東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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ヨモギ茶と麦茶の違い

2018.08.18

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こないだ、更年期障害様ののぼせとめまいで、数年前から定期的に通院されている患者さんが仰った。

 

 

この2,3年は、長いこと安定していたが、今年の夏前くらいから、軽いものの、少しメマイが出ているのが気になっていた。

 

 

やや怪訝に感じながら治療をしていたんですが、ある日、

 

「ヨモギ茶をやめて、麦茶に変えたら、ずいぶん調子いいみたい。」

 

と仰った。

 

 

この瞬間、

 

「あーなるほど!!チェックしとけば良かったーー!!!」

 

と、僕は思ったんですが、さあこれ、鍼灸師の皆さん、意味、分かりますか?

 

 

この患者さんに何が起こったか、即座に予測できますか??

 

 

ヨモギの生薬名は「艾葉(がいよう)」です。

 

 

性味は「苦・辛・温」、帰経は「肝・脾・腎」、効能は「散寒除湿・止痛・温経止血・袪湿止痒」、禁忌は「陰虚血熱」です。

 

 

まあ要するに、深い部分を温め、冷えによる痛みを止める効果がある訳です。

 

 

ポイントは「陰虚血熱」のものには禁忌で、冷茶として飲んだとしても、性質的には温める作用が強いことを意味しています。

 

 

「ヨモギ茶」というのは、ヨモギの煎じ液のようなものですね。

 

 

ヨモギの葉っぱを完全に乾燥させたものを、香りがたつまで炒ってから煎じるようです。

 

 

そして「艾葉」は何といっても我々にとって重要な、「お灸」の原料であります。

 

 

お灸は、ヨモギの葉の裏にある線維から製造します。

 

 

我らが東洋医学が、陰の治療が鍼(金属)だとすれば、陽の治療には灸を、そしてその素材として、数ある植物の中から、ヨモギを選んだんですから、

 

温める作用は相当強く、確かである、と考えていいでしょう。

 

 

それに対して、麦茶はどうかと言うと、「大麦」の種子を煎じたものであります。

 

 

大麦については以前書きましたが、生薬名としては「麦芽(ばくが)」と言われ、種子を発芽させた状態で使うようです。

 

「麦飯」ってどうでしょう?? 3  参照

 

 

これは性味は「甘・平」、帰経は「脾・胃」、効能は「健脾開胃・行気消食・舒肝・回乳(母乳の出をよくする)」、注意点は「回乳に働くので、授乳期」とあります。

 

(母乳が出過ぎちゃう可能性がある、ってことかな。)

 

 

・・・まあ要は、脾胃を調え、気の巡りをよくするものと思っていいと思います。

 

 

麦茶が冷やすのか、温めるのかについては、色々な考えがあるようですが、麦茶の製法については発芽した種子ではなく、種子そのものを水洗いして、

 

乾燥させたものを軽く焦げ目がつくまで炒って、それを煮出すようです。

 

 

ですので、寒熱についてはなかなか複雑です。

 

 

以前書いたように、「種子」を食べる、と考えれば陰分が強いかな、と思うが、それを乾燥させてしかも炒ってある、しかもそれを煎じた液体を飲む、

 

という話なので、陽に思いっきり傾けた種子を煎じた液体、と、思えます。

 

 

そいでまた、それをキンキンに冷やして飲むと美味いという。。。

 

(苦笑・・・まあ、”陰的な作用(気味)”のみを抽出した液体、と考えてもいいのかもしれませんね。)

 

 

寒熱に関してはそのように、微妙に調整してあるので、温めるとか冷やすという効能よりも、脾胃を調整する、気の巡りをよくする、ここが麦茶のいいとこでしょう。

 

 

・・・と、このように考えていくと、熱証の人が夏場にヨモギ茶を飲むよりは、麦茶の方がはるかに良さそうだ、となるわけです。

 

 

冒頭の患者さんは、私の診立てでは思いっきり陰虚で熱証(+大いに湿痰)です。

 

 

こういうことがあるので、患者さんが日々良かれと思って飲んだり食べたりしているモノには、注意を払わなくてはなりませんし、こちらから先手先手を打って誘導しないといけません。

