東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 少陽病

日本東方医学会、次のステップを目指す中医学研修講座を視聴しました!!

2021.08.02

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清明院では現在、求人募集しております。

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多忙により少し時間が経ってしまいましたが、7.24(土)に配信された日本東方医学会次のステップを目指す中医学研修講座を視聴しました!!

 

 

当日聴けなくても、あとから追っかけ視聴できる素晴らしさ、有り難さ。

 

 

オンライン講義最高!!(*‘∀‘)

 

 

今回のテーマは小林瑞(みずほ)先生「厥陰病を考える」

 

 

私は傷寒論と言えば、古くは蓮風先生のほくと誌上での『傷寒論講義訳考』、最近では水本先生のシリーズ講義で学ばせていただいている訳ですが、

 

色々な講義の中でも、あまり「厥陰病」に光が当たることはなく、今回とても楽しみにしていました。

 

 

小林先生の所属されている藤門会(とうもんかい)という漢方の研究会は、東洋医学の業界では大変有名で、創始者の藤平健先生は、医大生時代(1939年)に、

 

現在も続く千葉大医学部の東医研を創部された先生です。

 

 

藤門会は、現会長の頼建守先生は清明院のすぐ近くでクリニックをやっておられるので、大変お世話になっております。

 

 

小林先生も、清明院から徒歩2分の位置にある、つるかめクリニックに勤務されているようです。

 

(恥ずかしながら存じませんでした。。。)

 

 

今回の講義は、非常に素晴らしかったです。

 

 

まず、小林先生の声がハキハキしており、非常に聞き取りやすい。

 

 

また、「厥陰病」というテーマで資料を調べていくときに、まずは自身の所属している会の見解から始まって、次に日本漢方全体の見解、中医学の見解、

 

さらには江戸期の医家、とりわけみんな大好き内藤希哲(1701-1735)、宇津木昆台(1779-1848)、浅田宗伯(1815-1894)などの幅広い医家の見解を集めておられ、

 

さらにその上で、近現代の発表も踏まえ、さらに自身の症例(経験)を重ねて考える、という、臨床家としてお手本となるような調査研究の進め方だと思いました。

 

 

小柄な女性の先生なのですが、すごいパワーを感じました。

 

 

質疑応答の際の、長瀬先生とのやり取りも仲良さげな感じで微笑ましかったですね。

 

 

日本漢方と中医学は仲が悪い、とか、相容れない、とかいう声を聞くこともあるんですが、それは一部の話で、両先生のやり取りから、お互いに学ぶところがあるということがよく伝わりました。

 

 

まああまり詳しく書くときりがないので、細かくは書きませんが、北辰会では、諸説ある六経弁証の伝変法則に関して、

 

太陽病→陽明病→少陽病→太陰病→厥陰病→少陰病

 

と教えています。

 

 

ここで、陰証における厥陰病→少陰病に関してはいくつかの説明があるのですが、その一つに、

 

「厥陰はまだ少陽に転化できる可能性がある」

 

というのがあり、今回はその話がたくさん出てきたのが非常に印象的で、勉強になりました。

 

 

他にも寒熱錯雑のメカニズムにおいて少陽病と厥陰病の違いや日本漢方の認識と中医学の認識の違いとか、厥陰病における上熱下寒の「上下」の位置についてなど、

 

痒い所に手が届く内容だったと思います。

 

 

 

 

 

 

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順天堂東医研に行ってきました!!

2019.10.19

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清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、求人募集しております!

 

 

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10.17の木曜日は、順天堂東医研に行ってきました!!

