東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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勉強会行ってきました!

2010.03.23

臨時休診をいただき、患者様各位にはご迷惑おかけしましたm(__)m

 

今日からは再び朝からガンガン臨床再開しております!

今回は、3月21日(日)、3月22日(月)と、二日間にわたって、(社)北辰会 役員講師研修会に行ってきました。

今回のテーマは「実技(基本事項の徹底確認~実際の治療まで)」でした。

清明院では、診察~治療~予後の推定~養生指導まで、純粋な東洋医学の考え方にのっとった治療法である、「北辰会方式」を採用しています。

これは、「診察」の部分も、「治療」の部分も、東洋医学の基本的な考え方に基づいた、言わばすべて「実技」であり、当然、「技術」を必要とします。

(正直、簡単には真似できません。プロの仕事なんだから当たり前ですけどね。)

東洋医学は、西洋医学と違い、世界共通で血液検査で〇〇の数値が高い=〇〇病=治療は〇〇、予後は〇〇、という考え方はしません。

診察も治療も、結局のところ術者の「技術力」がモノを言います。

 

だから名医と凡医の差が出ることも当然あります。

(西洋医学でも当然技術の問題はありますが、東洋医学の方が「より」技術が要求される面があると思います。)

要は患者さんの話を聞き(問診)、体に触れて(切診)、体臭や声色なども意識し(聞診)、舌や顔色などを見て(望診)、どこまで患者さんの病の状況を読み取ることが出来るかどうか。

その情報をもとに治癒までの最短距離を考え、実際にそれを表現できるか(刺鍼・施灸・漢方処方)、という治療の流れのすべてに、

 

術者自身の感性、思考力、感覚、発想力などが常に要求されます。

(当然、基礎理論は踏まえた上での話、ですよ。)

ですから、東洋医学は終わりなき、果てしなき「技術力追求」の世界なんです。

 

僕はそれが面白くてしょうがないんです。(笑)

僕の班の担当は藤本彰宣(あきのり)本部育成部長でした。

 

きわめて分かりやすい説明と、随所にサスガの超絶テクニック、見せていただきました。

以前から、彰宣先生は僕がお付き合いさせて頂いている諸先輩方の中でもかなり頼りになる、尊敬できる先輩の一人であります。

勉強会終了後の懇親会では、(社)北辰会代表理事である藤本蓮風先生と対面(トイメン)に座らせていただき、これまた貴重な話を色々と伺うことが出来ました。

が、しかし2次会で…。

 

(ここはコメントしないでおきましょう。そっと胸にしまっておきます。(苦笑))

そして3次会、4次会、そして翌日と、まあとにかく、色々と貴重な知識、技術を教わり、またパワーアップしてきました!

今日の臨床で、再び自分の変化(成長)を実感しております。

 

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鍼灸には保険が効かない!?(その2)

2010.03.22

前回のお話・・・


鍼灸には保険が効かない!?(その1)

 


ここでいったん、そもそも「国民皆保険制度」なるものはいつから、どういう意識で作られた制度なのか、考えてみましょう。

 


実はこの制度は、国民の運動で勝ちとられたものです。とあるサイトに分かりやすい解説があったので引用させていただきます。

 


(↓以下引用文)

 

戦前、公的医療保険がなかった時代、国民の多くは医療を受けられず、「医者にかかるのは死ぬ時だけ」といわれる状態でした。


1920年代、労働運動の高まりに危機感を抱いた天皇制政府は、日本初の健康保険を導入しますが(1927年)、その対象は労働者の一部に限られました。

また、1938年には、健康な兵士を確保する政策の一環として、「農山漁村住民」などを対象とする国民健康保険(旧国保)がつくられますが、

この制度は任意加入で、しかも国庫負担もなく、加入者から高額な国保料を絞り取るだけで、医療保険としてまともに機能しませんでした。

 

戦後、健保・国保は一定の制度改善がはかられますが、社会保障費の増額に背をむける政府のもと、1950年代になっても、無保険者が3千万人にのぼる状況が続きます。

また、貧困な加入者を抱える国保は財政難におちいりますが、政府は、国保料値上げや徴収強化でこれを乗り切ろうとしました。

 