 

 

 

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化学繊維の肌着とアトピー

2018.08.17

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清明院には、毎日アトピー性皮膚炎の患者さんが見えます。

 

 

思えば、今から18年前、僕が初めて(一社)北辰会の勉強会に参加したのは、東京衛生学園で行われた、藤本蓮風先生による、アトピー性皮膚炎の公開臨床でした。

 

(思えばこの時、問診も蓮風先生が公開でとったんだよね。あれが最後じゃないかな。今にして思うと貴重だね。(^^))

 

 

清明院のアトピーの患者さんは、まあ程度は千差万別ですが、どちらかと言うと重いものが多いと思います。

 

 

それも、いわゆる「生まれつき」のような、病気というよりは「体質そのもの」といったような患者さんが多いと思います。

 

 

そういう場合、「一獲千金の劇的効果」みたいなものを狙うのではなく、今の症状が10だとすれば、まずは5を目指して、治療はもちろん、生活上の間違いを見つけては、

 

場合によってはステロイドなんかの力も借りながら、徐々に徐々に根気良く、生活上の間違いや症状を是正していくことが非常に重要だと思っています。

 

「ステロイド」を含む記事 参照

 

 

こないだ、患者さんから聞かれました。

 

「某メーカーの化学繊維の肌着を着たら悪化した気がする。。。」

 

と。

 

 

さっそくネットで調べると、そのメーカーの肌着を着たところ、悪化したという人と、逆に改善したという人がいます。(苦笑)

 

 

基本的に皮膚病の患者さんに化学繊維の肌着は良くない、というのは昔からよく聞きますが、かえって楽になるケースもあるんですね。

 

 

最近の肌着は、皮膚にピタッとくっつき、汗をかくとすぐに乾燥するような構造になっているものも多いですね。

 

 

単純にポリエステルだから、ポリウレタンだから、とも言い切れず、この化学線維の、特殊な繊維構造まで考えないといけなそうです。

 

 

発汗がすぐに乾くことで、必要な津液も飛んでしまい、かえって皮毛における陰虚や血虚が悪化し、乾燥して局所的な内風(風燥)が悪化する人もいると思うし、

 

発汗が急速に乾くことで、燥湿化痰の効果が生まれ、湿痰や湿困脾土や湿熱邪による皮毛レベルの気の停滞が緩和され、良化する人もいるし、

 

そもそも肌着の素材の時点で合わず、皮毛レベルの気の停滞がきつくなり、悪化する人もいるでしょう。

 

 

アトピーアトピーと一口に言っても、結局はそのアトピーの病因病理~体質素因までがしっかりと東洋医学的に明瞭に斬れているか、というところに帰結すると思いますね。

 

 

現代の、安価で機能的な肌着というのも、一考の余地ありだと思います。

 

 

ただ、これは多種多様な製品があり、ちょっとバリエーションが多すぎるので、まずは試してもらってみて、主訴がどうなるかで、帰納法的に考察した方がいいように思います。

 

 

臨床は千変万化、臨機応変性の大事だね。

 

「臨機応変」を含む記事 参照

 

 

 

 

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ある日のカルテ

2018.07.24

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清明院の、ある日のカルテの一部を公開しましょう。

 

 

1.4歳男児 チック症 経過良好

 

2.70代男性 不眠症 不安神経症傾向 経過良好

 

3.30代女性 首肩凝り 上肢の痺れ 不安感 経過少し改善し横ばい

 

4.50代女性 背部痛 嗅覚障害 経過良好

 

5.50代女性 更年期障害(冷えのぼせ 不眠) 経過良好

 

6.50代女性 関節リウマチによる全身の痛み 経過良好

 

7.40代男性 重症のアトピー性皮膚炎 少し緩解し横ばい

 

8.50代女性 関節リウマチ用の痛み 経過良好

 

9.10代男性 低血糖症 過敏性腸症候群 経過まずまず良好

 

10.30代男性 耳鳴、頭鳴 経過良好

 

11.60代男性 五十肩、足底の痺れ 経過まずまず良好

 

12.10代男性 軽度のアトピー性皮膚炎、手掌の水泡、痒み 経過良好

 

