東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「察証弁治」と「弁証論治」 2

2016.11.30

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前回のお話

 

「察証弁治」と「弁証論治」  参照

 

 

 

◆「察証弁治」と「方証相対」

 

 

「弁証論治」と言えば、「証を弁えて、論理的に治療する」一連の過程を言い、それは、現代中医学の基本になっています。

 

 

その現代中医学は、今や世界の東洋医学教育のスタンダードになってきました。

 

(というか、なっています。)

 

 

1840年のアヘン戦争以降、1955年くらいまで、約百年かけて、それまでの長ーい歴史をよく踏まえつつ、「弁証論治」という考え方が中国国内で形成されていくときに、

 

日本の医学の影響はなかったかと言うと、僕は少なからず「あったのではないか」と思っています。

 

 

◆参考 

 

「現代中医鍼灸学の形成に与えた日本の貢献」真柳誠

「中医学から見た日本漢方」平馬直樹

「曲直瀬道三の察証弁治」熊野弘子

「曲直瀬道三の察証弁治と中国医学の受容」熊野弘子

 

 

 

中国では戦乱の度に重要な医学書が散逸するのに対し、日本には重要な医学文献がいい保存状態で多く残っており、幕末の日本の医学者たちの文献学が世界最高峰であったのは、

 

森立之しかり、渋江抽斎しかり、このブログで紹介した通りです。

 

森立之という人物

墓マイラー10

渋江抽斎という人物

墓マイラー 25 渋江抽斎先生   参照

 

 

 

もともと、「弁証論治」と似たような考え方で、日本にあったのが曲直瀬道三(1507-1594)の「察証弁治」という考え方です。

 

 

でもまあ、曲直瀬道三の師匠である田代三喜(1465-1544)の、そのさらに師匠は中国人と言われています。

 

(諸説あるようですが。。)

 

曲直瀬道三(まなせどうさん)について

NHKに曲直瀬道三が参上!!

田代三喜(たしろさんき)という人物  

ツムラメディカルトゥデイ「漢方医人列伝 田代三喜」遠藤次郎 参照

 

 

要は、日本と中国は昔から、お互いに影響を与え合いながら、日本の医者も、中国の医者も、臨床現場、医学教育現場において、よりよいものを作ろうと工夫してきた歴史があります。

 

 

ところが、曲直瀬道三「察証弁治」は、難解であったのか、あまり日本の医家には定着せず、その後登場する医学界の革命児、吉益東洞(1702-1773)あたりから始まる、

 

「古方派」という学派の「方証相対」という考え方の方が、一般的には定着していったような歴史があります。

 

吉益東洞(よしますとうどう)について 参照

 

 

漢方家でない私が語るのは僭越なんですが、この「方証相対」という考え方は、要するに

 

「〇〇湯で〇〇という症状が治せる」

 

あるいは

 

「〇〇という症状が揃えば〇〇湯が効く」

 

という考え方だそうで、悪く言えば短絡的であり、今日よく批判の対象として問題になる

 

「症状漢方、病名漢方、症状配穴、病名配穴」

 

の根本的な原因である、という批判もある考え方ですが、一方で、分かりやすい、現場で運用しやすい、ピタッとハマれば特大ホームラン!

 

という側面もあるようで、現場の医師に好まれた歴史があるのでしょう。

 

 

この「弁証論治派」「方証相対派」の対立は、中国でも日本でも、未だに”一部では”続いていると言ってもいいと思います。

 

 

・・・うーん。

 

 

どうなんだろう。

 

 

 

仲良くやった方がいんじゃないすかね。。。(苦笑)

 

 

 

 

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「察証弁治」と「弁証論治」

2016.11.26

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明日、「弁証論治」について話します。

 

 

「弁証論治」というのは、「整体観(念)」と並んで、中医学の基本です。

 

「弁証論治」って何ですか?

