東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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患者さまの声(20代男性:アトピー性皮膚炎、皮膚の色素沈着、冷え症、慢性疲労)

2010.11.04

再び、「患者さまの声」をいただきましたので、掲載させていただきます。

20代 男性  

症状:アトピー性皮膚炎による皮膚の痒み、皮膚の色素沈着、冷え症、慢性疲労

 

 

2年ほど前、仕事の疲労や生活環境の変化などの影響からか、生まれて初めて、アトピー性皮膚炎を発症してしまいました。

その後、皮膚科に通院し、ステロイド剤の服用により症状は落ち着いたものの、このままステロイドを服用し続けて大丈夫なのかという不安と、

元々の酷い冷え性や肩凝りなどを改善しなければという思いから、妻の勧めもあって、清明院で鍼の治療を受けてみることにしました。

 


鍼そのものが初めてだったこともあり、最初は正直、あまり効果は期待できないと考えていました。

というのも、アトピーが出た時期に、

漢方薬で有名な皮膚科に通院し、治療を試みたものの、全く効果が感じられなかったという経験があり、東洋医学そのものに半信半疑だったからです

しかし、竹下先生の治療を受けてみると、ほんの何本か鍼を打っただけなのに、身体全体が温かく楽になって、

溜まっていた疲れがスッと抜けていくような感じがしました。

そして、何より驚いたのは、諦めていた背中などの色素沈着が、少しずつですが、明らかに薄くなっていったことです

その後、治療を重ねるたびに、アトピーや冷え性が徐々に改善していき、自分の身体が着実に良い方向に向かっていくのを感じました。

そして2、3ヶ月もすると、ステロイド剤もほとんど使わなくて済むようにまでなりました。

 


今では、定期的に清明院に通いながら、特に仕事が忙しい時には、アトピーが悪化しないよう、身体の疲れを取るようにしています。

治療を受けた後は、眼や腰の疲れが取れるほか、精神的にも気分が楽になったような気がして、毎回効果を実感しています。

私自身、もともと食生活には気を遣い、週数回ランニングをするなど、普段から健康面にはそれなりに注意している自信があったのですが、

それでも鍼が持つ万能薬のような効果には大変驚かされました。

同じような悩みを持つ多くの方にお勧めしたいです。

【清明院からのコメント】

上記の文章には、「鍼灸治療」というものの特性を示す、いくつもの示唆的な内容が含まれております。

彼自身がとても的確に、この医学の素晴らしさを「体から」理解して下さった、とてもありがたい文章だと思います。

この方は、発症してから約2年経ってから来院されたアトピー性皮膚炎の患者さんです。

清明院にはアトピーの患者さんが多くいらしていますが、中にはこういった、比較的病歴の浅い症例もあります。

清明院の鍼灸治療はアトピー性皮膚炎に対して、総じて高い確率で有効だと思いますが、

こういった、病歴が浅く、なおかつ患者さんの年齢が若い症例の場合は、特に効果がいいように思います。

初診時、不安そうな表情でみえた彼は、この1年半ぐらいで仕事、プライベートともに生活状況が大きく変化したこと、

これまでに有名な漢方薬局で漢方薬を処方してもらったにも関わらず無効であったこと、

ステロイド剤を今後も長期に使用していくことへの不安などを正直に訴えてくれました。

体表観察してみると、体中いたるところにに赤紫色の色素沈着があり、皮膚はガサガサで、潤いがほとんど感じられない、という状況でした。

職場の移動、結婚など、生活状況の急激な変化によって、精神、肉体ともに疲労が重なったために起こった病と考え、

証は「肝欝気滞(かんうつきたい)≒腎虚(じんきょ)」とし、虚実夾雑証として治療を開始しました。

経過はわずか数回の治療により、こちらも驚くほど良好であり、今では、

「初診の時の皮膚の状態を写真にとっときゃよかったネー!(苦笑)」

なんて言いながら治療しているぐらい、皮膚の状態は見違えるように、ほぼ正常に変化しています。

(写真がないのが本当に残念!)

