東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「怒り方の大事」(その3)

2010.08.19

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これまでのお話・・・

「怒りかたの大事」
「怒り方の大事」(その2)

 

・・・続いて、考えてみましょう。

 

 

僕はなんだか知んないけど、この話題、けっこう好き。(笑)

 


そもそも「怒る」ということが果たして人間にとって必要か、と考えると、僕はもちろん「必要」だと思います。

 


コレがなかったら、みんな病気になっちゃいます。

 


・・・この辺の話は、以前「七情」についてで解説していますので、ご参照あれ。

 


☆「怒り方」の技術論

 


・・・ここで言う「怒る」というのは、「叱る」、つまり、

「相手の行動に対して、それの善悪をキッチリ理解させること」

の場合で考えてみたいと思います。

 


1.感情が先行してしまうパターン


これは要するに、すごい剣幕で、ヒステリックに勢いよく、うなり倒すパターンです。

 

コレだと、

「そんなに怒らんでもいいじゃん・・・。」

と、相手は内心では、不満を感じます。

 

そして、

「でもめんどくさいから謝ったふりだけしとこ。」

となり、結局は”顔色うかがい”をするようになります。

 

 

つまり、相手の積極性を奪う、という望ましくない結果になりえる、ということです。

 

 

2.人格まで否定してしまうパターン

 


これは相手の一つの行動に対して怒るのではなく、一つの行動から、相手を全面的に否定しにかかるパターンです。

 

要は、

「・・・そんなことやるからお前はダメなんだ!あれもこれも・・・。」

ってやつです。

 

これだと、相手は次第に、

「あー、俺ってダメ人間なんだな・・・。」

と、徐々に自信をなくしていき、やがて委縮した人間になっていってしまいます。

 


3.責任を第3者に転嫁するパターン


これは要するに、

「〇〇部長に報告しとくからな!」

とか、

「お父さんに怒ってもらうからね!」

ってやつです。

 

これだと、

「うわ~、〇〇に怒られたらやだなあ。」

とは思うけど、それを言った人に対しては信用しなくなります。

 

責任を転嫁する無責任さが見えるからです。

 


そして、コレをあまりやられると、他者の評価ばかりを気にしたような行動、言動が多い人間になるはずです。

 


他者の評価を重視するようになる、ということは、自分の本当に思っていることを相対的に抑制することになりますので、徐々にストレスフルな人になっていきます。

 


周りにいませんか?

「そう思ってたんなら直接言えばいいじゃん!」

「なら早くやればいいじゃん!」

て人。(笑)

 

 

・・・そういう人は、こんな怒られ方をしてきた過去があるのかもしれません。

 

 

可哀想な人です。

 

 


4.お説教するパターン

 


コレはよくありますねえ。(笑)

 

 

要は、相手に正論をくどくどと言い続けるパターンです。

 


コレは確かに相手に反省を促しますが、言葉の数や時間が増えるほど、反論を考える余地を与えることになるので、徐々に相手は反抗的な人間になっていきます。

 


また、理詰めで相手を追い込むと、相手には逃げ場がなくなり、最終的には感情とか暴力とかで強引に反抗するしかなくなります。

 


そうなってしまっては、「ことの善悪を”しっかり”理解させる」という点については失敗です。

 


・・・まあ、以上が大体のパターンかと思います。

 


じゃあ、これらを踏まえた上で、「よい怒り方」とはどんなものなんでしょうか。

 


シンプルに言うと、

・その場で短く

・自分の言葉で

・理由とともに

・行動そのものを

・直接その人に、目を見て


「怒る」「叱る」のが理想的、ということらしいです。

 


文字にすると、理論で言うと、簡単そうですが、実際はなかなかネ・・・。(苦笑)

 


まあ、前述のの4パターンの怒り方をする人間を上司に持った、親に持った、パートナーに持った、という心当たりのある人は多いはずです。

 

「よい怒り方」で、怒られるべき時にキチッと怒られてきた人は幸せだと思います。

 


・・・目上の人間との関係性からくる軋轢が、あらゆる病の原因になりうる、ということは、色々なところで言われていますね。

 


実際に、身近な人の例でも、思い浮かぶんじゃないかと思います。

 


少年犯罪や、成人の犯罪者なんかでも、親、家族との関係や、それまでの人間関係の中で、

「怒られるべき時に怒られてない」

とか、

「怒られ方に問題があった」

なんていう例が、事件の原因の一つとして取り沙汰されることはいくらでもあります。

 