こうした中、労働組合、民主団体、医師会などから国民皆保険を求める運動がわき起こります。

特に、農民団体や業者団体は、安心できる国保制度をめざし、国庫負担を求める取り組みを各地で展開しました。

この運動の力となったのは、国民の生存権を保障し、社会保障の向上を国の義務と定めた憲法25条でした。


労働運動の急速な高まり、「朝日訴訟」など人権と生活向上を求める多様な運動の前進も、政府をゆり動かしました。

 

1958年、旧国保法を廃止し、新しい国民健康保険を創設する法案が国会で成立します。


新国保は、「社会保障及び国民保健の向上」を目的とし、他の医療保険に加入しない全国民に医療を保障する制度とされました。


制度の運営責任は国にある、と法律に明記され、定率国庫負担の仕組みも導入されます。


1961年、この新国保のスタートにより、国民皆保険が実現したのです。

 

今、自公政権が強行してきた窓口負担増や保険証取り上げ、医師不足や地域医療の荒廃で、国民皆保険は重大な危機にさらされています。


同時に、医療崩壊の打開をめざす共同が、従来の枠組みを超えて広がりつつあります。


「保険証一枚」でだれもが安心して受けられる医療制度を守り、再建する運動が求められています。


(以上)


・・・とのことです。

 


まあ、国民が勝ち取った制度ではあるけども、元々は天皇制政府が言いだしっぺ、という制度だということ、また現在、時代に合わせた変革が迫られている制度でもある、

 

ということが分かるかと思います。

 


また、制度を大きく動かしたのは「労働者」であり、要は、一生懸命働いて国に税金納めてるんだから、我々の健康は国が保障してよ、というのが基本的な考え方ですね。

どこにも「西洋医学のみで、医師のみが保障してよ!」なんて一言も言っていません。

 


労働者たちの目的、主眼は、

「国による費用負担での健康の保障」

であり、別にそれをやる人やその内容についてまでは限定していなかったはずです。

(健康に生き生きと仕事できりゃいんだもんね。)

 

あと、僕がひとつ気になったのは、労働団体、民主団体、医師会などが声を挙げた時、その「など」の中に鍼灸師はいたのかな?という問題です。

 


まあおそらくは、鍼灸師も参加したんでしょうが、もしいたとしても、いなかったとしても、この制度に全然組み込んでもらえなかった、

申し訳程度に「一応」入れてもらえた、という結果だった、というのが事実でしょうね。現状から見たら。

50年前の鍼灸師の先輩方、この時一体どうしていらしたんですか!?という思いもじゃっかんします。

 


・・・が、流れから見て、「数の力」が単純になかったのかな、という気もします。

 


過ぎたことをあれこれ詮索しても仕方ありませんが、「国民皆保険制度」には、とりあえずこういった流れ(歴史)があります。

 


僕自身も、
鍼灸の保険医療化を推進する団体に、一応籍を置いています。

 


国に一定の額を保障してもらわなくても、自腹を切ってまで鍼灸を受けに来る患者さんが増えている現状から考えるに、国民の健康を支える医療の一つとして、

 

東洋医学(鍼灸、漢方etc..)を新たにこの制度に組み込んで、きちんと位置付ける必要があるように思えてなりません。

 


しかし!

 

 

厳しい見方をすれば、これはそれに応えられるだけの実力が、アベレージとして、現代の鍼灸師にあれば、の話です。

 


(次回に続く)

 

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鍼灸は「ワラ」!?