全てにおいて弁証論治

やること為すこと弁証論治

「整体観」って何ですか? 参照

 

 

この「弁証」という言葉ですが、中医学ではなく、哲学用語としての「弁証」という言葉をネットなんか調べていくと、実に果てしない、難解な学問が待っています。(笑)

 

 

まあかつて、このブログ上で、哲学者であるヘーゲルやマルクスについて書きました。

 

ヘーゲルの弁証法 5

マルクスの弁証法 5   参照

 

 

東洋医学で「弁証」という言葉を使う時は、

 

「証を弁(わきま)えること」

 

というほどの意味です。

 

 

「証」とは、その時点における、病態の本質、メインとなる病理状態のことです。

 

 

つまり「弁証論治」とは、

 

「証を弁(わきま)えて、論理的に治療すること」

 

です。

 

 

これが今では、「整体観」と並んで、巨大な「中医学」という学問の基本となっています。

 

 

ところで、この考え方が生まれる全然前、日本の江戸時代に、「察証弁治(さっしょうべんち)」という考え方がありました。

 

 

この考え方を唱えたのは、以前このブログでも紹介した曲直瀬道三(1507-1594)です。

 

曲直瀬道三(まなせどうさん)について

NHKに曲直瀬道三が参上!!        参照

 

 

 

長くなったので続く

 

 

 

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無料講習会、行ってきました!!

2016.11.21

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昨日、11.20は行ってきました!

 

 

(公社)東京都鍼灸マッサージ師会主催の無料講習会。

 

 

はるばる奈良から、北辰会の油谷真空先生がお見えになりました。

 

 

油谷先生は、現在奈良で「風胤堂(ふういんどう)」という鍼灸院を開業されています。

 

 

そして、藤本漢祥院の元副院長であります。

 

 

また、北辰会が基本として、数十年前から大事にしている『臓腑経絡学』の主編でもあり、森之宮医療大学の講師でもあります。

 

 

非常にカチッと、北辰会と中医学の違いや、実際の症例を、デモも含めて、丁寧に講義してくださいました。

 

 

あれで無料はスゴイと思います。( ゚Д゚)

 

 

会場は120名ほどでギッシリ、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。

 

 

dsc_0335.jpg

 

 

そして今回は、たまたま東京に来ていた、とある魔法使いも、急遽参加しました。(笑)

 

 

・・・さて、今週末は、私も3時間喋ります。

 

 

昨日、油谷先生がやって下さった内容を、さらに細かく、分かりやすく、かみ砕いて講義しようと思います。

 

 

来ないと、人生の半分以上は損しますぜ。(*‘∀‘)

 

 

 

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不動明王マイラー 5

2016.11.12

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前回のお話

 

不動明王マイラー 1

不動明王マイラー 2

不動明王マイラー 3

不動明王マイラー 4   参照

 

 

 

 

◆「縁日」とは。

 

 

岩波の『仏教辞典 第2版』によれば、「縁日」とは、神仏と衆生とが縁を結ぶ日、とあります。

 

 

それぞれ決まった日に特定の寺社に参詣して、神仏と縁を結ぶことによって、その功徳が生ずる、と言います。

 

 

不動明王の縁日は一般に28日と言われます。

 

(27日と言っているお寺もあるようです。)

 

 

不動明王以外に28日が縁日なのは大日如来と鬼子母神なんだとか。

 

 

・・・で、なぜ28日なのか、という話なんですが、何と答えは「不明」だそうです!!!(笑)

 

 

こういうのは、東洋医学の世界にもけっこうあるので、僕なんかは慣れっこなんだけど(苦笑)、最初に言いだした人に聞かないと分からない、

 

でもそれって一体、何千年前の人なんだ、って話なのです。(゚∀゚)

 

 

不動明王以外にも縁日はあり、5日は水天宮、8日は釈迦と薬師如来、18日は観世音、という感じなんですが、釈迦は誕生日、観世音(観音様)は前世で涅槃に入った日、

 

とか、色々言われがあるようなので、不動明王の場合も、何かしらの意味があるのではないかと思いますが、とりあえず「不明」なようです。

 

 

まあただ、8日、18日が縁日になっていることと、末広がりの「八」の神秘性から考えても、28日も何らかの縁日にしたくなる気持ちは分かります。

 

 

「八」は東洋医学でも非常に特別な数字です。

 

 

そして「二十八宿」と言えば、古代中国の天文学で28の星座を示す言葉です。

 

 

『黄帝内経素問』気府論(59)には、奇経八脈の任脈と督脈の穴数がそれぞれ28あると書いてあります。

 

