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2021.09.02
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8.26(木)の夜は、第32回、順天堂東医研で喋ってきました!!
今回のテーマは
「中医学総論 -2021-」
「臓腑経絡学総論 -2021-」
の二本立てです!!
わざわざ「2021」と打ってあるのには理由があり、これは実は、まだ発足する前段階の2019年の1月と2月に、順天堂東医研で対面で講義した内容になります。
この二つの内容は、東洋医学の医者が、一生大事にするべき、基本中の基本であると、私は考えています。
コロナ禍によって、2020年からオンライン講義になってしまったんですが、オンライン講義のいいところは、全国から気軽に参加できることもそうなんですが、
動画を録画しておけば、半永久的に何度でも視聴できることです。
(しかも昔の8mmビデオのように、画像や音声の劣化はないし、スライドも、会場での講義を撮影したものよりも、全然綺麗。)
・・・何度も言うようですが、東洋医学のキホンは、この数千年変わっていません。笑
気とは何か、陰陽とは、五行とは、気血とは、五臓六腑とは、十二経絡とは、弁証とは・・・。
ですので、永久不変の基礎にあたる部分に関する講義は、しっかりとした分かり易いものを作って録画しておけば、半永久的に使える筈です。
ということで、今回二年半ぶりに、内容をリビルドして、最新情報も盛り込んだものに変え、永久保存版として、講義しました。
今回も北は北海道から南は九州まで、全国の医学生が参加され、質問もたくさん出て、非常に嬉しかったですね。
受講した1年生の感想がまた素晴らしく、軽く感動しましたので、一部紹介します。
〇
「私は今年漢方を勉強し始めたばかりで、主に日本漢方を勉強していましたが、気血等の根本的な概念すらあまり理解していませんでした。
どのように勉強を進めるかも全くわからず途方に暮れていましたが、今回の講義で中医学の視点から東洋医学の概観を見ることができ、日本漢方に対する理解もより深まったように思います。
なんとなくではありますが、これからどのように東洋医学を勉強していけばいいかを掴めた気がします。
非常に体系的で理解しやすく、参加してよかったと思った講義でした。」
まだ大学1年生でこれは、ホントに素晴らしい。
圧倒的学習意欲と理解力・・・。(゜o゜)
僕が彼と同年代の20歳ぐらいの頃といえば、勉強するにも、臨床するにも毎日なかなかうまくいかず、苦心惨憺する中で、これから東洋医学を一生学んでいく上では、
現代中国がまとめてくれた中医学というものを、あえて「批判的に」基礎に置きつつ、西洋医学で言う解剖生理学にあたる臓腑経絡学を基礎に置けば、
漢方も鍼灸も、流派や学派を超えて、一元的に
「要するに何をやっているのか」
を理解することが出来るし、西洋医学の先生方にも、根本哲学の違いから、自分たちがやっていることを平易に説明できると思った、という、
けっこう、たどり着くまでに苦労して得た見解を、何となくでも、スッと分かってしまう優秀さに、普通にビビりました。(笑)
順天堂東医研、これからますます楽しみです。
〇
2021.08.31
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8.29の日曜日は、(一社)北辰会ツイキャスライブ配信を視聴しました!!
