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10:00~21:00(完全予約制)
2021.09.17
清明院では現在、求人募集しております!!
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9.15(水)の夜は、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴してきました!!
水曜日は毎週、東洋鍼灸専門学校での講義なので、21:10まで講義なんですが、学校を出て、21:15くらいからスマホで講義を聴きながら、
チャリこいで家に帰り、家で片付けと明日の準備をしながら、講義を聴けるという素晴らしさ。
もう、オンライン講義なしでは生きていけない。。。笑
しかも、分かりにくかったところを翌日にOD配信で確認できるというお得さ。。。
北辰会会員に限らず、対面実技指導が受けられないコロナ禍のうちに、しっかりと学術のレベル、特に「学」のレベルは、最高まで高めましょう。
臨床家にとって、学と術は両輪の輪です。
今回の第5回古典ライブのテーマも
「古典に学ぶ病因病機 ~万病回春病因指南を題材として~」
であり、今回は
「内傷(脾胃)」
にフォーカスした内容でした!
奥村学術部長の圧倒的知識量と、新風代表のサクッとしたまとめ、というコンビネーションで語られるこの講義ですが、回を重ねるごとに分かり易さが増している感じがあります。
今回は、今の晩夏~初秋の時期にタイムリーな「内傷」で、主に金元の4大医家の一人である李東垣(1180-1251)の説を引きながら、
内傷のほとんどは中気(中焦の気≒脾胃の働き)が関係している、従って脾胃に着眼した治療は重要、という内容でした。
(なかなかの極論ではありますが。。。)
食欲の秋であり、また、夏の間にした暴飲暴食の影響が悪い面で出てきやすい時期でもありますので、このことについて知っておく、意識するのはとても重要です。
今回は、なぜか僕だけ(苦笑)画面がフリーズしましたが、どうにかリカバリーできました。(^^;
まあこういう不具合とか操作上の問題なんかも、今後の5Gの時代ではどんどん改善されてくるのでしょう。
こうやって何回もやっていくうちに、講師の方も、視聴者の方も、オンライン講義に慣れて、コロナもまだまだ長引きますから、今後は座学はこれが間違いなく主流になることと思います。
こんな便利なことに慣れたら、もはや以前に戻れるわけないですな。(*‘∀‘)
今回、印象的だったのは、「補中益気湯の中に柴胡と升麻が入っていることの重要性」というお話。
金元の4大医家の中でも、特に脾胃の働きを重視し、”補土派”と言われる李東垣(1180-1251)が創方した薬として有名で、現代の臨床でも非常によく使われる「補中益気湯」という薬(補気剤)があります。
これの中身(構成生薬)は、各古典によって多少の違いはありましょうが、基本的には
人参・白朮・黄耆・当帰・柴胡・陳皮・炙甘草・升麻(by『中医臨床のための方剤学』)
なのですが、この薬の中に入っている柴胡と升麻は、表証の薬(辛凉解表薬)でありながら、補気剤に配合すると升陽作用を発揮します。
これを鍼で表現しようとすれば、脾胃を補う配穴に、臨泣などの木気を巡らせる配穴を足すと、補中益気湯のそういう側面が表現できたりします。
臨床上、上實下虚や上熱下寒、いわゆる冷えのぼせや、人体の上下のアンバランスが起こった状態の患者さんに接する機会は多いですが、
意外と中焦脾胃に注目して「補気昇提」という考え方で治療するとうまくいくケースがあります。
何でも清熱や降気を考えりゃいいってもんじゃない。
中焦を補気し、清陽を押し上げることで、かえって邪気が降りる、足が温もる。
ここもなかなか、東洋医学の臨床家の腕の見せ所でしょう。
改めて、よくよく考えておくべきだと思いましたね。
また、以前から奥村先生が深く研究されている腹診論に関して、先天易と後天易と境界と、木土の五行の相生相剋の話、また、味岡三伯門下で岡本一抱(1655-1716)の同期で、
弟子の中の四傑といわれる浅井周伯(1643-1705)の子孫が記したと言われる「五蔵決用圖」の話など、今回もなかなか含蓄のあるお話を頂きました。
まあ簡単にいうと、江戸期の医家は腹部に宇宙を見て、治療をやっていた、ということですね。
これを壮大で、スケールが違う!美しい!!と取るか、Primitiveととるか、非科学的でとるに足らない、思弁的であり、観念論では病気は治らない、と斬るか。
・・・とまあこのように、2000円では安すぎる、非常に学びのあるこの講座、会員の先生方限定の講座ですが、これを機に入会の方はぜひ☆
「なんちゃって」じゃない、本気の東洋医学の素晴らしい世界が、待っていますよ☆
〇
2021.08.20
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8.18(水)の夜は、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴してきました!!
日々感染者が過去最高と大騒ぎになり、医療も逼迫どころか部分的に崩壊しているという報道がなされる中、歩みを止めない北辰会。
毎月の最新のeラーニング講義配信に加え、随時配信の基礎~応用講座の数々。
さらに毎月1回のライブ配信に加えて、この古典ライブです。
(正直、有り得ないボリュームだと思います。向学心の高い人にとっては、超お得なメニューでしょう。笑)
しかもOD配信で何度でも視れるというお得さ。。。
対面実技指導が受けられないコロナ禍のうちに、しっかりと学術のレベル、特に「学」のレベルを最高まで高めましょう。
臨床家にとって、学と術は両輪の輪です。
今回の第四回古典ライブのテーマも
「古典に学ぶ病因病機 ~万病回春病因指南を題材として~」
であり、今回は
「火証」
にフォーカスした内容でした!
奥村学術部長の圧倒的知識量と、新風代表のサクッとしたまとめ、というコンビネーションで語られるこの講義ですが、回を重ねるごとに分かり易さが増している感じがあります。
今回は灼熱の夏に「火証」で、タイムリーな内容の筈だったんだけど、最近雨が続き、妙に気温が下がってますね。。。苦笑
(まあ昨日今日あたりは上がっていますが。)
まだまだ残暑で、9月末くらいまでは暑い日が続きますので、「火証」について知っておくのは良いことです。
今回も、途中でマイクのトラブルもありましたが、すかさずリカバリーできていました。(^^)
こうやって、やっていくうちに講師の方もオンライン講義に慣れて、コロナもまだまだ長引きますから、今後は座学はこれが間違いなく主流になることと思います。
・・・もう、昔には戻れませんね。
切ない気もしますが、仕方ないことです。
過去にもこうやって、馬での移動から人力車、自動車、飛行機へと変容してきたのが、ここ数百年の人類の歴史です。
今回もそうなるでしょう。
今回の講義にしたって、診療が終わって、スマホで聴きながらチャリをこいで家に帰り、洗濯物やら片付けやらなんやらをしながらワイヤレスイヤホンで聴いていました。笑
こんなこと言うと、
「それじゃ集中力が・・・」
とかいう批判が聞こえてきそうですが、他のことに気をとられてて聞き逃がしたところとか、不明瞭な印象の部分については、後日オンデマンド配信でじっくり聞き直せば再び頭に入るので、まったく問題ないです。
こんな便利なことに慣れたら、もはや戻れるわけないですな。(*‘∀‘)
今回、印象的だったのは、「正治と反治(逆治と従治)」というお話。
「火証」といえば激しい熱証な訳ですから、治療は当然清熱法という、熱をとる、冷ますやり方を行うのが常道なんですが、それをあえて温める治療を行うことで回復させるという方法について。
これについては、私も臨床上やることはあるのですが、「どういう場合に」行うか、というシャープな判断については、ピタッといかないこともあります。
ここもなかなか、東洋医学の臨床家の腕の見せ所でしょう。
また、熱証があるということは陰分の不足がある、陰分の根源は腎の臓なんだから腎に着眼することが重要、というのも、よく言われることですがやはり重要です。
そこで、腎をどういじるの??という問題に直面しますからね。
どちらも改めて、よくよく考えておくべきだと思いましたね。
また、以前から奥村先生が深く研究されている「相火論」や「膜」に関して、岡本一抱の行燈の説や、有名な沢庵和尚の『五臓註』の図を引き合いに、
なかなか含蓄のあるお話を頂きました。
・・・とまあこのように、2000円では安すぎる、非常に学びのあるこの講座、会員の先生方限定の講座ですが、これを機に入会の方はぜひ☆
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2021.07.23
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7.21 (月)の夜は、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴してきました!!
第三回のテーマも
「古典に学ぶ病因病機 ~万病回春病因指南を題材として~」
であり、今回は
「中暑」「中湿」
にフォーカスした内容でした!
奥村学術部長の圧倒的知識量と、新風代表のサクッとしたまとめ、というコンビネーションで語られるこの講義ですが、今回はタイムリーな内容であったこともあり、
臨床的な話が随所に入っていたのが素晴らしかったです。
(一社)北辰会はもちろん鍼灸学術研究団体ですが、研究者や学者の集まりではなく、あくまでも「実践から理論へ」を旨とする、鍼灸臨床家集団です。
今回、途中でカメラのトラブルもありましたが、回を重ねるごとに、スライドの見やすさ、段取りのスムーズさがパワーアップしていますね。(^^)
今回、暑邪に侵襲される「中暑」、湿邪に侵される「中湿」を中心に解説して下さいましたが、印象的だったのは、湿邪にも深さがある、というお話。
また、脈診所見において、弦と緩が混在するパターンの話もあり、これもなかなか注意すべき話だと思いました。
臨床をやってて思うことの一つとして、「湿邪=脾の臓にこたえる」という短絡的発想は、非常にマズいということです。
肺なのか腎なのか、あるいは肝なのか、日本ではほぼ1年中問題になる、「湿邪」というものを、どれだけ多面的に評価し、対応できるかどうか、
という問題は、東洋医学の臨床家の腕の見せ所でしょう。
改めて、よくよく肝に銘じるべきだと思いましたね。
・・・とまあこのように、非常に学びのあるこの講座、会員の先生方限定の講座ですが、これを機に入会の方はぜひ☆
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2021.07.01
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6月最終日の昨日、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義に参加してきました!!
第二回のテーマは
「古典に学ぶ病因病機 ~万病回春病因指南を題材として~」
です!
今回の講義の題材である『万病回春病因指南』というのは、江戸時代の著名な医家であり、北辰会(というよりも近現代日本の東洋医学業界全体)が尊崇してきた岡本一抱(1655-1716)が著した、
中国明代、龔廷賢(きょうていけん 1522-1619)の『万病回春』の解説書です。
(参考論文『『万病回春病因指南』の成立過程と構成』渡部栄輝)
(万病回春については名古屋大学医学部史料室内サイト参照)
奥村学術部長の圧倒的知識量と、新風代表のサクッとしたまとめ、というコンビネーションで語られるこの講義ですが、今回は後半の奥村先生の考証学的な解説が恐ろしかったです。( ;∀;)
奥村先生のことは20年前から存じ上げていますが、先生はそのもっともっと前、1980年代から中医学研究、古典研究を日々続けてこられ、今回の講義や最近の発言をうかがっていると、
それらの積み重ねがいよいよ縦横斜めに繋がってきており、集大成されてきている雰囲気を感じました。
今回、寒邪に侵襲される「中寒」を中心に解説して下さいましたが、印象的だったのは、外邪に侵襲されて脈が堅いものは順、外邪に侵襲されているのに脈が緩んでいるものは逆、
それ以外にも、病態と脈が反するものは危ない、というお話。
また、順逆にも幅があり、逆だからイコール死病、ということではなく、難治なものと死病の弁別も重要ですね。