 

(「順天堂大学医学部 東洋医学研究会」と表記すると長ったらしいので、今後はこうします。(*‘∀‘))

 

 

 

今回は吉祥寺中医クリニック長瀬眞彦先生の講義「漢方エキス剤の効かせ方~人生すべからくマッチング〜」でした。

 

 

先生の講義は非常に分かり易いです。

 

 

いつもながら、高度な症例を交えつつ、学生の興味を引き付けつつ、有名な漢方や生薬に関して、上手に説明しておられました。

 

 

今回も漢方を煎じながらの講義でしたが、今回煎じて試飲した薬は「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」です。

 

 

この薬は超有名な「小柴胡湯」の変法であり、あの『傷寒論』に、「少陽病」の薬として登場する薬です。

 

『傷寒論(しょうかんろん)』という本

「小柴胡湯」を含む記事 

「少陽病」を含む記事           参照

 

 

 

かの折衷派の代表格である和田東郭をして

 

「半夏瀉心湯の代わりになる薬は後世方にはない。」

 

とまで言わしめている名方です。

 

和田東郭という人物    参照

 

 

 

数十年前に蓮風先生も注目されて、この方剤が目当てとする「心下痞(しんかひ:みぞおちの痞え)」という所見を如何にとるか、北辰会方式としてのやり方を教えて下さいました。

 

(それを初めて関東で発表した時の講義で、モデルになって鍼してもらったのでよく覚えています。)

 

 

今回の講義で先生が強調しておられたのは「マッチング」、つまり、その漢方が適応となる「レスポンダー」を如何に見つけるか、という部分です。

 

 

これをするには、やはり基礎的な東洋医学理論や、脈診や舌診などの基礎的な診察法を身に付けることが重要で不可欠だ、ということです。

 

 

ここを上手に、効率的に説いていくのが僕の仕事かな、と思いますね。(^^)

 

 

他にも

 

「エキス剤と煎じ薬、どっちが効くの??」

 

とか、

 

「そもそもどう違うの??」

 

という話や、半夏瀉心湯も煎じとエキス剤では全然違う味で、なかなか興味深かったです。

 

 

 

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頭から汗が出る人 まとめ

2016.07.02

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これまでのお話

 

頭から汗が出る人

頭から汗が出る人 2

頭から汗が出る人 3

頭から汗が出る人 4             

頭から汗が出る人 5        参照

 

 

 

ではまとめいきます!!

 

 

これまで、我々東洋医学のバイブルの一つである『傷寒論』における、「頭汗」のパターンを見てきました。

 

 

要するに、

 

1.湿邪持ち、

 

2.虚の激しいもの、

 

3.中途半端にこじれたカゼ(少陽病)

 

4.いろんなところに熱がこもったもの(陽明病)

 

にまとめることが出来そうです。

 

 

因みに同じ張仲景の 『金匱要略』では、これに加えて、産後に体力の非常に弱ったものにも「頭汗」という現象が起こると書かれています。

 

「婦人産後病脉證治第二十一.」です。)

 

 

まあこれも、上記の分類の2.に入りますね。

 

 

だから患者さんから

 

「頭から汗が出るー(;゚Д゚)」

 

と相談されたら、少なくとも上記ぐらいのパターンを考えて、治療にあたるといいでしょう。

 

 

あとはまあ、”頭から”というキーワード以前の、そもそも論である「発汗」という生理現象のメカニズムに対する理解ね。

 

 

 

 

 

 

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抗生剤を飲むとどうなるか

2016.05.22

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 患者さんが仰ることがある。

 

「病院で抗生剤をもらいました。」

 

清明院では、抗生剤について、

 

「ああせい、こうせい」

 

言いません。 (笑)

 

 

まあ真面目な話をすれば、日本の法律では、医師薬剤師以外が、投薬に口を出したら、法に抵触する可能性があります。

 

 

抗生剤というのは、要するにバイ菌を殺すんですね。

 

 

で、ウイルス性の病気には効かない、と、よく言われます。

 

 

一般人でも、そのくらいは知っているでしょう。

 

 

明らかに細菌感染であり、普通にこれを一週間くらい飲んで治るようなものなら、その方が患者さんの金銭的、肉体的負担は軽いでしょう。

 

 

感染症が鍼で治らないとは言いませんが、これについては、歴史的に見ても、どちらかと言うと西洋医学の得意とするところなんだろうと思います。

 

 