今回のテーマは
「起きられない子供たち」。
講師は奈良のタケモトクリニック院長である竹本喜典先生です。
最近増加傾向といわれる、朝起きられない子供たち。
かつてこれを、「フクロウ型」体質と名付け、苓桂朮甘湯という漢方薬を中心に使って治療した、山本巌先生(故人)という漢方家がおりました。
(因みに朝から元気バリバリで強い体質に見えるけど、中年以降高血圧や糖尿病になるようなタイプの人のことは”ヒバリ型”と名付けました。)
現代においても、この「フクロウ型」を専門に治療する漢方外来が福岡県の久留米にあります。
今回は、山本巌先生が残した『東医雑録』という書籍を参考にしつつ、このいわゆる「フクロウ型」と思われるような体質の子供たちの症例から、
北辰会方式を漢方の臨床にどのように運用するのか、という興味深いテーマでご講義いただきました。
話は肝の臓の病理、脾の臓の病理、痰飲の取り方に及び、北辰会ではあまり強調されることの無い「肝気虚」という病理に関して、考え方や配穴に関して、
藤本新風先生からも補足講義して頂きました。
後日聞いたら、新風先生の補足は、さらにブログ等でして下さるそうなので、専門家の方は是非ご注目下さい。
また、少し専門的で上級編の話にはなりますが、いわゆる日本漢方の漢方医の先生方が取っている腹診所見というのも、北辰会なら上手に臨床(弁証論治)に取り込めるのではないかな、
という雰囲気も感じることが出来ました。
今後、東洋医学を実践している鍼灸家が、漢方家と連携するシーンも増えてくると思いますので、漢方に関する知識を習得しておくことは重要ですね。
〇
2021.08.02
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多忙により少し時間が経ってしまいましたが、7.24(土)に配信された日本東方医学会、次のステップを目指す中医学研修講座を視聴しました!!
当日聴けなくても、あとから追っかけ視聴できる素晴らしさ、有り難さ。
オンライン講義最高!!(*‘∀‘)
今回のテーマは小林瑞(みずほ)先生の「厥陰病を考える」。
私は傷寒論と言えば、古くは蓮風先生のほくと誌上での『傷寒論講義訳考』、最近では水本先生のシリーズ講義で学ばせていただいている訳ですが、
色々な講義の中でも、あまり「厥陰病」に光が当たることはなく、今回とても楽しみにしていました。
小林先生の所属されている藤門会(とうもんかい)という漢方の研究会は、東洋医学の業界では大変有名で、創始者の藤平健先生は、医大生時代(1939年)に、
現在も続く千葉大医学部の東医研を創部された先生です。
藤門会は、現会長の頼建守先生は清明院のすぐ近くでクリニックをやっておられるので、大変お世話になっております。
小林先生も、清明院から徒歩2分の位置にある、つるかめクリニックに勤務されているようです。
(恥ずかしながら存じませんでした。。。)
今回の講義は、非常に素晴らしかったです。
まず、小林先生の声がハキハキしており、非常に聞き取りやすい。
また、「厥陰病」というテーマで資料を調べていくときに、まずは自身の所属している会の見解から始まって、次に日本漢方全体の見解、中医学の見解、
さらには江戸期の医家、とりわけみんな大好き内藤希哲(1701-1735)、宇津木昆台(1779-1848)、浅田宗伯(1815-1894)などの幅広い医家の見解を集めておられ、
さらにその上で、近現代の発表も踏まえ、さらに自身の症例(経験)を重ねて考える、という、臨床家としてお手本となるような調査研究の進め方だと思いました。
小柄な女性の先生なのですが、すごいパワーを感じました。
質疑応答の際の、長瀬先生とのやり取りも仲良さげな感じで微笑ましかったですね。
日本漢方と中医学は仲が悪い、とか、相容れない、とかいう声を聞くこともあるんですが、それは一部の話で、両先生のやり取りから、お互いに学ぶところがあるということがよく伝わりました。
まああまり詳しく書くときりがないので、細かくは書きませんが、北辰会では、諸説ある六経弁証の伝変法則に関して、
太陽病→陽明病→少陽病→太陰病→厥陰病→少陰病
と教えています。
ここで、陰証における厥陰病→少陰病に関してはいくつかの説明があるのですが、その一つに、
「厥陰はまだ少陽に転化できる可能性がある」
というのがあり、今回はその話がたくさん出てきたのが非常に印象的で、勉強になりました。
他にも寒熱錯雑のメカニズムにおいて少陽病と厥陰病の違いや日本漢方の認識と中医学の認識の違いとか、厥陰病における上熱下寒の「上下」の位置についてなど、
痒い所に手が届く内容だったと思います。
〇
2021.07.13
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7.10(土)の夜は、日本東方医学会の第16回中医学研修講座(臨床の部)に参加してきました!!