現実に、それと犯罪心理を結び付けた研究なんかも、たくさんあるようです。

 


・・・まあそんな訳で、次回は、怒る人と怒られる人の関係性のお話。

 

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再分析(具体例)

2010.07.27

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早速ですが、通りすがりさんから、質問コメントをいただきましたので、忘れないうちに(笑)、「再分析」の重要性について、具体例を示してちょっと説明しましょう。

 


・・・まあ、専門用語は使わず、なるべく簡単にいきましょう。

 

 

「よく分からん」と言われたらイヤなので。

 


あとちなみに、この話題に関するこれまでのお話は以下の3つです。


再分析(病因病理について)
再分析(標本について)
続・再分析(標本について)

 

 

清明院には、アトピー性皮膚炎の患者さんが多いのですが、とあるアトピーの患者さんを例に挙げて説明してみようと思います。

 

 

僕は初診時の情報から、東洋医学的に、その患者さんの皮膚のかゆみの原因を、

A.仕事による過度のストレスによる血行不良

B.甘いものや脂っこい物の食べ過ぎによる消化機能の弱り

と考えました。

 


そしてこれの優先順位は「A>B」でした。

 

 


この場合、AもBも同時に治療してしまうと、本当の中心がどっちなのかはっきりしませんし、この方の場合は明らかにAの方が中心でした。

 


というわけで、よりシャープな効果を狙って、まずは「Aのみ」から治療し始めました。

 


要するに血行をどんどん良くする治療です。

 


治療が進むにつれて、皮膚の状態が改善してきました。

 


しかし、最初の症状の強さを数字の10だとすると、4ぐらいまで改善してきたところで、症状の改善が止まってしまいました。

 


そこで「再分析」してみると、体の状態が、「A>B」から、「B>A」に変化しています。

 


そこで今度は「Bのみ」に対する治療に切り替えました。

 

 

要するに胃腸の機能を活性化する治療です。

 

すると、再び皮膚の状態が快方に向かい始め、最終的にかゆみのレベルとしては、最初を10だとしたら1か2ぐらいで安定しています。

 


現在もAとBとの優先順位に注意しながら、完治を目指して治療続行中です。

 

 


・・・とまあこのように、

「皮膚のかゆみの原因はAとBで、中心はAである」

ということも、途中で症状の改善が停滞してきた時に

「原因の中心がAからBに移ってきた」

ということも、結局は初診時にキッチリ情報が取れているか、それをキッチリ分析、治療できているか、ということにかかって来るんです。

 


また、病理の中心のなかの中心を明確にして、そこにシャープにアプローチできた治療の方が、効果もシャープに出ます。

 


ちなみに、通りすがりさんがおっしゃったような、アトピーの経過中に肩こりが出てきた、というような場合であれば、

・何かきっかけはなかったのか

・そもそもこの場合、皮膚と肩こりには関係があるのか

・どういう時に肩がこり、どういう時は楽なのか

・その時皮膚の状況はどうなのか

などという観点から、再分析します。

 


そして、肩こりも考慮に入れながらの治療をやる場合や、肩こりは皮膚とはまた別の病、という認識で治療をやる場合など、対策を考えます。

 


このように我々は、患者さんが日々訴える様々な症状に「振り回される」のではなく、それらがどうして起こっているのか、

「冷静に東洋医学的に分析」

しながら治療にあたっているのです。

 

 

少しでもお分かりいただけましたら幸甚です。

 

 

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「肝」って何ですか?(その10)

2010.05.21

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これまでのお話・・・


「肝(かん)」って何ですか?(その1)

「肝」って何ですか?(その2)
「肝」って何ですか?(その3)
「肝」って何ですか?(その4)
「肝」って何ですか?(その5)
「肝」って何ですか?(その6)
「肝」って何ですか?(その7)
「肝」って何ですか?(その8)
「肝」って何ですか?(その9)


 

肝について、ダラダラとしゃべっていたら、もう10回目になってしまいました・・・。

(早いネー。)

 

・・・ということで、ここらで肝に関しては一旦完結します。

 


これまで、東洋医学の言う「肝」という臓は、「形態」に意味深い特徴があり、機能的には目や爪や髪や筋(経筋)の栄養に関わり、なおかつ内に「魂」「血」を蔵し、

 