上記に患者さん自身が述べて下さったように、どこかで漢方薬を服用して治らなかったら、

「もう東洋医学ではダメなんじゃないか・・・。」

と考えてしまったり、このままステロイド剤を対症的に使い続けることに、強い不安を感じている方は少なくないと思います。

もちろん、アトピーという病気は、この症例のように、比較的短期間で劇的な改善が得られる症例ばかりではないことは事実ですが、

「あきらめることはない!」

と強く思います。

 


投げ出してしまう前に是非1度、ご相談いただければ、と思います。

 

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花を飾る

2010.10.31

清明院では、いつも生花を飾っております。

いたるところに、飾っております。

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コレの世話はなかなか大変だったりするんですが、それでも飾っております。

なんかやっぱり、花があるのとないのとでは、違うんですよね、院内の雰囲気が。

・・・以前僕が勤めた職場では、生花を飾っているところも、飾っていないところもありました。

飾っているところの院長に言わせると、

「花の世話をすることは、患者さんのお世話をすることにつながる。」

だとか、

「花がある治療院には余裕がある、余裕がないと、色んな大事なことに気づけない。」

とか、色々なことをおっしゃっていました。

一方で、花を置かないところの院長からは、

「だってめんどくさいじゃん。」

とか、

「そんなの誰も見てやしないよ。」

とか、怠慢ともとれる言葉が目立ちました。

でも、だからと言ってそういう治療院には患者さんが来てなかった訳ではないし、結局、そこの院長さんの考え方次第なんかなあ、と思っていました。

で、自分が治療院を持ってみた時に、「これは置いた方がイイ!」と判断したため、置いております。(笑)

僕なりの花を置く理由としては、何となく、綺麗だからです。(笑)

鍼灸院を訪れる患者さんというのは、何か不安を抱えていたり、イライラしていたり、体もさることながら、心にも何か問題を抱えている方が少なくありません。

そういう患者さんにとって、理屈抜きで美しい花、というのは、ささやかだけど救いになるんじゃないかな、と思っています。

「儚いものは美しい」

人間の命も同じですね。

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小児と鍼灸(その3)

2010.10.23

本日も満員御礼でございました!!(感謝)

 


そして今日は、お子ちゃま達が何人も訪れまして、久々に「清明保育園」となりました!(笑)

 


つかの間の園長気分です。

 


小児の患者さんを診ていると、色々と気付くことがあります。

 


今日初診にみえた3歳のHちゃんは、最初、不安丸出しのお顔で、お父さんに隠れるように清明院に入ってきました。

 


そして、いざ僕が近づくと、せきを切ったように泣き出しました。

 

(苦笑・・・そろーりと近づいたんだが。。。)

 


実は、初診の時は、こういう子どもは珍しくないです。

 


今まで、小児科の病院で、たくさん怖い思いや痛い思いをしてきたんだと思います。

 

だから白衣を見ただけで、イコール痛いことや怖いことをされる、と思いこんでしまうんですね。

 


その対策のために、白衣を脱いで治療にあたることも、これまではやったりしましたが、最近はそれもしません。

 


なぜならば、鍼によって、

絶対に痛がらせない

しかも「効く」ということを体で理解させる

自信があるからです。

 


小児というのは、大人に比べて、「治る力」が非常に活発です。

 


しかもたまにいる大人のように、

「科学で完全に解明されてない、まったく不可思議な、この鍼灸という治療が、最新の科学に基づく西洋医学の専門病院によって、〇〇病と診断された、この私に果たして効くのだろうか・・・。」

などという雑念もございません。(苦笑)

 

言い方は悪いけども、小児というのはまだ動物に近い部分があって、非常に素直に、迅速に反応を示すし、それを理屈抜きで理解することが出来ます。

 

