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こんばんは、森岡です(^_^)


ずいぶん昔から診させて頂いている患者さんがおります。

その方は現代医学で難病とされている、アトピー性皮膚炎でずっと悩まれていた方。


様々な治療を試してきたけれども、どれも効果がなく、


最終的に藁をもつかむ思いで、鍼灸治療の扉を叩いてみたそうだ。



現在では幸いに、痒みがきつくて眠れなかったような状態が、ほとんど痒みもなく落ち着いている。


この患者さんは、僕が中医学を始めて間もない頃から付き合っている方で、


共に苦楽を歩んできたと言っても過言ではないような、思い入れのある患者さんだ。



最近、治療当初のことを振り返って話していた時に、


「あの頃は、自分の事について何にも分かってなかったなぁ」


と仰っていた。



当初は、あの強烈な痒みにのみ目が行き、



「なぜ、この痒みが発症したのか？」



「どんな時に、この痒みが楽になったり、辛くなったりするのか？」



なんて考えもしなかったと。



また、飲食、二便（大便・小便）、発汗、睡眠、精神的状況などなど、


様々なことと、病気の関連性について全くと言っていい程分かっていなかったと。



「今では、治療を重ね、自分の身体の事や精神的な事が少しは分かってきたから、


多少痒みが出た時には、その原因をある程度自分で考えられるようになり、


それ以上、悪化しないように注意できるようになった。」


そうだ。




これは病気を治す上では、とても重要な事であると思う。




自分をよく理解し、病気をよく理解することは、そのまま、病気治しにつながると思う。



養生の基本、ある意味”セルフ治療”である。


（ただ、患者さんの中には”間違ったセルフ治療”をされている方もいらっしゃるけど・・・。）



まだまだ、未熟な治療経験ではありますが、病気になっている方というのは、


大概、自身についてよく理解されていない方が多いような気がする。


逆に理解できていなかったからこそ、病気になったのかもしれんません。



それは特に、初診で１～２時間の時間をかけ、じっくり問診し、様々な質問をすることで如実に分かる。


患者さんの口から、


「意外と自分の事って改めて聞かれるとよく分かってないですね。」


と出ることもある。




”病気はその人の生活や性格の範疇を超えることはほとんど無い”


というのは僕の持論ですが、


鍼灸治療を通じて、「自己理解」を進めることが、


病気治しの大きな一歩につながることは間違いないのではないでしょうか。



「彼を知り、己を知れば百戦殆うからず」　　（ｂｙ　孫子）



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