東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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(社)北辰会11月本部基礎コース

2010.11.22

昨日、11月21日の日曜日は、大阪にて行われた、(社)北辰会本部基礎コースに参加してきました!

今回は、午前中は油谷真空先生による「舌診講義とその実技デモンストレーション」

午後は藤本彰宣先生による講義「八綱(はっこう)弁証・正邪(せいじゃ)弁証」

その後、森洋平先生による講義「気血津液(きけつしんえき)弁証」と、

充実のラインナップでございました!

「八綱」については、以前このブログでも紹介しました。

カテゴリ 「八綱について」 参照

この「八綱」のうち、

”どこに病が存在するのか(表裏)”

”どんな性質の病か(寒熱)”

”病の勢いはどうか(虚実)”

を明確にするのが「八綱弁証」であります。

また、「正邪」というのは、人体の「正気」と、それを阻害する「邪気」のことを示し、その趨勢を明らかにするのが「正邪弁証」であります。

カテゴリ 「邪気」について 参照

これにより、さらに現時点での病の状態がクリアになっていく訳です。

「舌診」、「気血津液」については、まだ詳細はこのブログでも書いていませんが、これらも非常に大事な考え方であり、東洋医学的な治療(鍼灸、漢方薬など)をやる上では欠かせない概念です。

そして、終わった後は例によってお酒・・・。

今僕がつづっている「五行」について、何人かの先輩たちの考え方をうかがい、とてもためになりました。

あまり難解にならないように、ブログの内容に反映させたいと思います。

そして、終電にて東京に・・・。

久々の遠征で疲れていたのか、新幹線に乗った瞬間寝てしまいまして、新大阪―品川間の体感時間は5分程度でした。(笑)

・・・しかしやっぱ、

「基礎ほど重要なものはない」

と、あらためて実感しましたネ。

よく、ベテランの先生や、”名人”と言われる先生なんかがやる、

「応用的でカッコイイ技術」

というのは、

「徹底的な基礎の理解」

なくしては、あり得ないのであります。

このことは、片時も忘れてはいけません。

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「胃」って何ですか?(その5)

2010.07.28

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これまでのお話・・・

「胃」って何ですか?
「胃」って何ですか?(その2)
「胃」って何ですか?(その3)
「胃」って何ですか?(その4)

 

・・・けっこう空いちゃいましたが、「胃」のお話、続けていきましょう。

 



☆脾は上げ、胃は下げる(続編)

 

 

「脾の臓」というのは、飲食物から取り出した「気血のもと」を、上焦(胸部から上の部分)に持ち上げます。

 


そこから後の流れについては、「肺」を解説する時に書こうと思います。

 


「胃の腑」というのは、飲食物から脾の臓が「気血のもと」を取り出したあとの”残りモノ”を、下焦(胃よりも下の部分)に送っていきます。

 


すなわち「小腸の腑」「大腸の腑」へと、下に下にと、送っていく訳です。

 


小腸、大腸にて何が行われるかは、それらを解説する時に述べましょう。

 


つまり、脾は「持ち上げる力」があり、胃には「下げる力」が生理的に備わっている、と、東洋医学では考えます。

 


そしてこれはなにも飲食物を消化する時にのみ働く力、と考えるのではなく、全身を巡る「気血」の、上下のうごきをバランス調整している、とも考えられます。

 


いわば脾胃は「人体」という小宇宙における「昇降のバランサー」なのです。

(笑・・・カッチョイー!)

