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2019.10.19
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10.17の木曜日は、順天堂東医研に行ってきました!!
(「順天堂大学医学部 東洋医学研究会」と表記すると長ったらしいので、今後はこうします。(*‘∀‘))
今回は吉祥寺中医クリニックの長瀬眞彦先生の講義「漢方エキス剤の効かせ方~人生すべからくマッチング〜」でした。
先生の講義は非常に分かり易いです。
いつもながら、高度な症例を交えつつ、学生の興味を引き付けつつ、有名な漢方や生薬に関して、上手に説明しておられました。
今回も漢方を煎じながらの講義でしたが、今回煎じて試飲した薬は「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」です。
この薬は超有名な「小柴胡湯」の変法であり、あの『傷寒論』に、「少陽病」の薬として登場する薬です。
「少陽病」を含む記事 参照
かの折衷派の代表格である和田東郭をして
「半夏瀉心湯の代わりになる薬は後世方にはない。」
とまで言わしめている名方です。
和田東郭という人物 参照
数十年前に蓮風先生も注目されて、この方剤が目当てとする「心下痞(しんかひ:みぞおちの痞え)」という所見を如何にとるか、北辰会方式としてのやり方を教えて下さいました。
(それを初めて関東で発表した時の講義で、モデルになって鍼してもらったのでよく覚えています。)
今回の講義で先生が強調しておられたのは「マッチング」、つまり、その漢方が適応となる「レスポンダー」を如何に見つけるか、という部分です。
これをするには、やはり基礎的な東洋医学理論や、脈診や舌診などの基礎的な診察法を身に付けることが重要で不可欠だ、ということです。
ここを上手に、効率的に説いていくのが僕の仕事かな、と思いますね。(^^)
他にも
「エキス剤と煎じ薬、どっちが効くの??」
とか、
「そもそもどう違うの??」
という話や、半夏瀉心湯も煎じとエキス剤では全然違う味で、なかなか興味深かったです。
2019.10.11
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こないだ、先日の日本東洋医学会で、(一社)北辰会の漢方医である竹本喜典先生のご紹介で名刺交換させて頂いた、
有名な漢方・生薬メーカーである「栃本天海堂」の課長さんである宮嶋さんの案内で、大阪の高槻にある倉庫の見学と、
京都にある武田薬品工業の薬草園の見学ツアーに行ってきました!!!
・・・まあ、一口に東洋医学と言っても、僕らの専門は鍼灸ですから、漢方薬に関しては、門外漢とまではいかないけども、普段治療するのに扱わないので、
理論的には色々知ってはいても、漢方医の先生や生薬メーカーさんほどは詳しくないです。
ですので今回は、なかなかないいい機会なので、参加させていただきました!!
↑↑まずあさイチにここへ。
↑↑倉庫はこんな感じです。立派立派!(゜o゜)
↑↑中はこんな感じ。
この袋や段ボール、全部世界中から輸入した漢方やハーブです!!
厳密に温度管理、衛生管理されております。
この膨大な中から、いくつかサンプルも見せて下さいました。
↑↑これは「桂枝湯」で有名な桂皮(ケイヒ)です。
もちろんシナモンですから、香りも良いし、欠片をかじったら美味かった。。。
↑↑精神疾患なんかによく使われる「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」で有名な「龍骨」。
大型哺乳類の骨です。
もともとは恐竜の骨(化石)を使っていたんだそうです。
舌に吸着するものが良品とされ、実際にかけらを舌に乗せてみたら超吸着!!!
