東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「百会」の不思議

2019.01.27

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こないだ、勉強会で、面白いことがあった。

 

 

まあ最近はすっかり立春前、という感じがハッキリしてきました。

 

 

こんな大都会東京でも、敏感な患者さんの中には、体の変化、風や日差しの変化に気付く人もいるようです。

 

 

この時期、足厥陰肝経の終末であり、「三陽五会」とも「百脈が朝会する処」とも言われる「百会」穴が大活躍します。

 

 

こないだの勉強会で、

 

「足が冷えて頭が逆上せる」

 

という人がいました。

 

 

百会穴に鍼をすると、爽やかにのぼせが下がる感覚があって、足が温もる。

 

 

また、

 

「体が火照って熱い」

 

という人がいました。

 

 

百会に鍼をすると、全身が涼やかに冷えて、気持ちがいいという。

 

 

同じ経穴に同じように鍼をしても、ある時は温まったり、ある時は冷えたり。

 

百会大活躍☆

「百会(ひゃくえ)」という経穴 5     参照

 

 

 

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「腹哀」という経穴 ②

2019.01.25

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前回のお話し

 

「腹哀」という経穴 ①     参照

 

 

◆「哀」をどう考えるか。

 

 

360以上ある経穴のうち、「哀」という文字が使われているのは「腹哀」一穴のみです。

 

 

経穴の名前に「哀しい」「哀」とはどういうことかと、それだけでも興味をそそります。

 

 

東洋学術出版社『針灸経穴辞典』によると、

 

「哀」は泣き叫ぶという意味があり、腹痛の際に腹鳴が泣き叫ぶように聞こえるからこの名がついた

 

とあります。

 

(マジかいな(笑))

 

 

燎原『針灸経穴名の解説』によれば、上記の説明とともに、『春秋繁露』の、

 

哀気は太陰となし、季節は冬に当たる」

 

という文を引用し、

 

従って哀気は陰を主とし、陰は閉結しやすいので腹痛、消化不良、大便膿血を主とする

 

と説明しています。

 

(これは少し臨床的ですね)

 

 

近代文藝社『鍼灸経穴名の解釈と意義』によると、上記以外の解釈として、『会元針灸学』という本から引用し、

 

「哀」は乞い求めること、腹は脾胃の消化吸収の働きを乞い求めることからこの名前がついた

 

と、分かったような分からないような説明が書かれています。(苦笑)

 

 

また、上記の説明は全て青島出版社『中国針灸穴位通鑑』にも記載されていました。

 

(中国語だけどね。引用文献の漏れのなさでは、やはり経穴書の王様です。誰か完訳版書かねえかなー♪(*‘∀‘))

 

 

因みに『中国針灸穴位通鑑』には、『釈名・釈義語』から引用して「哀は愛なり」という、なんかカッチョイイ解説もありました。(笑)

 

 

昨日書いたように、僕が以前から着眼していた、「腹哀」穴の”横並びに重要経穴多いよね”問題に着眼している解説は、上記各書には残念ながらなかったが、

 

なんと先日紹介した『経穴名辞攷』には、このことがバッチリ書かれていた。( ゚Д゚)

 

『経穴名辞攷』    参照

 

 

小田規矩之介先生と、着想がカブっていたことが嬉しかった。(笑)

 

 

 

続く

 

 

 

 

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明日で大寒

2019.01.19

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二十四節気、明日で「大寒」ですね。

 

「大寒」を含む記事 参照

 

 

過去記事を読むと、2011年から、この時期になると春を感じ、何かしら書いていることが多いね。(笑)

 

 

大寒になったということは、立春の前であり、こないだも書いたが、「冬の土用」に入っていることを大いに意識するべきです。

 

(特に東洋医学の臨床家は。)

 

春がすぐそこに来ている。。。    参照

 

 

秋冬の陰から春夏の陽へ、陰陽が大きく変動する時です。

 

 

当然、それの影響を人体は受けますので、人それぞれに変化を感じます。

 

 

場合によっては崩れます。

 

 

その崩れ方の一つが、インフルエンザの大流行だったりするわけです。

 

インフル狂騒曲    参照

 

 

 

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東京衛生学園での講義が終了!!