 


なので、「脾の臓」が弱ると、消化器症状のみならず、気血がうまく上焦に上らないため、立ちあがった時にめまいがしたり、脱肛や脱腸、子宮脱や胃下垂などの内臓下垂になったりすることがあります。

 


同じように「胃の腑」が弱ると、うまく気血を下げられないために吐き気やおう吐、頭痛などが起こることがあります。

 

 

このようにして東洋医学では、「脾」と「胃」を、働きの上から「脾胃」、「脾胃」と呼んで同一視しながらも、実際に変調が起こった時は「脾」なのか「胃」なのかを明確にして治療します。

 


「脾」が悪い時と「胃」が悪い時では治療のやり方が違ってきます。

 

 

症状も違います。

 

 

東洋医学的な所見も違います。

 


こういったことを明確にしないままに治療しても、なかなかうまくいきません。

 


「弁証論治」の重要性ですな。

 


・・・人体を上焦、中焦、下焦と3つに分けると、そのど真ん中となる「中焦」にデ~ンと存在し、気血の上下、「昇」と「降」をつかさどる脾胃・・・。

 


昇るべきものを昇らせ、降るべきものを降す、脾胃はまさに、「生命活動の中心」なのであります。

 

 


次回に続く

 

 

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再分析(病因病理について)

2010.07.16

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治療を長いことやっていると、これまではうまくいっていたのに、途中からうまくいかなくなり出すことがたまにあります。

 


みんなみんな、全てがストレートに治ったら、こんないいことはないんだけど、なかなかそうもいかないのが「病気」というものなんです。

 


・・・しかしこういう時、東洋医学をちゃんとやっている人なら、極めて冷静に対処できるはずです。

 


清明院では、初診の際、問診にて

「その患者さんのこれまでの病の歴史や体質」

を十二分に聞いた上で、それを東洋医学的に分析し、さらに「今、この瞬間」の脈や舌などの体表観察情報と合わせて、「証」を立てます。

「体表観察」について
「弁証論治」って何ですか?  参照

 

かなり細かく分析しますので、まず初診時に立てた「証」、つまり東洋医学的な診断(治療時点における病理状態)は極めて重要です。

 


しかし、治療が進むに従って、治療開始当初の「証」が、徐々に変動してくることがあります。

 


これもまあ当然と言えば当然なんです。

 


・・・だって「治療」してるんだから。

 


これを見逃して、いつまでも初診時に立てた「証」にこだわって、同じ治療を続けていると、場合によっては徐々に徐々に悪化していってしまう患者さんもいます。

 


そんな時、モノを言う(効いてくる)のが、初診の時に聞いた、

「これまでの病の歴史(既往歴)や、その患者さんの体質(体質素因)」

です。

 


これに基づいて分析した、その人の病の全体像のことを、北辰会では

「病因病理(びょういんびょうり)」

と呼んでいますが、この「病因病理把握力」こそが、こうした時に大変役立ちます。

 


病気というのは、治りにくいものほど、単一の原因から直線的、短絡的に起こっているものは少なく、いくつかの原因(病因)があいまって、

 

複雑性と立体性をもって形成されていることが多いです。

 


これまでうまくいっていた治療が、途中からうまくいかなくなった、ということは、その患者さんの病因病理の中のおいて、初診時とは異なる、

 

どれか他の病因が今度はメインになってきた、ということを暗示しています。

 


だからそういう時は、初診カルテに基づいて、場合によっては患者さんに追加問診をして、冷静に「再分析」します。

 


カッコよく言えば「論理の再構築」です。

 


分かりやすく言えば「いっぺん全部バラシ」です。

(笑・・・言い過ぎかな?使える情報はまた使う訳だからリフォームみたいなもんか。まーいーや。)

 


これをすることにより、今度は新たにメインになってきた、別の病因、病理に対して、治療をしかけていきます。

 


とまあこんな風に、「病気」というのは、東洋医学が作ったロジックの網目から逃げることは出来ないようになっているんです。

 

 

 


・・・スゴイこと考えたもんだわ、しかし。

 

 

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(社)北辰会関東支部6月定例会

2010.06.28

昨日、6月27日の日曜日は、代々木オリンピックセンターにて行われた、(社)北辰会関東支部定例勉強会に行ってきました!