13.40代男性 不眠 経過良好

 

14.50代男性 突発性難聴 経過良好

 

15.40代女性 ネフローゼによる浮腫 経過良好

 

16.20代女性 咽喉の違和感(ヒステリー球様) 経過まずまず良好

 

17.20代女性 中等度のアトピー性皮膚炎、ADHD 経過まずまず良好

 

18.60代男性 動揺性の眩暈、頭重 少し緩解して横ばい

 

19.30代男性 切れにくい慢性の痰 経過まずまず良好

 

20.30代男性 糖尿病、高血圧 経過良好

 

 

・・・まあ、ほんの一部になりますが、こんな感じです。

 

 

こういう日々であります。

 

 

全ての症例において「経過良好」と書けるように、今後も精進します。

 

 

 

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再び往診へ

2018.07.12

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先日、癌が見つかった患者さん。

 

癌が見つかった 参照

 

 

腹腔鏡での、簡単な切除手術を終え、1週間ほどの入院から帰ってきた。

 

 

何でも、手術した日から歩くように言われて、入院中も積極的に軽い歩行運動を勧められたそうだ。

 

 

その方が傷の治りが早い、とのことで。

 

(最近はそういうもんなんですな。(゜レ゜)・・・まあ、モノによるだろうし、賛否分かれそうだけど。)

 

 

で、本日再度往診に伺ってきたが、慎重に診たけど、特に変わった様子はなかった。

 

(じゃっかん陽分に邪が浮いたかな。)

 

 

まあ、術前との違いがあるとすれば、大ケガをした人の反応と似ていたね。

 

(手術後の患者さんを診るといつも感じることなんだけど)

 

 

怪我をすると、出血します。

 

 

手術しても、出血します。

 

 

東洋医学の言う、血脈(血管)から出血、漏出した血のことを「離經の血」と呼んで、一種の瘀血(おけつ)と考えます。

 

「血」って何ですか?(その10)

「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について

カテーテル検査後の内出血   参照

 

 

この瘀血が、手術した部位の気血の通行を阻害します。

 

 

五臓では、血とのかかわりの深い、心の臓肝の臓の働きを主に阻害します。

 

「心」って何ですか?(その7)

「肝」って何ですか?(その13)    参照

 

 

だからこの瘀血を散らすように持っていきます。

 

 

もともと、この患者さんは、癌としての症状は何もなく、健診で判明したもの。

 

 

たまたま見つけたから、拡がる前に取ろう、という考え方です。

 

 

僕はもちろん、医師と、患者さんのその判断は尊重したいと思います。

 

 

あるのが分かってて放置するのは、誰だって気持ち悪いし怖いです。

 

 

・・・で、最大限尊重しつつ、どの局面においても、冷静に東洋医学の見地から、出来ることを行います。

 

 

本当はこういうのを、西洋医学と、密に連絡、連携とりながらやりたいんだがねえ。。。orz

 

 

 

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脈診メモ(邪崇:じゃすい)

2018.05.27

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「異常な病」「不可解な病」というのがある。

 

 

昔からあるらしい。

 

 

そういうものを昔は「邪崇」とか、「鬼病」とか言った。

 

 

これは、脈で言えば

 

1.脈状が一定しないもの

 

2.病態と脈状が合わないもの

 

と考えるらしい。

 

 

悪鬼が憑いたとか、狐魅が憑いたとか言ったりしたようだが、『脈法手引草』によれば、大概は心気の虚+痰だという。

 

 

臨床家として、実に納得できます。

 

「怪病多痰(かいびょうたたん)」という言葉   参照

 

 

 

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「アーユルヴェーダ」とは

2018.04.12

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昨日、「ユナニ医学」を紹介したので、ついでに「アーユルヴェーダ」についても紹介しておきましょう。

 

「ユナニ医学」とは   参照

 

 

「中国医学」「ユナニ医学(ギリシャ・アラビア医学)」「アーユルヴェーダ(インド医学)」、この3つのことを「世界三大伝統医学」なんて言うそうですね。

 

(因みにチベット医学を入れて「四大伝統医学」とする考え方もあるようです。)

 

 

