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2018.03.20

清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、
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17日の土曜の診療の後は、飛行機に飛び乗って高知へ。
夕方から行われる、高知中国医学研究会に参加するためです。
ここには、清明院元副院長の松木宣嘉先生や、東京衛生学園臨床教育専攻科の大先輩である山崎道広先生や、以前から私が個人的に私淑している大先輩である、
矢田修先生も参加しておられます。
今回、矢田先生には残念ながらお会いすることが出来なかったのですが、代表の漢方医である木田正博先生とはお会いすることが出来まして、大変勉強になりました。
小規模、少人数でアットホームですが、内容は非常に高度だし濃いし、素晴らしいと思います。
ああやって、地方で小規模な勉強会がドンドン開講されるといいですね。
地方にも当然、本格的な東洋医学を学びたい医師や薬剤師、鍼灸師の先生方はたくさんいる訳で、それの受け皿が多いのは良いことです。
また是非参加しようと思います。
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2018.03.01

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これまでのお話
では続きいきましょう。
◆意識障害の西洋医学的分類
西洋医学でも、通常の意識障害と、一過性の意識障害(失神)を区別して考えるようです。
僕はもちろんながら、西洋医学の救急医療に関しては、ズブの素人ですので、いくつかのサイト様と書籍を参考に、自分なりに調べさせて頂きました。
もしおかしいところがありましたら、是非ご指摘ください。
救急医療においては、意識が戻った後も、何らかの認知障害等が残っている場合は、「意識障害」とし、一過性の失神とは区別するそうです。
当たり前ですが、救急外来では非常によく遭遇する症候だそうです。
救急搬送患者の1割以上だそうです。
・・・まあ、意識障害というのは、結論から言えば「脳の血流の異常」で起こるわけですが、それが一過性のものと、遷延するものでは、病態が異なる、という訳です。
「一過性意識障害」に、明確な定義はないようですが、来院した時点で意識が戻っているかどうかで判別するそうです。
病態に関して、頭部の大きな外傷や、脳卒中では勿論ですが、一過性に意識が消失し、すぐに戻るものについては急な血圧低下(神経反射、不整脈、出血、感染症)による脳の血液循環異常、
低酸素血症、高炭酸ガス血症、低血糖、電解質異常、肝性脳症、尿毒症、低体温、高体温、中毒が考えられるそうです。
(たくさんあるな~。。( ゚Д゚))
上記は脳だけでなく全身性の病態で、一過性の意識障害の7割(!)を占めるそうです。
また、脳局所に限定した疾患では、てんかんやくも膜下出血が2割だそうです。
十数年前に私の親戚が起こしたのは脳腫瘍によるてんかん発作でした。
また、以前職場の同僚が、クモ膜下出血を起こしたことがありました。
あれも怖いですね。
まったく元気に見える人が、ある日急激に倒れてしまう、本人はもちろん、周囲も非常にショックを受ける病気です。
救急では、この意識障害がてんかんなのか失神なのかを、まずは考えるそうです。
失神では、血圧低下による脳全体の虚血に伴って、抗重力筋の緊張が一気に低下するので、転倒時に受け身が取れずに、2割以上の患者が頭部や顔面の外傷を伴うそうです。
この外傷が、致死的な外傷になることもあるそうです。
こないだ、先輩が風呂場の脱衣所で倒れた時は、たまたま段差のあるところに頭が来ていたので、打たなかったのですが、抗重力筋の緊張が一気に緩むというのは、
まさに操り人形の糸を一気に切ったような、勢いのいい倒れ方ですね。
