?(その4)
「腎」って何ですか?(その5)
・・・どんどんいきましょー!!
☆「腎」と成長
皆さんご存知のように、人間は普通、母親の体の中で成長をはじめ、ある程度成長した段階で”おぎゃあ”と生まれ、成人するぐらいまで肉体的成長を続け、
その後は徐々に衰えていき、最終的には死に至ります。
コレは人間の生命の、永久不変の法則でしょう。
東洋医学では、この当然の過程に、五臓六腑の中で最も大きく関わるのが、「腎の臓」である、と考えています。
・・・ではなぜ、「人間の成長発育~衰退~死」と「腎の臓」が関わるんでしょうか。
これが前回書いた、「腎の臓」がしっかりしていると気力体力が充実して云々・・・ということの答えの”2つ目”となります。
東洋医学の言う「腎の臓」というのは、前回書いた「志(し)」に加え、「精(せい)」というものを貯蔵している、と考えております。
この「精」というものが、人間の成長発育~死の過程を正常たらしめている根本的なエネルギーだ、と考えております。
コレはしかも、成長発育のみならず、「腎」以外の臓腑の働きを助け、全身の肉体的状態、精神的状態をも、元気はつらつにしてくれているものである、と考えています。
(「精」の分類や生成過程、精神的なものとの具体的な関わり方は難しいし、専門的になってくるのでここでは割愛します。)
だから具体的には、先天性の疾患や、発育不良、初潮や精通が極端に遅れる、不妊症や不育症などは、東洋医学的にはこの「腎の臓」の異常が関わることが多いのです。
・・・ところで、中華三大宗教と言われる、儒教、道教、仏教の中の”道教”に、「三宝(さんぽう)」という考え方があります。
一般によく知られているのは聖徳太子が『十七条の憲法』の中で説いた、
「篤(あつ)く”三宝”を敬え」
の「三宝」が有名です。
コレは仏教の言葉で、”仏・法・僧(ぶつ・ほう・そう)”の3つのことですが、道教の言う「人の三宝」というのは、”精・気・神(せい・き・しん)”の3つを言います。
(ちなみにこの他に、「天の三宝(日・月・星)」、「地の三宝(火・水・風)」という言い方もあります。)
これは、「精・気・神」、この3つを以て、人間の生命の基本要素とする、という考え方です。
この考え方を東洋医学で考えると、「気」は大自然、もちろん人体も含む、全てのおおもとです。
「気」ってなんですか? 参照
そして、「神」は生命の輝き、活力であり、五臓の中では「心の臓」と最も関わりが深いです。
カテゴリ 「心・小腸について」 の中の「心」に関する7話 参照
そして「精」はカタチ(形体)の基盤であると同時に、生命の根源的なエネルギーを指し、五臓の中では「腎の臓」と最も関わりが深い、と考えているのです。
・・・今日の話はちょっと難しかったかもしれないけども、まあ、こういう考え方をひとまず信じて、そのように治療してみた結果、ちゃんとそのような変化が現れるから、
日常の「実践」の中からこの医学の「理論」の確かさを再確認することが出来るんです。
東洋医学は、苦しむ患者さんを目の前にした、実際の医療の実践の中から生まれ、発展してきた医学なのであります。
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2010.12.19
「象形薬理(しょうけいやくり)」
という、何やらマニアックな香りのする言葉・・・。
皆さん聞き慣れないことと思います。
これ実は、昔から存在する考え方だそうであります。
どんな考え方かというと、近代になって栄養素や分子構造などを知る考え方や、各種の分析機器や手法のなかった時代に、植物の形態的特徴や、その生育環境から、
その植物(生薬)の薬効を考察するというもので、時には人体の悪い部分と”カタチ”の似通ったものを自然界に探したりして、それを食べてみることで、
病気を治そうと考えた、試みた、というものです。
・・・これの比較的ポピュラーなものとして、
「クルミは脳にイイ!」
なんて話、何となく聞いたことがあるんじゃないでしょうか?
クルミというのは、硬い殻におおわれ、その中には二つに分かれた、いかにも”脳”っぽいカタチの実が入ってますよね?
これが、外側が人間の頭蓋骨で、中身が脳に形が似ている、ということで、食べると脳にイイ、「健脳食」なんて言われたりするような発想です。
漢方薬の世界でもクルミは「胡桃仁(ことうにん)」と言われ、ある種の腎の臓や肺の臓の病や、便秘などに応用されます。
僕も小さい頃、祖母から「クルミは脳にいいから」とか言われ、さんざん食わされました。
(意外と好きでしたが)
まあしかしこれが、意外とバカにならない考え方で、現代の栄養学に照らし合わせてみても、クルミは栄養素の7割がリノール酸(オメガ6)、リノレン酸(オメガ3)という、
脳神経を作ると言われる、良質の多価不飽和脂肪酸なんだそうで、その他にもタンパク質、鉄分、ミネラル、食物繊維、ビタミンB1、ビタミンEなどをバランスよく含み、
非常に体(特に脳)に良い食物と言えるんだそうです。
東洋医学的に見ても、腎や肺に作用するということは、脳髄海にも作用すると考えても全然おかしくない。
・・・他にも、動物の足を食べて足の病気を治すとか、例を挙げればいくらでもあります。
今綴っている「腎」って何ですか?(その4)でも述べたように、豆が腎の臓にイイ!というのも、もともとはこういう発想が背景にあったのかもしれません。
まあコレ、着想として非常に面白いということと同時に、そういう着想で実際に試してみて、数千年経っても淘汰されない、確かなものが残っている訳ですから、
現代栄養学と照らし合わせるまでもなく、東洋医学の言うことというのは、そうそう簡単に無視できないんじゃないかと思います。
まあ詳しく述べていくとキリがないので、「象形薬理」、興味のある人は、色々調べてみて下さい。
因みに、(一社)日本東洋医学会の創立メンバーの中心であった龍野一雄先生が「我國に於ける象形薬理論に就て」と題して、昭和18年(1943年)の『醫事公論』で4回に分けて連載したのち、
続きを『漢方と漢薬』第10巻9号、11号、12号に、3回に渡ってお書きになっています。
この全7回の論考も、なかなか力が入っていて、実に面白いですよ~☆
(『醫事公論』を入手するの、苦労した~~( ;∀;))
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診療再開!!2024.01.01
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2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
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生薬観察登山に行ってきました!