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鍼灸には保険が効かない!?(その2)

2010.03.22

前回のお話・・・


鍼灸には保険が効かない!?(その1)

 


ここでいったん、そもそも「国民皆保険制度」なるものはいつから、どういう意識で作られた制度なのか、考えてみましょう。

 


実はこの制度は、国民の運動で勝ちとられたものです。とあるサイトに分かりやすい解説があったので引用させていただきます。

 


(↓以下引用文)

 

戦前、公的医療保険がなかった時代、国民の多くは医療を受けられず、「医者にかかるのは死ぬ時だけ」といわれる状態でした。


1920年代、労働運動の高まりに危機感を抱いた天皇制政府は、日本初の健康保険を導入しますが(1927年)、その対象は労働者の一部に限られました。

また、1938年には、健康な兵士を確保する政策の一環として、「農山漁村住民」などを対象とする国民健康保険(旧国保)がつくられますが、

この制度は任意加入で、しかも国庫負担もなく、加入者から高額な国保料を絞り取るだけで、医療保険としてまともに機能しませんでした。

 

戦後、健保・国保は一定の制度改善がはかられますが、社会保障費の増額に背をむける政府のもと、1950年代になっても、無保険者が3千万人にのぼる状況が続きます。



また、貧困な加入者を抱える国保は財政難におちいりますが、政府は、国保料値上げや徴収強化でこれを乗り切ろうとしました。

 

こうした中、労働組合、民主団体、医師会などから国民皆保険を求める運動がわき起こります。

特に、農民団体や業者団体は、安心できる国保制度をめざし、国庫負担を求める取り組みを各地で展開しました。

この運動の力となったのは、国民の生存権を保障し、社会保障の向上を国の義務と定めた憲法25条でした。


労働運動の急速な高まり、「朝日訴訟」など人権と生活向上を求める多様な運動の前進も、政府をゆり動かしました。

 

1958年、旧国保法を廃止し、新しい国民健康保険を創設する法案が国会で成立します。


新国保は、「社会保障及び国民保健の向上」を目的とし、他の医療保険に加入しない全国民に医療を保障する制度とされました。


制度の運営責任は国にある、と法律に明記され、定率国庫負担の仕組みも導入されます。


1961年、この新国保のスタートにより、国民皆保険が実現したのです。

 

今、自公政権が強行してきた窓口負担増や保険証取り上げ、医師不足や地域医療の荒廃で、国民皆保険は重大な危機にさらされています。


同時に、医療崩壊の打開をめざす共同が、従来の枠組みを超えて広がりつつあります。


「保険証一枚」でだれもが安心して受けられる医療制度を守り、再建する運動が求められています。


(以上)


・・・とのことです。

 


まあ、国民が勝ち取った制度ではあるけども、元々は天皇制政府が言いだしっぺ、という制度だということ、また現在、時代に合わせた変革が迫られている制度でもある、

 

ということが分かるかと思います。

 


また、制度を大きく動かしたのは「労働者」であり、要は、一生懸命働いて国に税金納めてるんだから、我々の健康は国が保障してよ、というのが基本的な考え方ですね。



どこにも「西洋医学のみで、医師のみが保障してよ!」なんて一言も言っていません。

 


労働者たちの目的、主眼は、

「国による費用負担での健康の保障」

であり、別にそれをやる人やその内容についてまでは限定していなかったはずです。

(健康に生き生きと仕事できりゃいんだもんね。)

 

あと、僕がひとつ気になったのは、労働団体、民主団体、医師会などが声を挙げた時、その「など」の中に鍼灸師はいたのかな?という問題です。

 


まあおそらくは、鍼灸師も参加したんでしょうが、もしいたとしても、いなかったとしても、この制度に全然組み込んでもらえなかった、

申し訳程度に「一応」入れてもらえた、という結果だった、というのが事実でしょうね。現状から見たら。



50年前の鍼灸師の先輩方、この時一体どうしていらしたんですか!?という思いもじゃっかんします。

 


・・・が、流れから見て、「数の力」が単純になかったのかな、という気もします。

 


過ぎたことをあれこれ詮索しても仕方ありませんが、「国民皆保険制度」には、とりあえずこういった流れ(歴史)があります。

 


僕自身も、
鍼灸の保険医療化を推進する団体に、一応籍を置いています。

 


国に一定の額を保障してもらわなくても、自腹を切ってまで鍼灸を受けに来る患者さんが増えている現状から考えるに、国民の健康を支える医療の一つとして、

 

東洋医学(鍼灸、漢方etc..)を新たにこの制度に組み込んで、きちんと位置付ける必要があるように思えてなりません。

 


しかし!

 

 

厳しい見方をすれば、これはそれに応えられるだけの実力が、アベレージとして、現代の鍼灸師にあれば、の話です。

 


(次回に続く)

 



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この記事に関するコメント

“鍼灸には保険が効かない!?(その2)” への4件のフィードバック

  1. しむしむ より:

    なんというタイムリーな話題
    今日、アメリカでようやく事実上の「国民皆保険」制度となる「医療保険改革法案」が可決されましたな。
    ここに鍼灸を筆頭としたいわゆる「代替医療(CAM)」が加わるのかどうか注目です。

  2. いんちょう より:

    しむしむさん
    > なんというタイムリーな話題
    ねえ!?・・・でも別に狙った訳ではないんです。この問題は日本の鍼灸師にとっては「国民皆保険制度」成立以来からの問題ですからねー。
    > ここに鍼灸を筆頭としたいわゆる「代替医療(CAM)」が加わるのかどうか注目です。
    もしアメリカの保険制度にCAMが組み込まれたとしても、果たして日本はそれに右へならえするかなー・・。とは思いますが、もしそうなったら確実にいい影響はあるんじゃないかな、と思いますね。(国民の認識、という意味も含めて)
    時代は移ろいます。戦後60年以上も経過した現代日本に必要なのは、東洋医学のことも含めた、国民のための医療改革だと思っています。
    単なる評論家にならないよう、僕も最大限頑張ろうと思っています。

  3. LEO より:

    欧米ではCAMによる医療費が50%を超えているらしいので、日本と欧米との差を感じますよね。
    (医療費の削減にもかなり影響があるとか・・・)
    ちなみに、欧米諸国の民間の医療保険はCAMがすでにカバーされているところも多いので、そういった海外の保険に加入できる外資系にお勤めの日本人や外国人の方々は、日本の鍼灸治療院でも自己負担なしで治療をうけることもできます。
    日本の医療制度がすぐにかわるとは思いませんが、近いうちに東洋医学がみんなのファーストチョイスになる日がくるといいですねぇ。

  4. いんちょう より:

    LEOさん
    コメントありがとうございます
    > 欧米ではCAMによる医療費が50%を超えているらしい
    > (医療費の削減にもかなり影響があるとか・・・)
    へえ~!!そうなんですか!知らなかったです!明らかに「差」ですな。
    > ちなみに、欧米諸国の民間の医療保険はCAMがすでにカバーされているところも多いので、そういった海外の保険に加入できる外資系にお勤めの日本人や外国人の方々は、日本の鍼灸治療院でも自己負担なしで治療をうけることもできます。
    へえ~!!コレも知りませんでした!自国、周辺諸国の独自の医学なのに、なんと嘆かわしい・・・。
    > 日本の医療制度がすぐにかわるとは思いませんが、近いうちに東洋医学がみんなのファーストチョイスになる日がくるといいですねぇ。
    まったくですね・・。

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