ですから、体に出ている反応をよーく診ておいて、大きくバランスの崩れている部分を「ちょこっと」いじってやるだけで、たいがい、よい方向に向かいます。

しかし一方で、大人よりも内臓も骨も筋肉も脆弱であり、ひとたび病気になると、悪化していくのも早い、という特徴があります。

 


なので場合によっては、詰めて治療に通ってもらわなくてはならない場合もあります。

 


清明院でも場合によっては、朝治療して、夜もう一度来てもらったり、毎日来てもらわなければいけないケースもあります。

 


まだまだ、小児と鍼灸については色々と書きたいこともあるんですが、今日は北辰会関東支部前日勉強会のお時間となってしまいましたので、この辺で終わりにします。

「小児と鍼灸」については、今後も折に触れて書いていきたいと思います。

鍼灸というのは、小児のあらゆる病に大変、有用性の高い医療だと思います。

 

 

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治療の後に下痢が出た!

2010.10.07

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今日、患者さんから興味深いことを言われました。

 


今、つづっている「大腸って何ですか?」にも通じるものがありますので、書いておこうと思います。

 


その患者さん曰く、やや不安げに、

「先生、こないだの治療の後、下痢が2,3回続きました。」

と。

 


僕は答えました。

「それはよかったですね。」

と。

 

患者さんは、

「エ?大丈夫なんですか?」

僕は、

「下痢が出た後、こないだの症状はどうなりましたか?」

すると患者さんは、

「あ、そう言えばなくなってる・・・。」

というやり取りでした。

 


これは、もちろんこういった変化が、良性の変化なのか、悪性の変化なのか、という判断に自信があるからこそ、言える言葉なんですが。

 


何でもかんでも治療の後に下ればいい、というもんではもちろんなくて、重要なのはそれがいい変化である、という判断が正確につくかどうか、なんです。

 


ここはくれぐれもお間違いなきよう。

 


・・・東洋医学的な治療では、何しろその患者さんの「治る力」を最大限引き出す、ということが目標です。

 


人間には、もともと

「余分なものは、体にためこまず、さっさと排出する。」

という機能が備わっています。

 


東洋医学ではこの機能を最大限利用します。

 


ですから、治療の後下痢した、小便が増えた、汗が出た、場合によっては吐いた、という変化が、一概に悪い変化とは言えません。

「体内の余分なもの」

が出ていってくれている面があるのです。

 


東洋医学の有名な治療法に、「汗・吐・下(かん・と・げ)」と言われるものがあります。

 


これらは読んで字のごとく、

・汗法・・・汗をかかす

・吐法・・・吐かせる

・下法・・・便を下す

という方法です。

 


こういう方法は、昔から存在し、治療により、体が正しく変化すると、

「余分なもの」

は居心地が悪くなって、

「最も出やすい場所」

から外界へと出ていきます。

 

 

そしてこれは、

形あるもの(有形の邪気)、形なきもの(無形の邪気)にかかわらず

・・・なんです。

 

 


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動揺しない方法

2010.08.28

日々、臨床をやっていると、いまだに

「動揺しそうになる瞬間」

に、遭遇することがあります。

(まあ、臨床に限らずだけどね。)

例えば、なかなかこちらが思ったように治っていかないとか、患者さんとのコミュニケーションがうまくいかない、など、

ふいに、思いがけず、その瞬間はおとずれます。

しかし、我々臨床家というのは、そういう場面に遭遇しても、決して動じてはなりません。

(それは言い過ぎ、というか理想論かな・・・。(苦笑))

まあ、人間だから、多少の動揺はしなきゃおかしいのかも知れないけど、極力、それは最小限に抑えるべきです。

あるいは、もし明らかに動揺してしまったとしても、あらゆる方法で、その動揺を最小限に抑えて、乗り越えるべきです。

(極力、即座にね。)