今回の内容は午前中は基礎コースは後藤りゅう先生による「北辰会カルテ解説」、臨床コースはベテランである金子行雄先生による疾患各論シリーズ「風邪(かぜ)について」

僕は午後に自分が講義するクラスでもあったので、基礎コースで後藤先生の講義を拝聴していました。

とても初学者に配慮した、いい講義でしたねー。

午後は基礎、臨床コースともに実技講座:テーマ「背候診」の後、土田丈先生による症例レポート「幼少の頃からの便秘」でした。

僕は基礎コースの実技指導と、初めに30分ほどの概論講義を担当させていただきました。

今回の参加者の先生方も皆さん非常にヤル気があり、僕もいい刺激をいただきました。

北辰会関東支部の定例会も、最近にわかに参加者数が増えてきていて、若い先生、女性の先生の参加も増えてきて、非常に活気のある会になってきたナー、

 

という印象があります。

いかに東洋医学、北辰会が提唱している鍼灸医学に対する注目度がうなぎのぼりに上がってきているかが、壇上からよく分かります。

 

喜ばしいことです。

最後の症例レポートでは、土田先生の発表、細かな情報をしっかりととっていて、初診者の方には情報過多だったかも知れませんが、それをスッキリとまとめる論理力、

 

それが弁証論治の長所の一つであります。

最後のまとめの時の、本部、副学術部長である堀内斉毉龍(さいりゅう)先生のスッキリとしたまとめは圧巻でしたネ。

堀内先生は現在、弁証論治のために必要な論理的思考についてまとめ上げ、『弁証論治論理学入門』という著書を編纂中です。

東洋医学というと、主観的で客観性がないとか、感覚的で数値化できないとか、科学的でないとか、色々なことを言う人がいますが、本来の東洋医学というのは大変科学的でロジカルな世界なんです。

まだまだ北辰会からは書籍が出ます。

 

次から次に出ます。

 

どれも大変、東洋医学の歴史的に、意義深い本だと思います。

そして終了後はいつものように飲み会・・・。

 

今回は本部から島内薫先生もお見えになって、なかなか盛り上がりました。(笑)

まあとにかく、ガンバろっと。

 

 

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4月(社)北辰会本部基礎コース

2010.04.19

昨日、4月18日の日曜日は、大阪で行われた(社)北辰会本部基礎コースに行ってきました!

今回は諸事情があって午後からの参加となりましたが(残念)、午後の講義はばっちり聴いてきましたよ~!

午前中は森洋平先生による「弁証問診とコミュニケーションスキル」という、我々にとって欠かせない、「問診」の実演デモ講義、午後は藤本彰宣先生による「陰陽の基礎」「臓腑経絡学・三焦(さんしょう)」の講義でした。

「陰陽」は言うまでもありませんが、「三焦」というものも、東洋医学の基礎を固める上では欠かせない内容です。

この2つに対してどういう認識を持つかが、その後を大きく左右します。

 

この2つをあいまい、というかいい加減に理解していると、「東洋医学的な鍼灸治療」をなすことはとても難しいと思います。

彰宣先生の講義では、随所にとても重要な表現が散りばめられていましたね~。

僕も講義をさせていただくことはありますが、やっぱ基本的な内容を教えるにしても、その奥行きの深さをどこまで分かりやすく表現できるかは、

 

その講師の日常の勉強量にかかってきますね~。

まあしかし、1時から4時半までの長時間、彰宣先生、お疲れ様でした!

 

終了後の飲み会で、いつもより声が出ていませんでしたね…。(苦笑)

僕はちゃっかり、行ったついでに来週25日の関東支部の蓮風先生の特別講演も、ちょこっと宣伝してきました!

今回は本部の先生も10人以上参加されるようで、なかなか盛り上がりそうな気配を感じております。

申し込みは、お早めに!

 

 

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漢字は簡単!?

