東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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病院での漢方薬の使われ方(抑肝散) その2

2014.01.17

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前回のお話

 


病院での漢方薬の使われ方
 参照

 

今日は抑肝散の話の続きいきます。

『保嬰撮要』の条文によると、抑肝散はもともと、

「抑肝散は小児が肝の経絡の虚熱のため痙攣を起こし、あるいは発熱して歯を食いしばり、あるいはひきつけを起こして発熱悪寒し、

るいは脾の臓に悪影響を及ぼして粘液(痰涎)を嘔吐し、腹部膨満して食欲不振となり、よく眠れないという症状を治す。

処方は軟柴胡(なんさいこ)と甘草(かんぞう)が各五分、川芎(せんきゅう)が八分、当帰(とうき)と妙った白朮(びゃくじゅつ)と茯苓(ぶくりょう)と釣藤鈎(ちょうとうこう)が各一銭で、

上を水で煎じて、小児と母親の双方に服用させる。

また、これを蜂蜜で煉り、丸薬にしたものを抑青丸という。」

となっております。

(赤字部分が非常にポイントだと思います。)

 

母親にも服用させる、というのが面白いですね。

 

 

因みに『保嬰撮要』の中に抑肝散の記載は4カ所出てきます。

 

江戸時代、日本では盛んに抑肝散の加味方が創製され、和田東郭(わだとうかく 1742-1803)『蕉窓方意解』の中で抑肝散加芍薬(よくかんさんかしゃくやく)として、

喘息や打撲に応用し、本間棗軒(ほんまそうけん 1804-1872)『内科秘録』の中で抑肝散加羚羊角(よくかんさんかれいようかく)として癲癎に応用し、

 

浅田宗伯(あさだそうはく 1815-1894)は、『勿誤薬室方函口訣』の中で和田東郭の抑肝散加芍薬に黄連や羚羊角を加え、脳卒中後遺症などに応用しており、

 

現代でもよく使われる超有名な加味方である抑肝散加半夏陳皮(よくかんさんかはんげちんぴ)は、抑肝散に、湿痰を取る二陳湯を加え、

 

そこからさらに生姜を除いた処方で、抑肝散の効果+湿痰を取り除く作用を加えており、非常に重用されるのですが、

 

文献的には浅井南溟の『腹診録』に記載があるものの、なんと誰の作かはハッキリとは不明なんだそうです。。。

 

(ちなみに上記リンクから分かるように、浅井南溟の『腹診録』ではなく『浅井腹診法』ではないかと思うのですが。。。)

 


しかし、日本で作られた処方であることは間違いなく、そういうものを”本朝経験方”と言います。

 

 

ちなみに昭和漢方の巨人の一人である矢数道明先生は抑肝散加陳皮半夏を北山友松子(?-1701)の創方ではないかと推測しておられるそうです。

 

 

↑↑上記内容は

 

中田敬吾ほか「抑肝散加味方の研究」

真柳誠 抑肝散・抑肝散加陳皮半夏① 古典的解説  を参考に纏めさせていただきました。

 

・・・まあこんな感じで、抑肝散てのは、中国明代に発表されて以来、特に日本で、臨床家の間でずいぶんゴチャゴチャとこねくり回された処方なんですが(笑)、

 

要は肝陰、肝血をフォローすることで肝陽、肝気が暴れないようにするのが基本的な目的であり、現代医学的に、”認知症なら抑肝散”、という短絡的な使い方はおかしい、

 

というのが私の意見です。

 

当たり前ながら、東洋医学的には、認知症にも虚実寒熱、臓腑、病邪の別あり、だからです。

 

 

ここで、変に誤解されて突っかかられたら嫌なので付言しておきますが、僕は、

 

「ある西洋医学的な病名に対して、ある漢方処方や、ある経穴への刺鍼施灸が、やらない場合よりも優位な効果を示す、というデータを得た、であるからして、現代医学の現場において漢方鍼灸は有用性が高いのだ。」