あの倒れ方で、もし頭部の下がコンクリートだったら、確かにヤバかったと思います。
今回の、先輩の時もそうだったし、以前、新幹線の中で中年の男性が僕の目の前で倒れたのを見たことがありますが、その時も、まさにそういう感じ(受け身なし)で、
その中年男性は真後ろに倒れたため、床に強く後頭部をぶつけており、非常に肝を冷やしました。
(新幹線の通路部分はビニール製の床(いわゆるクッションフロア)であり、コンクリートほどは固くないので、大きな頭部外傷はなさそうでしたが、凄い音がしました。)
また、西洋医学では血圧低下の原因を診断することが重要なんだそうで、体内の組織の物理的異常である器質的疾患(心臓・大血管疾患、消化管出血、脱水、アナフィラキシー、パーキンソン症候群、シャイドレーガー症候群、糖尿病、特発性起立性低血圧症)
が関与していた場合に、治療対象になるようですが、これはなかなか素人や専門外の医療人が現場で咄嗟に見分けるのは難しいのではないでしょうか。
(しかしたくさんあるな~( ゚Д゚))
器質的疾患の関与がない場合は、多くは治療せずに経過観察、ということになるようです。
(器質的疾患があるかどうか調べるのに、呼吸等、生命維持をしつつ入院して検査を重ねていく、てパターンもあり得るわけですね)
器質的疾患がない場合に多いのは迷走神経反射ですが、この場合は予後良好だそうです。
(不幸中の幸いパターンですね)
次に多いのは、不整脈等の心原性の失神だそうですが、この場合は予後が悪く、心臓性の突然死の前兆とも言われるそうなので、注意が必要、となります。
他に起立性低血圧、薬剤誘発性(飲酒後も含まれる)、他にも原因不明のものもあるようです。
また、失神と、一過性の脳虚血発作(TIA)が誤診されることが多いそうで、失神は「脳全体の」一過性の血流不全が起こるものであるのに対して、
TIAは「脳の一部分が」一過性の虚血を起こすことによるもので、意識障害の他に回転性のめまいや複視、片麻痺、小脳失調などの神経症状が出るのが特徴で、
症状が一過性の意識障害のみであればTIAとは考えにくいそうです。
上記を踏まえると、今回の先輩のケースでは、西洋医学的には、調べてないから分からないけど、器質的疾患がないとすれば、
飲酒後(ある意味薬剤性)の一過性の失神(迷走神経反射?)
ということで、予後良好の失神であり、事なきを得た、ということになるのでしょうね。
・・・まあそれでも、一過性の意識障害を経験したら、念のため、心臓(心電図)や脳(CTなど)に関しては調べておいてもいいんじゃないかとは思います。
本人はともかく、ご家族としては不安ですしね。
続く
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2018.02.17

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前回のお話
では続きいきましょう。
◆暈厥の治療
前回書いた通り、こないだ先輩の起こした暈厥は、当日の過ごし方、倒れた際の情報から、「痰濁上擾>血虚」である可能性が高そうだ、という仮説を立てました。
(あくまで仮説です。)
・・・これがもし真であれば、どういう治療があり得るでしょうか。
『症状による中医診断と治療』では、痰濁上擾であれば治療は行気豁痰で、方剤は導痰湯、と出ています。
方剤については、神戸中医学研究会の『中医臨床のための方剤学』によれば、導痰湯は、厳用和(げんようわ 南宋:13世紀)の『済生方』に出て来る方剤で、
半夏・天南星・枳実・茯苓・陳皮・炙甘草・生姜を含むもので、清代、程国彭(ていこくほう)の『医学心悟』に出てくる、有名な半夏白朮天麻湯と似た方剤なんですが、
天南星と枳実によって、痰に対する去痰効果は強く、脾虚に対する配慮は薄いものと言えます。
因みに天南星はサトイモの仲間、枳実はミカンの仲間です。
身近!!(゚∀゚)
・・・ですので、この場合、背後に一定の血虚があった可能性が高いので、導痰湯よりも半夏白朮天麻湯の方がいいのかもしれません。