2018.11.15

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今日は朝から早起きして大森へ。(笑)

 

 

東京衛生学園、臨床教育専攻科でのラスト講義です。

 

 

約10年前、2009年に私も出た専攻科は、今年の26期の学生で募集を停止。(T_T)

 

 

今後、復活するかどうかは「?」だそうです。

 

 

寂しいですが、仕方ないですね、時間の流れです。

 

 

全国の多くの鍼灸学校が定員割れしている状況、また、鍼灸師の質の低下、という状況を受けて、来春から、鍼灸学校のカリキュラムが大幅に変わります。

 

 

実技の時間が増え、座学の時間も増えます。

 

 

ということは、それを回せるだけの講師数を確保できない学校、特に2000年以降設立された新設校のいくつかは、廃校になっていくでしょう。

 

 

・・・となると、学校そのものが減るわけだから、今後は教員への求人も減る。

 

 

だから今後は、無理に教員養成科を存続しても・・・、という感じなのかもしれませんね。

 

 

まあ今日は、最後に相応しく「公開臨床ノーカット版」で暴れてきました☆

 

 

二週に渡って、ずいぶん叫んできたので、鍼灸学校の教員の卵たちに、何かが伝わったんじゃないかと思います。(笑)

 

 

・・・で、終わってから院に戻って、相変わらずリアルガチ臨床。

 

 

やっぱ、リアルガチ鍼灸臨床が一番好きだわー。(゚∀゚)

 

 

 

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日本東洋医学会 東京都部会に参加してきました!!

2018.11.13

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11.11の日曜日は、日本東洋医学会、東京都部会に参加してきました!

 

(終了後、北辰会関東支部定例会にも参加してきました!!)

 

 

今回は、先日このブログで一貫堂医学、森道伯先生に関する記事を書いたときに何度か連絡を取らせていただいた矢数芳英先生が一貫堂医学について語るということで、

 

お誘いいただき、楽しみにしていました。

 

墓マイラー 52 森道伯先生

森道伯という人物

一貫堂医学について 10(患者の死と道伯先生の臨床)     参照

 

 

この日は朝から女子医大の東洋医学研究所の所長である伊藤隆先生による、藤平健先生に関する講義。

 

 

藤平健先生に関しては、以前少し触れました。

 

「四逆散」というお薬 8

墓マイラー 20 尾台榕堂先生

尾台榕堂という人物

丸山昌朗という人物             参照

 

 

藤平健先生は、千葉古方、奥田謙蔵先生の流れをくむ、昭和漢方界を支えた重鎮の先生の一人です。

 

(千葉大の和漢診療科のHPに詳しい紹介ページがあります。)

 

 

声が聴き取りやすく、内容も難しくなく、藤平先生の併病理論がよく分かる、非常に聴きやすい講義でした。

 

 

2コマ目は日本東洋医学会の元会長である松田邦夫先生による和田東郭先生のお話し。

 

 

松田邦夫先生も、一貫堂処方のもとの一つにもなっている、あの『万病回春』を現代語訳されており、今回初めて話を聴けるので楽しみにしていました。

 

 

因みに和田東郭先生といえば、今でもよく使われる四逆散、抑肝散の使い手として有名です。

 

 

このブログにも何度も登場しています。

 

和田東郭という人物

和田東郭の言葉

「和田東郭」を含む記事     参照

 

 

松田先生は盛んに、患者の精神面、医師の精神面など、「心持の大事」を、和田東郭の臨床を通じて説いているように思えました。

 

 

蓮風先生もそうですが、やはり大ベテランになると、「心持ち」をこそ重視するようになるのかなあ、と思いましたね。

 

 

3コマ目は昭和大学の薬学部の教授である川添和義先生による生薬に関する講義。

 

 

大変聴き取りやすい講義で、スライドも見やすく、そういう意味で非常に参考になりました。

 

(サスガ大学教授、人気の講座を持っているんだろうな、という感じがしました。)

 

 