良品ですな。(ΦωΦ)
↑↑これはあらゆる漢方薬に入っている、有名な生薬、乾姜(かんきょう:生姜(しょうきょう)の乾燥したもの)ですね。
豚の生姜焼きの、あのショウガです。(∩´∀`)∩
↑↑よく漢方の便秘薬と言われる「大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)」で有名な大黄。
これはイカツイです。
他にも、䗪虫(しゃちゅう:サツマゴキブリ)、水蛭(すいてつ:チスイヒル)も見せて頂きましたが、苦手な人もいるでしょうから写真掲載は自粛します。。。(笑)
この倉庫にある無数の袋の発送元ラベルを見てみると、ベトナム、ロシア、オーストラリア、イラン、エジプト、グアテマラ、ドイツなどなど、
本当に世界中から生薬を集めていることが分かりました。
世界の中の日本、物流の力を感じましたね。
多くの人が関わって、厳重に管理されている、これら生薬が、やがては患者さんの口に入り、病を治すと思うと、見慣れた漢方薬一包へのありがたみが変わりますね。(*‘∀‘)
薬草園編に続く。
2019.09.22
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これまでのお話し
さて、続きいきましょう!!
◆「気」の哲学の変遷
さてここまで、「太極」「無極」「その両者の関係」「鍼灸臨床家としてはどうか」あたりを題材として話を進めてきました。
「臨床家としてはどうか」というところで、北辰会ではこの医学の言う「陰陽論」を、単に「陰陽論」と呼ぶのではなく「”太極”陰陽論」として、
理解、運用するべきだ、というお話(臨床古典学)もしました。
蓮風先生の御著書では、中国、成都中医薬大学の教授で、易学の大家である鄒学熹先生の『易学十講』の論を参考に、陰陽論というのは「陰」と「陽」と「その境界線」の3つ、
「三を含みて一となす」という考えがあり、全て一つであるという太極と、陰陽と境界の太極があるからだ、と説きます。
(因みにこの辺の詳細(『易学十講』の部分的翻訳)は、北辰会機関誌『ほくと』17号に掲載されています。)
まあこれは、簡単に言えば何かを陰陽に分ける時に、その基準(境界)を明確に!というお話です。
そしてこれには、背景として「気一元論」という考え方があります。
「気一元論」を含む記事 参照
「気一元論」は、簡単に言えば「この世界は全て気で出来ているのさ」という考え方です。
東京大学出版会『気の思想』によれば、「気一元論」という言い方は、特に誰それさんが言い出した言葉、というワケではないようで、古くは『老子』『荘子』『淮南子』の中にもあるっちゃある考え方であり、
この考え方を強調したのは、中国では北宋の張横渠(ちょうおうきょ 張載(ちょうさい)ともいう 1020-1077)、日本では伊藤仁斎(1627-1705)が有名だそうです。
伊藤仁斎という人物 参照
(張横渠もせっかくなんでそのうち紹介しましょう。この人は何とあの程顥と程頤(二程子)の叔父さんです。優秀な一族だねえ~~ (゜レ゜))
荘子の
・・・因みに、現代中国では大きく気の哲学について3つの流れがあると考えているそうで、
1.程伊川と朱子の「性即理」の考え方(客観唯心論、客観的観念論)
2.陸象山と王陽明の「心即理」の考え方(主観唯心論、主観的観念論)
3.張横渠と王夫之の「気」の哲学(唯物論)
とし、3.の唯物論哲学こそ最高のものである、としているそうです。
(by 『朱子学と陽明学』島田虔次)
(因みに、王夫之の気一元論に関してはこの論文が参考になりました。)
しかしこの、3.の、気一元論を、全くの唯物論と解し、それを最高のものとする考え方と、北辰会の考え方は違います。
中国哲学、中国伝統医学に通底する「気」という概念は、唯物論でとらえきれるものではない、と考えています。
北辰会では「気」を唯物論でとらえ、最小精微な物質である、とするのではなく、むしろ生命原理、生命原体ともいうべきものとして、生気論的に理解しています。
つまり「気」を、物理学(ニュートン力学)の言うような質量を持った存在、と考えるのであれば、それとは認識を異にする、ということです。
(といって、量子力学の言うような素粒子とも同じでないと思いますが。)
・・・ま、「気ってなに??」という問いに対しては、トートロジー的になるけど、10年前に書いたように、「気は気です。」という答えがやっぱベストかな、と。
ここまでの話で言えば、生成論の太極も、場の論の太極も、認識論、存在論における主観と客観も、ぜーんぶただ一つの気の動きの一様態ですよ、ってことですね。
次回、清代に「気は動きである」この理論を完成させたと言われる戴震(1723-1778)さんを紹介します。
続く。
2019.09.21
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これまでのお話し
さて、続きいきましょう!!