また、同書には、血虚の場合の治療は生脈散か人参養栄湯、と出てきます。
生脈散は、金元の四大医家の一人である李東垣(りとうえん 1180-1251)の『内外傷弁惑論』に出て来る方剤で、麦門冬・人参・五味子が入っており、
気陰を補って脈を生じる、という意味でこの名前がついているようです。
これは思いっきり補(扶正)に寄せた薬で、今回のように実が中心の場合は、あまり適さないと思います。
人参養栄湯は宋代の『和剤局方』に出て来る方剤で、人参・桂枝・地黄・茯苓・白朮・黄耆・当帰・芍薬・甘草・遠志・五味子・陳皮の入ったもので、
有名な十全大補湯を少しアレンジして、心の臓や肺の臓にも効くように調整された薬だそうです。
肺・大腸 参照
まあこれも、思いっきり補法に寄せた薬なので、今回のような実が中心の場合には適さないと思います。
・・・そう考えてくると、ここに挙げた薬の中では、半夏白朮天麻湯が一番いいのかな、と読めます。
まあ僕は薬に関しては全くの門外漢なので、この辺は正直分かりませんが。。。
(詳しい先生、ぜひご意見聞かせて下さい。<m(__)m>)
・・・で、翻ってこれを鍼灸で考えると、色々な経穴が浮かびます。
裏の血虚に配慮しながら、痰濁を取る、これにはどんな方法があるでしょうか。
続く
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2018.02.06

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これまでのお話
◆結代脈について
まあここまで、山延年『脈法手引草』に書かれている「七死の脈」について、蓮風先生の御著書『胃の気の脈診』の見解を中心に、紹介してきました。
ここまで見てきて気付くのは、七脈すべて、数脈か結代脈(不整脈)ですね。
そもそも、脈診所見というのは、
律動的(速さがなるべく一定)で、速すぎず遅すぎず、強すぎず弱すぎず、
が良いものであるわけです。
遅数で言えば、遅いより、速いものの方が原則としてはマズいでしょう。
したがって、
リズムがおかしい(結代脈)であって、しかも速い(数脈)、
というのは非常にヤバい脈である、と考えます。
それでも、治療して徐々にでも改善してくるものはまだ大丈夫。
正しい治療をやっているのに、かえって硬くなるもの、速くなるもの、リズムが崩れるものは、いよいよ良くないです。
今日はこのうちの結代脈(不整脈)について考えてみます。
不整脈とは、西洋医学的には、心臓の律動的な動きを支えている電気信号が上手く流れないことによって起こるもので、
遅くなるもの(徐脈)、
早くなるもの(頻脈)、
脈拍が飛ぶもの(期外収縮)
とに区別されます。
注意が必要なものとして、急に脳血流の異常から失神するものや、日常生活レベルの負荷でも強い動悸、息切れを感じるものがありますが、治療法として、
徐脈にはペースメーカーや、
頻脈にはカテーテルアブレーション、
期外収縮はほとんどのケースでは経過観察
となります。
そのほかに抗不整脈薬も多く開発されており、不整脈が見つかったからといって、それほど心配することはない、というのが現代西洋医学の見解のようです。
注意が必要なものとしては、急に失神するものや、日常生活レベルの負荷でも強い動悸、息切れを感じるものがあります。
東洋医学では、不整脈は
結脈(けつみゃく:ゆっくりで不規則)、
代脈(たいみゃく:弱々しく不規則)
と呼ばれ、結脈と代脈の特徴を兼ねた脈については、合わせて
結代脈(けったいみゃく)
と呼ばれることもあります。
多くは問題ないのですが、東洋医学的に危ない脈になる時は、この結代脈に「堅さ(緊脈、弦脈など)」と「速さ(促脈、数脈など)」が加わった時です。
しかもこれが、治療しても改善しない、あるいは改善しても一過性であり、すぐに戻ってしまう、また、脈以外の所見にもアブナイ所見が出ている、
こうなった時は極めて迅速な判断が要求されます。
患者さんを診ていますと、
「私、もともと不整脈なんです。」