僕は漢方に関しては、必要な患者さんに関しては、「漢方臨床専門数十年」の、ゴリゴリの漢方家の先生を紹介して、一切お任せする主義なので、

 

細かいことは正直あまり分からないのですが、メーカーによって、同じ名前でも内容物や内容量が違うというのは、使う側からすると大変だろうなあ、

 

と思いました。

 

 

そして最後は矢数芳英先生による「一貫堂医学」に関する講義。

 

 

矢数芳英先生は、森道伯先生の弟子で、昭和の日本漢方界の巨人である矢数道明先生の御令孫です。

 

矢数道明という人物

墓マイラー 28 矢数道明先生   参照

 

 

講義の中で仰っていたように、矢数先生のハングリー精神を感じる、非常に分かりやすい講義でした。

 

 

森道伯先生は、結核と脳卒中の治療に苦戦した、それをどうにか予防できないか、ということで発案されたのがいわゆる一貫堂医学である、

 

また、矢数家が森道伯先生と関わるきっかけとなった、矢数格先生がマラリアの治療を受けた五積散の使い方や、芳英先生自身の奥様の荊芥連翹湯の症例など、

 

聴きどころがたくさんあり、あっという間に時間が経ちました。

 

 

また今回は、来年の日本東洋医学会の会頭でもある花輪壽彦先生とも、少しお話が出来ました。

 

 

今後、東京都内でも、清明院のように東洋医学をやっている数少ない鍼灸院と、漢方家の先生方で手を組んで、患者さんの益になる治療がドンドン出来たらいいですね。

 

 

医師と鍼灸師の間にある、見えない壁のようなものは、こちらから積極的に取り払っていこうと思います。

 

 

そして終了後は北辰会へ。

 

 

今回の飲み会では、S先生がいつも以上に冴え渡っていました☆(^^)

 

 

 

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一貫堂医学について 7(スペインかぜの治療)

2018.09.15

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これまでのお話・・・

 

墓マイラー 52 森道伯先生

森道伯という人物

一貫堂医学について 1(三大体質五大処方)

一貫堂医学について 2(瘀血証体質について)

一貫堂医学について 3(臓毒証体質について)     

一貫堂医学について 4(解毒証体質について)

一貫堂医学について 5(解毒証体質の続き) 

一貫堂医学について 6(温清飲について)       参照

 

 

 

さて、マニアックな話、ドンドンいきましょう。

 

 

ドンドン読者を置いていきます。

 

 

そしてみんな離れていって、終いには一人になりそうです。(爆)

 

 

・・・ともかくここまで、一貫堂医学における「三大体質・五大処方」について書いてきました。

 

 

よく勘違いされがちなこととして、

 

「一貫堂って、全ての患者を3つの体質に分類するんでしょ?それも全部実熱でしょ??そんなん、無理あるっしょ~~!!(;’∀’)」

 

というミスリード。

 

 

普通に考えて、そこだけ切り取って、名医・森道伯を語れる訳ないですね。(・ω・)ノ

 

 

矢数道斎(格)先生のまとめた『漢方一貫堂医学』には、森道伯先生のほぼ晩年の3年間のカルテに使った方剤が集積して一覧表にしてありますが、

 

当然ながら「それ以前の」数十年がある訳です。(笑)

 

 

まあ、色々な症例やエピソードがあると思うんですが、有名なのは「スペインかぜVS森道伯」のエピソードでしょう。

 

 

まず「スペインかぜ」を簡単に説明しますと、1918年~1919年(大正7年~8年)にかけて起こった、アメリカ発の強毒性インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)です。

 

 

アメリカ発なのにスペインかぜと呼ぶのは、情報源がスペインだったから、だそうです。

 

 

ちょうどこの時は第一次世界大戦(1914~1918)の末期であり、このスペインかぜが大戦を早期に集結させた要因の一つである、という見方もあるぐらいの大事件であったようです。

 

 

そのくらい被害は大きく、全世界で5億人が感染、死者は5千万人~1億人、とも言われています。

 

 