しかも全身の気の流れを調節している、とっても大事な臓ですよ、ということを書いてきました。

 


ではそんなに重要な「将軍」である肝が病んでしまうのはどういう時か、と言うと、誤解を恐れず超簡単に言うと、非常に多いのが”精神的ストレス”です。

 


このネ、”精神的ストレス”という言い方、僕はあまり好きではありません。

 


・・・というのは、(その1)でも言うように、これを仮に患者さんに伝えても、だってそんなんどうしようもないじゃん!て言われるからです。

 


そりゃあ確かに、鍼をいくらしたって、その患者さんの、浮気性の旦那の性格を改善させたり、口うるさい上司を優しい上司に変化させることは不可能です。(笑)

 

でも、じゃあそういうことにストレスを感じて、まいっている人の治療は不可能かと言うと、「可能」です。

 

それも、”その場限り”ではなく、です。

 

(その9)で述べたように、肝は将軍であり、外的な物理的、精神的刺激に対して、色々と作戦を立てながら、人間の正常な状態を保つように、一生懸命働いています。

 

要はこの刺激があまりにも過度であったり、長期的であったりすると、”肝将軍”は一生懸命になり過ぎたり、時には疲れてしまいます。

 

そうなると主に、

「気の巡りを配分調節する機能」

が、うまく働かなくなり、実に様々な精神、身体症状を出します。

 


清明院の患者さん達を診ていても、”肝将軍”が病んでおられる患者さんを、非常に多く見かけます。

 


こういう患者さんを治療していくと、よく面白いことが起こります。

「先生、最近彼氏になんか言われても、”イラッ”と来なくなった!」

「職場の上司に小言や嫌みを言われても、別にどうでもいいや、と思えるようになりました。」

・・・コレです。

 


”肝将軍”が本来の働きを取り戻すと、これまでストレスに感じていたものがストレスじゃなくなる、という変化が起こります。

 


体を通じて、心が変わる、大げさに言うと、その人の「運命」が変わる、という訳です。

 


これが徹頭徹尾、「心身一如(しんしんいちにょ)」という、東洋医学の生命観をもって治療した時の、”正しい患者さんの変化”なんです。

 

ココロとカラダを切り分けたら、そんなの生命じゃないんです。

 

こういう考え方を体系化し、生命、自然を説明し、キチッと結果を出す東洋医学、ほんっとに、美しいよナー・・・と、思います。

 

肝の臓について、ひとまず終わり。

 

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「肝」って何ですか?(その9)

2010.05.20

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これまでのお話・・・


「肝(かん)」って何ですか?(その1)

「肝」って何ですか?(その2)
「肝」って何ですか?(その3)
「肝」って何ですか?(その4)
「肝」って何ですか?(その5)
「肝」って何ですか?(その6)
「肝」って何ですか?(その7)
「肝」って何ですか?(その8)

 

・・・ではでは、楽しい楽しい「肝」のお話を続いてまいりましょう。

 

◆肝は将軍

 


東洋医学の古典では、

「肝は臓腑の中では”将軍”のような役目を果たすよ。」

と言っています。

 

『黄帝内経素問』霊蘭秘典論(8) 参照)

 


コレ、面白い例えだと思います。

 

将軍の役目と言えば、戦いの時に作戦を考え、自らも動き、自分の軍を勝利に導く、言わば、

”勝敗を分ける、戦のかなめ”

ですよね。

 

・・・これを人間の日常生活で考えると、「戦(いくさ)」というのは、要するに”外界からの刺激に対する対応”です。

(物理的、精神的、両面含めた、です。)

 


人間は”オギャー”と生まれたその日から、最後亡くなるその日まで、実に様々な刺激にさらされ続けます。

(まあ、生まれる前からもだけどネ。)

 


その刺激に対して、上手に、適切に対応できれば、精神的にも肉体的にも、理論上は何も異常を起こさず、快適な日々を送ることが出来ます。

 

「肝」の働きが異常を起こすと、本来耐えられるはずの些細な刺激でも、体が異常を起こしたり、緊張とリラックスのアンバランスが生じたりします。

 


清明院の患者さんでも、別に仕事で緊張し過ぎている、という自覚はないけれど、家に帰ってホッとする、あるいは休日でホッとする、そうすると、

 

急に色々な症状が出る、とおっしゃる患者さんがおられます。

(皆さんこういうこと、ないですか?)