 

という研究、論理、主張をすること自体については、おおむね賛成なんです。

 

 

しかし、そういう研究結果があるからといって、何も考えずに、現場において、西洋医学的な病名のみから漢方処方、鍼灸配穴を考えるという、

 

患者さん、東洋医学を扱う上でまったく短絡的で浅薄な態度には大反対だ、という立場なのです。

 

 

つまり臨床家としては、抑肝散とその加味方を通じて、肝陰、肝血をフォローしながら肝陽、肝気を抑制する、というやり方は、認知症その他をやるうえで、

 

臨床上非常に価値の高い方法論である、ということを学べばいいのです。

 

 

もうチョイ続く

 

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「訪問鍼灸マッサージ」の現実 その4

2013.12.27

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これまでのお話

「訪問鍼灸マッサージ」の現実 
「訪問鍼灸マッサージ」の現実 その2

「訪問鍼灸マッサージ」の現実 その3

 

 

 

では、続きいきます!!

 

今日は、

4.鍼灸施術においては、同一部位への施術で、病院の治療との併用が不能

について考えてみたいと思います。

 


これもおかしな話なんですよねー。。

 


現在、医師が同意書を書けば、鍼灸治療に保険が適用される疾患は、

 

 神経痛・・・例えば坐骨神経痛など。

 

 リウマチ・・・急性、慢性で各関節が腫れて痛むもの。

 

 腰痛症・・・慢性の腰痛、ギックリ腰など。

 

 五十肩・・・肩の関節が痛く腕が挙がらないもの。

 

 頚腕症候群・・・頚から肩、腕にかけてシビレ痛むもの。

 

 頚椎捻挫後遺症・・・頚の外傷、むちうち症など。

 

以上の、わずか6疾患という、鍼灸が有効である疾患、症状の現実と、かけ離れたような設定になっています。(苦笑)

 

ちなみにWHO(世界保健機構)では、鍼灸治療の適応症としては以下の通りです。

(公社)日本鍼灸師会HP「鍼灸の適応症」 参照 

 

そして、実際はWHOが認めている疾患「以外」にも、さらに無限の可能性を秘めているのが鍼灸医学だ、と、僕は思っています。

 


それは何も僕だけではなく、僕の友人の先生や、先輩、後輩の臨床でも、現実に証明されています。

 

そういった世界基準や、現場の実際とかけ離れた、日本の制度。

 


鍼灸以外にも、いたるところで目に付きます。

 


・・・まあともかく、現行の日本の医療制度では、なぜか、医師が上記の疾患で、その患者さんを治療をしていた場合、我々は保険では、その部位に治療できない決まりになっています。

(しかも、なぜか鍼灸ではダメで、マッサージであればOKなのです。。。)

 


たとえば、腰が痛くて歩けないお年寄りから、往診での鍼灸治療の依頼があったとします。

 


・・・で、同意書を書いてもらって、ほぼ毎日ご自宅まで行ってあげて、一生懸命治療したとします。

 

しかしその月に、たった一回だけ、そのお年寄りが車椅子で整形外科に行って、腰に貼る湿布をもらってきたとします。

 

そうすると、僕らの治療の方は、保険請求できなくなります。。。

 

たとえ、湿布よりも鍼がよく効いて、腰痛が改善していたとしても、です。

 

そういう、訳の分からない制度です。

(これじゃー誰もやらねーわけだー)

 

だから、もし鍼灸の免許しか持っていない場合、この往診事業をやるのは、非常に大変だと思います。

 

(それでも、保険による訪問鍼灸をやっておられる先生も中にはいらっしゃいます)

 

小泉総理の時、規制緩和で、鍼灸学校は全国に、雨後のタケノコのように爆発的に増えました。

(それまでの約3倍、毎年約1000人の卒業生だったのが約3000人に増加。)

 


一般の方はあまりご存知ないでしょうけども、この時、按摩マッサージ指圧師と、鍼師、灸師というのは、実は別の資格で、鍼師、灸師の学校は増えたけど、

 