今回のテーマは「皮膚科・泌尿器科」。
講師の先生は菅沼栄先生。
菅沼先生については、私の手持ちの御著書『いかに弁証論治するか』シリーズと、『東洋医学が教える食養生』を通じてと、お名前のみしか存じ上げなかったので、
どんな先生か知らなかったので、楽しみにしていました。
菅沼先生は1954年に北京にお生まれになり、1970年代後半から北京中医薬大学で講師を務め、1980年代には来日され、その後帰化され、
日本における中医学啓蒙の旗振り役を長年やってこられた先生です。
今回、皮膚科と泌尿器科の病の中医学的な考え方を基礎から臨床的な話も含めて分かり易くお話ししてくださいました。
皮膚科において、有名な黄連解毒湯という漢方薬を迂闊に使うと、かえって血虚や津液の不足を助長してしまって悪化させる場合があるというお話は、訳も分からずに
「皮膚科=皮膚の熱=黄連解毒湯」
みたいに、短絡的な発想からこの薬を使って悪化させてしまった経験のある人にとっては耳が痛い話ではないかと思いますし、皮膚疾患において、
邪気の種類や、皮膚は皮膚でも、病変が起こる深さの微妙な違いの問題はやはり非常に重要で、先生の臨床上の工夫が随所に盛り込まれた内容でした。
こういう、非常にストレートでスクエアな中医学の話を、実は久しぶりに聞いたんですが、やはりこういう基本が、完璧に頭に入っているかどうかというのは、
臨床上非常に重要なことだと思いました。
臨床では、必ず行き詰まる場面に出くわすことがある訳ですが、一つ一つの方剤、一つ一つの生薬に対する理解が的確であれば、乗り越えていくことが出来る筈ですね。
泌尿器科においても、同じ利水でも、ゆっくりと利水するのか、激しく利水するのか、場面場面に応じて使い分けることが必要ですね。
これは鍼灸も同じですので、非常に初心に帰ることが出来ました。
〇
2021.07.01
◆患者さん各位
緊急事態宣言は明けましたが、コロナ禍、まだまだ続いています。。。
当初、「5月11日まで」といって施行された緊急事態宣言でしたが、延長で「5月末まで」となり、まあ仕方ないかな、と思っていたら、
なんとまさかの再々延長で、今度は6.20(日)までとなり、ようやく明けたものの、再び蔓延防止等重点措置。
これでまた感染者が増えてきたら、再び緊急事態宣言になるんでしょう。
(ほぼ1年中緊急事態という、緊急性が伝わらない事態。。。)
飲食店は、相変わらず2021年に入ってからは、1日も通常営業出来てないそうで、サスガにたまりかねて、通常営業を再開するお店も多くあるようです。
(いくら感染拡大が怖くても、これを責める人の感覚は、僕には正直ちょっと、ついていけません。。。)
飲食のオーナーさんは、清明院の患者さんにも多いですし、近所のうまい店のオーナーさんはみんな知っているので、道で会って、辛そうな顔を見ると、こっちもホント辛いです。
このまま感染対策、感染対策と言って、飲食店を中心に、自由経済を制限し続ければ、企業の倒産、個人の廃業、失業はますます増加し、
日々失業者が増え、借金苦や貧困、将来に希望が持てないことからの精神病患者や自殺者が増えることは自明。
これはもうすでに、ずいぶん増えてきているようです。
街の空き物件も、日に日に増えています。
もはやここまで来ると、ワクチンが国民のほとんどに出回ったとしても、残念ながら、すぐに景気が回復したり、感染者問題が解決するとはとても思えず、
まだまだ暫く(数年?下手すりゃ数十年??)は、この騒動は続くのでしょう。
そして数年後、数十年後には、これまでのように大勢で集まって大声を出すようなイベントや、飲食、旅行などの形は、これまでとは違ったものになってしまうのではないでしょうか。
これらは、どれもとても不安なことですが、じゃあ何が出来るかと言えば、結局は出来る範囲の感染対策をしつつ、普通に生活することしかない。
・・・という訳で、今は確定している、信頼できる情報を参考に、冷静に、出来る範囲で感染予防をしつつ、常に心身を調整し、最適化しておくことが一番でしょう。
自覚的な体の不調があるなら、早め早めに対処しておくことです。
鍼灸も、大いにご活用下さい。