2010.03.19

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よく初診の患者さんに、

「病院やら整骨院やら、色々かかったけど治らないから、ワラをもつかむ思いで来ました。」

と言われることがあります。

 

これ、僕はいつもココロの中で、

「別に鍼はワラじゃないけどネ(苦笑)」

と突っ込んでしまいます。

 

 

昨日も書いたように、現代の日本において、東洋医学、鍼灸、漢方というのは、とかく「日かげの医療」的なイメージが強いようです。

 

ワケ分からんけど、なんだかしんないけど効きそうだ!、とか、怪しいけど、他で治んないんだからしょうがない、信じてみようかな・・・、とか、

 

とにかくマイナスイメージが強いようです。

 

初診患者さんに鍼を打った時、よく、

「エ?今ホントに鍼刺したんですか!?全然痛くない・・・。」

なんて言われることがあります。

 

(100%じゃないよ。場所によっては蚊に刺された程度、チクッとすることもあります。)

 

鍼は痛そう、お灸は熱そう、そんでもって東洋医学は怪しい。院長の見た目もなんだかロン毛でチョンマゲで、ますます怪しい・・・。

 

そんな思いを抱えながら勇気を出して治療にやってきて、まったく痛くない1本の鍼。人間というのは面白いもので、そうすると今度は、

「こんなんで本当に治るの??」

と始まります。(笑)

 

 

僕としてはそうきた時は、

「ええ治ります。だから僕は生活できています。」

と答えるほかないんですが、その言葉がなかなか信じられない患者さんは、残念ながら治療に来なくなる(あきらめてしまう)場合もあります。

 

もちろんそうなってしまったら、お互いに楽しくありませんから、なるべく希望を持っていただくために、治療直後に体(症状)の変化が分かるような治療を心がけています。

 

現在の日本では、東洋医学の効果は、「知ってる人のみが得をする」みたいな、おかしな話になっちゃってます。

 

東洋医学は高い臨床効果を持つ伝統的な「医学」です。

 

 

ただ、西洋医学とは人体に対する認識の仕方が根本的に違うため、西洋医学で治らないものがあっけなく治ったりする事実があります。

 

 

でもこれも別に奇跡などではなく、ある意味当然のことであり、その逆も大いにあるため、別にそのことを声高に自慢する気もしません。

 

ですから、「東洋医学で治った=奇跡」とか「東洋医学で治らなかった=迷信」ではないのです。

 

東西の医学それぞれに得意分野があり、それをどこまで表現できるかは、実践する者次第なんです。

 

なんか話がそれていってますが、要するに鍼は「ワラ」とか「最後の砦」じゃなく、何か体の不調を起こした時にファーストチョイスしても全然OK、

 

むしろするべきの、れっきとした「医学」である、ということです。

 

 

 

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自分で自分を治療・・・。

2010.03.11

おとといは雪が降り、半端じゃない寒さとなりました。

昨日も雪こそ降らなかったものの、かなりの寒さとなりました。

そして今日はカッと晴れて暖かい・・・。

そんな不安定な天候の中、僕は不覚にも昨日の朝、

「マズい・・・。カゼっぽい・・・。」

と思って目を覚ましました。体が全体的に重だるい、背中と頭が痛い、寒気、鼻水・・・。しかし、こういう時こそ普段の勉強がモノを言います。

即座に脈、舌、症状を確認し、鍼を一本。スーッと楽になります。しかしまだ完璧ではありません。

2時間ほど経ってから、再び所見を確認。さらに鍼を一本。今度は直後効果はそんなにありませんでしたが、脈は大きく変化。

その後忙しくて自分を治療できずに夜になるが、何とか普通に治療をこなせる。

夜、自宅にてさらにもう一本鍼。強烈に眠くなる。そのまま寝て、夜中に汗びっしょりで目を覚ます。

服を着替えて、所見を確認し、もう一本鍼。また眠気。そのまま寝る。

今朝、スッキリと無症状にて目を覚ます。

あー、東洋医学、やってて良かったと実感。いつもは忙しくて自分に鍼が出来ないような時は、漢方薬に頼ることもあるんですが、比較的症状が軽かったこともあって、あえて今回は鍼にこだわってやってみました。

そんな遊び心も、またイイ。(笑)

「弁証論治」って何ですか?