とにかく常に”平常心”で治療にあたるべきなんです。

それが、その臨床家が最高のパフォーマンスを見せるための必要条件でしょう。

第一、我々が日々相手にする「患者さん」というのは、予想だにしない”病気”というものによって、すでにして大きく「動揺」させられている存在です。

そういう人を相手にする「臨床現場」という場面で、治療する側が動揺してたら、もう何が何だか、ワケ分からんことになります。

臨床家というのは、運命に翻弄され、フラフラと迷い、動揺する患者さん達を、ある意味、引っ張っていかなければなりません。

(導く、とでもいうかネ。)

こちらに来れば、必ずいい方向に向かいますよ、というところに、です。

だから、必ずこの鍼でよくなる、という「信念」が重要なんです。

自分が信じてないものを、人に信じさせるだなんて、無理難題もいいとこです。

「この鍼で治るかもね。」

じゃダメなんです。

迷いに迷い、不安で戸惑う患者さんの前で、

「確実に治る!」

そう言い切れるかどうか。

だから、その「信念」をもっともっと強固で頑丈なものにするために、先輩に質問したり、日々勉強する訳です。

「論理」の重要性です。

また、たとえ、どうして自分がこんなに動揺したのか、その時、その瞬間は分からなくても、

あとでそのことに「納得」することが出来れば、一歩前進です。

最低でも次に活かすことは出来ます。

マイナスをプラスに転じることが可能になるのです。

そこで「納得」を得るためにも、やはり「論理」というものが必要不可欠になります。

ものごとに動じない、”ブレない心”を手にするためには、まず「信念」を持つこと、そしてその「信念」をより強固なものにするためには、

確かな「論理」を身につけることです。

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「怒りかたの大事」

2010.08.17

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お盆中、奈良の藤本漢祥院に見学にいった時、一人、蓮風先生にガツンと怒られている患者さんを見ました。


なんでそうなったのかは長くなるのであえて書きませんが、僕もその現場を横で見ていて、

「あー、そりゃ無理もないわ。」

と、思っていました。


でももちろん、蓮風先生は怒りっぱなしにはしていません。その後キチッとしたフォローをしておられました。


・・・僕も、正直、ごくたま~にですが、患者さんに怒ることがあります。


毎日何人も患者さんを診ていると、中には、自分のしていることをまったく棚に挙げて、治らない、あるいは治りが悪い、と、こちらの責任を責めてくる患者さんがいます。

(・・・医者と神様は違いますからねえ。。。)


また、こちらが養生指導であらかじめ禁止しておいたことを平然とやってのけ、それによる悪化や不安をこちらにぶつけてくる患者さんもいます。

(・・・コレは単純に失礼です。)


あるいは、こないだ声高に述べていた症状のことはどこかへ消えてしまい、何しろ自分の悪いところを探し出しては、それを大げさに訴える患者さん・・・。


・・・悪い部分を探して「ネガティブ」になるのは得意なのに、よくなったことを感謝して「ポジティブ」になるのは苦手みたい・・・。

(まあ、だからこそ”患者さん”なのかもしれないが・・・。)


こういう患者さんでも、僕は粘り強く指導します。

 

同じことを何度も何度も言うこともあります。


でも、それでもどうしても伝わらなかった時に・・・。

 

(苦笑・・・でも、僕もちゃんとフォローはします。)


もちろん、臨床家はみんな、本当はそんなこと(怒る)はしたくないです。


こちらの言うことをよく守って下さり、信じてついてきて下さる患者さんに対しては、怒りなんて感情、まったくありません。


医療者―患者間が、信頼関係で出来た「いい関係」の方が、病気もよく治る、なんていうのは、もう「当たり前」の話です。


だからこそ、こちらがお勧めする養生指導、注意事項に関しては、是非とも、よく聞いて、よく守っていただきたいものです。


・・・ところで、患者さんに限らず、例えば上司-部下でも、親子でも、人間の関係性において、あんまり怒ってばっかりいると、相手が「委縮」してしまうことがあります。

この状態、関係性があまり長く続くと、怒られている相手は当然、去っていきますよね。

 


これはこれで、「当り前」です。

 

・・だってつまんないからです。


しかし中には、面白いことに、怒ってばっかりいるのに、いい関係性が成立しているケースもありませんか?