世界中にある伝統医学の中でも、特に価値が高いもの、代表格、ということでしょう。

 

 

「アーユルヴェーダ」とは、Wikipediaによれば、寿命、生気、生命を意味するサンスクリット語の「アーユス」と、知識、学を意味する「ヴェーダ」の複合語だそうです。

 

(まあ、「生命の学問」って感じでしょうか。)

 

 

五大(5つの祖大元素:地水火風空)からなるヴァータ(風)、ピッタ(胆汁・熱)、カパ(粘液・痰)トリ・ドーシャ(3つの体液、病素)のバランスが取れていること、

 

また、食物の消化、老廃物の生成・排泄が順調で、サプタ・ダートゥ(肉体の7つの構成要素)が良い状態であることをもって健康体と考えるそうです。

 

(やはり伝統医学では、全体のバランスを説くわけですね。)

 

 

治療内容は睡眠改善や食事療法(絶食、あるいは栄養療法)、煎じ薬、瞑想、運動療法とあるようで、使用する生薬は2000~2500もあるそうです。

 

 

この中には、現代医学的に研究されて、動物実験レベルで抗がん作用が証明された、なんていう生薬もあるようです。

 

(伝統医学は、現代の研究家からしたら、研究材料の宝庫でしょうな。。。)

 

 

よく巷で知られているようなオイルマッサージのようなことも、やるのはやるのですが、薬草療法が中心だそうです。

 

 

「インド式オイルエステ=アーユルヴェーダ」みたいな認識は間違っています。

 

 

また、占星術に基づいてマントラ(呪文)を唱える、というような霊的な治療も行うようです。

 

 

また、アーユルヴェーダは医学のみならず、生活の知恵、生命科学、哲学の概念も含んでおり、病気の治療と予防だけでなく、より善い人生を目指すものだそうで、

 

健康の維持・増進や若返り、さらには幸福な人生、不幸な人生とは何かまでを追求するそうです。

 

(まあ本来、医学というのはこうあるべきではないでしょうか。)

 

 

歴史的には紀元前、数千年前から始まっているようですが、歴史上、インド国内でのイスラム勢力の台頭の時代などにユナニ医学が台頭し、

 

相対的に衰退した時期もあったようですが、1970年代に至って復興し始め、現代ではアーユルヴェーダ医師(BAMS)の資格は国家資格だそうで、

 

現代医学と並んで治療が行われているようです。

 

 

日本では大正時代以降、徐々にインド医学の研究が盛んになり、1998年には日本アーユルヴェーダ学会が設立された。

 

 

日本ではアーユルヴェーダ医師の国家資格等はないため、医師が行う施設が国内にいくつかあるのが現状とのことです。

 

(もっとガンガンやったらいいのに、と思いますがねえ。。。)

 

 

・・・とまあ、中国医学も、ユナニ医学も、インド医学も、結局は人体の流動するエネルギーに着眼し、各構成要素の機能的バランスを整えることをその眼目としています。

 

 

 

【参考文献】

 

上馬場和夫ほか『インドの生命科学 アーユルヴェーダ』農文協

同『アーユルヴェーダ入門』地球からだブックス

上馬場和夫『やさしいアーユルヴェーダ』PHP

 

 

 

 

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暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 5

2018.02.25

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前回のお話

 

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 2

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 3

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 4   参照

 

 

◆血虚に配慮した、痰濁上擾の鍼灸治療

 

 

前回までで、ザックリではありますが、先日の研修会で先輩が倒れたメカニズムに関して、簡単に仮説を立てました。

 

 

でもまあ、まさにこれが、僕らが頭の中で普段行っていることです。

 

 

痰濁上擾が中心で、背後に血虚もアリ、と考えた場合、どんな鍼灸治療が考えられるでしょうか。

 

 

実際に、今まさに意識不明(人事不省)になっている最中は、まずは意識をつけないといけないので、”気付けの鍼”といわれるやり方がいくつかあります。

 

(専門的には”開竅法”と言ったりします。)

 

 

映画『レッドクリフ』で、気絶した人に対して、鼻の下にある「人中」という経穴をグッと押して意識をつけるやり方が出てきましたが、ああいうのも一つの方法です。

 

 