臨床をやってて思うことの一つとして、この、病態と脈が一致しないものというのは、しばしばドキッとするんです・・・。
改めて、よくよく肝に銘じるべきだと思いました。
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2021.05.20
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コロナ禍、まだまだ続いております。
完全終息はいつになるやら。。。(-_-;)
そして、この分だと、終息後の世界は、コロナ前までとは、変わったものになってしまうことでしょう。
(きっと良い面と、悪い面がありますね。)
現在、大阪、近畿圏は医療供給体制が大変なことになってるし、全国的にも、ワクチン争奪戦がすごいですね。苦笑
・・・まあ、これまでの流れからしたら、当然そうなるでしょう。
徹底した人流抑制、感染対策もいいけど、それに加えて鍼灸漢方の積極的な利用を、ってな流れにならんもんかね。。。(*´Д`)
また最近は雨が続いて、東京も梅雨の雰囲気になってきました。
次から次に、世の中色々あるけど、こんな時は落ち着いて、粛々とやることやるのが吉ですね。
どうであれ患者さんは、毎日来ますので。
〇
ところで、昨日の夜は(一社)北辰会、会員限定企画、古典講座(ツイキャスライブ)に参加してきました!!
僕は「ツイキャス」というものを使うのが初めてで、最初は(今でも?)なかなか慣れなかったですが、音も映像も良く、聴きやすかったです。
(zoomだのツイキャスだのteamsだのインスタライブだの何だの、もはやオジサンには何が何だか。。。( ;∀;))
内容も、これまで北辰会で暫くの間やっていなかった、古典を読んで解説する講義です。
題材は、これまで北辰会が発足以来たいへん尊崇してきた医家である、江戸期の岡本一抱(1655-1716)の『万病回春病因指南』です。
これは、中国の医家である龔廷賢(きょうていけん 16-17世紀)の『万病回春』を参考に、岡本一抱が病因病証学にフォーカスして書いたと言われる書です。
(一抱は『万病回春』の豊富な内容の中でも、特に病因学を重視していたとか。サスガだね。(^^))
ここに、現在のコロナ(疫癘)の病因に応用できる内容が書かれており、
「日本、中国の古典に触れつつ、タイムリーな内容も学べる」
ということで、1度で何度もおいしい、シリーズ企画となっております。
(見逃し配信もあり!!)
しかも講師は奥村裕一学術部長と藤本新風代表という、超豪華コンビです。
会員の先生方はもちろん、これを機に入会の方もぜひ!!
・・・因みに、実はその昔、今から15年以上前は、関東支部の勉強会が終わった後に、有志数名で会場の別室に残って、岡本一抱の影印本を読む、という勉強会をやっていたことがあったんですが、
あれがいつの間にか無くなってしまって残念だったので、個人的には当時を思い出して懐かしい気持ちになりました。。。
受講者も、北海道から沖縄まで、全国の北辰会会員が多く参加したようで、今後はあらゆる教育分野で、座学はこれ(オンライン)が中心、主流になると思いますね。
(15年前当時の古典読解の講義の参加者は4、5人だったと思います。そこから考えても、すごい進歩です。)