2010.02.27

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東洋医学に基づいた治療のことを「弁証論治(べんしょうろんち)」と言います。

 

聞き慣れない、なんだか小難しそうな言葉ですよね。(苦笑)

 

 

でも全然そんなことないです。分かってしまえば、

「ああ、なんだそんなことかー。」

です。

 

 

今日は「弁証論治」の説明の前に、まずは「漢字」というものについて考えてみたいと思います。

 

東洋医学の専門用語は漢字四文字、あるいは二文字で表わされることがとても多いのですが、コレにアレルギーを感じる日本人(特になぜか鍼灸学生)が随分多いようです。

 

確かに、「なんとなく」ひらがなやカタカナ、アルファベットで書いてある文字の方が読みやすいし、スタイリッシュで近代的な感じがします。

 

しかし、日本人にとって「漢字」というのは、大変便利なコミュニケーションツールであり、表現方法だと僕は思います。

 

「漢字」というのは、一文字に色んな意味があり、それを組み合わせて二字や四文字の「熟語」を作ることで、深い意味をその中に込めることが出来ます。

 

東洋医学にはそういった、深い意味を持つ熟語がたくさんあります。それの意味を知ることで、多くの同じ道を志す先生達と情報を共有出来るようになり、

 

より良い治療法を考案することが出来ます。

 

また、「熟語」というのは要は「略語」ですから、いちいち長ったらしく言わなくても、二文字や四文字でスッキリと、複雑な状態を表現することが出来ます。

 

東洋医学を理解する上でも、長い文章を読む手間を省かせてくれます。

 

つまりわざわざ、

「証(しょう)を弁(べん)じて治(ち)を論(ろん)ずる」

というよりも、

「弁証論治(べんしょうろんち)」

と言った方が簡単じゃん!!ってことです。

 

まあ言わば、「木村拓哉」「キムタク」と言うようなもんです。

 

(笑・・・ちょっと違うかな?)

 

次回こそは、「弁証論治」のお話をしましょう。

 

 

 

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「八綱」って何ですか?

2010.02.25

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前回まで、

ⅰ.「表裏」

ⅱ.「寒熱」

ⅲ.「虚実」

という、3つのテーマについて書いてきました。

 

 

そして、東洋医学ではこれらの考え方を使って、患者さんの

「どこに(病位)」

「どういう(病性)」

病があり、

 

「その勢い(病勢)」

 

はどうなのかを、まず大まかに診断するんだよ、ということを述べました。

 


この考え方(診断方法)を、

「八綱弁証(はっこうべんしょう)」

と言い、これは東洋医学的な鍼灸治療をする上で、絶対にはずせない診断法(弁証法)の一つです。

 

 

歴史的には、清代の程国彭(ていこくほう)が1732年に撰した『医学心悟』の中の「寒熱虚実表裏陰陽辦」に説かれ、

 

その考えは1742年、呉謙『医宗金鑑』にも引き継がれ、現代中医学の弁証法の基本の一つになりました。

 


なぜ「八綱」と言うのかというと、組み合わせとして、

「表か裏か」の2、

「寒か熱か」の2、

「虚か実か」の2

を掛け合わせると2の3乗となり、2x2x2=8パターンが得られます。

 


すなわち、全部は書かないけど、「表、寒、実」とか、「表、熱、実」・・・とかって組み合わせていくと、8通りの組み合わせが得られ、

 

それを「八綱(はっこう)」と呼び、大まかに病気を分類することが出来る訳です。

 

因みに、ここでしっかりと断っておきますが、上記は私の個人的な考えです。

 

 

中医学の教科書には、どの本にも八の要素を並列に並べて、陰陽、表裏、寒熱、虚実で八綱、という風に解説されていますが、個人的には上記の説に一票、という感じなんです。

 

(何の本で読んだか忘れたけど。。(^^;))

 

 

これは私の「八」に対する解釈にもかかわってきます。

 

 

奇経八脈の八、八法の八、八卦の八にしても、やはり総綱としての「二(陰陽)」があり、それの組み合わせや現れ方の違いのために他の「六」がある、

 

と考えた方が、個人的には納得できることが多いからです。

 

(まあ些末な話っちゃ話だけどね)

 

 


患者さんの病気のパターンが、この8パターンのうちのどこに収まるか、ということは、我々にとってとても大事です。

 