 

こういった場合、臓腑では「肝」を中心に病んでいて、

”緊張とリラックスのアンバランス”

が起こっていることが少なくありません。

 


つまり、将軍である肝が、平素から「余分に」力み過ぎちゃってる訳です。

 

プロスポーツの試合なんかを観ているとよく分かると思いますが、やっぱり選手が力み過ぎていると、たいがい負けますよね。

 


余分な緊張、というのは、かえってパフォーマンスを下げてしまうのです。

 

これは何もスポーツの世界だけではなく、我々の社会生活においてもしかりであります。

 

そういう患者さんを治療していくと、ある程度治療が進んだ段階で、

「今まで余分な緊張をしていたことがよく分かりました・・。」

なんて言われることが多いです。

 

 

患者さんからこの言葉が出たら僕は、

「お、肝の働きが大分立ち直ってきたな。ヨシヨシ・・・。」

と理解します。

 

「ストレス社会」、「うつ病の時代」と言われる現代、肝を中心に病んでおられる患者さんは、非常に多いと思います。

 

続く

 

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「肝(かん)」って何ですか?(その1)

2010.04.28

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最近、というかずいぶん前から、初診の患者さんで、

「病院で”ストレスでしょう”って言われて、湿布と痛み止めしかくれなかったんです・・。」

という話を聞くことがあります。


患者さんはこれを言われるときついんですよね。

・・・だってそんなん、どうしようもないからです。

で、その痛みが取れなかったら、

「心因性のものだから・・・。」

とか、

「”うつ病”が心配だから・・・。」

と、心療内科に回されて、今度は向精神薬なんかがドシドシと処方されます。

そして、それでも症状が取れないと、さらにドシドシと薬が増えて、気がつくと精神安定剤と痛み止めを10種類以上も飲んでいた、

でも症状は以前よりも悪化している、なんていう患者さんを、たまに見かけます。

いくら、会社の人間関係が辛い、家庭の問題が辛い、友人、恋人関係が辛い、会社が傾いた、毎日借金取りが来るetcetc..

な~んて言っても、なかなか自分の力でそれをどうにかすることなんて出来ませんわな。

しかし、どんなに、はたから見てきついであろう、大変だろう、と思われる環境の中にあっても、なんの症状もない人もいます。

・・・ということは、確かに環境に一因はあるかもしれないが、それが全てではなく、そのきつい環境の中にいる、

「その患者さん自身の側」

に、もともと何か問題があるのではないか、という事が考えられます。


東洋医学では、そこを是正しようとします。


そこを正すことによって、外的な精神的ストレスと、その人自身が上手に付き合えるようになればよい、と考える訳です。


外的な強いストレスにさらされても、その影響がカラダにさほどでなければ良いワケです。

 

カラダが変わればココロが変わる、で、心身が変われば周り(世界の見え方感じ方)が変わり、結果的に環境が変わり、健康に生きられるようになる、という「ポジティブな変化」を狙う訳です。

 

・・・そこでよくポイントになるのが、五臓の中の「肝(かん)」という臓です。

(何度も何度も言うけど、西洋医学の肝臓=liverのことじゃないですよ!)

「肝」については、このブログでもたびたび登場している割に、「肝」自体に関する説明が今までなかったので、ここらで説明しようと思います。


でも前置きが長くなっちゃったので、次回はこの続きから・・。(笑)

 

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「泣く」とはどういうことか(その5)

2010.04.14

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これまでのお話

「泣く」とはどういうことか(その1)
「泣く」とはどういうことか(その2)
「泣く」とはどういうことか(その3)
「泣く」とはどういうことか(その4)

 

 

これまでの話をまとめたら、「泣く」という現象が起こる時、というのは、

「感極まった時」

と、

「物理的な、過剰な刺激があった時」

となりますね。

 


また涙が、「常に目の表面を潤し、保護しているもの」と考えれば、ある意味、人は常に泣いている、とも考えられます。

 


一部の例外を除いて、普通はそれ以外の原因で「泣く」という現象は起こりません。

 


つまり、「泣く」という現象は一種の生理現象なんですね。

 


アメリカの生化学者で、面白い研究をした人がいます。

 


ウィリアム・フレイ二世という人ですが、彼は

『涙-人はなぜ泣くのか-』

という著書の中で、感情が極まって泣く時の涙は、ストレス解消になっているはずだ、という仮説のもと、普段、眼球表面を潤している涙と、

 