また、韓国ドラマ『太陽人 イジェマ』なんかでは、麝香の粉末を竹筒で鼻に吹き込んでくしゃみを誘発して意識を付ける、なんていうシーンもありましたね。

 

 

ただ今回の場合は、倒れてすぐに、自然と意識が付きましたから、こういう場合は、再発防止の鍼をすることになります。

 

 

基本的には、このケースで言えば痰濁を下す鍼です。

 

(あえて配穴は言いませんが、『経穴解説』『穴位通鑑』参照です。)

 

 

・・・でも、そこであまりにもキツイ瀉法を加えると、陰血を傷ってしまって、血虚を悪化させてしまう可能性がありますので、陰経の経穴などは極力避けた方がいいとか、

 

血そのものや、血の生成に関与する臓腑と関わる経穴は避けた方がいいとか、選穴にしても補瀉手技にしても、そういった配慮が必要になります。

 

「血」って何ですか?(その10)

補瀉 目次             参照

 

 

・・・で、治療後の排便、排尿、発汗、食欲等の状況に注意を払って、きちんと痰濁が下っているかどうか、血虚が埋まってきているかどうか

 

適宜判断していかなくてはいけません。

 

 

これがうまくいって、その治療を一定期間続けたら、今回と同じような状況にさらされても、暈厥を起こさない体にしていくことが出来るでしょう。

 

 

・・・まあ、これが鍼灸、東洋医学としてのやり方なんですが、実際に目の前で突然バターンと人が倒れた時に、急場で、すぐに意識が戻るものなのか、

 

このまま何年も昏睡状態になってしまうようなものなのか、あるいはそのまま帰らぬ人になってしまうようなものなのか、適切に判断しなくてはいけませんが、

 

この判断は簡単ではないです。

 

 

北辰会方式では、顔面気色と脈で判断することになっていますが、長くなるし専門的過ぎるので、ここでは詳細は述べません。

 

 

急な意識障害には、他にどんなものがあるのでしょう。

 

 

まずは西洋医学的な分類を見てみましょう。

 

 

 

続く

 

 

 

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暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 4

2018.02.17

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前回のお話

 

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 2

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 3   参照

 

 

では続きいきましょう。

 

 

◆暈厥の治療

 

 

前回書いた通り、こないだ先輩の起こした暈厥は、当日の過ごし方、倒れた際の情報から、「痰濁上擾>血虚」である可能性が高そうだ、という仮説を立てました。

 

(あくまで仮説です。)

 

 

・・・これがもし真であれば、どういう治療があり得るでしょうか。

 

 

『症状による中医診断と治療』では、痰濁上擾であれば治療は行気豁痰で、方剤は導痰湯、と出ています。

 

 

方剤については、神戸中医学研究会『中医臨床のための方剤学』によれば、導痰湯は、厳用和(げんようわ 南宋:13世紀)の『済生方』に出て来る方剤で、

 

半夏・天南星・枳実・茯苓・陳皮・炙甘草・生姜を含むもので、清代、程国彭(ていこくほう)『医学心悟』に出てくる、有名な半夏白朮天麻湯と似た方剤なんですが、

 

天南星枳実によって、痰に対する去痰効果は強く、脾虚に対する配慮は薄いものと言えます。

 

 

因みに天南星はサトイモの仲間、枳実はミカンの仲間です。

 

 

身近!!(゚∀゚)

 

 

・・・ですので、この場合、背後に一定の血虚があった可能性が高いので、導痰湯よりも半夏白朮天麻湯の方がいいのかもしれません。

 

 

また、同書には、血虚の場合の治療は生脈散人参養栄湯、と出てきます。

 

 

生脈散は、金元の四大医家の一人である李東垣(りとうえん 1180-1251)の『内外傷弁惑論』に出て来る方剤で、麦門冬・人参・五味子が入っており、

 

気陰を補って脈を生じる、という意味でこの名前がついているようです。

 

金元の4大医家 李東垣(りとうえん)  参照

 

 

これは思いっきり補(扶正)に寄せた薬で、今回のように実が中心の場合は、あまり適さないと思います。

 

 