◆「陰陽論」ではなく「”太極”陰陽論」。 その②
さて前回は、蓮風先生の著書における「太極」のとらえ方を紹介し、北辰会が鍼灸臨床で「太極」をどう考えているのか、というお話を紹介しました。
僕らは、あくまでも現代日本の鍼灸臨床家なので、古代中国哲学や、哲学用語の歴史的変遷や、東洋医学のバイブルとされるような各種古典の内容を、
あくまでも現代日本人への鍼灸臨床に役立つような、理解運用の仕方をするように心がけています。
これが北辰会の提唱する「臨床古典学」という立場ですね。
因みに、(一社)北辰会では「無極」という言葉についてはあまり言及されないのですが、奥村裕一学術部長がかつて1997年に『全日本鍼灸学会誌』上に発表された、
という論説の中に、日本の江戸期の医家による、腹部における「太極」「無極」という表現が出てきます。
ここについても今回、ついでなんで、あとで触れておきましょう。(∩´∀`)∩
・・・ところで、前回言うように、北辰会では「陰陽論」を単に「陰陽論」と言わずに、あえて「”太極”陰陽論」と呼んでいるのには、陰陽は偉大な哲学、分析学だけれども、
あくまでも常に「太極を踏まえた上で」分析することが重要だ、というメッセージが含まれています。
陰陽という「二」で考えつつも、常に太極と言う「一」の視点を外さないこと。
ですので「陰陽論」は単純な二元論ではなく、「二元的一元論」なのである、という重要な主張です。
陰陽論が、森羅万象に対する単なる分析学なのであれば、その境界線やものさしは精密で精緻であればあるほど良いわけですが、西洋医学のように、
電子顕微鏡レベルにまで精密精緻になってくると、出来ることや分かったことが増える一方で、分からないことも増えていき、時に「木を見て森を見ず」となって、
結果的にかえって「自然(人体)のトータルな全体としてのバランスの調和」を見逃す、見誤る、ということが起こりうる訳ですね。
手術はうまくいったけど亡くなってしまった、とか、血液検査の数値上は薬は効いているけど、全体的な体調としては悪化した、などですね。
ここに、よく言われるように、西洋医学で治らないものが、東洋医学では治ることがある、という事実の謎の一つが隠されているのではないか、と考えています。
上記の考えは北辰会方式のすべてを貫いており、以前紹介した「総合と総体」の話や、「直観と論理」の話にも通じてきます。
「直観」を含む記事 参照
あくまでも「気一元」の世界観。
色々分けるけど、そもそも分けれないもの「太極=太一」なのだ、ということが大前提なんです。
続く。
2019.09.06
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今朝、まだ咽喉痛が。。。(苦笑)
しかし、治療の甲斐あってか、昨日の夜中にドバドバ汗をかいて、一気に解熱した感がありました。
(計ってないけど)
従って、全身的には楽。
また、朝にとある漢方薬を飲んで、診療開始。
昼休みに、自分で鍼をして、寝る。
夕方起きると、少しノドの腫れが引いています。
ふー、これで今回も無事、西洋医学の世話にならずに終われそうです。
(時間に余裕があったら、いくつかの病院にかかってみたいんだがね。。。)
自分が体調を崩した時に、西洋医学がどう診たてて、どういう処置をするのか、その際の医師の雰囲気や空気感はどうか、そういうことを、ある意味「見学」しに行くのです。
僕は意外とこれ、好きなんです。(゚∀゚)
まあ今回は行くことがなく終わりそうですが。。。
まずまず、いい流れでしょうね。
2019.08.30
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昨日の夜は、順天堂大学医学部、東洋医学研究会に参加してきました!!