2010.02.28

今日は、中医学の基本としてよく語られる「弁証論治」とは何か、について書きたいと思います。

僕もコレ、二十歳の頃、最初に本で読んだ時は、何やら難しそうな熟語だな~・・ワケ分かんなそうだな~・・と思いました。

 

そいで、辞書で「弁証」と調べてみたら・・・

「弁証法とは、哲学用語であり、世界の事物の変化や発展の過程を本質的に理解するための方法、法則であり・・・」

な~んて出てきて、ますます難しそ~・・!タスケテ~!もう無理~!!ってなっちゃいました。(苦笑)

 

・・・でも、あとからよくよく冷静に考えたら、実は「弁証論治」という言葉を理解すること自体は、意外と簡単なことでした。

 

まず、上に挙げたような、いわゆる哲学用語の「弁証」という言葉と、中医学の言う「弁証」という言葉は、意味が違います。

 

全く無関係でもない、という話もあるんだけど、まずは別物、と考えた方が圧倒的に理解しやすいと思います。

 

東洋医学では、「治療する、その時点における病理状態(病態)そのものや、病態の本質」のことを「証(しょう)」と言います。

 

まずこの「証」を判断してから、それに基づき、論理的に」治療を進めることを「弁証論治」と言います。

 

まさに、

「証を弁(べん)じて治を論ずる」

訳ですネ。

 


東洋医学、中医学の言う「弁証論治」というのは、そういう意味であります。

 

ちょっと難しく(というか詳しく)言えば、

「様々な東洋医学独特の診察法(四診法)のような、具体的な分析方法に基づき、様々な東洋医学独特の手法(鍼灸、漢方薬など)によって、

性質の異なる病変を、論理的に解決する方法、過程」

のことです。

 



 

大事なことなので、ここでさらに説明を加えます。

 

患者さんは、鍼灸院に訪れた時に、その時その場で突然、「今まさに」症状を発症した訳ではありません。

 

鍼灸院にかかるまでの間には、まず、これこれこういう体質を持って生まれ、これこれこういう条件がそこに加わったことがきっかけとなって、今回の症状を発症してから、

 

次にこうなって、次にこうなって、そして最後にこうなったから、今の状態に至った、だから診てもらいたいのだ~!という、言わば「病の歴史」というものがあります。

 

 

 

これを「病歴(既往歴・現病歴)」と言います。

 

 


この「病の歴史(病歴)」を、発症以前のそもそもの体質も含めて、まずは細かくお伺いし、それがなぜそうなったのか、「東洋医学的に」分析し、

 

その結果として、今、この瞬間が、「東洋医学的に」どのような状態なのか、それを表わすのが「証」です。

 

例えるなら、治療するその時点での「病気の断面図」のことが「証」です。

 


「証」を明らかにすることを「弁証(べんしょう)」と言います。

 


そして、「論治」ということは、それを「論理的に治療する」訳ですから、先ほど言った「病の歴史」がキッチリと東洋医学の理論でもって、ピシッと分析出来てなければなりません。

 

なのでよく、中医学の成書では

「弁証は論治の根拠であり、論治は弁証の目的である」

なんて言われます。

 

まあ、それがより正確に、的確に、シャープに出来るようになるために、わざわざ日曜日の度に勉強会に行ったり、飽きもせずに何冊も本を読んだりしてるんです。

 


僕らは毎日毎日、こういうことをやっている訳です。

 


決して超能力者なんかじゃないし、鍼が効くということは、何にも不思議現象、超常現象ではないんです。(笑)

 


もちろん、この医学の大前提としての「気」「陰陽」という、東洋の偉大な自然哲学を「あるものと考えて」こそ、の話ですけどネ。(苦笑)

 

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「寒熱」って何ですか?

2010.02.23

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前回に続いて、今日は「寒熱(かんねつ)」についてです。

 

人間はみんな、体に

「冷やす力」



「温める力」

が同時に備わっています。

 


だから、少々の気候変動では、健康状態が左右されることはない訳です。

 


暑ければ薄着をして、それでもダメなら汗をかいて、体内の余分な熱を漏らし、寒ければ厚着をして、それでもダメなら鳥肌を立ててガタガタ震えて、小便を出して、体を温めようとします。

 


しかし、これら二つの力のうちの、どちらかが弱ったり、元々持っているその力を超えた、激しい気候変動にさらされたりすると、病変が出現します。

 

 

要は体が「熱側に」「冷え側に」傾いてしまうのです。

 