僕は患者さんの御夫婦なんかを見ていて、そう思うことがあります。


かたや怒ってばっかりの御主人や奥さん、しかし、なぜか仲良さそうです。


これは、「怒り方」、あるいは「怒る前の2人の関係性」に秘密があるような気がします。


(ここまで書いたら急用が入ってしまったので、次回に続く)

 

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「胃」って何ですか?(その10)

2010.08.09

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これまでのお話・・・

「脾」って何ですか?(その9)
「胃」って何ですか?
「胃」って何ですか?(その2)
「胃」って何ですか?(その3)
「胃」って何ですか?(その4)
「胃」って何ですか?(その5)
「胃」って何ですか?(その6)
「胃」って何ですか?(その7)
「胃」って何ですか?(その8)
「胃」って何ですか?(その9)

 

これまで「胃の腑」に関するお話を「脾の臓」とも絡めながら、

・機能
・形態
・症状

なんかに注目しながら、具体例も挙げて話をすすめてきました。

 


・・・まあ、このシリーズは専門家に向けたものではないので、概要としては大体のことは述べてきたかな、と思います。

 


なので「胃ってなんですか?」シリーズは、ここらで一旦完結しようと思います。

 


最後に一つ、ついこの間、患者さんを診ていて、

「あー、これはまずいなー。」

と思ったことがあったので、お伝えしておきます。

 

 


☆「足三里」の危険性

 


その患者さんは、80代の女性です。

 


以前から診ていて、経過もよく、安心していたのですが、最近妙に元気がなく、脈、舌、体表観察所見も「脾胃」の反応所見がよくないのが気になっていました。

 


そんなある日、

「先生、最近食事の後、気持ちが悪くなるんです。」

と、その患者さんは訴えました。

 

詳しく聞くと、のどもよく乾く、便も出にくい、食欲も落ちてきている、体がだるいとおっしゃいました。

 

 


患者さんは、

「夏バテかなあ?」

とおっしゃったが、去年はどうだったか、これまではこういうことはあったかと聞いてみると、

「去年、その前はこんなことはなかった。」

とのこと。

 

さらによくよく聞いていくと、

「先生に鍼してもらってから調子がいいので、もっと調子よくなりたいと思って、足三里にここ最近毎日お灸をしている。」

とのこと。

「・・・それだ!!」

と思い、すぐに中止させたところ、上記の症状は消失。事なきを得た、ということがありました。

 

・・・ツボの中には、たまに、誰でも知っているような超有名選手がいます。

 

 

「足の三里」というツボもその一つです。

 

足三里画像


↑↑これです。

 


この「足三里」というツボは、よく「長生きの灸」とか言って、お灸をすると元気で長生きするとか、足腰が強くなるとか言われ、昔から有名です。

 


テレビや、一部の雑誌や書籍なんかで紹介されてたりすることも少なくありません。

 


・・・コレ、とんでもない話です。

 

 

こういう言い方は、迷信もいいとこです。

 


足三里にお灸をするだけで誰もが例外なく足腰が強く、元気で長生きするんだったら、誰も苦労しやしません。

 


確かに「足三里」は、上手に使えば大きな効果を得ることが出来るツボではあります。

 


しかしそれは、確かな東洋医学的な診断に基づいていて、なおかつ適正な術(鍼か灸か)で、適正な刺激量での処方であった場合にのみ、言えることです。

 


当然ながら、治療に使える、ということは、逆に言うと間違った使い方をすれば悪化させることもある、ということです。

 


上記の患者さんは、もともと「胃の腑」に熱がこもりやすいタイプの患者さんでした。

 


本来ならばその熱を冷ます治療、養生法を行い、どんどん「胃熱」を発散、排出させるように持っていかなくてはなりません。

 


しかし、この患者さんがやった「足三里にお灸」という処置は、どちらかというと「胃の腑」を温める治療になります。

 


つまり逆です。

 

 