マッサージ師の学校は増えていません。

 


これには色々な理由があるそうですが、ここではあえて触れません。

 

ですから、鍼灸のみの資格だと、往診事業も難しい、自由診療で食っていけるだけの学術を身に着けないといけないけど、研修、インターン制度があるわけでもナシ。

 

だから、鍼灸師が柔道整復師の免許を合わせて取って、街中によくある「鍼灸整骨院」を開業し、保険を使ってどうにか経営する、というケースが非常に多いのです。

 

話がそれたけど、もうちょい続く。(苦笑)

 

 

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気圧が下がると気血はどうなる!?

2013.07.06

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毎日ムシムシしております。


こりゃムシできませんな。(爆)

・・・というわけで、今日は気圧が下がった場合、人体の気血はどのように変化するのか、考えてみたいと思います。

これ、実は結論から言うと、人によって違いますので、一概に言えません。(笑)

本来は、一人一人について、個別に考えないといけません。


でもそれを言ってはおしまいのなので(苦笑)、ちょっと考えてみたいと思います。



そのそも、気圧とは何か。


これは、気体の圧力のことです。

 

(笑・・・そのままですが。)


大気(空気)というのは、気圧の高いところから低いところに移動します。


この、移動する時の、気体の圧力を「気圧」というわけですな。


気圧の高低差が大きいほど、大気は激しく動きます。


で、低いところには、大気が集まってきますので、上昇気流が生まれます。


で、上昇気流によって水蒸気も上空に上がって、雲ができて、曇り空になってジメジメし、その雲が徐々にぶ厚くなって、

水滴がデカくなってくると、場合によっては雨が降ると。


人体の場合は、気圧が低ければ、上昇気流によって空気中の酸素量が減るため、副交感神経が優位になり、場合によっては体がだるくなったり、

 

やる気がなくなったり、喘息発作が誘発されたりする、と言われております。


東洋医学的には、緊張がゆるみ、気血の動きが緩慢になり、停滞する、といった感じでしょうか。


もうちょっと言うと、「肝の臓」の疏泄作用や、「脾の臓」の運化作用あたりに影響を及ぼし、ここらがもともと弱い人にとっては、

何らかの症状惹起につながるよ、というほどの理解でよいと思います。

「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9)   参照


まーそもそも「気圧」の発見をしたのは、1640年代~1650年代のヨーロッパだそうですから、東洋医学にはその概念自体、

もともと存在しやしません。

また、自然界では普通、気圧の変化に伴って、気温、気湿など、さまざまな要因が複合的に変化しますし、そういった自然環境の変化”のみ”を受けて生きているわけでもありませんので、

 

気圧の変化だけをもって、画一的に何かを語るのは難しいでしょう。

 

しかしながら、こういったことを考える、というのも重要です。

 

 

◆参考サイト

 

Wikipedia 「気圧」

科学の歩みところどころ「第一回 大気圧の発見からボイルの法則へ」

 

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脳卒中と鍼灸 その5

2013.06.11

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これまでのお話・・・


脳卒中と鍼灸 その1
脳卒中と鍼灸 その2
脳卒中と鍼灸 その3
脳卒中と鍼灸 その4

 

ではでは、続きいきます!

 

 

今回は、脳卒中に伴う急性期、慢性期の数々の症状を、東洋医学ではどう考えるのか、というお話です。

 

◆卒倒して意識不明、意識混濁

 


これは、重症の脳卒中で起こる症状です。

東洋医学的には、正常な精神活動に大きく関わる臓腑、つまり肝の臓、心の臓、あるいは脳、こういったところを、急激に痰や風などの、

何らかの邪気が襲い、まともに機能しなくなった時、意識不明になったり、意識が混濁したりする、と考えます。


「肝」って何ですか?(その13)
「心」って何ですか?(その7)  参照

 