ただ問題なのは、抗生剤が効かないような疾患に、抗生剤が出ている場合。

 

 

患者さんは言います。

 

「病院で抗生剤をもらって一週間飲んでいますが、症状が変わりません。」

 

とか、

 

「抗生剤をもらっていますが、かえって色々な症状が出てきました。」

 

とか、

 

「症状そのものは治まったけど、他に色々な症状が出てきました。」

 

とか。

 

 

ここで、東洋医学の出番でしょう。

 

 

北辰会では、

 

「抗生剤は少陽病位に邪気を追い込みやすい。」

 

と、経験則から教えていますが、まさにそういう状態になっていることが多いです。

 

 

何故、抗生剤を使うと少陽病位に邪気が入ってしまいやすいのか、という話はなかなか難しいのですが、抗生剤が邪気とともに正気を傷る側面があるからでしょうね。

 

 

抗生剤が相手にしている「細菌」というものについては、東洋医学では「疫癘(えきれい)の邪気(※)」の一種と考える場合があります。

 

※疫癘の邪気・・・伝染病や感染症の原因となるような邪気。患者の体質素因に関係なく、感受してしまえば定型的な病理変化を起こすものを中心に言う。

 

 

抗生剤は、疫癘の邪気を消滅されると同時に、正常な正気をも傷り、結果的に違う病変を発症させてしまう場合があるのです。

 

 

まあこのように、抗癌剤にしても、放射線治療にしても、抗生剤にしても、邪気を攻めると同時に、正気を傷るのです。

 

 

だから、正気が持ちこたえればいいけど、正気がもたない人、もたなかった人は、症状不変だったり、かえって悪化したり、

 

症状が良くなっても、全身状態が悪化したりするのでしょう。

 

 

ホント言うとね、そういう研究とかね、西洋医者と協力して、やってみたいね俺は。

 

 

誰もノッてこねえだろうけどーーー<(`^´)>

 

 

 

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「四逆散」というお薬 9

2015.06.16

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これまでのお話

 


「四逆散」というお薬

「四逆散」というお薬 2  
「四逆散」というお薬 3

「四逆散」というお薬 4
「四逆散」というお薬 5
「四逆散」というお薬 6
「四逆散」というお薬 7
「四逆散」というお薬 8        参照

 

では続きいきます!

 

さて、本日はまた違う先生の見解を考えてみましょう。

 

本日はちょっと古い時代に戻って、宇津木昆台(1779-1848)先生です。

 


江戸後期を生きた、カミソリのようにキレる、素晴らしい頭脳を持った先生、という印象なんですが、長くなりそうなんで、この先生については、あとでちゃんと紹介します。

 


 

ともかく、宇津木先生の著書『古訓医伝』には、

「四逆散は、大柴胡湯の証の虚しているものである。」

と述べられており、その意味として、

「大柴胡湯は少陽病の実証で胃の気も実のもの、四逆散は少陽病の実証で、胃中に力が無くて、水邪が”胃の外”にあるもの。」

と述べ、

「そう考えれば当たらずとも遠からずだよん。」

と述べ、それをもとにさらに深く考えると、

「”左の”横腹、胸や脇に緊張が現れ、胃中は力が無い。気血水が滞って結胸のような感じで、場合によっては陰嚢や、腰の方にまで緊張が及び、縮こまってしまうものだ。」

と述べ、「左の腹」を強調し、四逆散が気血水の滞りであることを強調し、乾姜や附子などで陽気を補うことは不要である場合の処方だと強調しています。そして、

「これは血の滞りがメインであって、その周りに水がくっついたものである。」

と、これまた意味深いことを仰っております。

(・・・まあ、この言い方で、この処方における枳実の効果を説明しています。)

 


また、この先生の「左右」に対する考え方も、興味深いところです。

 


「四逆散」というお薬 8 で紹介した藤平先生は、四逆散の場合のお腹には

”左右差はない”

と強調していましたので、全く違う見解ですね。

 