人参養栄湯は宋代の『和剤局方』に出て来る方剤で、人参・桂枝・地黄・茯苓・白朮・黄耆・当帰・芍薬・甘草・遠志・五味子・陳皮の入ったもので、

 

有名な十全大補湯を少しアレンジして、心の臓肺の臓にも効くように調整された薬だそうです。

 

心・小腸

肺・大腸 参照

 

 

まあこれも、思いっきり補法に寄せた薬なので、今回のような実が中心の場合には適さないと思います。

 

 

・・・そう考えてくると、ここに挙げた薬の中では、半夏白朮天麻湯が一番いいのかな、と読めます。

 

 

まあ僕は薬に関しては全くの門外漢なので、この辺は正直分かりませんが。。。

 

(詳しい先生、ぜひご意見聞かせて下さい。<m(__)m>)

 

 

・・・で、翻ってこれを鍼灸で考えると、色々な経穴が浮かびます。

 

 

裏の血虚に配慮しながら、痰濁を取る、これにはどんな方法があるでしょうか。

 

 

 

続く

 

 

 

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暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 3

2018.02.16

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前回のお話

 

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 2   参照

 

 

では続きいきましょう。

 

 

◆暈厥の弁証

 

 

暈厥には、どんな証が考えられるかというと、以下の通り。

 

1.気虚

2.血虚

3.血気上逆

4.肝陽上亢

5.痰濁上擾

6.暑熱

 

『症状による中医診断と治療』には、以上の6つが挙げられています。

 

(成書によっては、多少多かったり、少なかったりする場合があります。)

 

 

1.2.は虚証、3.4.は肝の病変、5.6.は実証です。

 

 

臓腑では「肝の臓」の異常が中心であり、病態に虚実あり、ということですね。

 

 

だから、一口に暈厥とっても、治療法は、倒れたメカニズムによってそれぞれです。

 

 

もし失敗すれば悪化して、深刻な状態になることも考えられます。

 

 

ですので、やはり「的確な診断」が重要です。

 

 

・・・で、こないだの先輩のケースはどれに該当するかな~・・・、と考えていく訳ですが、ここ(成書)に挙げられているのはあくまでもひな形的なパターンの羅列であって、

 

これらが時には複合的に、あるいはここに書かれていないパターンでも、暈厥は起こってきます。

 

 

ですので、あまり上記の弁証分類に縛られ過ぎて、無理やり当てはめて考えるのも、失敗のもとだったりします。

 

(教条主義を排す、ってやつね。)

 

 

また北辰会方式としては、どういった機序(病因病理)で、上記の証による暈厥に至ったのか、の把握が重要でしょう。

 

(これは、予後にも関わるからです。)

 

 

まあ、あくまでも実際の体表所見、当日の患者像を参考に、何が起こったのかを考えるべきだと思います。

 

 

そういったことを十分に鑑みつつ、慎重に考えると、あの日、その先輩は倒れる直前に、ホテルの豪華な食事を、普段よりも多くとり、普段ほとんど飲まない酒(ビール)も多く飲んでいました。

 

(瓶ビール二本ほどかな?)

 

 

この時点で、脾胃に常ならぬ負担を強いていたことは十分に考えられます。

 

(飲食不節→湿困脾土、湿熱中阻、脾失健運、胃失和降などの”病因→病理”が考えられます。)

 

 

しかも朝から早起きし、熱海への移動疲れもあったことと思いますし、研修会ですから、精神的緊張もあったことと思います。

 

(睡眠不足→気虚や血虚、新幹線での長時間同一姿勢、精神的緊張→肝鬱気滞、気滞血瘀などが考えられますね。)

 

 

しかも倒れる直前に、露天風呂にて長湯をしている。

 

 

長風呂では、肉体的緊張は緩み(理気活血疏肝)つつも、あまりに長ければ、疲労(気虚や血虚)は助長される面があります。

 

 

また、冬場の露天風呂ですから、そこで風寒邪を感受した可能性もある。

 

(その場合は気が急激に上逆傾向になります。)

 

 

ただ、横で見ていましたが、湯舟には肩まで浸かっておりましたし、一緒に入っていて、そこまで風も強くなく、冷たい風を受けていた感じはしませんでしたね。

 