これは、発症した時の迅速で的確な処置が肝要で、倒れた時点できっちり戻せないと、その後も慢性的に意識不明、あるいは意識混濁状態になってしまいかねない、大変コワい症状です。

 

◆言語障害

 


これについては、正常な発語に関わる臓腑、つまり肺の臓や、発声に直接関わる機構である「声帯」を養う経絡経筋が大きく障害された時に、発症します。


本人にとっては、伝えたいことがうまく伝えられないという、大変つらい症状ですね。

 

◆めまい

 


これは、軽度から重度の脳卒中で起こりますが、主に上焦における気血の左右のバランスを大きく崩すと、平衡感覚が狂って、発症します。

また、何らかの原因で、上焦における気血が不足した場合にも、発症します。

一口にめまいといっても、ぐるぐると目が回るようなものから、左右にぐらぐらと揺さぶられるような感覚のもの、あるいは立ち上がった時にフラッとしたり、

 

グウーッと沈み込むような感覚がして、立っていられなくなるようなものなど、色々な種類のものがあり、それぞれ、関係する臓腑、邪気の種類など、病態が違います。

具体的には、肝の臓、胆の腑、風邪、湿痰、こういったものが関わることが多いです。

「胆」って何ですか?(その12)
カテゴリ 邪気(発病因子)   参照

 

・・・長くなったので、次回は続き、とても重要な「半身不随」からいきます。

 

 

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「痹」から「痿」へ。。。

2013.05.23

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東洋医学における、重要な病態認識で、「痹証(ひしょう)」という考え方(カテゴリー)があります。

これが、なんと鍼灸学校の教科書でも、「痺証」という、間違った漢字で記載されていることがある、という話は、こないだ書きました。

「痹」「痺」は違うのです。(苦笑)

「痹(ひ)」ってやつ 参照

「痹証」は、2500年前、中国で成立したとされる、東洋医学のバイブルである『黄帝内経(こうていだいけい)』という書物の中でも、

すでに認識されており、今現在の日本でも、我々はこの考え方で治療を行い、成果を上げております。

(永久不変の真理を説いているワケですよ。スゴイネ~)

これについては、以前スタッフブログに副院長がまとめてくれました。

痹証(その19) 参照

ところで、東洋医学の教科書をみますと、この「痹証」の定義は、

”様々な原因から、風、寒、湿、熱の邪気が経絡に侵入し、結果的に手足や関節で気血の循環障害が起こったモノ”

とされております。

・・・で、たとえ邪気の種類が「風・寒・湿」であっても、これがなかなか治らなかったり、気血の循環障害がきついと、けっきょく気の鬱滞は熱化して、

”熱痹(ねつひ)”
になる場合がある、とされております。

ではそれが、さらに進むと・・・?

今度は「痿証(いしょう)」という病態になる場合があります。

「痿証」というのは、筋肉や関節が萎えて、動かせなくなってしまったものを言います。

「痹証」では、痛みが中心になりますが、「痿証」では、運動障害が中心になります。

こうなると、たとえ局所的であっても、全身的であればなおさらですが、なかなか治りにくいです。

カン違いして欲しくないのは、こうなったとしても、治らないとは言いません。

しかし、そういう状況になる前に、早めに治療することが重要なのです。

先ほど言う『黄帝内経』には、

『風論(ふうろん)』
 ↓↓
『痹論(ひろん)』
 ↓↓
『痿論(いろん)』
 ↓↓
『厥論(けつろん)』

という4篇が、連続して記述されております。

 