竹下個人的には、陽気が伸びないんだから左に出てるはずだ、とか、四逆散だから左右差はないはず、とか、あまりそういう決めつけた診方、考え方に拘って人体を診るのは、

 

以前からですが、良くないんじゃないかな、と思っています。

 


こういうのは、鍼灸の場合特にあるんです。

 

右の経穴に出てるはず、左の経穴に出てるはず、ってやつね。

 

臨床上は、こういう「先入観」が非常に邪魔になる場合があるんです。

 

 

こういうのは、あくまでも結果から、帰納法的に推論するべきであって、演繹的に考えすぎるのはよくないと思いますね。

「演繹(えんえき)」と「帰納(きのう)」 参照

 


まあちょっとこれは、もちろんしっかりと基本を押さえた上での話にはなるけど。

 


この場合には左に出てる筈、とか、そういう考え方の根拠は陰陽論なんだけど、陰陽論だからこそ、やはり機械的に運用するべきではない。


「四逆散」というお薬 10  に続く

 

 

 

 

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「四逆散」というお薬 8

2015.06.15

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これまでのお話


「四逆散」というお薬

「四逆散」というお薬 2  
「四逆散」というお薬 3

「四逆散」というお薬 4
「四逆散」というお薬 5
「四逆散」というお薬 6
「四逆散」というお薬 7    参照

 

 

 

さて、今日ももう一人いきましょう。

 

・・・まあ、こんなことやってるとキリがないんだけど(笑)、いい機会なんで、僕が注目してる漢方家の紹介がてら、どんどんいきましょう。

 


今日は藤平健(ふじひらけん 1914-1997)先生です。

 


この先生も、昭和の漢方を支えた一人です。

 

藤平先生は、四国(香川県丸亀市)出身の先生であり、実は「四逆散」というお薬 5で紹介した奥田謙蔵先生のお弟子さんです。

 

大学生の頃に脊椎カリエスに罹り、それを奥田先生の漢方で治してもらったことから、弟子入りしたようですが、その後の活躍をみると、師匠に負けない、スゴイお弟子さんだと思います。

 


なんかこう、本を読んでいても、奥田先生と藤平先生からは、優しいというか、心が広いというか、大らかというか、そういう雰囲気を感じます。

湯本求真先生の反動なんでしょうかね。。。分かりませんが。(笑))

 


まあともかく、藤平先生の『傷寒論演習』には、

「四逆散は少陰病のところに書いてあるけど、実際は少陽病の薬で、使い方は大柴胡湯と小柴胡湯の中間あたりと考えていたが、使っていくうちにもっと虚証よりだと思うようになったよー。」

と述べ、

「傷寒論の条文には書いていないが、先輩方の言う通り、ノイローゼなどの精神科疾患に良いと考え、使い方としては、細かい症状よりも、腹診が重要だよー。」

と述べ、

「全体の腹力(腹部の緊張)が中等度、胸脇苦満(肋骨下の緊張)が”左右差なく”中等度、心下痞鞕(みぞおちの緊張)が中等度、腹直筋の緊張が強い、

 

これらが揃えば、四逆散の腹と考えていいよー。」

と述べ、お弟子さんとの対話の中で、

「四逆散には水を捌く生薬は入っておらず、この場合の水邪は二次的なものと考えていいよー。」

とし、真武湯との鑑別や、芍薬甘草湯との違いに注目しているようです。

 

(抜粋意訳 by竹下)

 

因みに個人的には最後の部分、重要かな、と思います。

 

 

真武湯、四逆湯とだけでなく、芍薬甘草湯と四逆散を比較するのは、四逆散が、芍薬甘草湯に柴胡・枳実を入れた方剤、とみることも出来るからですね。

 

 

 

 

・・・とまあ、全体としてはそんなに個性的なことは言っていないが、大塚敬節先生、矢数道明先生と同じく、腹診に着眼したことと、四逆散の胸脇苦満には左右差が無いとか、

 

自身の経験から、独特の見解も少し述べておられます。

 