日本にも被害が広がり、現在タレント論客として活躍している竹田恒泰さんの曾祖父君にあたる竹田宮恒久王をはじめ、多くの日本人が感染しました。

 

 

この時、森道伯先生はスペインかぜを3つに分類し、

 

胃腸型・・・香蘇散+茯苓・白朮・半夏

 

肺炎型・・・小青竜湯+杏仁・石膏

 

脳症型・・・升麻葛根湯+白朮・川芎・細辛

 

で治療し、たいへん効果を挙げたそうです。

 

 

これらも、現在でもよく使われる、割かしなんてことない処方なんですが、この処方からしても、決して実熱のみを重視していたなんて思えません。

 

 

スペインかぜの弁証論治を、非常にシンプルな形に落とし込んだように見えます。

 

 

因みに各方剤の出典は、

 

香蘇散は北宋の国定処方集である『和剤局方』

 

小青竜湯は後漢の張仲景(150?-219)による『傷寒論』

 

升麻葛根湯『閻氏小児方論』という本が出典で、有名な葛根湯の変方かと思いきや、やや似て非なる配合の薬です。(笑)

 

 

僕のPCに入れてある『東洋医学辞書』では

 

葛根湯は葛根5.0・麻黄・大棗各4.0・桂枝・芍薬・生姜各3.0・甘草2.0

 

升麻葛根湯は葛根5.0・芍薬3.0・升麻・乾生姜各2.0・甘草1.5

 

と出てきますが、『中医臨床のための方剤学』では

 

葛根湯は葛根12g・麻黄、生姜9g・桂枝、炙甘草、白芍、大棗6g

 

升麻葛根湯は赤芍6g・升麻、葛根、炙甘草3g

 

と、ずいぶん違います。

 

 

こういうの(同じ方剤名でも時代や文献で構成生薬が違う)も、方剤学のややこしいところですね。(苦笑)

 

 

まあともかく、

 

 

香蘇散風寒表証+気滞の薬で、現代ではストレスからくる肩凝りだの胃もたれだのといった、肝鬱肝胃気滞によく使われる薬です。

 

 

小青竜湯風寒表証+脇下の水飲の薬で、現代では「くしゃみ三回小青竜」な~んていう、実に胡散臭い謳い文句があって、花粉症によく使われる薬なんですが、

 

何も考えずに長期服用すれば徐々に内熱が籠っていき、別の病を形成します。(~_~;)

 

 

西洋薬と比べて、副作用がなくて眠くならないから助かるわ、な~んつって、冬から春に長期服用している患者さん、ホントに多いです。

 

 

升麻葛根湯は、小児の麻疹(はしか)の薬として有名で、肺胃の熱毒を叩く薬です。

 

 

これらを強毒性のインフルエンザに巧みに応用した訳ですね。

 

 

・・・まあいずれにせよ、よく後世派と言われる一貫堂ですが、古方派の使うような方剤も臨機応変に臨床応用していたことが分かります。

 

(そういえば後世派、古方派についても書いてなかったですね。いい機会なんでこれが終わったら書きましょう。)

 

 

次回、感染症に対する東洋医学の考え方を書きます。

 

 

 

続く

 

 

 

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一貫堂医学について 4 (解毒証体質について)

2018.09.12

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これまでのお話・・・

 

一貫堂医学について 1

一貫堂医学について 2

一貫堂医学について 3     参照

 

 

 

さて、今日は三大体質の3つ目、解毒証(げどくしょう)体質について掘り下げます。

 

(矢数先生・・・、このネーミング、”臓毒証”と紛らわしいんすけど。。。(苦笑))

 

 

一貫堂の言う解毒証体質とは、四物黄連解毒剤がフィットする体質のことを言うそうです。

 

黄連解毒湯”解毒”という言葉をとって”解毒証体質”と呼ぶことにしたんだそうです。)

 

 

「四物黄連解毒剤」とは、「四物湯」「黄連解毒湯」を合わせた薬のことで、現代日本の薬局等でも簡単に手に入る「温清飲」というお薬のことです。

 

 

簡単に言えば、黄連解毒湯は火熱を取る清熱材、四物湯は血を補う補血剤、この二つを組み合わせた薬が「温清飲」です。

 