まあ、関西の勉強会に、最初は片道数千円の夜行バスで通い、少し余裕が出てからは新幹線で、15年間も毎月欠かさず通った私としては、もちろん言うまでもなく、
ライブ講義の良さ(講義後の飲み会も含めて)は分かりすぎるほど分かっているけど、もはやこれだけインフラが整ってきていますので、
今から数年経つうちには、やれ移動がめんどくさい、やれ大会場だとスライドも見えにくい、音声も聞こえにくい、実技デモなんかでも、
手元が見えにくい、というマイナスの感覚の方が勝ってくるんじゃないでしょうか。苦笑
また、こういうイベントを打つ主催者側にとっても、申し込み手続きやら、入金の管理等々のインフラも、今後どんどん進化し、使いやすく、漏れの無いものに整備されていくことでしょう。
こうやって、最初はなんだかんだ言いながらも、結局は馬車から自動車に、黒電話からスマホへと、人類の道具や生活様式は変化してきたわけなんで、少し寂しい感じもしますが、もはやこの流れは誰にも止められないでしょう。
まあ、僕ら臨床家としては、色々な学問を効率よく学ばせて頂き、それを臨床に活かせばいいだけの話なので、いい流れなのかもしれません。
〇
2019.07.12
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ここまでのお話し
◆「芎帰調血飲第一加減」なる薬。
先日、「芎帰調血飲」という薬を紹介した。
これの出典は明代(1587年)、龔廷賢(16-17世紀)先生の『万病回春』であり、そこには30パターンもの加減方が紹介されていることをお話しした。
ある先輩から、臨床的には芎帰調血飲より芎帰調血飲第一加減の方がよく効く印象、と聞いた。
・・・で、どう違うんだろう、と思って調べた。
芎帰調血飲第一加減ていうのは、『万病回春』の芎帰調血飲の加減方では3番目に出てくる加減方を、あの漢方の流派、一貫堂医学が名付けた処方のようで、
矢数格先生の『漢方一貫堂医学』や、松本克彦先生の『漢方一貫堂の世界』に詳しく書かれています。
これは、まあ簡単に言えば、芎帰調血飲に桃仁や紅花、延胡索などを加え、瘀血をとる作用を強めたものだそうです。
血虚があるにはあるけど、瘀血をとるのに、理気に寄せるか、活血に寄せるか、みたいな使い分けですね。
(瘀血>血虚であれば、瘀血を攻めても血を傷ることはない、という考えですね)
一貫堂では、これよりもさらに瘀血がきつくなったら活血散瘀湯、さらにきつかったら通導散加減、となっていくようです。
まあやっぱ、瀉法を強めた方が、使っている側としてはバシッと効いた印象が強くなるのかもしれませんね。
これは鍼灸の臨床においても良くあることです。
鍼灸では、瘀血をとるのにも、その深さや程度、正気の虚とのバランスで、選穴や手法を考えますが、芎帰調血飲であれ芎帰調血飲第一加減であれ、
三陰交に上手に鍼すりゃ、イケちゃいそうな気も。。。(゚∀゚)
また、そんなこと言うと怒られるか。(^^;)
暫くはこれ、意識して診てみよっと☆
因みに一貫堂では、この処方の流れと腹診所見を合わせて論じていますので、そこも興味深いです。
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2019.07.06
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ここまでのお話し
「芎帰調血飲」というお薬 参照
◆では、使い分けはどうする??