いずれにせよ、終息しない疫病はありませんので、しっかりと前向いていきましょう。
清明院では、感染対策については最新情報を参考に最適化しつつ、この騒動中もいつも通り診療しております。
なお、ネット等々の雑多な情報や、煽情的な極論の類に惑わされないよう、以下に参考サイトを示します。
【一般の方向け】
厚生労働省 「新型コロナウイルスに関するQ&A」(随時更新)
新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター(各都道府県)
【専門家の方向け】
COVID-19 感染症に対する漢方治療の考え方 改訂第二版(金沢大学 小川恵子先生)
【緊急寄稿】新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する漢方の役割(渡辺賢治ほか)
新型コロナウイルス肺炎診療ガイドライン試行第8版(中華人民共和国国家衛生健康委員会弁公庁)日本語訳版
新型コロナウイルス感染症の舌診について(医道の日本社 随時更新)
中国鍼灸学会「COVID-19のための鍼灸介入ガイドライン(第2版)」日本語訳版
◆清明院、2021年7月の診療日時
臨時休診日、休診時間等も、全てこちらに告知してありますので、御予約の際は、予めご参照下さい。
◆毎週日曜日は、外来診療、訪問診療とも、終日休診となります。
◆毎週月曜日は、外来診療のみ、終日休診となります。
(※往診事業部は稼働しておりますので、初診、再診のご予約や、予約時間変更のお電話は受付可能です。)
◆火曜~金曜は14時から17時まで、土曜日は14時から15時は、昼休みとさせていただきます。
◆水曜日は、院長が東洋鍼灸専門学校にて講義のため、外来は①14時~、②17時半~、③18時半~の3枠のみの受付とさせていただきます。
◆7.29(木)は院長が順天堂大学医学部、東洋医学研究会に参加のため、午後は18時~の再診受付、15時半~の初診受付が最終枠となります。
以上、診療時間外の活動等で、ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解ご協力のほど、よろしくお願い申し上ます。
清明院 院長 竹下有
2021.06.25
清明院では現在、求人募集しております。
募集内容の詳細はこちら。
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先日予告した、第70回、全日本鍼灸学会学術大会福岡大会に、オンライン参加してきました!
我々(一社)北辰会の代表である藤本新風先生が登壇されたシンポジウムの内容と感想に関しては、北辰会公式ブログの方に書きましたので、
そちらを参照いただくとして、ここではそれ以外の講演に関する感想を述べようと思います。
まず今回、6.4(金)~6(日)という日程でしたが、金土は診療だし、ここ最近めちゃ忙しいので、なかなかゆっくり時間が取れない。。。
ですので、オンライン視聴できること、オンデマンド配信があることは、非常に助かりました。
登録や視聴にもさしてストレスはなく、正直、今後はこれが主流になるとみて間違いないと感じました。
(倍速再生は出来るようにしてほしかった。。。)
まあ対面でないと、臨場感を感じられないこととか、普段お会いできない先生方との飲み会や、グルメや観光などが出来ないという、寂しい思いもありますが、
これも時代の流れであり、仕方ないことだと思います。
今回、視聴期限が22日までだったのですが、何度か聴かないと消化しきれないような、濃い内容の講演も多々あり、欲を言えば今月いっぱいくらいにして欲しかったです。苦笑
(あと倍速再生)
一つ一つの講演に、細かい感想を述べていくとキリがないので、ここでは特に印象的だったもののみにしますが、熊本赤十字病院の総合内科部長である加島雅之先生の「漢方サポートはじめました」は素晴らしかったですね。
総合病院内の入院患者さんに対して、鍼灸漢方で積極的に介入を行い、入院期間を短くすることに寄与できるのではないか、という内容で、この試みを継続し、いい結果を出し続ければ、