今回は私は講師ではなく、聴講生としての参加です。
講師は吉祥寺中医クリニック院長、長瀬眞彦先生です。
今回は学生からのリクエストで、いくつかの生薬や症例を紹介しつつ、煎じ薬の実演を見せて頂きました。
今回の煎じ薬は大建中湯。
大建中湯に関しては、以前このブログでも紹介しました。
大建中湯について 参照
EBMの手法にきちんと則った論文で、特定の状態の患者さんに有効性が示されている漢方というものがあり、それが臨床現場では多く使われている向きがあるけど、
それで終わってしまわず、そこからさらに、レスポンダー(東洋医学の言う”証”に適合する人)を如何に見つけるかが大事だ、という講義でした。
ここが、やはり今後は重要だと思いますね。
(そうしないと、マジで”生薬資源の無駄遣い”に。。。)
「〇〇病には〇〇という漢方が有効」それは論文で、データで示されている、文句あるか!・・・と言って使うのは良いけども、そこからさらに、
東洋医学的な診断に基づいて、効果の精度を高める、それが出来るかどうか、これが極めて重要ではないでしょうか。
それをするには、東洋医学の論理と診断学を身に付けないといけません。
今回で9回目。
圧倒的な勉強力を持ち、将来、多くの患者さんを診るということが分かっている、彼ら医大生に対して、僕もまだまだ手探り状態ではありますが、
回を重ねるごとに、順天堂の東洋医学研究会で出来ること、月に一回の勉強会で、医学部生の到達目標が徐々に明らかになってきている気がします。
また今回は、北里大学医学部の東洋医学研究会の学生も数名来ていて、こうやって医大生間の横の繋がりも、徐々に広がっていく気配も感じました。
いいですね~~☆(゚∀゚)
2019.08.19
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『鍼灸の科学』という本がある。
昭和34年に第一刷。
出版社は医歯薬出版。
この本は「理論編」と「実技編」の二冊セットである。
「理論編」の方を書いたのは当時の東京教育大学(現:筑波大学)の講師、芹沢勝助先生。
(この先生も、そのうち紹介しましょう。)
戦後、GHQによる鍼灸廃止の流れに抗う形で、先日紹介した京大の石川日出鶴丸先生や、この芹沢勝助先生たちが構築した、現代科学理論でもって再構築し、
衛生面や安全性に配慮した鍼灸治療理論と実践の流れが、令和の現在でも随所に続き、業界内で、たいへん大きな影響力を持っています。
もちろん、以前にも少し紹介しましたが、「鍼灸の西洋医学化」の流れは明治の時代からすでにあります。
今日は盲学校へ 参照
この辺についても、このブログ上で、冷静に再検討したいですね。
令和だしね。
〇
そして、この本の「実技編」を書いたのは柳谷素霊先生。
墓マイラー 15 参照
この本が出版された昭和34年(1959年)は、柳谷先生が亡くなられた年です。
亡くなったのがこの年の2.20、出版されたのが3.5ですから、まあ、遺言みたいな本でしょうか。
序文の日付が3.3と、なんと死後の日付になっています。。。
序文を読むと、なんというか、全てわかった上で、妙に低姿勢というか、経験だけでは科学でないと素直に認め、最後の行ですべての業界人に敬意と謝意を表し、
ささやかながらもポジティブさを感じる内容になっている。
なんて言うか、遺言としてカッコいいと思いました。(`・ω・´)ゞ
(苦笑・・・まあ、『理論編』の序文も同じ内容だから、芹沢先生の文章化かもしれないけど。。)
内容は刺鍼法や手技に関してであり、さほど珍しいことは書いていないが、第一章「はりの実技」、第二章「きゅうの実技」ともに、ラストに「補瀉」について書かれている。
(ここに、個人的に含みを感じます。)
補瀉 目次 参照
とりわけ、鍼の補瀉の方には、朝鮮の鍼灸書である『臓珍要編』における”補瀉の程度の問題”と、日本、江戸期の『鍼灸広狭神倶集』の”宗気と補瀉”の考えを引いており、