(因みに現代の鍼灸学校では督脈が28穴、任脈は24穴です。個人的には督脈に天周の28、任脈に暦法の24節気の24を当ててる方がシックリきますね。)

 

 

また、『黄帝内経霊枢』五十営(15)玉版篇(60)では経脈を28(左右の十二経+任督+蹻脈)と定義し、現代中医学でも、脈状診の分類を28種類としています。

 

 

また個人的には、『難経』28難に奇経八脈の流注(設計図)が記されていることも、とても意味があるように思えます。

 

(因みに24難には三陰三陽の脈絶の論があり、ここも意味が深いと思え、『ハイブリッド難経』では24難の解説部分に、陰経の開・合・枢理論に対する割石先生の理解が書かれているので、鍼灸師は必ずチェックしましょう。)

 

 

不動明王というのは、「五大明王」の中心であり、大日如来の化身である、と言われます。

 

 

「五」も、これまた特別な数字。

 

 

イヒヒ・・・(*‘∀‘)

 

 

言ってったらキリがないね。

 

 

何やらいろいろ、妄想族の俺の頭の中で繋がってきやがったぜ・・・☆

 

 

 

続く

 

 

 

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「病理」と「病機」

2016.10.25

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先日告知したように、11.27に、北辰会で喋ります!!

 

11.27、三時間喋ります!! 参照

 

 

今、その内容の細かい部分を詰めている作業中です。

 

 

3時間ももらって、対外的に喋るんだから、せっかくなんで、永久保存版の講義にしようと思っています。

 

(数年前から、北辰会の講義は年に数回しかないので、毎回そういう気持ちでやっています。)

 

 

 

 

ところで北辰会では、中医学の言う「病因病機」のことを「病因病理」と呼んでいます。

 

(これらは、いわば疾病のメカニズムみたいなもんです)

 

 

これに関して、「機」「理」の、字義の違いに触れつつ、こないだ述べました。

 

「理」の意味 5 参照

 

 

要約すると、結局、なぜ北辰会方式では「病因病理」と呼ぶのか、明確な回答は先輩に聞いてもなかなか得られず、

 

「どっちでもエエんちゃう??」

 

とか言われて、

 

「だったら中医学の教科書に合わせて、病因病機と言った方が良いんじゃないすか!?」

 

と思ったりして、ハッキリしないイライラ感みたいなものがありましたが、色々とまとめていると、やっぱり「病因病機」という呼称よりも、

 

北辰会方式では「病因病理」という呼称の方がいい気がしている、という話をしました。

 

 

「病機」というのは読んで字のごとく「病の機序」であり、病のメカニズムのことです。

 

(肝鬱気滞→脹痛、みたいなね。)

 

 

それに対して「病理」というのは、先日書いたように「ある病機の、生理面も含めた、理論的根拠」という意味に解します。

 

(肝鬱気滞を緩めんがための生理的欲求として、甘いものや酒を過食過飲したら、結果として胃熱が生じた、みたいなね。)

 

 

こういう風に、ある症状の背景にある「生理的な欲求」についてまで考えることで、各病機の標本主従が明確になり、病の全体像の「本質中の本質」が把握しやすいのではないか、と考えています。

 

 

具体的に言うと、精神的なストレスの過剰から気機が鬱滞し、肝の臓の病変を起こし(病因→病機)、それを緩めんがために甘いものを過食(病機→生理)した結果、

 

二次的に脾の臓や胃の腑の病変を起こした(病因→病機)という患者がいた場合、肝の病機と脾胃の病機の標本を考えると、本は肝、となります。

 

 

ここで、病因病機のみしか意識しなければ、この症例における時系列的、理論的な標本の判断が難しくなります。

 

 

そして、それが分析出来た上で、四診によって現時点、治療時点における各病機の標本主従を明確にして「証」を弁出して、養生指導も欠かさずに、治療を進めていくのです。

 

 

そうすると、治療の結果、何が動いて、何が動いてないかが分かります。

 

 

因みに、例えば上記のケースで、病因病理の上では「本は肝」であっても、初診時の状況(主訴その他の状況)によっては、「急則治標」で胃の熱から叩く、

 

とかいうケースもあり得るワケです。

 

 

やれ弁証論治派、といっても、ここまで理路整然とやっているところもなかなかないと思いますけどね。

 

 

 

11.27は、イヤというほどこういう話をしてやるうー!!(=゚ω゚)ノ

 

 

 

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今週は東京衛生学園、教員養成科へ!