という方に出会うことはさほど珍しいことではないですが、ちょっと注意しておく必要があります。
続く
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2018.01.21

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このシリーズ、ちょっと空きましたが、せっかくなんで、『金匱要略』、現代中医学の内容くらいはカバーしましょうかね。(笑)
◆小建中湯と衄
『金匱要略』「血痺虚勞病脉證并治第六」にこうあります。
「虚勞裏急.悸.衄.腹中痛.夢失精.四肢痠疼.手足煩熱.咽乾口燥.小建中湯主之.」
簡単に訳しますと、
「正気の弱りが中心の病で、動悸、鼻血、腹痛、夢精、四肢のだるさや痛み、手足のほてり、口やのどの渇きがあるものは、小建中湯がいいよ。」
となります。
ここで、「小建中湯」という薬は、「麦飯」ってどうでしょう?? 7でチラッと紹介しましたが、有名な「桂枝湯」の中の芍薬という生薬の量を倍にし(桂枝芍薬湯)、
そこにさらに膠飴(こうい:水あめのこと)を加えたものです。
僕も飲んだことがありますが、非常にスッキリと甘くておいしい漢方薬です。(笑)
ここで説かれているのはそもそも虚労の病ですから、体力を回復させる必要があります。
しかし、ここで面白いのは、正気の弱りが本質だとしても、腹痛のような冷えっぽい症状と、鼻血や火照りなどの熱っぽい症状が混在していて、
それを同時に調整するのに小建中湯を使うところです。
だいぶ昔に書きましたが、脾胃は上下や陰陽のバランサーとしての機能があります。
脾・胃 参照
「建中」というくらいで中焦の気を建てることで、バランサー機能を発揮する。
鍼でも非常に色々なやり方で治すことが出来ます。
生理と病理が分かると、大変楽しい世界です。
続く
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2017.12.18

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これまでのお話
では続きいきます!!
◆『宋本傷寒論』の「辨可發汗病脉證并治第十六.」の条文
前回と同じところですが、
「傷寒不大便六七日.頭痛有熱者.與承氣湯.其小便清者.知不在裏.續在表也.當須發汗.若頭痛者.必衄.屬桂枝湯證.」
と、出てきます。
簡単に訳しますと、
「カゼひいてから1週間くらい大便が出てなくて、頭痛して熱っぽいものは、少し深いところに病が入っているので、承気湯で下すといい。
でも、小便をよく調べて、透明な小便が出ているようであれば、下してはダメで、まだ浅いところに病があるので、発汗させるべきで、発汗しても頭痛が出るものは、
桂枝湯で治療するべき。」
という感じになります。
ここで気になるのは、ちょっと専門的になりますが、
「何で麻黄湯じゃなくて桂枝湯なの??」
ってところなんですが、まあ簡単に言えば、カゼひいてから1週間近くたっていることから、すでに正気が弱ってきていることを暗示しているんですね。
なので麻黄湯よりも相対的に補う生薬の入っている桂枝湯をチョイスすると。
鍼でやる場合でも、こういうことは常に考えないといけません。
「発症してからどれくらい経っているか」
「その間の経過はどうか」
「本当に悪化していっているのか」
「中途半端なところで病が停滞しているだけじゃないのか」
「症状は変わっていなくても、改善傾向にあるんじゃないのか」
患者さんの言うことのみを鵜呑みにせず、常に冷静にこういう判断をします。
これをミスったり怠ると、上手く治せないんですね。
続く
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2017.12.16

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これまでのお話
では続きいきます!!