なぜなら、これによって「治療の大まかな方向性」が決定づけられるからです。

 


病気というのは、患者さんが訴える、表面的な「症状」にのみとらわれて、治療や診断そのものが右往左往していては、なかなか治っていきません。

 


大事なのは、その症状を出さしめている本質は何か、要は病の本体は何なのか、ということを常に意識して治療を進めることなんです。

 


そうしないと、治るものも治らないんです。

 

 

これを中医学では「治病求本」といい、2500年前の東洋医学のバイブルである『黄帝内経素問』陰陽応象大論(5)「・・治病必求於本.・・」とある通りです。

 

 


治療を技術論と考えると、本当に治療のうまい先生ほど、この「八綱弁証」が正確で、かつブレないんだと思います。

 


・・・ですから治療経過の中で、多少の症状の増減はあろうと、方向性が正しい訳だから、結果的には徐々に徐々に、確実に治っていく訳ですね。

 

 

ここが正確であれば、術者もフラフラすることなく、一貫性のある治療を進めることが出来るわけです。

 

まあ、ちょっとこのシリーズは難しかったかもしれないけど、とても大事な考え方なので、あえて書きました。

 

・・・ところで、清明院のHPにもこのブログにも、よく「弁証(べんしょう)」とか、「弁証論治(べんしょうろんち)」という言葉が出てきます。

 

コレ、聞き慣れませんよね?次回はそのお話。

 

 

 

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「表裏」って何ですか?

2010.02.24

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・・・続いて、「表裏(ひょうり)」についてです。

 


日常会話の中でも、

「表裏一体」
とか、

「表裏(おもてうら)のない人」

とか、よく言いますよね。

 


要するに「表(ひょう)」というのは見えてる部分、「裏(り)」というのは見えない部分のことを意味します。

 


この意味から、「表の病」というのは、「見えてる病」「表面的な病」という意味を持ち、要は病気の位置が浅いですよ、ということを示します。

 


浅い、と言うと、じゃあアトピーなどの皮膚の病気は「表の病」か、ということになりますが、そうではありません。

 


症状の出ている部位のことではなく、あくまでも、主な病変部位(言わば主戦場、症状の原因となる、陰陽バランスの崩れた場所)が浅い部位にある病を「表の病」と言います。

 

 

ですので、慢性のアトピーなどでは、症状が出ているのは皮膚であっても、主な病変部位は内臓(臓腑)の機能異常、バランス異常だったりするので、

 

「裏の病」という判断になる訳です。

 


「表の病」の例を挙げると、体の外からガンガン冷やされたり、あるいは乾燥して喉が痛いなどの、かぜの初期段階なんかが相当します。

 


これに対して「裏の病」というのは、「見えない病」「深い部分の病」という意味を持ち、深い部分、すなわち、繰り返しになりますが「臓腑」に病があるものを言います。

 


これも、簡単に「深い」と言ってしまうと、西洋医学的な肝炎とか腎炎とか胃炎などの、内臓の炎症疾患とかを想像しますが、そういう意味ではありません。

 


東洋医学の言う「臓腑」の病変と、西洋医学の言う「内臓=organ」の病変とは、意味が違います。

 

 

東洋医学では、内臓の形体的な異常に注目しているのではなく、五臓六腑それぞれの機能のバランスの乱れに注目しているのです。

 

ここは混同しないようにしたいですね。

 

 


ですので、慢性の頑固な病気などは、ほとんどが「裏の病」の範疇に入ってきます。

 


たとえ、肩こりであっても、です。

 

 

このように、東洋医学では”表裏”という概念(ものさし)を使って、病変(陰陽バランスの乱れ)が起こっている部位(位置)を考えますので、この考え方を「病位」と言います。

 


我々は、前回、前々回とお伝えしてきた「虚実(病勢)」「寒熱(病性)」「表裏(病位)」という、東洋医学独特の分類概念を駆使して、

 