熱に熱を足してしまっている訳です。

 


しかも、自分で見よう見まねで適当にツボの位置を決めているため、時には右のみが効いたり、左のみが効いたり、効果にばらつきがある上に、

 

その的確な評価も出来ないため、左右のアンバランスなんかも引き起こしやすいです。

 


高齢者が左右のアンバランスを起こし、それがあまりにもきつくなると、たいがい転倒します。

 


歩行姿勢が左右アンバランスで、不安定になるからです。

 


高齢者にとっては、転倒から骨折でもしたら、寝たきり状態にもなりかねません。

 


そうなってから泣いたってわめいたって遅いんです。

 


東洋医学というのは、誰でも簡単に使いこなせるもんじゃありません。

 


僕も場合によっては、遠方でたまにしか治療に来れない患者さんなど、自宅でお灸を据えてもらうこともありますが、その場合は、安全かつ確実なツボ以外は選びません。

 


・・・まあー、これだけ「医学だ、医学だ」と叫んでも、それはごく一部の人にしか伝わりません。

 

 

甘く見られることの方が多いです。

 


でも、それでも僕は叫ぶことをやめません。

 

 

だって「医学」だからです。

 

 

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「心」って何ですか?(その6)

2010.06.04

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これまでのお話・・・

「心」って何ですか?(その1)
「心」って何ですか?(その2)
「心」って何ですか?(その3)
「心」って何ですか?(その4)
「心」って何ですか?(その5)

 

だんだんと、ネタが増えてまいりましたね・・・。

 


イイ感じです。(笑)

 


ただまあ、このブログは専門家に向けたものではないので、最初から全部読まなくても、1話1話、

「誰でもが」

分かるように配慮したものにしよう、と思っています。

 

今日は東洋医学のいう「心」を理解する上で欠かせない、「神(しん)」というものの関わりについて述べます。

 

 

東洋医学には「五神(ごしん)」という考え方があります。

 

人間の精神活動(考えたり、覚えたり、判断したり・・・)は、この「五神」というものの働きによってなされている、と考えられています。

 


そしてこの「五神」というものは、読んで字のごとく”5つ”あり、それぞれが「五臓」と深く関わる、とされています。

 


「五神」と「五臓」の関わりを書きますと・・・

・肝・・・魂(こん)

・心・・・神(しん)

・脾・・・意(い)

・肺・・・魄(はく)

・腎・・・志(し)

となります。

 

この中の、「肝」と「魂」の関わりについては、以前「肝」って何ですか?(その4)にて述べました。

 


脾と意、肺と魄、腎と志についても、いずれ述べようと思っていますが、今日はとりあえず「心と神」について述べましょう。

 


この「五神」というものには、それぞれに役割があります。

 


例えば、肝の魂には無意識をつかさどる働きがあったり、それ以外の意や魄や志にも、それぞれ異なった働きがあります。

 


その中で、この「心神」というものは特別、別格です。

 

なぜならば、他の四神の働きを統合し、まとめる、という、”部分的”ではなく、”全体包括的な”働きを持っているからであります。

 

つまり、人間が持つあらゆる感覚、記憶、本能、理性、思考、といった、精神活動の全てを、「心」が蔵する「神」が、最終的には統括している、という風に、東洋医学では考えます。

 

この辺の詳しい話はたにぐち書店『中医心理学』に非常によくまとまっております。

(しかしこれは専門書ですので、一般の方は読んでもチンプンカンプンかもしれません。)

 

 

実は僕は昔からこの辺の理論が好きでして、というか興味を持ってまして、色々な先輩たちに質問したり、本を読んだりして、徐々に自分なりに勉強を進めていました。

 

日々患者さんに接するたび、

「一体、人間のココロの仕組みってどうなっているんだろう?」

「この人は何を求めているんだろう?」

「どうすればこの人は癒されるんだろうか?」

とかっていう問題は、僕が鍼を持って以来、ずーっと頭にありました。

 