◆『宋本傷寒論』の「辨可發汗病脉證并治第十六.」の条文
前回までは、「辨不可發汗病脉證并治」といって、発汗させちゃダメなものをまとめてあるところから引っ張ってきましたが、今回は「辨可發汗病脉證并治」ですから、
汗かかせてもいいやつを集めた篇です。
そこに、
「傷寒脉浮緊.不發汗.因致衄者.屬麻黄湯證.」
と、出てきます。
簡単に訳しますと、
「寒邪に侵入されて、脈が浮いて堅くて、汗かかないで、鼻血が出てるものには、麻黄湯の類が効くよ。」
てなもんです。
寒邪が入ったことで汗が出せなくなって、熱が籠って、結果的に逃げ場がなくて鼻血として出る。
こういうものは麻黄湯で寒邪を払えばよしと。
最近、「インフルエンザに有効な漢方薬」なんつって話題になった麻黄湯。。。
キ〇タクがカゼ予防に飲んでるとか言って話題になった麻黄湯。。。
東洋医学では、インフルエンザだからこの処方、というような「病名診断」はしません。
それでやってたら、絶対に間違いのもとです。
・・・が、メディアではそういう言われ方をしてしまい、それだから漢方はバカに出来ないとか、漢方も捨てたもんじゃないとか、そんな評価のされ方をする。
実に嘆かわしい世界です。
・・・でもまあ、この条文は非常に分かりやすいですね。
続く
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2017.12.13

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前回のお話
では続きいきます!!
◆『宋本傷寒論』の「辨陽明病脉證并治第八.」の条文
前回と同じく、陽明病のところに、
「脉浮發熱.口乾鼻燥.能食者.則衄.」
と、出てきます。
簡単に訳しますと、
「脈が浮いて発熱して、口鼻が乾燥し、よく食べるものは、鼻血が出るよ。」
という条文です。
ここだけ見たらなんのこっちゃ分かりませんが、この一文は、陽明病の「四逆湯」という薬の解説の後に出てきます。
四逆湯と言えば、甘草と乾姜と附子が入った、陽気をガッツリフォローする方剤として超有名選手です。
熱が籠るのが中心であるはずの陽明病に、なぜ温める薬??と思ってしまいますが、ここでは「表熱裏寒」という、表面には熱、深い部分には冷え、
という複雑なパターンを解説しています。
この場合、いつか水本先生も講義で仰っていたように思いますが、「脈浮にして遅」がポイントだと思います。
陽明病のこの部分には思わせぶりに「脈遅」という条文がたくさん出てきます。
数脈だからって、熱と思うな、遅脈だからって、冷えと思うな、というメッセージなんでしょうか。
ここでは、浅い部分に熱が籠っているから鼻血が出ることを論じていますが、深い部分には冷えがあることに注意しなければならないパターンについて書かれているものと思います。
続く
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2017.11.10

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最近、他流派の先生方と交流させていただくことが多い。
(飲み会で(笑))
ありがたいことです。
特に、「伝統鍼灸」系の先生方と交流させていただくことが多いです。
(今後は東洋医学に興味のある医師や、西洋医学系の先生方ともガンガン行きたいですね。)
僕も所属している「日本伝統鍼灸学会」。
この学会がこの名称になったのには、それなりの経緯があります。
それに関して、日本伝統鍼灸学会のHPに簡単に書いてあります。
こちら 参照
まあ要は、昭和48年(1973年)に、岡部素道先生の経絡治療研究会(のちの経絡治療学会)と、福島弘道先生の東洋はり医学会が協力して、
相互の学術交流と親睦を図る目的で結成されたのが、日本伝統鍼灸学会の前身である日本経絡学会、ということです。
(経絡治療学会と東洋はり医学会は、現在でも伝統鍼灸系の大変大きな団体として存在します。)
日本経絡学会結成の前年(1972年)に、日中国交正常化があり、昨日書いた、北里大学に東洋医学総合研究所の鍼灸治療センターも出来たわけですね。
1970年代~1980年代というのは、日本国内では、中国がアツかったんでしょうかね。
(その背景には、また色々あるようですが、ここにはあえて書きませんので、ぜひ色々調べてみてください。)