大塚先生、矢数先生の見解については、

「四逆散」というお薬 4  
「四逆散」というお薬 6
     参照

 

個人的には、少陽病の薬であるにもかかわらず、左右差が出ない、ということを強調しておられるのは、面白いなあ、と思ったりします。

 

あくまでも少陽「経」ではなく、内外の不和だ、というメッセージなんでしょうかね。

 

(単に経験則かもしれませんが、クリニカルパールではないかと思います。)

「四逆散」というお薬 9 に続く

 

 

 

 

 

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「順証」と「逆証」について

2015.04.05

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我々がやっている治療を、東洋医学の専門用語でいうと、「弁証論治」と言います。


「弁証論治」って何ですか? 参照

 

 

「”証(しょう)”を”弁(わきま)”えて”論”理的に”治”療する」

 

でしたよね。

 

 


ここで、北辰会方式では、まず治療時点の「証」を弁えるときに、それが「順証」 なのか、「逆証」なのか、という判断をしています。

 


これは、その患者さんの病が、その術者にとって治せるものであるか、治せないものであるかの、極めて重要な判断です。

 

簡単に言うと、

順証・・・治せる、治っていく病

逆証・・・治せない、治っていかない病

のことです。

 

因みに中医学の成書では「順証」「逆証」という言い方は、外科の分野以外ではあまりしないようですが、

 

「一般に、表から裏へ伝入するのは、悪化する”逆”であり、裏から表へ出るのは軽快する”順”である」

 

とあります。

 

燎原『基礎中医学』P144 参照)

 

 

因みに因みに、「順逆」や「逆順」、「順」や「逆」という熟語、単語は、古典では『黄帝内経』『難経』『傷寒論』『金匱要略』にも多数散見されます。

 

 

また、日本では江戸期や幕末の川越衡山(1758-1828)浅田宗伯(1815-1894)が、『傷寒論』を解釈する中で、「順逆」という考え方を使って解説しています。

 

 

まあ、もともとの意味としては

 

順・・・ノーマルな、セオリー通りの病の進み方や組み合わせや、病が快方に向かう時の表現

 

逆・・・アブノーマルな、イレギュラーな病の進み方や組み合わせや、病が悪化する時の表現

 

というほどの意味であり、病の予後(転帰)に関していう際は、『黄帝内経素問』平人気象論(18)

 

「人無胃氣曰逆.逆者死.(患者さんに胃の気がないものを”逆”といって、逆の人は死んでしまうよ)」

 

を、基本として理解していいと思います。

 

 


そして、順逆は当然、医者のウデによって変わってきます。

 

 

ある先生にとっては逆証であっても、ある先生にとっては順証、ということは十分にあり得ます。

 

これが初診時に正確に判断できれば一番いいのですが、場合によっては少し経過を追ってみないと分からない場合もあります。

 

仮に、治せない病を、いつまでも診ていた場合、患者さんと術者に、精神的、肉体的、経済的にかかる負担はハンパじゃないです。

 

また、ここの判断のユルさは、患者さんからの評価を大きく二分します。

 

ヤブ医者と言われるか、名医と言われるか、です。

 

前者であれば、辛い鍼灸師人生です。

 

後者であれば、幸せな鍼灸師人生です。

 

 

非常にシビアな判断が要求されます。

 

そして、全病気、全患者さんの中の、自分が診た場合の「順逆」の割合のうち、順証の割合を極限まで高めるのが、我々鍼灸を天職とする者の使命でしょう。

 

 

 

◆参考文献

 

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 理論編』緑書房

『鍼灸臨床能力 北辰会方式 実践編』緑書房

『中医基本用語辞典』東洋学術出版社

『基礎中医学』燎原

論説『『傷寒論』で少陽病篇が陽明病篇のあとに位置する理由』藤平健

 

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「柴胡桂枝湯証」という状態 その5

2014.02.18

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これまでのお話・・・

 


「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態
 
「柴胡桂枝湯証」という状態 その2
            
「柴胡桂枝湯証」という状態 その3
                
「柴胡桂枝湯証」という状態 その4
                         参照

 