(そして、風呂から上がった瞬間、一瞬”左に”フラッとよろめいたのが少し気にはなりました。)

 

 

風呂場での会話にも特に参加しておらず、そこで何か七情が乱れるようなことはなかったのではないかと思います。

 

(これは推測ですが。)

 

 

その後、脱衣所で急に後ろにバターンと倒れた時、すぐさま駆けつけて脈を診ていた先生が、

 

「沈んで細くて堅いけど、力はあります。重按がやや弱いです。」

 

と仰っていました。

 

 

この脈は、その後すぐに意識がついた時、その瞬間に、緩みながら浮いてきたそうです。

 

 

ここで、気虚や血虚の暈厥では、顔面蒼白、脈無力が特徴で、肝の病変や暑熱では顔面紅潮が特徴ですが、顔色としては、土気色、という感じで、蒼白でも紅潮でもなかったですね。

 

 

 

また、血虚で倒れると、目が落ちくぼんで輝きがない、というのが特徴のようですが、倒れた瞬間、目は一点を見つめ、妙にギラっとしていました。

 

 

血気上逆では歯を食いしばるのが特徴ですが、口は開いて、歯は食いしばっていなかったです。

 

 

倒れた時に上腹部を触った先生は、極端に冷えていたと仰っています。

 

 

また、ご本人が意識がついてから、

 

「倒れる寸前に悪心がして、気付いたら倒れていた。」

 

と仰っています。

 

 

舌診は、意識がついてすぐの舌は舌背が紫暗、舌腹は淡白傾向、特に舌下静脈が淡白気味だったようです。

 

(血虚と瘀血の所見が両方出ていますが、血虚が本と診てとれますね)

 

 

これらの情報を総合すると、成書の分類からいけば、5.の痰濁上擾が中心でありつつも、背後に若干、2.の血虚があるのでは??となります。

 

 

さて、これを治療して、今後同じ状況にさらされても、暈厥を起こさない体にするにはどうしたらいいでしょうか。

 

 

 

続く

 

 

 

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暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学 2

2018.02.15

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前回のお話

 

暈厥(一過性の意識障害)と東洋医学   参照

 

 

では続きいきましょう。

 

 

◆暈厥の定義

 

 

『症状による中医診断と治療 上巻』によれば、「暈厥」の定義は

 

突然意識が消失して四肢が冷え、一定時間のうちに覚醒して、失語、顔面麻痺、半身不随などの後遺症を伴わないこと

 

だそうです。

 

 

東洋医学のバイブルといっていい、『黄帝内経 素問』「生気通天論(3)」に、「薄厥(はくけつ)」という熟語で登場します。

 

 

そしてこれは後世になって、

 

「鬱冒(うつぼう)」

「気厥(きけつ)」

「血厥(けっけつ)」

「痰厥(たんけつ)」

「食厥(しょくけつ)」

「暑厥(しょけつ)」

「酒厥(しゅけつ)」

「昏厥(こんけつ)」

「昏暈(こんうん)」

「昏仆(こんふ)」

 

などと呼ばれています。

 

(なげえ~~ ありすぎ~~~)

 

 

あれこれと紛らわしいんですが、要は、意識障害を起こした原因(病因)や、その病態によって、名前を呼び分けているようです。

 

 

ともかく、暈厥というのは、「一過性の意識障害」のことを言います!!(・ω・)ノ

 

 

暈厥の暈の字は「眩暈(げんうん):めまい」で有名なんですが、通常、めまいには意識障害は伴いません。

 

 

暈厥の「厥」の字は、ちょっと大事なので後で詳しく書きます。

 

 

また、暈厥は「神昏(しんこん):意識障害が長く続くもの(昏睡状態)」とは、病態が違います。

 

 

また、私の親戚が、ずいぶん前に脳腫瘍で倒れた時に起こした

 

「癲癇(てんかん:単に癇(かん)ともいう)」

 

でも、一過性の意識障害はありますが、この場合は四肢痙攣、牙関緊急(強く噛み締め、閉口してしまう)、口から泡を吹くなどの証候を伴い、

 

これも暈厥とは区別します。

 

 

 

続く

 

 

 

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