全国の総合病院で、入院患者に対して積極的に鍼灸を導入してみよう、という流れとか、それを目指したり、それ専門の鍼灸師が生まれる、という動きに繋がるかもしれません。
また加島先生は、以前からそうですが、伝統医学である鍼灸漢方を行うにあたっては、現代の研究成果を踏まえつつも、古典の記述を重んじる姿勢を一貫されており、そこも非常に嬉しかったですね。
大変稀有な存在で、心強い先生だと思います。
また、シンポジウム「医学部における鍼灸の教育の現状と課題について」では、長年、医学部において鍼灸医学を教育されている先生や、最近教育し始めた先生方が登壇され、
医学部における鍼灸教育の現状と課題がよく分かり、私も現在、順天堂東医研で講師を務めさせて頂いているので、大変参考になりました。
やはり多くの医大生や医師が、鍼灸医学に潜在的に興味や期待を抱いているという事実があり、色々と誤解されている側面もある訳なので、
そこは鍼灸師の側から積極的に働きかけるべきだと思います。
また、シンポジウム「気分障害に対する鍼治療の可能性 ~基礎と臨床、日本と世界の架け橋~」では、精神科疾患における鍼灸治療の可能性として、
日本とアメリカの基礎研究や臨床研究の現状を紹介して下さり、これも非常に期待が膨らむ内容で、興味深かったです。
あとは森之宮医療大学大学院教授である長野仁先生による教育講演「日本における灸の千五百年史と鍼の五百年史」は圧巻でした。
相変わらずの、圧倒的文献資料調査力。。。
これ、何回も聴きたかったんですが、視聴期限が来てしまって残念でした。
私も注目している、八十瀬玄為齋という鍼灸家の話が聴きたかったんですが、そこは都合で配信できなかったようで残念でしたが、長野先生にはぜひ「シン・日本鍼灸医学史」を構築してほしいです。
まあそれ以外にも、ここには書ききれないほど、興味深い講演が多数あり、素晴らしい回でした。
今回、コロナ禍に翻弄され、会場の設定やら何やら、二転三転を余儀なくされる状況の中で、最終的には完全オンラインという、未来を予感させる方法で、
70回の節目の学会運営を成功させた運営委員の先生方には、頭が下がる思いです。
一方で先週、東洋鍼灸専門学校の授業で「こないだの全日、参加した人ー??」と聞くと、クラスに1人くらいしかいなかったことがショッキングでした。苦笑
学会運営に死ぬほど時間と労力を割いている先生方がおられる一方で、学生からの学会への無理解、無関心、こういう現状も、改善させていくべき課題の大きな一つではないでしょうか。
東京も、PCR陽性者数が徐々に減少し、緊急事態宣言はひとまず明けましたが、全体としてはまだまだ不安感が拭いきれない雰囲気です。
1日も早く、社会の混乱が収まってくれることを祈るばかりです。
〇
2021.06.01
◆患者さん各位
コロナ禍、まだまだ続いています。。。
当初、「5月11日まで」といって施行された緊急事態宣言でしたが、延長で「5月末まで」となり、まあ仕方ないかな、と思っていたら、
なんとまさかの再々延長で、今度は6.20(日)までとのこと。
この分だと、さらに再々々延長とか、解除になったとしても、またすぐに宣言とか、何かしらの制限とかになることは、目に見えてないでしょうか。
飲食店は、2021年に入ってからは、緊急事態宣言と緊急事態宣言の間にも蔓延防止等重点措置があったので、今年に入ってから1日も通常営業出来てないそうで、
サスガにたまりかねて、営業再開するお店もあるようです。
(いくら感染拡大が怖くても、これを責める人の感覚は、僕には正直ちょっと、ついていけません。。。)
国の決定や世論に背いてでも、生きるために営業再開しなくてはいけないところに追い込まれており、SNSで叩かれても、国から罰則つけられても、
やらざるを得ない、みたいな、キツイ選択を迫られている飲食店のオーナーさんのことを考えると、言葉がないです。
飲食のオーナーさんは、清明院の患者さんにも多いですし、近所のうまい店のオーナーさんはみんな知っているので、辛そうな顔を見ると、こっちもホント辛いです。
このまま感染対策、感染対策と言って、飲食店を中心に、自由経済を制限し続ければ、企業の倒産、個人の廃業、失業はますます増加し、