東洋医学をやっているのであれば必読でしょう。

それぞれの病態の違い、連続性、治療法の違い、たいへん重要です。

いずれにせよ、早い段階で、キチンと分かっておられる先生にかかれば、その後起こりうる、ものすごい不幸を回避できるということです。

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頻尿のメカニズム

2013.03.06

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「頻尿」という症状がある。

妊娠中や膀胱炎の時など、比較的女性に多い症状ではないだろうか。

東洋医学では、「小便頻数(しょうべんひんさく)」と呼んで、病的な症状として対処する。

ちなみに、小便が薄くて透明で量が多いのは「小便清長(しょうべんせいちょう)」

夜間のみに小便の回数が増加するのは「夜間多尿(やかんたにょう)」と呼んで、

「小便頻数」とはまた違った概念として、区別している。

これは、「膀胱の腑」「腎の臓」「脾の臓」「肺の臓」「肝の臓」の異常や、「湿熱」といった病理産物によって成ることが多く、よく診る症状であるが、発症プロセスは比較的煩雑である。

正気の弱りが直接的、あるいは間接的に関与しているものは、治りが悪いという印象がある。

尿のもとは飲食物に含まれる水分の中の余剰のもの。

これが、「小腸の腑」から、「脾の臓」「腎の臓」の力を借りて浸み出し、「膀胱の腑」に溜まっていく。

この濁水は、一定程度たまると、「肺の臓」「心の臓」の働きによって、あの独特の切迫感、つまり「尿意」として感知、認識され、

「肺の臓」の気を引き下ろす力、「肝の臓」の発散する力を借りて、体外に排出される。

上記のメカニズムにおいて、「小便頻数」になるということは、

”大して膀胱の腑に溜まってないのに”

あるいは、

”何らかの原因で、すぐに濁水が膀胱の腑に溜まってしまって”

あるいは、

”膀胱の腑そのものの動き(要は伸び縮み)が悪くて”

小便が近くなる状態である。

これを考えて治療すると、大体よくなる。

ちなみに、呑み会でビールを飲み過ぎて、小便が近くなるのは、むしろ正常で、生理的である。

 

呑み会で、かえってトイレが遠くなるものはあまり良くない。

よく分からん健康法とかなんとかいって、意識して1日数リットル多飲していて、小便が近くなるのは問題。

術者が騙されてはいけないし、患者さん自身にも、「自分の場合の病理」を、よく理解してもらう必要がある。

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「胆」って何ですか?(その10)

2013.02.16

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これまでのお話・・・


「肝」って何ですか?(その13)

「胆(たん)」って何ですか??(その1) 
「胆」って何ですか?(その2)        
「胆」って何ですか?(その3)

「胆」って何ですか?(その4)
「胆」って何ですか?(その5)
「胆」って何ですか?(その6)
「胆」って何ですか?(その7)
「胆」って何ですか?(その8)
「胆」って何ですか?(その9)

 

 

では、続きいきます!!

 

 

◆「胆の腑」と「胆汁」と「黄疸」

 

 

このテーマは面白いので、もう少し書き足しておきましょう。

 

「黄疸(おうだん)」という症状があります。

僕も、短い臨床経験の中で、重篤なものから、比較的軽度なものまで、何度か診させていただいたことがあります。


西洋医学的には、

「ビリルビン(胆汁色素)が血液中に過剰に増加して、白眼や皮膚、体液が黄色く染まった状態」

と定義され、正常な新生児でも一過性に出ることがありますが、病的なものでは肝臓、胆嚢、膵臓の病変などで出ることがあり、

内臓にガン等の重篤な病変がある場合もあるので、注意を要する、といった説明がなされています。

 


・・・まっ、ビリルビンちゅーのは、胆汁が黄色いののもとになる色素のことで、これが、何らかの原因で全身に漏れ出しちゃって、

過剰になると、色んなところが黄色く染まっちゃうよ、っちゅー話です。

 

で、これ、東洋医学ではどうなんでしょうか。

 

そもそも”黄疸”という言葉自体、もとは東洋医学の言葉であり、当然、約2500年前、『黄帝内経(こうていだいけい)』の中にすでに出てきています。

 

そのあと、後漢の時代の『金匱要略(きんきようりゃく)』という本に至っては、”黄疸”のためにわざわざ一章さいて、細かく分類し、治療法を指摘してくれています。

 