治療にあたっては、これらがどうなっているかを考えて、崩れた寒熱のバランスがうまく調うように治療します。

 


上記の二つのうち、人体が元々持つ「温める力」が弱ったり(陽虚)、自然界の「寒さ」があまりにも強い(寒邪の邪気実)ことによって病気になったものを

「寒証(かんしょう)の病」

なんて言います。

 


この場合、温める治療が主になります。

 


「温める治療」と言うと、お灸が思い浮かぶと思います。

 


基本的にはそうですが、これは鍼でも出来ます。

 


逆に、人体の「冷やす力」が弱ったり(陰虚)、自然界の「暑さ」があまりにも強くて起こる病気(熱邪の邪気実)を

「熱証(ねっしょう)の病」

と言います。

 


この場合は冷やす治療が主になります。

 


では「冷やす治療」はどうかというと、これは東洋医学では主に鍼で行います。

 


お灸でも出来ないことはないけれど、ちょっとやりにくいのであえて初手では使いにくい、と個人的には思います。

 


もちろん上記の両方とも、漢方薬でも治療は可能です。

 


この考え方も、治療する上では外せない考え方です。

 

 

”寒熱”という相反する概念を使って、病の”性質”を考えるわけですから「病性」と言ったりします。

 


この「寒熱」(病性)に、前回書いた「虚実」(病勢)を重ねて、さらには「表裏」(病位)も重ねます。

 


こうすることで、その患者さんの

「どこが」

「どのように」

「どの程度」

悪くなっているかが、徐々に明らかになってくる訳です。

 


・・・次回は「表裏(ひょうり)」について書きます!

 

 


ドンドン行きますよ~!!

 

 

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「虚実」って何ですか?

2010.02.22

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今日から、東洋医学独特のいくつかの考え方について、簡単に述べてみようと思います。

 


まずは「虚実(きょじつ)」についてです。

 


古代中国の自然哲学では、何もかも全てのもの(森羅万象)を「気」から出来ていると考え、それを「陰陽」の二つに分けて考え、その運動で持ってすべての事象を説明する、という話は、以前にしました。


「気」って何ですか?

「陰陽」って何ですか?  参照

 

 

・・・東洋医学では、この考え方を当然、人体においても用いている訳ですが、「病気」というものを考えた場合、問題になるのは、

その陰陽のバランスがどう崩れているか、

どうすれば元通りに出来るか、

というところですよね?

 

そこで使う考え方が

「虚実(きょじつ)」や、

「寒熱(かんねつ)」や、

「表裏(ひょうり)」

という概念です。

 


このうち、まず「虚実」ですが、

 

「虚(きょ)」というのは、字のまんまですが、「うつろ」とか「足りない」ということを意味します。

 

「実(じつ)」はその反対で、「充実している」「過剰である」という意味があります。

 


この考え方から、何かが足らなくなった病気を

「虚証(きょしょう)の病」

と言い、何かが過剰になった病気を

「実証(じっしょう)の病」

と言います。

 

 

「虚証の病」であれば、病気を試合や戦に例えれば、防戦一方、という感じになりますし、「実証の病」であれば、バチバチの殴り合い、激しい交戦状態を示します。

 

 

そこからして、この”虚実”のことを「病勢」と呼んだりします。

 


そして、さらに細かく具体的に、「どこの」「何が」足らないのか、「どこの」「何が」過剰なのかを考えて、それがいち早くもとに戻るように考えて、戦略的に治療します。

 


因みに、邪気と戦う「正気(せいき)」が過剰(実)で、「邪気(じゃき)」が足らない状態(虚)なんであれば、それは健康体ということですから、治療対象にはなりません。(笑)

 

「病体」というのは、必ず正気が虚、あるいは邪気が実、またはその両方が混在している、という状態になっている、と考えます。

 


我々が普段行っている診察(四診:望聞問切)というのは、ここからさらに


「虚」の中心(根本原因)

 

や、


「実」の中心(根本原因)


を突きとめ、明らかにするために行います。

 


そしてそれを突きとめたならば、うつろなところが充実するよう、あるいは過剰な部分が散って落ち着く(平均化する)よう、鍼灸を施したり、漢方薬を飲んでいただいたりする訳ですね。

