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2009.12.06
引き続き、新しく届いた患者さんの声をアップします。
50代 男性
症状:腰痛、坐骨神経痛、眼精疲労(疲労性網膜剥離手術後)
学生時代にやっていた柔道で腰を痛めてから、坐骨神経痛持ちになりました。
スポーツで痛めたものは鍼治療が効くと聞き、過去にも受けていましたが、仕事の忙しさも相まって治療が途切れていました。
そんな時、家族がお世話になっていた竹下先生に十数年ぶりに鍼治療していただき、今日に至っています。
長時間のデスクワークや車の運転などで痛みが出ることが多く、先生から体の歪みによる不良姿勢も影響していると言われ、
姿勢や歩き方なども気を付けるようになりました。
仕事の都合もあって、2週に1度程度の診察しか受けられませんが、治療の都度、日常生活で出来る運動などアドバイスしていただき、
それを実行することで随分楽になったと実感します。
治療間隔が空いても継続して受けることは大きいですね。
治療後は体が少し重だるい感じで、とても眠くてひと眠りしますが、夜には再びぐっすりと熟睡できます。
翌朝の爽快感と身体の軽さは鍼治療ならではの感覚だと思います。
毎日の晩酌を週末だけにしたり、それまでの自転車通勤をやめて歩くようにしたりと、それなりに努力しているつもりですが、
筋肉量に対して骨が細めだから膝にも注意して、と言われ、自分では全く想像もしない盲点がまだまだあるのだと思いました。
43歳の時に過労から網膜剥離になり手術を受けて以来、目の疲れには特に気をつけているつもりでしたが、治療の時に
「少し熱を持ってるから気をつけて下さい。」
と指摘されてハッとすることもよくあります。
これからも竹下先生の治療とアドバイスに従い、身体をこき使わないように注意して、仕事にプライベートに充実した日々を送りたいと思います。
<清明院からのコメント>
この方は仕事がら肉体労働とPC作業の両方をなさる方で、目も体も酷使するため、10年前に疲労から網膜剥離を起こしてしまいました。
それに学生時代から持病として抱えている坐骨神経痛もあり、治療の相談を受けました。
「肝鬱気滞、湿熱(かんうつきたい、しつねつ)」と証を立て、2週間に1回、継続的に治療しています。
患者さん自身がおっしゃっているように、ご自分で会社を経営されている方などに多いのですが、仕事が忙しいとつい仕事に気が集中してしまい、
自分の体に蓄積している疲労には無頓着になってしまっていることがよくあります。
そういう方がある日突然パタッと倒れてしまったり、知らず知らずに大病が進行していて、気づいた時にはもう手遅れ、なんてことは実際にあります。
不況と言われる現代で、社会で生き残っていくのは大変なことだと思いますが、自分が倒れてしまったらそれこそ大変です。
鍼灸治療は完全ではないにせよ、それを未然に防ぐことに資するでしょう。
忙しくて自分の体と向き合うことがなかなかない方は、是非ご相談していただきたいと思います。
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2009.11.29
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この疑問については、清明院HP内の「よくある質問」のコーナーに挙げてありますので、まずはそちらをご覧ください。
ここに書いてあるように、「経穴」というものは、
1.目には見えず、機械で測定することも出来ず、
2.緊張度や寒熱などが「変化する力」が大事であり、
3.「ある病気、症状=〇〇という経穴」という考え方は間違いである、
と述べてあります。
今日はさらにこのことを詳しく、分かりやすく、述べてみたいと思います。
なるべく患者さんに分かるように、専門用語は極力避けて、説明してみようと思います。
まず、1.目に見えない、機械で測定できない という定義づけですが、これは、”「気」って何ですか?”のところで述べたとおり、東洋医学のいう「気」というものは、
絶えず動いており、ギュッと集まれば形を成し、ふぁ~と散れば形を成さないものである、という、この宇宙の有形と無形の間を自由に行き来する存在であり、