「病の趨勢」「病の性質」「病の部位」という観点から、まず大まかに患者さんの病気を大きく「陰陽」に分析する訳です。

 

 

この「虚実」の2つ、「寒熱」の2つ、「表裏」の2つの物差しを使って、まず病を大きく「陰陽」の2つに分けることを、

 

「8つの綱領を弁(わきま)える」という意味で「八綱弁証」と言います。

 

 

因みに個人的には「虚実」の2、「寒熱」の2、「表裏」の2をそれぞれ組み合わせると、「虚・寒・表」「虚・寒・裏」「虚・熱・表」・・・と、組み合わせが8通りできるので、

 

その8通りの組み合わせに、とりあえず全ての病を概括できるという意味で「八綱弁証」という理解の方が好きだったりします。

 

 

この分類概念(弁証法)は、実は他にもまだまだあります。

 


そのうち気が向いたら書こうかな、と思います(笑)

 


それで、「ここぞ!!」というところに鍼灸を施し、アンバランスを整え、治療させていただく訳ですね。

 

 


東洋医学は、とっても科学的で芸術的な医学なんです。

 

 

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1月(社)北辰会本部臨床コース

2010.01.18

17日の日曜日は、大阪で行われた(社)北辰会本部臨床コースに行ってきました!

 

今回は、諸事情があって午後からの出席となりましたが(残念)、今回も大変勉強になりました。

 

午前中は『傷寒論』(漢方、弁証論治の聖典とも言われる、東洋医学をやる上で絶対に外せない古典の一つ)のスペシャリストである、愛媛で開業されている水本淳先生による、『傷寒論』のシリーズ講義。

 

今まで全て聴講していただけに残念!後でDVDでチェックしようと思います。。。

 

午後は代表理事、藤本蓮風先生による経穴解説の講義と、講師である新田能弘先生による症例レポートと、盛りだくさんの内容でした。

 

勉強会が終わった後は、いつものように先輩方と飲み会にご一緒させて頂き、終電の新幹線で東京に帰ってきました。

 

(苦笑・・・いつもこうなっちゃいます。)

 

僕は毎月関西に出向き、この勉強会に参加しています。患者さんにはよく「倒れないでね!」と体力面を心配されますが(笑)、患者さんによりよいものを提供したい、

 

と考えた場合、本で調べて独学するのいいけど、やっぱり僕自身が尊敬する大先輩達に直接話を伺い、その場で質問する、という勉強スタイルが、僕には合うみたいです。

 

そのモチベーションがある限りは、これからも行きます!新しい情報が入ってくる度、僕の治療はどんどん変化し続けると思います。

 

(もちろん、患者さんにとっていい方向にね。)

 

結局、その試行錯誤が一番楽しいんですネ(*^_^*)これからも頑張りマス!

 

 

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「副作用」って何ですか?

2009.12.08

今日は「副作用」のお話し。

 

 

「副作用」を調べますと、(公社)日本薬学会のサイト様のこのページよると

 

病気の治療に関わる主作用に対し、それとは異なる別の作用や有害である作用のこと。

 

一般的には主作用以外の作用でも患者にとって不都合でない場合は副作用と呼ばないことが多い。

 

病気の予防、診断、治療に通常用いられる用量で起こる好ましくない反応を有害反応(adverse reaction)と呼ぶ。

 

医薬品添付文書では副作用の項目に有害反応が記してあり、一般には副作用有害反応は同じ意味として扱われている。

 

(2005.10.25 掲載)(2009.1.16 改訂)

とあります。

 


・・・なぜ、今日はこんな当たり前みたいな疑問を書いたかというと、先日患者さんから、

「漢方薬には副作用がないんですよね?」

という言葉を聞いたからです。

 

 

まあコレ、良く聞く言葉なんですが、僕は大体、

「ん~ないわけじゃないんだけど、要は西洋薬よりも体に優しいものが多いんですよ~。」

なんて答えることが多いです。

・・・しかしこれもねー、正確に答えようとすると、

「東洋医学には、もともと“副作用”という考え方そのものがないので、漢方薬を飲んで症状が変わらない、あるいは改善しないで、不快な症状が現れた場合は、

 