2016.10.17

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清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、求人募集しております。

募集内容の詳細はこちら

 

 

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昨日、11.27、三時間喋ります!!という記事を書きました。

 

 

今から年末にかけて、暴れたいですね~~。(゚∀゚)

 

 

衝動が来るなー。。。

 

 

さてそこで、来週は私の母校である東京衛生学園の教員養成科にて、2週にわたって講義致します。

 

 

この講義は数年前から、北辰会の藤本新風副代表とともにやらせていただいております。

 

 

新風先生が1日目の2コマを、で、私が2日目3日目の合計4コマを担当し、「鍼灸治療学」ということで、北辰会方式の内容を紹介しようという企画であります。

 

 

まあ、日本の鍼灸学校の『東洋医学概論』の教科書も、先日ついに改訂されました。

 

 

近々、『東洋医学臨床論』の教科書も改訂されるそうです。

 

 

その内容は、基本的には「中医学」の内容に準ずるものであります。

 

 

1970年代から始まった、東アジアの伝統医学をまとめて、統一化する動き。

 

 

先日、ニュースにもなっていましたが、いよいよWHOが国際疾病分類に東洋医学、伝統医学の用語を入れる動きになってきました。

 

 

その中で、日本は単に、中医学の模倣でいいのか。

 

 

日本独特の、中国伝統医学の昇華はないのか。

 

 

あるとすれば、それを世界にどうやって説明するのか。

 

 

この問題に対する、一つの回答が、北辰会方式だと思います。

 

 

これから教員になる学生さん達にとって、知っておいて損はないでしょう。

 

 

 

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「初めて脈診をちゃんと教わりました。」

2016.10.13

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東洋鍼灸専門学校での後期講義、始まっております。

 

 

昨日は「脈診」に関して講義してきました。

 

 

東洋医学的な診断治療を行う上で、欠かせない診察法である「脈診」

 

 

このブログでも、何度も触れています。

 

「脈」で何が分かるの?

「脈診」の可能性

脈々と続く脈診

舌診か脈診か。。。

「舌診・脈診」についてしゃべって来ました!   参照

 

 

脈診と言えば、現代日本では一番大きな、伝統鍼灸の学派である「経絡治療学会」が提唱する「六部定位脈診」という脈診法が、

 

経絡治療学会の講師の先生方などによって、全国の多くの学校で教えられています。

 

 

国家試験にも出題されます。

 

 

これは、昭和初期に「古典に帰れ」と提唱したといわれる柳谷素霊先生の高弟の先生方が提唱した脈診法であり、その後、

 

現代まで、ずーっとメジャーな脈診法として扱われています。

 

柳谷素霊という人物

墓マイラー 15      参照

 

 

学生さんに聞いても、脈診と言ったら「六部定位脈診」しか知らない、東洋医学的な治療方式と言ったら「経絡治療学会のやり方」しか知らない、

 

という学生さんも多いです。

 

 

しかし、脈診の歴史を紐解くと、中国でも日本でも、必ずしも「六部定位脈診」のみが行われてきたわけではない。

 

 

・・・というか、「六部定位脈診」が、こんなに偏って、広く教育されているのって、近現代の日本のみなんじゃないだろうか。(苦笑)

 

 

そこで僕は毎年、「脈診」そのものの、客観的に見た、極力偏りのない「脈診の歴史」から講義しています。

 

 

その上で、今やグローバルスタンダードと言っていい、現代中医学が採用している脈診(28脈状診と言います。)の基本的理論と実際を説いてから、

 

我々北辰会の脈診法(胃の気の脈診と言います。)について、理論と実際を紹介するようにしている。

 

 

これをすると、毎年学生から、

 

「初めてちゃんと脈診を教わりました!」

 

と言われて、驚きます。

 

(3年生ですよ。。)

 

 