人間の「カラダ」というものは、その「気」が集まった形であると考え、さらにそのカラダの中を「流れる気(経絡の気)」も、形のない存在、と考えます。
「気が集まって、形を成した姿」である人間の体を、縦横無尽にめぐる「経絡の気」は、「形のない存在、つまりここでは目に見えない存在」として、
ぐるぐると全身を廻りながら、人間の「陰陽のバランス、調和」を保っている、最も重要な存在、と考えます。
東洋医学ではそのように考えているため、目に見えない経絡の上にある「経穴」というものも、当然目には見えないですよ、となります。
で、この「気」そのものを物理的、あるいは数値に置き換えたりして、機械で捉えることは現状出来ていません。
だから非科学だ、ではなく、現状の最先端科学ですら追い付いていない、大いに研究対象とすべき「未」科学とはいえまいか、というのが、私個人の考え方です。
次に、2.経穴が変化する力の重要性 ですが、これは実際に、毎日毎日患者さんの経穴を診ていますと、それは実に様々に変化します。
時には冷えたり、熱を持ったり、ガチガチに硬くなったり、ふにゃふにゃに柔らかくなったりと、その場その時によってあらゆる変化を見せます。
・・・要するに、「経穴」はこうやって色々と変化しながら、時々刻々と移り変わる外界の環境に適応するべく、結果的に体全体の「陰陽のバランス調和」を保ってくれている訳です。
この変化する力が強ければ強いほど、「陰陽バランス」を保とうとする力が強い、すなわち、「生命力が強い」と考えます。
東洋医学ではこの、人間みんなが持つ「陰陽バランスを保とうとする力」すなわち生命力、言いかえれば自然治癒力(免疫力と言ってもいいかもしれません)、
さらに平たく言うと、人間もともと持つ「治る力」を、鍼灸や漢方で調えて、最大限活かしきることによって、病気を治そうぜ、というのが目的なんです。
まあ簡単に言うと”カラダにとって無理や負担の少ない、やさしい医学”ですね。
ですから、3.〇〇の病気には〇〇という経穴 という考え方で、同じ経穴に延々と処置をしていても、時々刻々と変化する、外界や人間の体の微妙な変化に、
到底ついていけるはずはないんです。
ただ、そういった本をよく見ますと、確かに〇〇という症状の場合に、変化の出やすい経穴が、大体紹介されていることに気付きます。
あるいは、有名な古典からの引用も多いです。
(つまりは、過去の名医の経験則です。)
なので、中には本に書いてある通りのことをやって、病気や症状がよくなる人がいるのはそのためなんです。
しかし、「経穴」というものはそういう、通り一遍の使い方をすると、場合によっては症状を悪化させることもあります。
そもそも、人間の健康に関することを、軽々に扱ってはいけません。
最近はインターネットもあるし、あらゆる情報が無数にあふれ、しかもそれを簡単に手にできる時代です。
その中にはもちろん正しく尊い情報もありますが、単なる「お金もうけ」のための、おかしな情報もかなり混ざっています。
あるいは、医療従事者ですらない者による、無責任な知識のひけらかし、単なる売名行為も少なくありません。
しかも、おかしな情報に惑わされない、冷静な自分を持つことすら難しい、ストレスフルな世の中ですしね(苦笑)
僕はこのブログで、自分が出来る限り最大限、「正しく尊い情報」を発信していこうと思っています。
(まあ、そうはいっても間違うこともあろうかと思います。もし誤謬を見つけて下さったら、ぜひご教示ください。)
・・・だいぶ前に、寝違いの患者さんを治療した時、うまくいって、治療直後に劇的に痛みが取れたことがあります。患者さんは信じられない、といった様子で、
「先生には”気の流れ”とかが見えるんですか??」
と聞いてきました。
僕は即座に、
「いえいえ、まったく見えませんよ。普通に東洋医学的に診立てて治療しただけですよ。(笑)すごいのは僕じゃなくて、東洋医学なんだと思います。
しっかりと勉強して経験を積めば、今のは誰でも出来ます。」
と、答えました。
患者さんは
「なるほどー・・・。」
と仰っていましたが、ここでもし、
「ええ、見えます。実は私には神通力があるんです。今後寝違いを2度と起こさないためには、このネックレスを100万円で・・・」
と答えてたら、今頃お金持ちになってたのかしら・・・。(苦笑)
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