あくまでも、私は湯液に関しては専門家ではないので、実際に使ってみての印象は語れませんが、何人かの専門家にも質問させていただいたので、ここに簡単にまとめてみます。
『中医臨床のための方剤学』では、温経湯と芎帰調血飲は、「理血剤」のグループです。
「理血」とは、”血の病変を治す薬”という意味であり、「活血袪瘀剤」と「止血剤」に分けられます。
「活血袪瘀剤」の代表選手は、有名な桃核承気湯、血府逐瘀湯、桂枝茯苓丸あたりでしょう。
「止血剤」にはマニアックな処方が多いのですが、『金匱要略』にも出てくる芎帰膠艾湯は有名ですね。
(ここにも”芎帰”が!(゜o゜))
このうちの、「活血祛瘀剤」の中に出てくるのが、温経湯と芎帰調血飲であります。
温経湯は下焦(足厥陰肝経、場合によっては肝の臓まで)を温め、血流を改善し、瘀血を去って新血を作ります。
芎帰調血飲は、気血の巡りをよくすることに主眼が置かれていますが、出典である『万病回春』にあるように、患者さんの状態に合わせて、約30パターンにもわたって、臨機応変に加減して使う薬です。
(そういう汎用性のある処方だからこそ、龔廷賢は”産後一切の諸病”とまで言いきっているのでしょう。)
温経湯では冷え(下焦の寒邪の邪実による気血の停滞)が中心になりますから、例えば月経痛なんかの下腹部痛はさすったくらいでは引かない、きついものです。
しかも口唇が乾燥したり、手が火照ったりと、上焦には熱も持ちます。
このような上熱下寒のバランスを調えつつ、血の流れをよくして瘀血を去り、新血を作るのが温経湯。
それに対して、肝気を巡らせて、結果的に血を巡らせるのが芎帰調血飲。
・・・さてこれ、鍼灸ではどうやるか。
長くなったので続く。。。
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2019.07.05
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昨日、「温経湯」という漢方薬に関して書いた。
「温経湯」というお薬 参照
我々鍼灸師が、なぜ湯液を勉強しないといけないかというと、僕が思うのは、単純に飲んでいる患者さんが多いからです。
漢方薬を飲んでいる患者さんを治療する以上、その漢方薬が東洋医学的にどういう作用を患者さんに及ぼしているかを考えて、それを加味して診たて、処置しないといけません。
まあこれは西洋薬もしかりなんですが、西洋薬の場合は、即東洋医学の理論に置き換えるのはなかなか難しいのに対して、漢方薬であれば理論上は簡単に変換することが出来ます。
それが効いてるとか効いてないとかの意味を考えることが出来ます。
これに対して、西洋薬や外科手術を、一つ一つ、東洋医学的にどう評価するのか、という問題は、今後の課題でしょう。
(西洋医学の先生方、是非一緒に研究しましょう。)
ともかく、こないだとある先生とやり取りしていて、「温経湯」のついでに話題に出てきた「芎帰調血飲」という漢方薬があります。
これも、温経湯ほどではないけど、たまに飲んでおられる患者さんがおります。
『中医臨床のための方剤学』には、「温経湯」の附方(似た薬)として紹介されています。
・・・さて、どんなお薬か。
この薬の出典はあの『万病回春』です。
『万病回春』は中国明代、1587年に龔廷賢(きょうていけん)先生がまとめた本で、全8巻、その内容は、江戸期の偉大な医家たちに大きな影響を与えまくった本です。
「芎帰調血飲」の別名は「芎帰補血湯」と言います。
『金匱要略』では、温経湯が”閉経後の婦人”を例に挙げて紹介されているのに対し、『万病回春』に出てくる芎帰調血飲は、”産後の夫人”を例にとって、
30パターン近い、様々なバリエーション(加減方)とともに紹介されています。
ド頭に「産後一切の諸病」と書いているくらいだから力強い。(笑)
まあ簡単にまとめて極言すれば、要は、産後に気血が弱って気滞血瘀、瘀血が残留したものでしかも寒証のものに使う、というワケです。
名前に「芎帰」とついているくらいですから、主薬は川芎と当帰でしょう。
川芎と言えば活血行気、当帰と言えば「血中の気薬」といわれ補血活血行気、であります。
温経湯と芎帰調血飲の違いは、呉茱萸が入っているかどうかが大きいでしょうね。
・・・これをどう考えるか。
どう使い分けるか。
鍼ではどうか。
呉茱萸の「暖肝」てナニしてんの??
疑問は尽きません。
続く
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2018.11.13
清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、
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11.11の日曜日は、日本東洋医学会、東京都部会に参加してきました!
(終了後、北辰会関東支部定例会にも参加してきました!!)