まあ要はその講師が、自分のやり方考え方について「だけ」しか語っていない、なんてことは、真面目な学生さんは御見通しなんですね。

 

(真面目だったわけではない僕ですら、学生時代そう思っていました。)

 

 

その先生の見解はどうでもよくて、そうでない、永遠に使える東洋医学のスタンダード、基礎基本を、学生さんは求めているんだと思います。

 

 

まずそれを理解し、その上で、色々と取捨選択していきたいんだと思います。

 

 

当然ですよね。

 

 

日本で唯一、東洋医学を勉強できる公的教育機関である鍼灸学校がそうなっていないというのは、大いに問題だと思っているのは、私だけでしょうか。。。

 

 

 

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「理」の意味 4

2016.08.02

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これまでのお話・・・

 

「理」の意味

「理」の意味 2

「理」の意味 3     参照

 

 

 

◆「理」の意味から見る”病因病理”

 

 

ここまで、「理」という言葉の意味をあれやこれやと考えてきました。

 

 

多義的で、古代中国のあらゆる思想哲学において重視されてきた言葉であることが分かったと思います。

 

 

 

 

話しを最初に戻すと、東洋医学的な病のメカニズムのことを、北辰会では「病因病理」といい、症例を内外で発表する際には、その「病因病理」を、

 

わざわざチャート図にして添付し、発表するようにしています。

 

 

これは、文字でゴチャゴチャ書くよりも、チャート図にすればスッキリと一目瞭然だからです。

 

 

症例によっては、非常に複雑怪奇になる東洋医学的な病理パターンを、ペライチの紙に見取り図的に図示して、スッキリとまとめることが出来るかどうか、

 

これは非常に「論理的思考」や「その症例に対する理解度」が問われるところです。

 

 

まさに、「病の東洋医学的な設計図」として、「病因病理チャート図」を使っているわけです。

 

 

これが、一症例一症例、頭の中に的確に描ける人ほど、論理的でシャープな弁証論治が出来る人、ということになります。

 

(まあ忘れちゃいけないこととして、それプラス「技術力」「人間性」ということになる訳ですが。)

 

 

ホンモノの臨床は、理論偏重でもイケない、技術偏重でもイケない、まさに「学・術」両面のバランスの取れたものであることが理想です。

 

(それでも、現実は術者の個性によって、理論偏重になったり、技術偏重になったりするものですがネ。。。)

 

 

さて前回まで、東洋哲学における「理」の意味をツラツラ書いて来ましたが、この意味からすれば、”病因病理”という言い方は、

 

「病の原因と、病の普遍的な筋道、法則、道理」

 

となります。

 

 

では、現代中医学の言う、”病因病機”という言い方の場合はどうなんでしょう。

 

 

違いは何なんでしょう。

 

 

次回からは「機」の意味を考えて、「理」と比較してみたいと思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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「理」の意味

2016.07.29

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(一社)北辰会では、東洋医学的な病のメカニズムのことを「病因病機」と言わずに「病因病理」と呼びます。

 

(一般的な現代中医学の教科書では”病因病機”と書いてあります。)

 

東洋医学的な病のメカニズム

再分析(病因病理について)   参照

 

 

これについて、ずいぶん昔に北辰会の先輩に質問したことがあります。

 

 

普通に

 

「なぜですか?」

 

と。(笑)

 

 

答えは、

 

「病因病理も、病因病機も、意味は一緒です。」

 

と。(笑)

 

 

この時、

 

「意味が一緒なんであれば、なんでわざわざ中医学の言い方と変えてるんだろうか。」

 

「同じ言い方だとパクったみたいでヤだから、あえてちょっと違う言い方をしているだけなのか?」

 

「もしそうであれば、単なる混乱のもとじゃないか!!」

 

と思ったことがある。(笑)

 

 

(一社)北辰会には、約40年以上の歴史があります。

 

 

もしかしたら、初期の頃の学術部の先生が、この言い方に何か意味を込めたのかもしれません。

 

 

・・・というワケで、「理」「機」の字解きをしつつ、「病因病理」、「病因病機」、どちらの表記の方が意味を正確に示しているか、ちょっと考えてみたいと思います。

 