 

・・・で、一貫堂医学の言う「解毒証体質」”毒”とは、第一に「結核性毒」のことを言うんだそうです。

 

 

ここで、普通の中医学を学んできた者にとっては

 

「へ?黄連解毒湯の毒が結核毒??なんのこっちゃ??」

 

となるのが普通だと思いますが、この時代の結核は、予防も治療も、非常に重要な病でした。

 

 

国民皆保険もなかった時代、歴代の有名な鍼灸家、漢方家の先生の中には、当時西洋医学が治せなかった結核を、鍼灸漢方で治してもらったのをきっかけに、

 

鍼灸医、漢方医になったという先生がたくさんおられるようです。

 

 

大正、昭和初期の時代の医師にとって、結核を如何に予防するか、なってしまったら如何に治すか、これが非常に大事なポイントだったんでしょうね。

 

『日本の結核流行と対策の100年』森亨     参照

 

 

そしてこの「解毒証体質」は、年齢によって3つの方剤を使い分けるようです。

 

 

すなわち、小児期は柴胡清肝散、青年期は荊芥連翹湯竜胆瀉肝湯を使い分ける、といった感じです。

 

 

まず柴胡清肝散ですが、これは各時代の書物によって微妙に生薬の配合が違うようですが、一貫堂では上記の温清飲桔梗、薄荷葉、牛蒡子、天花粉を加えたものだそうで、

 

要するに「肝経、胆経、三焦経の3つの経絡の風熱邪を叩く薬」なんだそうです。

 

 

これらの経絡が喉頭、頚部、耳周辺を流注することから、ここに熱を籠らせないようにし、扁桃炎、中耳炎を起こさせないようにすることが、

 

幼児期の結核を予防、治療する上で非常に重要と考えたのでしょう。

 

 

次に荊芥連翹湯ですが、これも柴胡清肝散の変法であります。

 

(構成生薬の詳細は、ちょっと複雑なのでここでは省略します。)

 

 

これは何を狙っているというと、解毒証体質の場合、小児期は扁桃炎や中耳炎を起こしやすいが、青年期になると蓄膿症を起こすようになると考え、

 

柴胡清肝散肝経、胆経、三焦経を狙っているのに対して、より「陽明経(顔面部)の風熱邪にターゲットを寄せている」のだそうです。

 

(要は上の横か、上の前か、です。)

 

 

最後に竜胆瀉肝湯ですが、これも歴代の医家によってそれぞれ生薬の配合が異なるようですが、一貫堂処方では、

 

「肝を瀉して水邪を捌き、肝を瀉す力を四物湯で少し緩めている方剤」

 

と、言うことが出来るようです。

 

 

解毒証体質者の場合、淋病や睾丸炎、外陰部の炎症など、下焦を病むことも多く、一貫堂処方の竜胆瀉肝湯は、その治療、予防のために長期服用も可能な体質改善薬であるそうです。

 

 

まあここまでを簡単にまとめれば、柴胡清肝散であれ、荊芥連翹湯であれ、竜胆瀉肝湯であれ、一貫堂が解毒証体質に用いる薬の大本は「温清飲」なわけです。

 

 

・・・で、「温清飲」は清熱解毒の「黄連解毒湯」+補血の「四物湯」です。

 

 

「黄連解毒湯」の初出は752年、王燾(おうとう 670?-755)が著した『外台秘要』「四物湯」の初出は1110年頃、北宋の国定処方集である『和剤局方』だそうです。

 

 

で、「温清飲」の初出は一貫堂医学について 2で紹介した『万病回春』(1587)です。

 

 

ということは、瘀血証体質通導散も、解毒証体質の諸薬の大本である温清飲も、出典は『万病回春』ということになります。

 

 

また、臓毒証体質防風通聖散も、『万病回春』の中には何カ所も出てきます。

 

 

森道伯先生も、江戸期の和田東郭原南陽と同じように、中国明代、龔廷賢の書物である『万病回春』をかなり読みこんでいたことが分かりますね。

 

 