 


故に、「虚実」は、鍼をする上で、絶対に外せない考え方の一つなのであります。

 

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「養生」と「鍼灸」

2010.02.19

明日から暖かくなるようですね。

ようやく、というところでしょうか。(苦笑)

・・・しかし、ここのところの寒さは異常ですね~。

そんなわけでかぜひきさんをよく診るんですが、よく患者さんから、

「「かぜ」って鍼で治療できますか?」

と聞かれることがあります。この質問に対して、僕はいつも

「もちろんできます。ただ、摂生が一番ですがネ。。」

と答えています。


東洋医学では古くから、現代医学で言うウイルスや細菌による急性の病気のことを指して、

「外感病(がいかんびょう)」

と呼んで、様々な治療法を考案し、成果をあげています。

(漢方薬はもちろん、鍼灸でも、です。)


この理論に従って治療をすれば、直後にその場でのどの痛みがとれたり、発汗して熱が下がったり、寒気や関節痛がとれたりすることはよく経験します。

(ちなみに今日もありました(笑))


・・・しかし、どんなに無理していようとも、鍼していればオールオーケーかと言うと、残念ながらそうではありません。


やはり基本は十分な睡眠、胃腸への負担の軽い食事、安静(無理に動かない)です。


それをやった上で、鍼で「病気と闘う力」、「治る力」を高めてやれば、より効果的で、早く治るよ、ということです。


「鍼」があまりにも高い効果を示して、それに慣れると、一にも二にも「養生」が大事だ、ということを忘れがちになります。


しかしこれは逆に言うと、まずはしっかり養生して、鍼灸で体のバランスを整えていれば、あらゆる病を予防できるよ、ということでもあります。

・・・あと少しで暖かくなります。


鍼と養生で、なんとか乗り切りましょう!

 

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(社)日本東洋医学会

2010.02.15

昨日は、(社)日本東洋医学会、関東甲信越支部、東京都部会に行ってきました。

 

(会場は蒲田にある東邦医大)

(社)日本東洋医学会HP
http://www.jsom.or.jp/html/index.htm

 

午前中は「清代宮廷の漢方治療」というテーマの講義と「漢方薬の効果の経路」、午後は「中医学と盗汗(寝汗)」、「鍼灸治療の可能性」というテーマで、

 

医師の先生方による講義でした。

 

(社)日本東洋医学会は医師が中心となっている学術団体です。

 

その歴史は古く、60年も前からあります。

(社)北辰会とも友好的であり、代表理事である藤本蓮風先生も、これまでに大きな学会に何度か座長やシンポジストとして参加しています。

この日の講義もいい内容でした。

 

詳しい内容は難しくなるので書きませんが、感想としては、医師たちの中にこのように東洋医学を学び、活動する人たちが増えてきていることをとても嬉しく感じました。

若い先生もちらほらいて、今後ももっともっと東洋医学を学ぶ若い医師の先生が増えて来ることを期待したいな~、と思いましたね~。

そうなった時に共に頑張れるように、僕ももっと頑張らねば・・・。

 

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「鍼灸」の有効性

2010.02.14

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今日は、少し真面目に「鍼灸の有効性」について考えてみたいと思います。(笑)
 
僕は、これまでの自分自身の経験から、「鍼灸は大変よく効くものだ」、という認識を持っています。

(しかも、「あらゆる病に効く」という認識です。)

 
しかし、これはあくまで「僕個人の経験上」の話であり、尊敬する色々な先輩から、これまで様々な技術、方法論を教わってきて、それを実際に実践してみての見解であり、
 
必ずしも「一般的」ではないと思います。
 
つまり、いい先輩に恵まれなかった鍼灸師の中には
 
「鍼灸を実践してみたけど全然効かなかった。出来るようになんなかった。」
 
と吐き捨てて、やめてしまった先生もいらっしゃることでしょう。
 
そのためか、日本の医学界、医療業界では、なかなか鍼灸の有効性を広く認め、一般的に認知させる、という活動が盛んになってきません。

(もちろん、一部の先生方は一生懸命活動されておりますが。)