今回は、先日このブログで一貫堂医学、森道伯先生に関する記事を書いたときに何度か連絡を取らせていただいた矢数芳英先生が一貫堂医学について語るということで、
お誘いいただき、楽しみにしていました。
この日は朝から女子医大の東洋医学研究所の所長である伊藤隆先生による、藤平健先生に関する講義。
藤平健先生に関しては、以前少し触れました。
丸山昌朗という人物 参照
藤平健先生は、千葉古方、奥田謙蔵先生の流れをくむ、昭和漢方界を支えた重鎮の先生の一人です。
(千葉大の和漢診療科のHPに詳しい紹介ページがあります。)
声が聴き取りやすく、内容も難しくなく、藤平先生の併病理論がよく分かる、非常に聴きやすい講義でした。
2コマ目は日本東洋医学会の元会長である松田邦夫先生による和田東郭先生のお話し。
松田邦夫先生も、一貫堂処方のもとの一つにもなっている、あの『万病回春』を現代語訳されており、今回初めて話を聴けるので楽しみにしていました。
因みに和田東郭先生といえば、今でもよく使われる四逆散、抑肝散の使い手として有名です。
このブログにも何度も登場しています。
「和田東郭」を含む記事 参照
松田先生は盛んに、患者の精神面、医師の精神面など、「心持の大事」を、和田東郭の臨床を通じて説いているように思えました。
蓮風先生もそうですが、やはり大ベテランになると、「心持ち」をこそ重視するようになるのかなあ、と思いましたね。
3コマ目は昭和大学の薬学部の教授である川添和義先生による生薬に関する講義。
大変聴き取りやすい講義で、スライドも見やすく、そういう意味で非常に参考になりました。
(サスガ大学教授、人気の講座を持っているんだろうな、という感じがしました。)
僕は漢方に関しては、必要な患者さんに関しては、「漢方臨床専門数十年」の、ゴリゴリの漢方家の先生を紹介して、一切お任せする主義なので、
細かいことは正直あまり分からないのですが、メーカーによって、同じ名前でも内容物や内容量が違うというのは、使う側からすると大変だろうなあ、
と思いました。
そして最後は矢数芳英先生による「一貫堂医学」に関する講義。
矢数芳英先生は、森道伯先生の弟子で、昭和の日本漢方界の巨人である矢数道明先生の御令孫です。
講義の中で仰っていたように、矢数先生のハングリー精神を感じる、非常に分かりやすい講義でした。
森道伯先生は、結核と脳卒中の治療に苦戦した、それをどうにか予防できないか、ということで発案されたのがいわゆる一貫堂医学である、
また、矢数家が森道伯先生と関わるきっかけとなった、矢数格先生がマラリアの治療を受けた五積散の使い方や、芳英先生自身の奥様の荊芥連翹湯の症例など、
聴きどころがたくさんあり、あっという間に時間が経ちました。
また今回は、来年の日本東洋医学会の会頭でもある花輪壽彦先生とも、少しお話が出来ました。
今後、東京都内でも、清明院のように東洋医学をやっている数少ない鍼灸院と、漢方家の先生方で手を組んで、患者さんの益になる治療がドンドン出来たらいいですね。
医師と鍼灸師の間にある、見えない壁のようなものは、こちらから積極的に取り払っていこうと思います。
そして終了後は北辰会へ。
今回の飲み会では、S先生がいつも以上に冴え渡っていました☆(^^)
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2018.09.12
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これまでのお話・・・
一貫堂医学について 3 参照
さて、今日は三大体質の3つ目、解毒証(げどくしょう)体質について掘り下げます。
(矢数先生・・・、このネーミング、”臓毒証”と紛らわしいんすけど。。。(苦笑))
一貫堂の言う解毒証体質とは、四物黄連解毒剤がフィットする体質のことを言うそうです。