日々失業者が増え、借金苦や貧困、将来に希望が持てないことからの精神病患者や自殺者が増えることは自明。
これはもうすでに、ずいぶん増えてきているようです。
街の空き物件も、日に日に増えています。
もはやここまで来ると、ワクチンが国民のほとんどに出回ったとしても、オリンピックがやれたとしても、残念ながら、すぐに景気が回復したり、
感染者問題が解決するとはとても思えず、まだまだ暫く(数年?数十年??)は、この騒動は続くのでしょう。
そして数年後、数十年後には、これまでのように大勢で集まって大声を出すようなイベントや、飲食、旅行などの形は、これまでとは変わってしまうのではないでしょうか。
これらはどれもとても不安なことですが、じゃあ何が出来るかと言えば、結局は出来る範囲の感染対策をしつつ、生活することしかない。
・・・という訳で、今は確定している、信頼できる情報を参考に、冷静に、出来る範囲で感染予防をしつつ、常に心身を調整し、最適化しておくことが一番でしょう。
自覚的な体の不調があるなら、早め早めに対処しておくことです。
鍼灸も、大いにご活用下さい。
いずれにせよ、終息しない疫病はありませんので、しっかりと前向いていきましょう。
清明院では、感染対策については最新情報を参考に、常に最大化、最適化し、この騒動中もいつも通り、まったくの不動心で診療しております。
なお、ネット等々の雑多な情報や、煽情的な極論の類に惑わされないよう、以下に参考サイトを示します。
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◆清明院、2021年6月の診療日時
臨時休診日、休診時間等も、全てこちらに告知してありますので、御予約の際は、予めご参照下さい。
◆毎週日曜日は、外来診療、訪問診療とも、終日休診となります。
◆毎週月曜日は、外来診療のみ、終日休診となります。
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◆火曜~金曜は14時から17時まで、土曜日は14時から15時は、昼休みとさせていただきます。
◆水曜日は、院長が東洋鍼灸専門学校にて講義のため、外来は①14時~、②17時半~、③18時半~の3枠のみの受付とさせていただきます。
◆6.24(木)は院長が順天堂大学医学部、東洋医学研究会に参加のため、午後は17時半~の再診受付、15時~の初診受付が最終枠となります。
以上、診療時間外の活動等で、ご迷惑をおかけしますが、何卒ご理解ご協力のほど、よろしくお願い申し上ます。
清明院 院長 竹下有
2021.05.28
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昨日の夜は、毎月恒例、順天堂東医研に参加してきました!!
コロナ禍でも、学びの火は消しません☆
今回の講師はいつもお世話になっている日本東方医学会会長の長瀬眞彦先生。
今回の講演テーマは「生薬について知ろう」です。
これはこれから東洋医学をやる医師にとって、非常に重要なテーマですね。
・・・と同時に、掘り下げていったらキリがないテーマでもあるんですが、いつもながら、長瀬先生の講義は分かり易いです。
色々難しい内容や発展的な内容についても十分に分かった上で、東洋医学の初学者である学生にとって、あえてちょうど理解し易いところ、
興味を引くところで講義を構成しておられ、そのジェントルな心遣いがサスガでした。
学生もずいぶん興味を持ったことと思います。
あらゆる素材から「精製された」西洋薬と、精製をせずに、自然のままの天然物に由来する「生薬」を組みあわせて使う漢方薬。
ここにもよく、西洋医学と東洋医学の基本的なスタンスの違いが表れていると思いますし、現代で毎年作られている新薬の6割は天然物からヒントを得て作られているということも、生薬学を学ぶ意義の一つでしょう。
また今回、数名の学生が、実際に長瀬先生が経験した症例について考えるという、先生の講義の恒例になりつつある「宿題」に答えていたのですが、その答えがどれも実に素晴らしかった!!