多くの名医が読んだ『万病回春』、現代で東洋医学を行う者として、避けて通れないでしょう。

 

 

 

長くなったんで続く

 

 

 

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一貫堂医学について 2 (瘀血証体質について)

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前回、一貫堂医学の基本中の基本である、「三体質・五処方」を紹介しました。

 

 

今日はこのうちの「瘀血体質」なるものについて少し掘り下げましょう。

 

 

「瘀血」という病理産物については、東洋医学では誰でも知っているような重要な概念で、このブログでもチョイチョイ登場しています。

 

「瘀血」を含む記事 参照

 

 

まあ要するに、「使いもんにならん、停滞した血(けつ)」のことです。

 

 

あらゆる病気、症状に関わり、あらゆる病気、症状を治りにくくする、病理産物であります。

 

 

一貫堂医学では、これを叩くことを治療、予防の3本柱の一つとして、非常に重視してるわけです。

 

 

一貫堂のいう瘀血体質というのをもう少し詳しく述べると、要は「体内に停滞した血液を持っている者」のことであり、血液の多くは腹部にあることから、

 

腹部、それも下腹部、骨盤内(それも左側)に瘀血が停滞しやすい、特に閉経後や月経不順のある婦人に多いと考え、皮膚の色、脈診、腹診などで判断するようです。

 

(皮膚は赤ら顔、爪は暗赤色、あるいは貧血して黄白色、脈は細実、腹は臍周に緊張、腹直筋が緊張など)

 

 

瘀血体質の患者がかかり易いのは脳溢血、片麻痺、喘息、胃腸病、肝臓病、肺結核、痔疾、淋疾、精神疾患、婦人病などなど、とのことです。

 

(幅ひろー(゜o゜))

 

 

・・・で、これらを通導散加減で治療します、と。

 

 

通導散というのは、中国明代、16~17世紀を生きたと言われる龔廷賢(きょうていけん 生没年不詳)の著作である『万病回春』に所収されている処方で、

 

現代でも超有名な駆瘀血剤(瘀血を取り去る薬)です。

 

 

この『万病回春』は、江戸時代の日本人の医師に広く読まれた古典であり、極めて実践的な内容で、あの和田東郭や、原南陽も高く評価しているそうです。

 

和田東郭という人物

「原南陽(はらなんよう)」という人物   参照

 

 

つい最近、1989年になって、大塚敬節先生の指示を受けた松田邦夫先生全訳解説本を出版されたことでも知られています。

 

 

この通導散は、『傷寒論』の陽明病の薬として有名な大承気湯当帰、紅花、甘草を加えた加味承気湯に、さらに蘇木、枳殻、陳皮、木通を加えたもので、

 

気の停滞、瘀血を取り去る力の強い薬です。

 

『万病回春』の原文には”童便、黄酒各一鍾で温服すべし”とありますが、”童便”ってまさか。。。( ;∀;))

 

 

・・・で、私は鍼師ですので、さてこれを、鍼でやるならどうするか、という問題にぶち当たる訳ですが、北辰会では瘀血証には三陰交、膈兪、血海、臨泣などを瀉法で使いますが、

 

通導散のイメージに一番近いものとなると、この中では臨泣でしょうかね。。。

 

 

 

ただし「上手にやれば」ですね。(ΦωΦ)

 

 

 

続く

 

 

 

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(一社)北辰会エキスパートコースに参加してきました!!

2018.09.04

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9.2の日曜は、大阪で行われた(一社)北辰会エキスパートコースに参加してきました!!