これを「医学理論的に考える」、一つのヒントがこの『中医心理学』でありました。

 

・・・まあそれはともかく、「心」という臓が蔵するこの「神」というものは、「魂」の説明の時と同じ感じになりますが、「気」のある側面に名前を付けたもの、と考えたらいいと思います。

 


つまり、平た~く、はしょりまくって、強引に、言うと(笑)、「気」のように全身を周流しつつ、”主に”「精神活動」のバランス調節をしているもの、と言えます。

 


じゃあ肝の臓が蔵する「魂」との違いは何か、というと、「魂」が無意識の精神活動に関与するのに対し、「神」は意識下の精神活動に”主に”関与します。

 

要は、仕事でも家庭でも、それ以外の人間関係も、我々の振る舞いは全て、各人の顕在意識下でなされていて、潜在意識が表面化することは通常ない訳ですが、

 

両者は表裏一体の関係性を持っていて、相互に影響しあう訳です。

 

これを調整、統括し、顕在意識を清明、正常たらしめているものが「心神」なのであります。

 

なので様々な要因でコレが不安定になると、実に多様な症状を呈します。

 


いわゆる西洋医学的な、”精神病”と言われるようなものも、東洋医学では「心神の病」の範疇に入ってくることが多いです。

 

あるいは原因不明の激痛を伴う病なども、この範疇で考えると説明がつくことが多いです。

 

なので臨床的には、この考え方を応用すると、非常に強力な鎮痛作用を鍼で表現することが出来たりします。

(・・・と言ってもまあ、そんな簡単な技術ではないけどネ。)

 

かなり簡単に述べましたが、東洋医学の言う「心の臓」が蔵する「神」とは、以上のような役割を持ち、人間の健康には欠かすことのできない役目を担っている、ということです。

 


次回に続く

 

 

 

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「心」って何ですか?(その5)

2010.06.01

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これまでのお話・・・

「心」って何ですか?(その1)
「心」って何ですか?(その2)
「心」って何ですか?(その3)
「心」って何ですか?(その4)

 


今日は、「心」と「血」の関わりについて・・・

 

☆心と血の関係

 

以前、「肝」って何ですか(その2)において、人体を潤し、栄養する重要な要素である「血(けつ)」は、五臓の中の「肝」に蔵され、

全身に配分調節されている、というお話をしました。

 


しかし、じゃあ「血」は肝に”しか”関わらないのか、というと、そんなことはありません。

 


肝以外の4臓にも、当然関わります。

 

 

その中で、特に「血」と密接にかかわるのが「心」であります。

 

なぜならば、(その1)で述べたように、心の臓には「ポンプ作用(主血作用)」という働きがあります。

 

この働きは、簡単に言うと、ドクンドクンと、全身に血が行きわたるように、律動的に「血」にプレッシャーを与えている作用、という意味です。

(笑・・・そのまんまだネ。)

 


でも、ということは、心には常に一定量の「血」がプールされていなければその働きを果たせませんよね?

 


つまり、十分に血が入ってなかったら、「ドクン」と動いてもスカッと空振りになっちゃうわけです。

 

ですので、「肝」が蔵している血が少なくなってしまうという、病的な状態(肝血虚)の時、肝以外の4臓の中で「心」という臓は非常に悪影響を受けやすい、と言えると思います。

 

こうした、肝と心の密接な関係性を、東洋医学では「心肝同源(しんかんどうげん)」なんて言ったりします。

 

この場合の「源」というのは、この二臓の安定的な機能の源(みなもと)が心も肝もともに「血」であるから、です。

 


そいで、血が少ない、という影響を心が受けると、心の臓の働きがうまく出来なくなり、不眠や動悸、あるいは精神的に不安定になったりと、実に様々な症状が出るのです。

 

こないだ、「肝」って何ですか?のシリーズ10話を読んで下さった、熱心な患者さんに聞かれました。

 

 