では続きです。

 

前回、東洋医学において、いわゆる”カゼひきさん”を考えるうえでの基本となる、6パターンの分類を紹介しました。

 


そういう風にカゼひきさんを6パターンに分けて考えることを「六経弁証(りっけいべんしょう)」なんて言ったりします。

 


その六経弁証の六通り、一つ一つのパターンが、場合によっては「同時に」出てくる場合がある、というお話もしました。

 


この話のテーマである「柴胡桂枝湯」は、その6パターンの中の”太陽病”と”少陽病”が同時に起こった場合だ、という話もしました。

 

そうやって、同時に出てくる場合にも、実はその出方によって、分類があります。

 


それを「合病(ごうびょう)」とか、「併病(へいびょう)」と言います。

 


「合病」の場合は、上記の6パターンのうち、2,3のパターンが同時に、先後の別なく同時に発生するものをいい、

 


「併病」の場合は、あるパターンが治らないうちに次のパターンが生じたもので、先後の区別があるものを言います。

 


因みにちょっと話は逸れますが、「壊病(えびょう)」という考え方もあります。

 


これは6パターンのうち、あるパターンを呈していたものに対して、間違った治療をして、悪化させてしまい、違うパターンに移行(悪化)してしまったモノを言います。

 


・・・まあさておき、たとえ、太陽病と少陽病が同時に存在するケースであっても、「合病」と「併病」では、治療方法が違います。

 


漢方薬が違います。

 

ということは、鍼灸で言えば、ツボが違ったり、同じツボでも刺し方が全然違ったりするわけです。

 


こういう風に考えていくと、単なるカゼひきと言っても、東洋医学ではめちゃめちゃ多彩なパターン分けを想定している、ということです。

 

西洋医学では、鼻水やせきやくしゃみ、のどの痛みや節々の痛みなどがあった時、単なるカゼか、インフルエンザか、アレルギーか、ということを非常に重要視しますが、

 

東洋医学では、たとえば上記のような分類方法を使って、カテゴリー分けして治療します。

 

(もちろん、いわゆる”カゼひきさん”を考える上での物差しは、六経弁証だけではありません。)

 


「柴胡桂枝湯証」という状態 その6    続く

 

 

 

 

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「柴胡桂枝湯証」という状態 その4

2014.02.09

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これまでのお話・・・

 


「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態
 
「柴胡桂枝湯証」という状態 その2
            
「柴胡桂枝湯証」という状態 その3
                      参照

 

 


では続きです。

 

 

ここまでで、柴胡桂枝湯という薬は、小柴胡湯と桂枝湯を合体させた薬であり、東洋医学的なカゼひきのパターン分類である、

「”太陽病”と、”少陽病”が同時に存在する場合」

に治療する薬である、というお話をしてきました。

 


今日はこの、

1.東洋医学的なカゼ引きのパターン

と、

2.そのパターン分類が、同時に存在する場合

について簡単に触れておきます。

 

1.については、張仲景が書いた、東洋医学の大古典である『傷寒論』の中に、詳しく述べられております。

「張仲景(ちょうちゅうけい)」という人物
『傷寒論(しょうかんろん)』という本    参照

 


カゼを引いた経験なんてのは、ない人はいないだろうと思います。

 


軽いものでは、寒気が中心だったり、ノド痛が中心だったり、鼻水や咳、くしゃみや痰が中心だったり、熱が出たり、頭痛や節々の痛みがしたりします。

 


中等度のものでは、場合によっては下痢になったり便秘になったり、食欲不振になったり吐き気がしたり、めまいがしたります。

 


重症例では肺炎を起こしたり、内臓の機能不全が起こって、命を落とす場合もあります。

 

『傷寒論』にはこういう、いわゆるカゼ引きの各レベルの状況とその治療法が、詳細に述べられております。

 

これが約1800年前の話です。

 

1800年前も、人間はもちろんカゼをひいていたし、医者はそれに真剣に対峙していたんです。

 