・・・で、それからずいぶん時代が下って、「日本経絡学会」への参加団体もどんどん増えて、20以上の団体(流派)の集合体になっていき、
平成8年(1996年)に至って、上記のHPに書いてあるような理由から、「日本伝統鍼灸学会」という名称になった、という流れのようです。
・・・で、その名称変更から20年以上経った今、「日本の伝統鍼灸」の今後の方向性をどうしていくか、世界情勢も鑑みて、再考する時期じゃないでしょうか。
参加団体の世代交代も、どの団体を見ても進んでおります。
そして、次世代の先生方は、なんかみんな普通に仲いい。(笑)
お互いを尊重し、話を聞こうという空気感があります。
こないだの金沢で行われた日本伝統鍼灸学会の学術大会での、藤本新風先生の実技は、次の流れの萌芽を感じさせてくれました。
もちろん、色々な意見があっていい。
色々な立場があっていい。
ただ、これだけインターネットが普及し、飛行機での交通網が普及し、これだけ世界が時間的空間的に狭くなっている中にあって、世界のよそ様から見た時や、
国内で鍼灸師や医師、薬剤師に伝統鍼灸を教える時には、伝統鍼灸医学の総体としてきっちりと「こうですよ」と示せるものがあった方がいいんじゃないか、
とは思いますね。
日本伝統鍼灸の方法論や理論は現状、玉石混交状態であり、全く統一されておらず、エビデンス的にも極めて不透明、しかも現状の実際の医療現場では、
数の上では鍼灸整骨院や整形外科のリハビリ室で行われるような、経絡経穴ではなく、筋や神経を意識した、西洋医学的な局所治療が主であり、
世界から見た、日本伝統鍼灸の特異点としては、歴史的事実から腹診法や打鍼術、管鍼法が挙げられるが、それに対する考え方や手法もバラバラ。
まあただ総じて、患者さんをよーく触って診断しようとする点や、ただ押さえた際の圧痛などのハッキリとした指標だけでなく、寒熱や虚実などの、
皮膚表面の微細な変化や、脈の微細な変化を触知して診断しようとする点が日本独特である。
・・・ってな感じでいいんすかね??
日本の伝統鍼灸は実際の医療現場では数の上では少数派ですが、とりあえず繊細なんですけどネ、どうすかね?・・・みたいな??
僕としては共通の理論と用語は、世界情勢に合わせてTCM(中医学)のものを採用しつつ、それぞれの良さ、個性は中医学の用語で説明する、
出来ないならできない理由を明確にする、ということでいいと思うんですがね。
もちろん、日本の資格制度や医療現場等々に、中国人が我が物顔で入り込んできて、日本独自の鍼灸の考え方を認めず、日本の鍼灸師がやりにくくなるみたいな、
そんな状況は大反対ですよ。
ただねえ、WHO、ISO含め、世界基準を度外視することはしない方がいいでしょうよ。
反対派の人は、ヤダヤダ言ってるばっかりじゃなくて、他にもっといい方法があるなら伺いたいくらいなんですがねえ。。。
日本伝統鍼灸学会も、結成から40年以上たってますんで、50周年あたりを目処に、その辺、考えた方が良くないすかねえ。。。
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2017.11.08

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11.6の月曜日は、朝一から藤本漢祥院の仮施術所にて鍼を受け、その足で以前から気になっていた奈良、吉野山へ。
ここに、現時点で気になっている、最後の不動明王が存在するのです。
実は、あまりにもマニアックっていうか、東洋医学とか鍼灸とかけ離れた、しかも宗教的な話になっちゃうので、引く人も多いかな(実際チラホラいた)、
と思ってあえて書いてこなかったんですが、以前チョコッとシリーズで書いていた不動明王マイラーシリーズ。
不動明王マイラー 目次 参照
もちろん、その後も不動明王マイラーはずーっと続けており(書いてないけど)、今回の吉野山、奥千本の不動明王にて、一応現時点で気になる、
全国のお不動さんはコンプリートしました。
・・・僕も早36歳。
いつまでも若くないっす。(苦笑)
人生で3回目の年男であり、酉年の守護仏である不動明王を参る中で、修験道や仏教といったものの考え方に触れつつ、色々と自分なりに「ないアタマで」考えてきました。
今後も折に触れて、山に入っては、不動明王を参っていくんじゃないかと思います。
・・・まあそれはともかく、この日の夜は、楽しみにしていた、蒼流庵主人とお会いしてきました!!