感極まって流す涙の成分分析をやって、2者を比較しました。

 


すると、感極まって流す涙の方が、より高濃度のたんぱく質を含んでいることが分かりました。

 


これにより、感情に起因する涙というのは普通の涙と比べて示す意味が違うのではないか、ということが分かりました。

 


しかし、ではこのたんぱく質とストレスの関係性については、となると、不明な点があり、今日も興味深い研究テーマとして存在しているようです。

 


・・・まあ、ここであまり難しい話をしても仕方ありませんが、日本でも江戸時代に、広岡蘇仙(ひろおかそせん 1696-没年不詳)という人が、その著書

『難経鉄鑑(なんぎょうてっかん)』

の中で、涙に対する東洋医学的な見解を述べています。

(因みに49難です。専門家の先生方や興味ある方は、チェックしてみて)

 


まあ要するに、「泣く」ということは、一時的に起こった精神的、肉体的な不調を整えるきっかけ、サイン、と理解していいと思います。

 


それには五臓の中の「肝」が大きく関わるよ、ということです。

 


だから、「泣きたい時は泣けばいいさ、体が正常に戻ろうとするサインなんだから。」となる訳です。(笑)

 


しかし、人間というのは困ったもので、「泣く」という行為は、一定の精神状態を作れば”演技”が可能ですから、コレにも注意を払わなくてはいけませんがね。(苦笑)

 


以上で一旦このシリーズは終わります。

 


またそのうち、もうちょい突っ込んだことでも書こうかな、と思っています。

 


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「花粉症」について

2010.03.07

この時期、よく問題になるのが「花粉症」です。

 


コレ、実は僕自身も以前、なったことがあります。

 


ですので、患者さんの気持ちがとてもよく分かる疾患の一つであります。

 


・・・しかし、ここ何年かは、症状がまったく出ていません。

 


コレに関しては、西洋医学の耳鼻咽喉科の先生方も手を焼いていらっしゃるようで、なかなか決め手となるようなイイ手段がない、

 

というのが現状ではないでしょうか。

 


僕自身の時がそうでした。

 


僕はいつも、自分が体調を崩した時には自分で自分に鍼をし、それで解決がつかなければ先輩に鍼してもらったりするんですが、

 

たまに”あえて”病院”(西洋医学)にかかってみて、西洋医学ではどんなことをするのか、参考にしたりします。

 


花粉症になった時も、行ってみました。

 

 

・・・もちろん、ここで「お手並み拝見」みたいな顔して、冷やかしのような態度でいくのではなく、素性も全て明らかにしたうえで、礼儀やマナーには最大限注意して、しっかりとかかります。

 

(自分が逆の立場だったら嫌ですからね。)

 


清明院にも、先週ぐらいからチラホラ花粉症の症状を訴えて来られる患者さんがいますが、

「薬をもらったけど、あんまり楽にならない!」

とか、

「楽にはなるけど、また来年も同じかと思うと意味がない(治っていかない)気がする。」

とか、

 

「薬は効くけど、眠くなるから仕事にならない!!」

 

といった言葉を、患者さんからよく聞きます。

 


この病気って、昔はほぼなかったですよね。

 

wikipediaによれば、日本では1960年代からだとか、戦後の杉の大量植林が原因だとか。)

 

 

ご高齢の患者さんに聞くと、皆さん

 

「花粉症なんて、昔は聞いたことなかった。」

 

と仰る。(苦笑)

 


最近、花粉症以外にも、アトピーやらリウマチやら、「慢性のアレルギー疾患」というものが大変増加して、人々の健康を害し、大問題になっています。

 


これらをなぜ撲滅できないんでしょうか。

 


昔にはもう戻れないんでしょうか。

 


もし撲滅できないとするならば、これらに対する最高の治療とは何なんでしょうか?

 


現代は、報道を見ていても、やれ花粉だの、ハウスダストだの、乳製品だのと、要するに「体の外のもの」にばっかり目を向けて(向けさせて?)、

肝心の「体の中のバランス」に対する視点がおろそかになっているような気がしてなりません。

 


「体の中」の話になると突然「ストレスによる免疫の低下、異常」という、あいまいで漠然とした、多くは除去しようのない「原因」が提示されます。

 


・・・花粉も、ハウスダストも、乳製品も、ストレスも、大昔からありますよ?

 


戦争をやってた時代のストレスって、現代よりも軽いのか?