医学生から、
「この症例において、まず八綱弁証では・・・、」
とか、
「さらに気血津液で考えると・・・、」
とか、
「臓腑的には肝が中心と考えられるけど、脾の異常も見えるので、この場合は木克土の関係性から・・・、」
とか、
「この腹診所見からは・・・、」
などの発言があり、粗削りながら、何気にしっかりと東洋医学の世界観、弁証論治の思考過程を身に付けており、そこに僕としては鳥肌モンの大感動。(笑)
あれが聴けたことが、今回の講義の一番の衝撃でしたね。
いやー、うれしかったわー。
順天堂東医研を始めて二年半、構想段階から考えたら5年以上、やっぱり何でもやってみるもんだと実感した、40歳の初夏。(笑)
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2021.05.25
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5.22の土曜日の夜に行われた、日本東方医学会の「次のステップを目指す中医学セミナー」を、オンデマンドで聴講させて頂きました!!
(あとから見れる、オンデマンド配信最高!!)
今回の講師は、私も所属してお世話になっております、日本中医薬学会の会長である平馬直樹先生。
この講座には、数年前から何度か参加させて頂いており、これまで、平馬先生の講義は臨床的なものが多かったのですが、今回の講義内容は
「日本の中医学の受容と現状」
ということで、まさに日本の中医学需要~発展の生き証人、中心人物の一人である平馬先生から、貴重な話が伺えると思って、謹んで拝聴いたしました。
聴かせて頂くと、まあ当たり前ですが、平馬先生は日中の歴史の把握力がハンパないです。(゜o゜)
事実に基づき、時代時代のあらゆる出来事をキチッと把握しておられ、その知識量、整理され具合に圧倒されました。
また、日本も中国も、朝鮮半島も、そういった各時代の流れ、出来事の影響を受けながら紆余曲折を経て今がある、ということがよく分かりました。
この講義では「中医学の受容と現状」と言っても、現、中華人民共和国建国以降、1950年代以降の、いわゆる「”現代”中医学」のみをもって語るのではなく、
『黄帝内経』以来の2000年以上に渡る日中の医学史における交流から、非常に丁寧に説いておられました。
(主に日本にスポットを当てて、三世紀の弥生文化から現在までを2時間で語るとは・・・、意表を突かれました。)
先生も講義の最後に述べていたように、「日中医学交流史」がキーワードだと思いましたね。
また、江戸期の思想空間をある意味で支配した「儒学」や、それ以前の「仏教」、そのどちらにもかかわる「禅」というものにも触れておられ、
よく「日本漢方は方証相対」「中医学は弁証論治」と、ステレオタイプに語られるけど、その単純な分類の背後にある膨大な歴史的変遷と、
歴代の医家による真剣勝負の歴史の一端がよく分かりました。
また近代日本において「東京臨床中医学研究会」という研究会があり、これは今でもあるのですが、そこの元会長が、今私がお世話になっている長瀬眞彦先生が後を継いでおられる、
吉祥寺中医クリニックの初代院長である張瓏英先生であったりと、知らなかった事実がたくさんありました。
永久保存版的内容だったので、何度か視て、まとめノートに落とし込んでおこうと思います。
・・・まあ、あまりマニアックになっても仕方ないのですが、この医学をやる上では、歴史に対する理解は重要と考えています。
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2021.05.20
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コロナ禍、まだまだ続いております。
完全終息はいつになるやら。。。(-_-;)
そして、この分だと、終息後の世界は、コロナ前までとは、変わったものになってしまうことでしょう。
(きっと良い面と、悪い面がありますね。)
現在、大阪、近畿圏は医療供給体制が大変なことになってるし、全国的にも、ワクチン争奪戦がすごいですね。苦笑
・・・まあ、これまでの流れからしたら、当然そうなるでしょう。
徹底した人流抑制、感染対策もいいけど、それに加えて鍼灸漢方の積極的な利用を、ってな流れにならんもんかね。。。(*´Д`)
また最近は雨が続いて、東京も梅雨の雰囲気になってきました。
次から次に、世の中色々あるけど、こんな時は落ち着いて、粛々とやることやるのが吉ですね。
どうであれ患者さんは、毎日来ますので。
〇
ところで、昨日の夜は(一社)北辰会、会員限定企画、古典講座(ツイキャスライブ)に参加してきました!!