『傷寒論』は、著されて以降、約1800年もの間、中国、朝鮮半島、日本で歴代の有名な医師達によって踏襲されつつ批判され、現代でもその価値を失っていないという、怪物のような書物です。

 

 

因みに、単純なカゼにとどまらず、西洋医学的には「腸チフス」や「インフルエンザ」、「マラリヤ」など、重篤な感染症の治療法も含む書物、という解釈もあります。

 

『傷寒論』では、浅いレベルのものから、深いレベルのものまで、

 


太陽病(たいようびょう)     浅い
  ↓               ↓
陽明病(ようめいびょう)    
  ↓               ↓
少陽病(しょうようびょう)
  ↓               ↓
太陰病(たいいんびょう)
  ↓               ↓
厥陰病(けついんびょう)
  ↓               ↓
少陰病(しょういんびょう)    深い

 


という名称を付けて分類し、論じています。

 

(この順番については、諸説ありますがネ。)

 


それぞれのレベルにおいて、

”どういう症状を呈し”、

”どういう所見を呈し”、

”どういう治療をすればよくなり”、

”それはどうしてか”

までが、キッチリと、理路整然と、説いてあります。

 


このパターン分けが前提となり、例えば太陽病と少陽病が同時に現れたり、太陽病と陽明病が同時に現れたりする場合についても論じられております。

 


今回のテーマである柴胡桂枝湯は、要するにこの中の太陽病と少陽病が同時に存在する場合に使う薬なんですね。

 

ちょっと話題が広がってきたので、調子に乗って「柴胡桂枝湯証」という状態 その5 に続く(笑)


(この話題、いいね少ないけど、お構いなし!(爆)・・・決して読者に阿らないアティテュード。)

 

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「柴胡桂枝湯証」という状態 その3

2014.02.05

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これまでのお話・・・

 


「柴胡桂枝湯証(さいこけいしとうしょう)」という状態
 
「柴胡桂枝湯証」という状態 その2
               参照

 


では続きです。

 

何やらちょっと難しい話が続いてしまいましたが、小柴胡湯という薬については、以前にもこのブログに何度か登場しております。

 


確認しましょう。
三禁湯(さんきんとう)?
病院での漢方薬の使われ方 その4   参照

 


まあ、よく話題になる薬なんですね。

 


それだけよく効くとも、応用の幅が広いとも考えられますが、どうであれ、薬というのは間違った使い方をすればただの毒です。

 


こないだも患者さんから、病院で漢方薬を出してもらっているが、全然効かない、どうすればいいか、という相談を受けました。

 


漢方薬を飲むならば、漢方薬専門で、何年も、何十年も、真剣に臨床を続けてこられた先生に処方してもらうのが一番いい、というか、その選択「しか」ないと思いますし、

 

僕は患者さんにはいつもそう伝え、場合によっては信頼できる漢方家を紹介するようにしています。

 

鍼灸にしても漢方にしても、生半可な知識や経験で扱える代物じゃない、と思っています。

 


生半可な知識、経験で扱う鍼灸、漢方を受けて、効かなかったり、悪化するという経験をしてしまった人は、大変不幸だと思います。

 


 

まあともかく、柴胡桂枝湯ですが、歴史的には漢の時代の『傷寒論』という古典に初登場します。

『傷寒論(しょうかんろん)』という本 参照

 


そこには、

「寒邪に侵襲されて5、6日経って、発熱し、少し悪寒がし、節々が痛く、少し吐き気がし、みぞおちがつかえるようなものは柴胡桂枝湯で治る!」

と記されております。

 

上記の文章のうち、発熱、悪寒、節々の痛みという症状が”太陽病”、つまり桂枝湯でカバーできる症状であり、

吐き気やみぞおちのつかえ”少陽病”、つまり小柴胡湯でカバーできる症状なのです。

 

では鍼灸ではそれをどうするか、という話も含め、「柴胡桂枝湯証」という状態 その4   に続く。

 

 

 

 

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