 


何で現代人だけ、こんなことになるの?

 


そう言うと今度は大概、やれ環境ホルモンがどうしたとか、加工食品がどうしたとか、大気汚染がどうしたとか言われますが、

それって要は「治療できません」て言ってるのと同じじゃないんですか??と、思ってしまいます。

 


誤解を招くといけないので、付け加えておきますが、別に西洋医学のやり方に疑問がある訳ではなく、

単純に治りの悪い疾患であるだけに、その考え方、治療法がとても気になるのです。

 


そこで、例えば東洋医学では「花粉症」をどう考え、どう対応するかというと・・・。

 

続く(笑)

 

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「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について

2010.01.24

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これまで、「寒」「燥」「湿」「熱」「風」「火」の6つについて書いてきました。

 


この6つは、東洋医学では「六淫(ろくいん、りくいん)の邪気」と言って、人間の健康を阻害する「邪気」の中の代表選手、と位置付けられています。

 


では「邪気」はこれ以外にはないのか、というと、当然あります。

 


それらを全て書いて、そのパターン(組み合わせ)についてまで解説すると、東洋医学の教科書みたいな内容になっちゃうので、それは避けます。(笑)

 


・・・でもまあ、ここまで来たんで、簡単ではありますが、患者さんに少しでも東洋医学を理解してもらいたいので、
あまり専門的にならないように、

 

有名な「痰(たん)」と「瘀血(おけつ)」について書いてみたいと思います。

 

 


◆「痰」について

 


まずは「痰」ですが、これは簡単に言うと体内の「余分なお水が停滞したもの」です。

 


ですので、以前書いた「湿」の仲間です。

 


ただ、ネバネバしていて、なかなか動きにくい、「余分なお水」ですので、「湿」よりも凝滞性、粘滞性が強く、動きにくい頑固な邪気、と言えると思います。

 


なぜ、ネバネバと動きにくくなるかと言うと、体に余分なお水を排出する力がなくて、それが長いこと体にとどまったり、余分なお水に「熱」が加わって、

 

カレーのように少し煮詰まったような状況になると、体内の余分なお水はますますネバついてきます。

 


また、「痰」と聞くと、どうしてものどに絡むあの「痰(喀痰)」を想像しがちですが、東洋医学の言う「痰」は全身どこにでも溜まることがある、と考えます。

 

そしてこれは、症状で言うと、なかなか治りにくい「重ダルさ」や「神経痛」の原因となり、治療にも時間がかかることが多いです。

 


原因は主に暴飲暴食(特にお酒や脂っこい物、甘いもの)です。(苦笑)

 


気を付けたいですね。。。

 

 


◆「瘀血」について

 


次に「瘀血(おけつ)」ですが、これはちょっと東洋医学に興味のある人なら聞いたことはあると思います。

 


よく、ある種の生理痛や、体の痛みを起こすもとになります。

 


瘀血の「瘀」の字はもともと「とどこおる」という意味があります。

 


つまり、「瘀血」には「滞った血」という意味があります。

 


ま、いわゆる血行不良ですね。

 


それも、一時的な血行不良ではなく、慢性的で頑固な、体のある部分の凝り固まったような血行不良を指して「瘀血」と呼ぶことが多いです。

 


これは、かなり慢性的で頑固な「痛み」の原因になり易く、これもまた治療に時間がかかることが多いです。

 


原因は様々ありますが、冷えやストレス、繰り返す怪我から来るものなどが多いです。

 


実際の患者さんを診ていますと、これら「痰」や「瘀血」、その他の邪気が複雑に絡み合って症状を出しているものが多く、これらの割合やそれぞれの程度、

 

またその「邪気」が生じた成り行きをキチッと明らかにした上で治療しないと、なかなかうまくいかないのが実際です。

 


まあこのように、「五臓六腑」だとか「邪気」だとか、東洋医学の言う、色々な要素の強弱のコントラストを明らかにして治療し、こちらの予想通りの変化を患者さんが見せた時、

「あ~、この医学はホント芸術的だな~。」

となります。

 

 

これを何度も経験しちゃうと、もうやめられませんネ。(笑)

 

 


それにしても、最初に考えた人も、それを発展させた人も、ほんとスゴイ!