僕は「ツイキャス」というものを使うのが初めてで、最初は(今でも?)なかなか慣れなかったですが、音も映像も良く、聴きやすかったです。
(zoomだのツイキャスだのteamsだのインスタライブだの何だの、もはやオジサンには何が何だか。。。( ;∀;))
内容も、これまで北辰会で暫くの間やっていなかった、古典を読んで解説する講義です。
題材は、これまで北辰会が発足以来たいへん尊崇してきた医家である、江戸期の岡本一抱(1655-1716)の『万病回春病因指南』です。
これは、中国の医家である龔廷賢(きょうていけん 16-17世紀)の『万病回春』を参考に、岡本一抱が病因病証学にフォーカスして書いたと言われる書です。
(一抱は『万病回春』の豊富な内容の中でも、特に病因学を重視していたとか。サスガだね。(^^))
ここに、現在のコロナ(疫癘)の病因に応用できる内容が書かれており、
「日本、中国の古典に触れつつ、タイムリーな内容も学べる」
ということで、1度で何度もおいしい、シリーズ企画となっております。
(見逃し配信もあり!!)
しかも講師は奥村裕一学術部長と藤本新風代表という、超豪華コンビです。
会員の先生方はもちろん、これを機に入会の方もぜひ!!
・・・因みに、実はその昔、今から15年以上前は、関東支部の勉強会が終わった後に、有志数名で会場の別室に残って、岡本一抱の影印本を読む、という勉強会をやっていたことがあったんですが、
あれがいつの間にか無くなってしまって残念だったので、個人的には当時を思い出して懐かしい気持ちになりました。。。
受講者も、北海道から沖縄まで、全国の北辰会会員が多く参加したようで、今後はあらゆる教育分野で、座学はこれ(オンライン)が中心、主流になると思いますね。
(15年前当時の古典読解の講義の参加者は4、5人だったと思います。そこから考えても、すごい進歩です。)
まあ、関西の勉強会に、最初は片道数千円の夜行バスで通い、少し余裕が出てからは新幹線で、15年間も毎月欠かさず通った私としては、もちろん言うまでもなく、
ライブ講義の良さ(講義後の飲み会も含めて)は分かりすぎるほど分かっているけど、もはやこれだけインフラが整ってきていますので、
今から数年経つうちには、やれ移動がめんどくさい、やれ大会場だとスライドも見えにくい、音声も聞こえにくい、実技デモなんかでも、
手元が見えにくい、というマイナスの感覚の方が勝ってくるんじゃないでしょうか。苦笑
また、こういうイベントを打つ主催者側にとっても、申し込み手続きやら、入金の管理等々のインフラも、今後どんどん進化し、使いやすく、漏れの無いものに整備されていくことでしょう。
こうやって、最初はなんだかんだ言いながらも、結局は馬車から自動車に、黒電話からスマホへと、人類の道具や生活様式は変化してきたわけなんで、少し寂しい感じもしますが、もはやこの流れは誰にも止められないでしょう。
まあ、僕ら臨床家としては、色々な学問を効率よく学ばせて頂き、それを臨床に活かせばいいだけの話なので、いい流れなのかもしれません。
〇
2012.07.08
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(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
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