東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「春」と「木」と「風」と「肝」

2011.02.08

立春を過ぎれば、

「暑さ寒さも彼岸まで」

なんて言葉が、患者さんとの会話の中に混ざるようになってきて、ぼつぼつ春到来の予感でございます。

立春!!
三寒四温
ちょっとした養生法 参照

 

今日はえらく寒いし、夜には関東でも雪が降るなんて言ってるけど、昨日やおとといなんかは、意外と寒くなかったですよね。

 


また、昨日はけっこう風が吹いていましたが、その風の冷たさ、吹き方が真冬のそれとは随分違ってきたなあ、ということに、敏感な人は気付いたことでしょう。



春→夏→秋→冬→・・・
という季節の循環は、昔からある程度一定であります。

 


東洋哲学では、この「四季」の循環に応じて、人体にどういう影響が起こるかを、非常に理論的に考察しています。

 


なぜならこれは日本人、中国人が農耕民族であったからではないか、というのは、多くの学者さんが指摘するところです。

 


・・・という話を、このブログでも何度か書いています。

雨はなぜ降る?
「東洋医学」と「数学」
「清明」について    参照

 


・・・農耕民族にとって、その年の気候の変化をなるべく正確にうかがい知る、予測する、ということは、その年の収穫の多い少ないを決定づける事項であるため、

 

まさに死活問題であったワケです。

 


まーそれはともかく、1年のうちで「春」という時期は、五行で言うと「木(もく)」に分類され、自然界は樹木が青々と、伸び伸びと繁茂し、

 

また新芽が芽吹く時期でもあります。

 

 


人体も同じように、伸び伸びと繁茂するように気が伸び伸びと動いてくれればなにも問題は起こらないんですが、そうもいかない人にとっては「肝の臓」の働きが必要以上に高ぶりやすく、

 

肝の臓の不調を起こしたり、木の性質を持つ邪気である「風邪(ふうじゃ)」という邪気に侵されやすい時期となる、と考えます。(苦笑)

カテゴリ 「五行」
小麦アレルギー
「花粉症」について(その2) 参照

 


・・・ですのでもともと運動不足や仕事のストレスから「肝の臓」の働きが昂っていることが多い現代人は、この時期、

「肝の臓の働き高ぶり過ぎ病」

とか、

「風邪(ふうじゃ)に侵された病」

になってしまうことが多いのです。


(長くなっちゃいそうなんで今日はこの辺にしときます・・・。)

 

 


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立春!!節分!!

2011.02.05

いや~、ついこないだ、「大寒」の話をしたと思ったら、もう「立春」です。

 


早い早い・・・。

 


コワいコワい・・・。(苦笑)

「大寒」とお餅 参照

 


・・・立春過ぎると、徐々に何となく春めいてきます。

 


そこで、

 

さあこれから新緑の気持ちイイ季節だ!

 

と考えるか、

 

はあー、花粉症の辛い季節だー・・・、

 

と考えるか、ここですでに大きく分かれますね。

 


人生が。

 

 

人生そのものが。(苦笑)

 

ところでこの「立春」、その前日の2月3日が「節分」と言われ、これまた奇妙な風習がありますね。


1.豆まき

2.イワシの頭を柊(ひいらぎ)の枝に刺し軒下に飾り魔よけ

3.恵方巻きを恵方を向いてまるかぶり



・・・まあ他にもあるようですが、とりあえずこれ、皆さん知ってましたでしょうか。

 

 

1.は僕自身が小さい頃に実家でやっていましたし、2.は往診の高齢の患者さんがやっていて、初めて知りましたし、3.は最近妙にコンビニが流行らせている感じがありますね・・・。(笑)

 


客観的に冷静にみると、奇妙極まりない風習ですよね・・・。(笑)

 


今日はこれについてサクッと調べた内容を、コンパクトに纏めてみました。

 


Wikipediaによれば、もともと、立春、立夏、立秋、立冬(四立)の前日はすべて「節分」と呼んでいたようですが、
現在では立春の前日のみを「節分」と呼ぶようになっているそうです。

 


これは、旧暦では春の始まりの立春は新年の始まりであり、他の節分と比べて特別だったから、ということらしいです。

 

・・・それぞれの意味づけについては、


1.の豆まきについては、もともと一年の始めに無病息災を祈念する風習は、奈良時代に中国から伝わったとも言われるそうで、また古来から日本では豆や米には霊力が宿るとされ、

 

これを鬼に投げつけることで鬼を祓い、福を呼び込み、終わった後は自分の年齢と同じか一つ多くの豆を食べることにより、無病息災となる、と言われているらしいです。

 

 