(ヒマ人のなせる業☆(*‘∀‘))

 

 

 

続く

 

 

 

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「打鍼」復興の歴史

2016.07.22

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来週、東洋鍼灸専門学校にて、「北辰会方式打鍼術~実技編~」を講義します。

 

 

実はこれはなかなか画期的な話でして、これまで、鍼灸学校で「打鍼」のことが紹介程度に講義されたことはあっても、

 

平常授業の中で、打鍼を日本で一番、臨床で応用しているといっていい、「北辰会方式の打鍼術」が、

 

”鍼灸学校の授業の中で”

 

”実際の打鍼の道具を手に取って”

 

北辰会の講師によってハッキリとした形で講義されるのは、有史以来初めてなんじゃないかと思います。

 

(笑・・・大げさか。)

 

 

まあ、気合い入れていこうと思います。

 

 

こういう機会を下さった東鍼校の校長先生、学科長に感謝します。

 

 

 

 

ところで「打鍼」というのは、もともとは先の尖った太い鍼を、木槌でコンコンと叩いて皮下に打ち込み、治療する方法と言われてきました。

 

(いたそーですねー)

 

 

古文献に書いてあるように、先の鋭く尖った鍼を使って、実際に木槌でその鍼の頭を叩いて、皮膚に打ち込む先生もいらっしゃるようですが、

 

これは痛みなく行うのが非常に難しく、北辰会ではそれを現代人の繊細な感覚に合うようにアレンジし、太くて先の丸い鍼を使って、

 

その鍼を腹部のツボに当てて、その上から木槌で叩打し、独特の圧加減と振動と音の響きで刺激する、非常にソフトな治療法として、

 

さらにそれを現代中医学の弁証論治の考え方ともクロスオーバーさせて、「北辰会方式打鍼術」として昇華しております。

 

(因みに、最近の長野仁先生大浦慈観先生たちの研究によれば、江戸期から”刺さない打鍼術”は存在していたようです。)

 

 

ですので、現代の鍼灸臨床の現場ではむしろ普通の人よりも過敏な、小児や女性などによく用います。

 

 

 

 

ところでところで、江戸時代に打鍼を世に広めたのは、先日ご一族の墓所に墓参してきました、江戸初期の京都の鍼医、御薗意斎先生です。

 

墓マイラー 21 御園家代々の墓

御薗意斎という人物  参照

 

 

御園意斎先生以前にも、打鍼術自体はあったそうですが、御薗意斎先生の師匠とも言われる、臨済禅の僧医である夢分斎という先生が、

 

打鍼をするにあたっての診察、治療部位を腹部に限局し、さらに禅の考え方と組み合わせて理論的に展開し、

 

「夢分流打鍼術」

 

として一つの流儀としてまとめ、それを当時のカリスマドクターであった御薗意斎先生に伝え、世に広まり、さらにその後、奥田意伯という人物が、

 

夢分斎先生の伝書として刊行したのが

 

『針道秘訣集』

 

という有名な本であると言われています。

 

 

その後、打鍼術は全国色々なところで行われていたようですが、現代でも続く、鍼管を使って刺入する管鍼術に押されたのか、江戸後期から大正時代あたりまでは、

 

衰退していた時期もありましたが、昭和の初期になって、私が今教鞭を取っている、東洋鍼灸専門学校を作った柳谷素霊先生によって紹介され、

 

その弟子筋である橋本素岳先生、小野文恵先生、福岡の馬場伯光先生たちが、臨床で応用していたあたりから、復興が始まったようです。

 

墓マイラー 15

柳谷素霊という人物  参照

 

 

・・・で、1970年代(昭和40年代)に至って、打鍼術の伝書である『針道秘訣集』を解説した本である『弁釈針道秘訣集』を刊行し、

 

自分たちなりにアレンジし、再び大きく世に広めたのが、北辰会代表、藤本蓮風先生です。

 

 

・・・で、僕はその影響を受けて、普段の臨床に北辰会方式の、”刺さない”打鍼を使っているわけなんですね。

 

 

これは江戸時代初期から現代までの数百年、連綿と続く一筋の流れなのです。

 

 

打鍼をやるならば、こういうことをキチッと踏まえないと。

 

 

 

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