最悪、”間違った処方”である可能性もあります。

 


また、最初の症状が良くなって、別の症状が出てきた場合は、初診の時とは体の状態が変わったということですので、別の処方に変えてもらう必要があるかもしれません。

 

また、副作用と似て非なる考え方で”瞑眩(メンケン)”なんていうものもあります。云々・・・」


となります。

 

 

・・・なんか、小難しい感じしちゃいますよね!?

 

(苦笑・・・僕が患者さんなら、説明中に寝てしまいそうです。。。)

 


ですので、上に書いたような、ちょっとぼかしたような答え方をすることが多いんです。

 

(そもそも、薬に関して口出しできる権利は我々鍼灸師にはありませんし、業務範囲外になります。)

 


東洋医学ではいわゆる診断名のことを「証(しょう)」といいます。

 


この「証」は同じ人の同じ病気でも、その場、その時の体の状態によって変わってきます。

 


東洋医学の医者はその「証」を東洋医学独特の「診察法(四診術と言われます)」によって絞り込み、よし、現段階ではこれで間違いない!と思われる処方をします。

 


このように、「証」を考えて、論理的に治療を進めるやり方を「弁証論治(べんしょうろんち)」といいます。

 

 

要するに、その時その瞬間の患者さんの状態に合わせて、病全体の成り立ち、仕組みを意識しながら、東洋医学の世界観の中で論理的に治療を進めていくわけですね。

 


漢方薬にしても鍼灸にしても、たまにステレオタイプ的に「副作用がない」と言われる所以は、漢方薬、鍼灸を用いる際の土台となる、東洋医学自体に

「副作用という“考え方”そのものがない」

からなのであって、決して、

 

「東洋医学なら、鍼灸でも漢方でも、どんな治療をしても悪化しない」

 

とか、

 

「どんな治療内容であっても、体の害にならない」

 

訳ではないのです。

 


漢方でも鍼灸でも、「証」を間違えて処方、施術すれば、悪化することもあるし、体の害になることだって当然あります。

 

 

また、主訴(メインの症状)は取れたけど、他の症状が出てきてしまった、なんてこともあり得ます。

 


ちなみに余談ですが、たまにまことしやかに言われる

「漢方には即効性がない」

というのも、大きな間違いで、キチッと証にあった漢方薬を飲めば、飲んだその場で症状が楽になるなんてことはざらにあります。

(もちろん病気や症状によりますが)

 


中国の古典では、生半可な知識、経験の医者が治療にあたり、患者さんを悪化させてしまうことを、

「中工の害(ちゅうこうのがい)」

といって、キツく戒めています。

 


・・・ですから、漢方だから、鍼灸だから無条件にいい!というわけではなく、正確に「証」が立てられる先生が使うから、これらの効果が最大限発揮でき、その結果、

「東洋医学っていいもんだよね~。効くよね~(^O^)/」

となるわけです。

 

 

一般にしばしば言われる、

「漢方薬は副作用がないからいいんだけど、即効性がなくてね~・・。」

とかいう風に、漢方薬を間違った理解で位置づけてしまうのは大変もったいない話だと思います。

 

(副作用がない=×、即効性がない=×ですね。。。)

 

 

これを言うなら、

「間違った認識が蔓延しているんで、もっと漢方薬をビシッと使いこなせる先生が増えてくんないかな~」

と、現状を憂うのが正確な認識だと思います。

 

 

なにせ、シップやうがい薬、ビタミン剤等のサプリメントと同等に扱われる時代ですから・・・(苦笑)

 

 

ちょっと愚痴っぽくなっちゃいましたが、僕も、今よりももっともっと、「鍼灸をビシッと使いこなせる」先生になりたいと思っています。

 

 

参考資料「副作用の定義について」PDF

 

 

 


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