 

 

今回は午前中は実技。

 

 

古参の講師である「太陽堂鍼灸院」院長、高木幸二先生に、ちゃっかり治療してもらっちゃいました☆

 

 

高木先生は、約30年前の、藤本漢祥院の内弟子です。

 

 

ほぼ、北辰会の生き字引です。

 

 

ガタイのデカい、声のデカい先生ですが、鍼や診察は非常に繊細で、分かりやすいです。

 

 

今回も非常に勉強になりました。

 

 

午後は大阪で「鍼灸 大仙堂」を開業されている山本克仁先生による講義「問診情報の、弁証への繋げ方」

 

 

北辰会では初診時に1時間以上かけて、症状だけでなく、生活状況や体質についてなど、色々な情報を聴取します。

 

 

でも、そうやって苦労してとった情報を、弁証(診断)に結び付けないとゼロ意味です。(笑)

 

 

今回、それをどうやって結びつけるか、非常に丁寧に講義して下さいました。

 

 

最後は若手のホープ、「藤本玄珠堂 武庫川分院」院長である松本賢一先生による症例発表「アトピー性皮膚炎」

 

 

藤本玄珠堂と言えば、私も昔から非常にお世話になっている、藤本新風先生の鍼灸院です。

 

 

そこの分院長である松本先生。

 

 

真横(座長)に本院長がいるという、極限の状況下での発表でした。(笑)

 

 

生まれつきのアトピー性皮膚炎という、決して簡単とは言えない病気に、鍼一本で、たいへんよく頑張っている症例だと思います。

 

 

初診は今年の春であり、まだまだ経過の短い症例ですから、これから数年かけるつもりで、キッチリ根本から治してあげて欲しいと思いますね。

 

 

そして終わった後は酒。。。

 

 

今回はドクターや薬剤師の先生方と、漢方トークが爆発しました。

 

 

北辰会の症例カルテには、あらゆる勉強のネタが詰まっています。

 

 

 

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「肺胃不和」という証

2018.08.16

20180806_191016.JPG

 

 

 

 

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さて連休明け、さっそくガンガンやっております!!

 

 

清明院には、1年中、「咳」を訴えて来院される患者さんが見えます。

 

「咳」を含む記事 参照

 

 

春先はのぼせて咳が出る、夏はクーラーで咳が出る、秋は乾燥で咳が出る、冬は風邪ひいて咳が出る。

 

 

・・・ってな感じ。

 

 

咳と言えば当然、東洋医学的にも最終的には

 

「肺の臓」

 

の病変なのですが、

 

「なぜ、肺の臓の病変が起こっているのか」

 

という「病因」と、そのメカニズム(機序)である「病理(病機)」を明確にしないと、上手に治療できません。

 

「病因病機」を含む記事

「病因病理」を含む記事 参照

 

(まあこういうこと言うと、アタマ固い人からあいつは疾医だ!対症療法ヤローだ!!って言って突っ込まれたらヤなんですが。。。)

 

 

患者は咳を止めてくれって言ってきてんだから、普通に考えて、まずは咳を止めることを全力でやるべきでしょ。

 

(もちろん体質と病因病理を踏まえてね。)

 

 

でもそこで、肺の臓に関する経穴ばっかり触っててもダメ、ということです。

 

 

・・・まあともかく、肺の臓の病変と言っても、色々あります。

 

 

「肝の臓」からくるもの、「腎の臓」からくるもの、「心の臓」からくるものなどなど。。。

 

 

その中で、意外と多いのが「胃の腑」の異常と関係しているものです。

 

 

かつてこのブログで述べたように、東洋医学の言う「胃の腑」というのは、「五藏六府」の中の「六腑」の一つであり、人体の中央(中焦)のど真ん中にあり、

 

「脾の臓」と一体化したような形で、飲食物(水穀の精微)の消化吸収とともに、気血の上下の昇降を調節しているという重要な働きを持ちます。

 

 

久々に言うけど、「肺の臓」はLungじゃないし、「胃の腑」はStomachではないことに大大大大前提として注意を払ってもらいたいです。

 

 

肺の臓と胃の腑は、気の生成に深く関わりますが、気の昇降運動のうちの「降」に大きく関わります。

 

 

その働きのことを、肺では粛降(しゅくこう)、胃では和降(わこう)なんて言われます。

 

 

この二つの臓腑の協調性が悪くなったものを「肺胃不和」なんて言います。

 

(夫婦関係の不和の”不和”です。)

 

 

この、気の昇降出入のうちの「降」に異常をきたした、というのが、「咳」という病変に対する、一つの東洋医学的な考え方です。

 

 

 

続く。

 

 

 

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