清明院の墓マイラー記事は、以前から、蒼流庵主人のブログの情報を大いに参考、引用させていただいております。
墓マイラー 目次 参照
ブログでの文面、口調とは違って、ゴリゴリの関西弁マシンガントークの先生でした。(笑)
(文章というのは面白いですね。会ってみると意外な人と、そのまんまの人といますね。)
「蒼流庵随想」は、東洋医学をやっている先生で、ネットをよく検索する人で、「易学」に注目している先生なら、みんな知っているんじゃないでしょうか。
・・・まあしかし、蒼流庵主人は今後も年齢不詳正体不明、がいいと思いますので、詳細は書きません。(笑)
話を伺ってみると、他にも墓マイラー、子孫マイラー、家マイラーなど、近現代にもまだまださらに上の、レジェンドのような人物もおられるようで、
やはり史跡研究家、医史学研究の世界は果てしないようです。
こういうのは本来は大学等で、国家機関として、それ専門の部署を作ってやるべきですね。
まあ、近年は私も色々、他の分野や流派の先生方とお会いして交流させていただく機会を意図的に多く作っているのですが、昨日の記事にも書きましたが、
例えばドクターと薬剤師と鍼灸師とか、その中でも違った流派や考え方の先生方とか、あるいは学者さんと臨床家とか、バンバン垣根を超えた対話をしていくべきだと思います。
その中で、お互いが対立要素を探すのではなく、統合、統一を目指すのでもなく、お互いのためになる、足しになるような部分を見つけあって、
刺激しあったらいいと思いますね。
そこから、互いの発展や、新しい何かが生まれるかもしれません。
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                    2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2025.10.29
2025年 11月の診療日時2025.10.15
2025年9月の活動記録2025.10.10
清明院16周年!!!2025.10.01
2025年 10月の診療日時2025.09.20
2025年8月の活動記録2025.09.01
2025年 9月の診療日時2025.08.15
2025年7月の活動記録2025.08.01
2025年 8月の診療日時2025.07.04
2025年6月の活動記録2025.07.01
2025年 7月の診療日時2025.06.26
2025年5月の活動記録2025.06.01
2025年 6月の診療日時2025.05.10
2025年4月の活動記録2025.05.01
2025年 5月の診療日時2025.04.04
2025年3月の活動記録2025.04.01
2025年 4月の診療日時2025.03.13
2025年2月の活動記録2025.03.01
2025年 3月の診療日時2025.02.06
2025年1月の活動記録2025.02.01
2025年 2月の診療日時2025.01.21
順天堂東医研、第6回公開シンポジウム「総合診療と東洋医学」2025.01.10
2024年12月の活動記録2025.01.02
2025年 1月の診療日時2025.01.01
謹賀鍼年!!2024.12.28
年内診療終了!!2024.12.14
2024年11月の活動記録2024.12.01
2024年 12月の診療日時2024.11.07
2024年10月の活動記録2024.11.01
2024年 11月の診療日時2024.10.10
清明院15周年!!!2024.10.09
2024年9月の活動記録2024.10.01
2024年 10月の診療日時2024.09.19
2024年8月の活動記録2024.09.01
2024年 9月の診療日時2024.08.03
2024年7月の活動記録2024.08.01
2024年 8月の診療日時2024.07.10
患者さんの声(70代女性 目の痛み、不安感)2024.07.05
2024年6月の活動記録2024.07.01
2024年 7月の診療日時2024.06.05
2024年5月の活動記録2024.06.01
2024年 6月の診療日時2024.05.10
2024年4月の活動記録2024.05.01
2024年 5月の診療日時2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!