(黄連解毒湯の”解毒”という言葉をとって”解毒証体質”と呼ぶことにしたんだそうです。)
「四物黄連解毒剤」とは、「四物湯」と「黄連解毒湯」を合わせた薬のことで、現代日本の薬局等でも簡単に手に入る「温清飲」というお薬のことです。
簡単に言えば、黄連解毒湯は火熱を取る清熱材、四物湯は血を補う補血剤、この二つを組み合わせた薬が「温清飲」です。
・・・で、一貫堂医学の言う「解毒証体質」の”毒”とは、第一に「結核性毒」のことを言うんだそうです。
ここで、普通の中医学を学んできた者にとっては
「へ?黄連解毒湯の毒が結核毒??なんのこっちゃ??」
となるのが普通だと思いますが、この時代の結核は、予防も治療も、非常に重要な病でした。
国民皆保険もなかった時代、歴代の有名な鍼灸家、漢方家の先生の中には、当時西洋医学が治せなかった結核を、鍼灸漢方で治してもらったのをきっかけに、
鍼灸医、漢方医になったという先生がたくさんおられるようです。
大正、昭和初期の時代の医師にとって、結核を如何に予防するか、なってしまったら如何に治すか、これが非常に大事なポイントだったんでしょうね。
そしてこの「解毒証体質」は、年齢によって3つの方剤を使い分けるようです。
すなわち、小児期は柴胡清肝散、青年期は荊芥連翹湯か竜胆瀉肝湯を使い分ける、といった感じです。
まず柴胡清肝散ですが、これは各時代の書物によって微妙に生薬の配合が違うようですが、一貫堂では上記の温清飲に桔梗、薄荷葉、牛蒡子、天花粉を加えたものだそうで、
要するに「肝経、胆経、三焦経の3つの経絡の風熱邪を叩く薬」なんだそうです。
これらの経絡が喉頭、頚部、耳周辺を流注することから、ここに熱を籠らせないようにし、扁桃炎、中耳炎を起こさせないようにすることが、
幼児期の結核を予防、治療する上で非常に重要と考えたのでしょう。
次に荊芥連翹湯ですが、これも柴胡清肝散の変法であります。
(構成生薬の詳細は、ちょっと複雑なのでここでは省略します。)
これは何を狙っているというと、解毒証体質の場合、小児期は扁桃炎や中耳炎を起こしやすいが、青年期になると蓄膿症を起こすようになると考え、
柴胡清肝散が肝経、胆経、三焦経を狙っているのに対して、より「陽明経(顔面部)の風熱邪にターゲットを寄せている」のだそうです。
(要は上の横か、上の前か、です。)
最後に竜胆瀉肝湯ですが、これも歴代の医家によってそれぞれ生薬の配合が異なるようですが、一貫堂処方では、
「肝を瀉して水邪を捌き、肝を瀉す力を四物湯で少し緩めている方剤」
と、言うことが出来るようです。
解毒証体質者の場合、淋病や睾丸炎、外陰部の炎症など、下焦を病むことも多く、一貫堂処方の竜胆瀉肝湯は、その治療、予防のために長期服用も可能な体質改善薬であるそうです。
まあここまでを簡単にまとめれば、柴胡清肝散であれ、荊芥連翹湯であれ、竜胆瀉肝湯であれ、一貫堂が解毒証体質に用いる薬の大本は「温清飲」なわけです。
・・・で、「温清飲」は清熱解毒の「黄連解毒湯」+補血の「四物湯」です。
「黄連解毒湯」の初出は752年、王燾(おうとう 670?-755)が著した『外台秘要』、「四物湯」の初出は1110年頃、北宋の国定処方集である『和剤局方』だそうです。
で、「温清飲」の初出は一貫堂医学について 2で紹介した『万病回春』(1587)です。
ということは、瘀血証体質の通導散も、解毒証体質の諸薬の大本である温清飲も、出典は『万病回春』ということになります。
また、臓毒証体質の防風通聖散も、『万病回春』の中には何カ所も出てきます。
森道伯先生も、江戸期の和田東郭や原南陽と同じように、中国明代、龔廷賢の書物である『万病回春』をかなり読みこんでいたことが分かりますね。
多くの名医が読んだ『万病回春』、現代で東洋医学を行う者として、避けて通れないでしょう。
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