しかも、これはどこから持ってきた考えなのか定かでないが、補法をするにも瀉法をするにも、ある呪文を唱えながらするものである、ということを紹介している。
この呪文の部分に関して詳細は述べませんが、これは江戸期、岡本一抱の『鍼灸抜萃大成』からの引用であり、男女で補瀉の手法が逆になる、
と述べられています。
岡本一抱という人物 参照
鍼灸師養成施設の教材としても使用されることになっていたこの本に、あえてこの内容を入れ込むところに、少し柳谷先生の本音が垣間見えているような気がします。(゚∀゚)
柳谷先生は、昭和13年から、戦時中の約5年の休刊期を挟んで、死の約2年前の昭和31年まで、今でも刊行されている業界誌『医道の日本』の巻頭言の執筆をしています。
特に戦後になってから、GHQのクソ強引な要請を受けて、法律上、教育制度上「現代化」という名の「西洋医学化」を強いられてのことですが、
「鍼灸の科学化」というテーマで、柳谷先生は何度も巻頭言を書いているが、これを読んでみると、いわゆる当時の「科学派」と言われる人達を、
暗に揶揄したような雰囲気の内容が多く、柳谷先生にしてはやや歯切れが悪いようにも読めます。
戦前、大いに鍼灸医道の理想を語っていた時と比べると、戦後の古典的鍼灸への心無い批判に対する、忸怩たる思いがあったんでしょうかね。。。
柳谷先生は、このテーマで最後に書いた昭和29年5月の「鍼灸の科学は臨床の場から」という記事において、
「臨床を離れて、鍼灸の本質的な科学の形成は考えられないと思う。」
と述べ、
「鍼灸術は元来、天然所応、自然律の必然的所産であり、臨床から産声をあげたものである。」
と述べ、最後の行では
「屡々臨床の場において遭遇する、非科学的な現実の究明もまた必要事であるばかりでなく、ここに鍼灸の本質的なものがあるように考えられるのである。」
と言い切っている。
・・・まあ要するに、どいつもこいつも科学科学というが、その対象をどうするか、という問題がまずあるし、また、今の科学で分からなかったら非科学、
という立場は、かえって科学的じゃなくね? 鍼灸は、臨床は、そんなもんじゃなくね?? というアツい主張に聞こえます。
・・・しかし、この問題に関しては、批判したり、嘆いたり、見出しを語るに留まり、ではどうするか、鍼灸の臨床の本質を科学化するには具体的にどうしたらいいか、
その方法論は?というところについては、残念ながら語れなかった、提示できなかった、というところではないでしょうか。
この問題に関する巻頭言を拾い読みすると、鍼灸による生体実験の問題や、統計の導入の問題、科学化の背景にあるべき哲学の問題などに関して、
今でも語られるような諸問題点の根本的な部分をほとんど網羅して、実に鋭く指摘している。
これを最後に、「鍼灸の科学化」に関してはほぼ語ることなく、最期を迎えたかと思いきや、人生最後の本のタイトルが『鍼灸の科学』だったとは。。。
そして、柳谷先生の死後、1960年代に入って、北朝鮮のボンハン学説が話題になり、1970年代に入って、日中国交正常化、鍼麻酔、漢方ブームから、
1980年代の中医学導入期、1990年代の国際化、国内での各流派間の論争期、2000年代の規制緩和からの鍼灸学校の乱立激増、大学化、そして現代・・・と、
社会における鍼灸の位置づけは常に変化しています。
変化していますけど、どうなんでしょうね。
鍼灸臨床の本質は、結局は数千年前と変わっていないような。。。(^^;)
語り出すとキリがないけど、この本は、日本近代鍼灸史の貴重な資料でもありますので、芹沢勝助先生の『理論編』と合わせて、おススメです!!
2019.08.08
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今日は業界ネタを。
今年の11.23~24に行われる日本伝統鍼灸学会の一般発表の申し込み期限が延長されました!!
(8.11、今週末までです。)
詳細はこちら!!