その後もずーっと研究は続き、様々な書籍で触れられており、今日でも、東洋医学ではこの黄疸というものを分類し、治療しています。

 


まあ簡単に言うと、東洋医学の言う”黄疸”は、「肝の臓」「胆の腑」「脾の臓」「胃の腑」あたりの病変(とりわけ、胆汁の外溢)ととらえ、

 

邪気としては主に「湿熱」の存在が考えられています。


「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9)
「胃」って何ですか?(その10)
「湿熱」について         

燎原書店『症状による中医診断と治療 上巻』 参照

 


そして、黄色い色そのものが明るいか暗いか、黄疸以外にどんな症状、所見が出ているかによって「陰黄」「陽黄」といって、黄疸自体を陰陽に分けています。

 

サスガ東洋医学は、何でも陰陽に分けて考えますね。(笑)

 


・・・とまあ、このようにしてみると、東洋医学サイドから見ても、「胆汁」の巡りがうまくいかなくなった場合、「黄疸」という病変がある、

という認識は持っていていいと思いますが、それ以上に「黄疸イコール胆の腑」ではなく、他の臓腑や、邪気の存在も意識して、

黄疸そのものの陰陽も考えて治療することが大事なのです。

 

だから、”黄疸だから〇〇湯(漢方薬)!”という発想は間違っており、場合によっては大変危険なのです。

 

もしこういう、重篤な症状を呈している状態で、鍼灸なり、漢方なり、東洋医学にかかろうと思ったら、キチッと勉強されて、

そういうことを分かっておられる先生にかかられることを強くおススメします。

 

 

なんか話が逸れたけど、続く。

 

 

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「胆」って何ですか?(その9)

2013.02.11

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これまでのお話・・・

「肝」って何ですか?(その13)
「胆(たん)」って何ですか??(その1) 
「胆」って何ですか?(その2)        
「胆」って何ですか?(その3)

「胆」って何ですか?(その4)
「胆」って何ですか?(その5)
「胆」って何ですか?(その6)
「胆」って何ですか?(その7)
「胆」って何ですか?(その8)

 

では、続きいきます!!

 

◆『淮南子(えなんじ)』における胆の腑

この『淮南子』という書物がいかなるものか、という話は、こないだスタッフブログに副院長が簡単に書いてくれました。

スタッフブログ 『淮南子(えなんじ)』という書物 参照

 

その『淮南子』”精神訓”というところに、

「妊娠して10か月経って、人間が生まれて形になる時、胆は口に関わり、相方の肝は耳に関わるよ~ん♪

他に、肺は目、腎は鼻、脾は舌に関わるんだよ~ん♪」

とあります。

 

(抜粋意訳 by竹下)

 


・・・これは、実は一般的な東洋医学の学説とは異なる論なんですが、そういえば口も、開閉しますよねえ?


したがって僕的にはこれを読んだとき、”ナルホドナー♪”と思いました。


ここで、”イヤイヤ、目だって開閉するじゃねーか!”と即座に突っ込んだ人は優秀です。(笑)

 

 

空間物体を、視覚を通じて認識するための器官である「目」「口」とは、全然違います。

 

「口」というのは、飲食物の入り口、つまり、胃、小腸、大腸の入り口です。

 

 

東洋医学の一般常識からすれば「脾の臓」がもっとも深くかかわる器官です。

 


前回述べたように、胆の腑は、胆汁で、消化を助けます。

 

また、胃の腑と協力して、気を下げる働きを持つ、とも言われます。

 

当然、開閉する部分なんだから、胆は目にも関わるんでしょうが、「より」口に関わる、という意味なんだと思います。

 

東洋医学に関する、あまり一般的でない言説や分類が書いてある文献て、実は調べるとけっこうあるんですが、そういうものを理解するには、

 

こういう風に原理を把握した、柔軟な考え方がないと難しいと思います。

 


大事なのは、全て相対論なんだ、ということです。

 