患「先生、あれを読むと、体の働きのほとんどは肝がやってないですか?」


竹「いやいや!そんなことはないです。(笑)肝がやってることはすごく大きいけど、他の臓腑の働きもすごいもんです。

これから他の臓腑も解説していきますが、徐々に色んなことが分かってくると思いますよ。お楽しみに!」

 

 

・・・東洋医学をまったく知らない人達に対する、本格的な東洋医学の、誰にでも分かるような解説。

 

この連載は僕にとってのチャレンジでもあるんです。

 

(次回に続く)

 

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「心」って何ですか?(その1)

2010.05.27

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・・・さて今日から「心(しん)」という臓について、考えていきましょう。

 


これを読んでいく時に注意してほしいのは、やっぱり西洋医学のいう「心臓=heart」と、東洋医学のいう「心の臓」というものとは、全く別のものであると考えたほうがいい、ということです。

 

東洋医学と西洋医学は、まったく違う角度、まったく違う哲学をもって、「人体」という小宇宙をみています。

 

だからここを初めから混同してしまうと、後々、ワケが分からなくなるのがオチなんです。

 

(僕自身がそうでした)

 

しかし、みている角度、哲学が違う、とは言っても、その対象は「人間」な訳ですから、その解釈が

”部分的には”

オーバーラップしてくることも当然あります。

 

これから述べる、「心の臓」の働きの中にも、そういう部分はあります。

 


でも、そこだけを強調して採り上げて、両医学の融合が出来るか、と考えると、それは限りなく不可能に近い、というか無理、少なくとも現段階では無理にそうしない方がいい、と僕は考えています。

 

まあ、コレ言いだすとまた前置きが長くなりそうなんで、さっさといきます・・・。苦笑

 


☆心は君主

 


東洋医学では、体を一つの国に例え、五藏六府をそれぞれ官職に例える考え方があるのですが、心というのは君主(国王、王様)と言われます。

(『黄帝内経素問』霊蘭秘典論(8)です)

 

 


国王がしっかりしていれば、国、国民は安定しますよね。

 

反対に、国王が不安定だと、国民も不安定になります。

 

このように、心がしっかりと機能していれば、体は安定し、滅びることはなく、心に異常があると、体は不安定で、滅びる方向に向かいます。

 

つまり病になる、ということです。

 

なぜ、心が君主、国王なのかというと、大まかに言うと、以下の二つの機能を「心の臓」が持っているためであります。

 

1.五臓六腑、全身に気血を巡らせるポンプ作用

 

(書籍によっては主血作用、と記載があります。谷口書店『基礎中医学』P71)

 

これは西洋医学の考え方ともオーバーラップしています。

 

しかし、東洋医学的な「心の臓」が巡らせるのはあくまでも「血液」ではなく「気血」なのであり、巡る対象は「五臓六腑のある、東洋医学の生命観に則った」全身なのです。

 

生まれた時から亡くなる時まで、ドックンドックンと、心は気血を全身に送り出し続けます。

 

 


「心の臓」のこの働きがなかったら、人間は生きていられません。

 

 

2.心は神(しん)を蔵するため

 


ここは、東洋医学独特です。

 


後ほど詳しく説明しますが、ここでいう「神(しん)」というのは、精神的な働きの中核をなすもの、と考えればいいと思います。

 


以前
「七情」についてで述べたように、人間は常に、実に色々な精神刺激にさらされていますが、それに対して、正常に反応できるのは、

この心が蔵する「神」という、「形のないもの」が正常に働いていれば、の話なんです。

 

この「神」に異常が起こると、ものごとの判断が正常に出来なくなったり、精神面、肉体面において、あらゆる異常が起こってきます。

 


つまり、心は


・全身に気血を休まず供給するポンプ(カラダの働きのかなめ)


・精神的な働きの中枢(ココロの働きのかなめ)


という2点から、「生命」というものを主宰する、”君主”である、と、東洋医学では位置付けられています。

 


この認識が、東洋医学の言う、「心の臓」というものを理解する出発点になります。

 


(次回に続く)

 

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