 
僕は
 
「鍼灸はあらゆる病に有効な、れっきとした医学なんだ。」
 
という認識を、日本全国、果ては全世界の病気に苦しむ人々みんなに気づいてほしい、と願っています。
 
ではどうすれば、そうなるのか、という問題ですが、これが実はヒジョーに難しいことだ、と思います。
 
現代は、「科学万能」と言われるぐらい、みんな科学文明の恩恵にあやかって日々の生活を営んでいます。
 
 
僕も例外ではありません。
 
電池式の目覚まし時計で起き、コンセントに繋がったテレビやインターネットで情報を得て、ガソリンで動くバイクで往診に行き、院内が寒くないようにガスファンヒーターと加湿器を使い、
 
暗くないように照明器具を使い、患者さんがリラックスできるようにとCDをかけて治療しています。
 
これらは全て現代科学文明の恩恵にあやかっている姿であり、その利便性たるや、否定のしようもございません。
 
 
むしろ大感謝であります。
 
「東洋医学」というものは、これらがこの世に存在する、かなり以前から行われてきたものであり、なかなか「現代科学的な手法」で有効性を証明するのが難しい面があるようです。
 
なぜなら、漢方薬にしろ鍼灸にしろ、「東洋医学的な治療」というのは、患者さんの「個体差」というものを非常に意識して行う治療であり、
 
地域によって、季節によって、またその患者さん自身の特徴によって、「同じ病気であっても」治療法が変わるため、

「人の数だけ病気と治療法が存在する」

ということになり、

「~病には~という薬がよく効く」

 
とか、

「~病には~というツボに鍼すればOK」

とかいう話には、どこまでいってもならないんです。

 
 
そのため、治療者自身の技術力(診断能力)に効果が左右されてしまう面があることが否めません。
 
じゃあそういう良い症例を集めて、「数」でものを言ったらどうか、というと、仮に

「〇〇病の患者10万人に鍼したら9万人に有効だったから鍼は有効だ。」

と言ったとしても、最終的には結局、それって

 
「誰が」「どこに」「どういう考え方で」「どんな」
 
鍼をしたかが問題になってしまうので、そのデータを出した術者や方法論に対する評価は一定程度上がったとしても、「鍼そのもの」の有効性を証明するのはなかなか難しい、
 
となってしまいます。
 
言わば、東洋医学の医者というのは、医療人でありながら、一点モノの作品を作る「伝統工芸人」のような側面がある訳です。
 
 
ですから、高い治療実績や効果を安定的に出せる臨床家のことを指して「名人」と呼んで、特別視したりする訳です。
 
でもその先生からしてみたら、
 
「別にただ普通に東洋医学を勉強して、一生懸命治療してるだけなんだけどなあ・・。」
 
となるんだと思います。
 
近年ではようやく日本でも諸外国でも、大きな病院の中で「鍼灸」や「漢方」が実践されることが増えてきましたが、まだまだこれからの段階であり、
 
なかなか「患者さん数万人を一貫した手法で一遍に治療してデータを出す」ということは、やりにくい状況にあります。
 
よって、
 
「そんなに効くと言うなら、データを見せなさい!」
 
と言われても、

「それは今やっているところです…。」

 
となってしまいます。
 
 
残念ですが。
 
・・・しかし!東洋医学は中国で2500年以上、日本でも約1500年、患者さんから支持され続けた、歴史ある伝統医学であることは間違いありません。
 
しかもその有効性は、僕の短い経験からも明らかです。
 
 
こうした現状から、結論として、我々現代の鍼灸臨床家は、日々コツコツと、一生懸命、患者さん一人ひとりの治療にあたるしかないようです。
 
もちろん、「僕ならすべて治せる」なんてことは、全く思いませんが、「東洋医学があらゆる病に有効な治療法である」ということは、僕の経験から見ても、
 
尊敬する先輩たちの仕事を見ても、明らかです。
 
患者さんには、悩んだりあきらめてないで、是非一歩を踏み出してほしいと思います。
 
「東洋医学」は、必ずあなたの力になれる筈です。
 
 
 
 
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