 

 

 

やってて、いつも感心します。

 

 

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小児と鍼灸

2010.01.10

清明院には、小児の患者さんがたくさんいます。

 


みんな最初は鍼を怖がって暴れていましたが、慣れればおとなしいもんです(笑)

 


アトピーや小児喘息や、てんかん、発達障害、ひきつけ、夜泣き、夜尿症などなど、小児の病気には鍼灸はよく効きます。

 


関西の方では、「小児はり」と看板に書いてある鍼灸院も珍しくありませんが、関東ではなぜかあまり見かけませんね。

(何でだろ?書こうかな。)

 


小児というのは、大人に比べてはるかに敏感です。

 

 

なので皮膚に刺さらない(先のまるい)鍼を使って治療することが多いので、子供が痛みを感じることはありません。

(それを解らせるまでが結構大変だったりするんですが・・・。)

 


小児を診ていて思うのは、意外と、子供はストレスを抱えている、ということです。

(東京だからなのかな・・・?)

 


これについて、親御さんの姿が鏡に映っているのかなとか、子供はストレスの解消法が分からないからかな・・・とか、

色々と考えますが、結局はケースバイケースであり、子供によりけり、といった感じです。

 


子供というのは、さっきまではしゃいでいたのが、次の瞬間には泣き出したり、その逆もあったりと、なかなか心をつかむのが難しいですが、

 

あまり策を弄せず、真っ直ぐに鍼を通じて、「言葉なき会話」を通して仲良くなっていくことが多いし、その方が良いような気がします。

 


小児と仲良くなってしまうと、治療がとても楽だし、もっとよく効く様になります。

 


下手に強い薬なんか使って無理やり治そうとするより、鍼灸で自然に治した方が、僕はイイと思います。

 


皆さんはどうでしょうか?

 

 

・・・そう、思いませんか??

 

 


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「夢」はなぜ見る?

2009.12.23

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先日、患者さんからこんな質問をいただきました。

患「初診の時、カルテの中に夢について書く欄がありましたけど、あれってどういう意味があるんですか??」

竹「あれはねー、眠りが浅いか深いかを調べるために聞くんですよ~。要は、夢が多い人は眠りが浅いんですよ。」

患「なるほどー。じゃあ”夢が色つきかどうか”っていうのはどういう意味ですか?」

竹「はいはい、あれはねー、夢が多い人は眠りが浅い分、疲れが体にたまっている人が多いんだけど、疲れが相当ひどくなってくると、”夢に色がつかなくなる”と、東洋医学では考えるんですよ~。」

患「へえ~。おもしろいですね~。じゃあ夢の種類はどう考えるんですか??恐い夢とかワケ分からない夢とか・・・」

竹「(長くなりそうだからそれはまた今度!と言おうかな~、と思いつつも・・)あー実はそこはね~、

まだ研究段階なんだけど、その患者さんの深層心理が一面、反映される部分である、という認識から、一応聞くようにしてるんですよ。

例えばね、全然ストレスは感じてません!って言ってる人が、毎日怪物に追っかけられる夢見てたり、

家族仲はとてもうまくいってます!という人が、家族の夢ばかり見ている、ということになると、“こりゃ何かあるな”と考えて、

診察時のポイントが少し変わってくるんですよ~。」

患「なるほど~(^。^)」

・・・という会話でした。

患者さんは東洋医学によって体が良くなると、当然ながら、東洋医学に興味を持ちます。

それがきっかけでで鍼灸師になる人もいるぐらいです。(笑)

これはとてもいいことではあると思うんだけど、たまーにこういう質問攻めにあいまして、治療をしているのか、講義をしているのか分からなくなる瞬間があります。

(苦笑・・まあでも、嬉しい悲鳴かな。)

この会話にあるように、「夢」だとか、「人間の心理」という、あいまいで不可思議なものを、東洋医学ではどのように考えたのか、という問題は、

実は僕自身も学生時代から興味津々でして、これからこのブログで何回かに分けて語っていこうかな、と思います。

以前、このブログ上でも「心身一如」という言葉を紹介しましたが、東洋医学では、心と体を分けて考えません。

体のことについてあそこまで細かく考えている東洋医学が、心の問題にまったく無頓着であるはずはないんです。

・・・そこで「宗教」のお話を絡めだすと、長~い細か~い話になっちゃうので、あくまでも「東洋医学」における、こころの問題を、

分かる範囲で、書いていこうと思います。

そう考えると、書きたいテーマだらけですね(@_@)

まあ、やれる範囲で、無理せずやります!


清明院に皆様のお力を!<m(__)m>

 

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