すでに発表数はほぼ時間枠満タンに集まっていますが、まだ若干の本数イケるということで、申込期限を延長しました!!
鍼灸師、薬剤師、医師はもちろんのこと、鍼灸学生さんもぜひこの機会に発表して下さい。
自分の症例なり研究を対外的に発表する、そしてご批判を頂く、というのは、レベルアップするために非常に大事です。
日本伝統鍼灸医学の発展のためにぜひ!!!
あと3日!!!
2019.08.07
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「ポジショントーク」という言い方がある。
wikiによるとこれは、
「自分の立場、立ち位置に由来して発言を行うことである。 転じて、自分の立場を利用して自分に有利な状況になるように行う発言のことも指すようになった。 」
ということらしい。
テレビでホリエモンが
「あいつポジショントークしてるだけでしょ」
とか、よく言うので気になっていました。
僕ら東洋医学を実践している(つもりの)鍼灸師からしたら、当然ながら手を変え品を変え、
「東洋医学っていいですよ~」
「鍼灸医学っていいですよ~~」
ということを言いまくる訳です。(笑)
東洋医学、鍼灸医学の良さがまったくと言っていいほど知られていない、この現代日本において。
ネットでも紙媒体でも、講義でもムンテラでも何でも。
今から10年前、僕が清明院を開業した時は、HPを持っている鍼灸院がようやく徐々に増えてきている感じで、漢方薬局や漢方クリニックのHPもそれほどはなかった。
この10年で、HPもブログも、情報発信なさる先生のSNSも、爆発的に増えたと思う。
いったい、何倍になったんでしょうねえ。。。(^^;)
(何十倍か、何百倍か。。。)
みんな異口同音に東洋医学の良さ、鍼灸医学の良さを語っている。
でもそれは、引きで見たらまさにポジショントーク。
「利益誘導だー!」
「我田引水だー!」
と、訝る人は訝るでしょう。(笑)
やればやるほどね。
・・・でも、続けるしかないよね。
きちんと知られてないのは事実なんだからねえ。(^^;)
・・・まあ、患者さんを中心に、他から言ってくれるのが一番いいね。
2019.07.26
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最近も、ドクターとか薬剤師さんとか看護師さんとか、西洋医学の畑におられたり、おられる患者さんが普通に治療に見えます。
僕はこれ、良いことだと思います。
また、患者さんを一生懸命治療して、良くなったら、患者さんがそれを、主治医の先生に言う。
すると、
「へえー面白いね!その鍼の先生、紹介して!!」
と言われたとか。(笑)
・・・鍼を持って約20年、たった20年でも、時代が変わってきたなあ~、と思いますね。
過去には、患者さんや、西洋医学の医師から、ムシケラ同然、ゴミ同然の物言い、扱いをされたこと、あります。
医師に、
「鍼なんて迷信だからすぐに止めろ!!」
「あんなもんで感染症にでもなったらどうする!!」
「鍼に行くならうちに来るな!!」
「鍼なんてやってるから治らないんだ!」
などなど、心無い言葉をぶつけられて傷付き、宙に浮いてしまった患者さんを何人も知っています。
患者さんにも、
「鍼を止めて、ちゃんとした医療にかかることにしました。」
「どうでもいいから肩に鍼してもらっていいですか?」
などなど。(苦笑)
まあー、結局は患者さん自身が、受けたい医療を自分で選択して受けるべきだと思います。
自分の体だし、人生だし。
患者さんファースト。
最大限の提案、実践。
今後も草の根運動的に、コツコツやっていきます。
2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2025.07.01
2025年 7月の診療日時2025.06.26
2025年5月の活動記録2025.06.01
2025年 6月の診療日時2025.05.10
2025年4月の活動記録2025.05.01
2025年 5月の診療日時2025.04.04
2025年3月の活動記録2025.04.01
2025年 4月の診療日時2025.03.13
2025年2月の活動記録2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
2025年 1月の診療日時2025.01.01
謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
2024年 12月の診療日時2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