どんな本に書いてあることだって、結局はそれの作者が、

「まー色々ある中で、どっちかというとこう、と、僕は思うけど?」

という話しなんです。

 

着眼点や切り口が違えば、形式論理学的な前提は変わったりします。

 

だから読むときは、書いた人の意図を汲んであげないと。

 


・・・まあそう言ってしまうと、何でもアリなようですが、現実は何でもアリではない、オモシロキビシイ世界なんです。

 


また、『淮南子』の同じ部分には、

「人に色々な感情があるように、お空にも色んな気象状況があるよね~?で、胆っていうのは、お空で起こる現象で言うと、

雲みたいなもんだぜ~!しかも相方の肝は風みたいなもんで、他に脾は雷、腎は雨、肺は氣みたいなもんさ~、

で、それらみんなを心が仕切っているのさ~!!」

とも書いてあります。

 

(抜粋意訳by竹下)

 


この部分こそ、僕が「胆汁」というものは、「小腸の腑」に出てきて消化を助ける以外に、有形と無形の中間である霧(水蒸気)のように全身各所に行き渡り、

全身各所の「枢」を調整している、という働きもあるんじゃないかなー、と妄想したきっかけです。(笑)

 


雲は水蒸気、気体と液体の中間の、中途半端な状態です。

 


まさに臓のようで腑のような、胆を表わすのにピッタリです。

 

しかもそれが、風(肝)の力を借りて、自由自在に大空(この場合の全身)を流れ、太陽の強い日差しを程よくさえぎったり、分厚くなれば雨を降らせて、湿度を調整する。

 

(因みに脾が雷というのも面白いですね)

 

 


この記載が妙にシックリきたんですねー。

 

 

次回に続く。

 

 

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冷え取りソックスブーム!?

2013.01.10

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今日、患者さんから聞かれました。

「冷え取りソックスブームって知ってますか??」

とのこと。

まったく知らなかったので、

「いやあ~、知らないなあ。どういうもの??」

と聞くと、

「ナイロンとか、シルクで出来てる5本指ソックスを、決まった順番で何枚か重ね履きする健康法で、上手くいくと、

冷えがとれて、色々な症状にイイらしいんですけど、メンケン(※)として、手に湿疹が出たりすることがあるらしいんです~・・・。」

とのこと。

(※メンケンについては「メンケン」って何ですか?参照

「冷え取り健康法」についてはこちら 参照

この健康法を試された、この方のご友人は、実際に手に湿疹が出て、非常に痒そうなんだけれども、ご友人ご本人は

”毒素が出てきたから、これでいい”

とおっしゃって、喜んでおられたそうです。

ほお~。。。

こういうの、興味深い。

さっそくネットで調べてみると、無印良品なんかからも”それ”専用のソックスが出ていて、今、けっこう若い女性の間で流行っているそうです。

僕的な、こういう特定の健康法ブームみたいなものに対する、基本的態度は、

「それをやって非常によくなった、という人がいるんだから、悪化するリスクの軽い健康法なんであれば、やってみる価値はあるんじゃない??」

という感じ(スタンス)です。(笑)

テキトーな見解なようだけど、そうではなく、こういうものに対する盲目的、頭ごなしな否定、というのがキライなんです。

(・・・かと言って、積極的に勧めることもしません。)

色々な素材を、ある順番で重ね履きする、そこに何らかの意味があるかもしれないじゃないですか。

あらゆる交通手段が発達し、人類始まって以来と言っていいくらい、今が最高に「歩いていない時代」かもしれません。

しかも、近代西洋化の影響で、日本人としてはそれまで履いたことのないハイヒールや革靴を履いている日本人にとって、

足の血行不良は、あらゆる病気のもとになる、大問題だろうと思います。

「冷え取り健康法」、今後どうなっていくか、注目してみたいと思います。

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手首が痛い患者さん

2012.12.13

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今日は、昨日忘年会だったというのに、新患さんが3人お見えになりました。。。

(さらに…)

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