・・・ここで、

「いやいや、じゃあ80過ぎの人とかどーすんの・・・? 80個も豆食べたら、かえって胃腸に堪えそうなんですけど・・・。」

という疑問がわきますが、ここはなかなか都合がよくて、その場合は、「福茶(ふくちゃ)」といって、年の数の豆にお茶を注いで飲めばよい、
とのことです。(笑)

 


そして2.のイワシの頭と柊の枝については、柊の葉の棘と、イワシの頭の臭いで鬼がいやがって逃げ出すから、とのことです。(笑)

(・・・おいおい、オニ、やたら弱くないか?という気もしますが。)

 


さらにこの1.と2.はセットになっており、2.の風習で逃げ出した鬼に対して、追い打ちで豆をぶつける、という考え方もあるらしいです。

 


鬼としては、新年早々、棘を刺され、くさい臭いを嗅がされ、たまらず逃げたところに、豆をぶつけられる訳です。(笑)

 


・・・オニの気持ちを考えると、極めていたたまれない風習です。

 


そして3.の恵方巻きについては、発祥の地は大阪とも愛知とも言われ、節分の日の夜に、その年の恵方(えほう・・・おめでたい方角)を向いて、

 

太巻きをまるかぶりすると、いい年になる、という風習だそうです。

 


”巻きずし”は、福を巻き込み、切らずに”まるかぶり”するのは、縁を切らない、そして寿司の具は”七福神”にちなんで7種類、とのことです。

 


これの歴史については、関西の商人が広めたという説を知っていましたが、何やら他にも、諸説あるようですね。

 

(Wikiに詳しいです。)

 


・・・ところでこの、「恵方」ってどうやって決まるんでしょうか。

 


「恵方」とは、陰陽道のいう歳徳神(としとくじん)のいる、縁起のいい方向、という意味で、
これはその年の十干(じっかん)で決まるようです。

 


今年(2011年)は辛(しん:かのと)の年なので、恵方は丙(へい)の方角となります。

 

 

今年の恵方はテレビなどでは簡単に16方位で南南東、と言われていましたが、正確に言うと「丙(へい)」の方角、となり、正確には南南東、

 

というより32方位で南”微”東、つまり16方位で言う南南東より7.5°南寄りが、正確な恵方なんだそうです。

だから多くの人は、間違えて少し(7.5°)東を向いて”まるかぶり”してしまっている恐れがあります。

 


やるからには、気を付けたいものです。(苦笑)

・・・僕は意外とこういう細かい話もキライじゃないです。

 

 


十干、十二支についても、そのうちこのブログで解説してみたいものです。

 


まあこのように、日常のちょっとした風習から、思わぬ東洋的な学問にぶち当たることはよくあります。

 


北辰会の橋本浩一先生が研究されている内経気象学にも、こうやって

日常の風習~暦(こよみ)~その年の運気~気象学~人体との関わり、

という流れで入っていくのも、意外と面白いかもしれませんネ。

 

 

◆参考・引用サイト

 

ライフスタイルニュース 

Wikipedia「節分」 

Wikipedia「柊鰯」 

Wikipedia「恵方巻」 

Wikipedia「歳徳神」 

暮らしの歳時記 

ジャパノート 

 

 

 

 


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鍼で人は悪化するのか

2010.10.15

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このテーマを題名にすること自体、実は勇気がいることです。

 


なぜならばコレは実際に、厳然と「ある」からです。

 


僕はこれまで、自分自身の臨床経験を通じて、まざまざとこのことを思い知ってきました。

 


薬は毒にもなりますよね。

 


同様に鍼灸も、扱い方を間違えればとんでもないことが起こります。

 


だから「正しい鍼灸」を勉強する必要があるんです。

 


・・・コレは、考えてみれば当然の話で、その患者さんがなぜこのような症状を持つにいたったか、ということを、我々はいつも「東洋医学的に」理解し、

 

治療している訳ですから、当然、治す方向性と反対のことをやれば、「悪化」することもある訳です。

 


しかし、人間は基本的には常に”陰陽バランス”を取ろう取ろうとしていますから、それを強引に崩す、ということは並大抵の力では無理です。

 


きちんと病的反応の出ているツボに、「きちんと」治療とは逆のことをしなければ、そうそう悪化するものではありません。

 


つまり、治療するにしても、悪化させるにしても、「気」を動かす、相当な「ウデ」が必要だ、ということです。

 


巷には、

「鍼やお灸をして、〇〇病がよくなった!」

という話はよくありますが、悪くなったという話はあまり表には出てきません。

 


まあこれは当然と言えば当然ですが、そういうことは実際に起こり得るんです。

 


今日の蓮風先生のブログに、先日行われた
「(一社)北辰会夏季研修会」での1コマが動画でアップされています。

(夏季研修会については、以前このブログでも報告しました。)

 


患者さん達は、普段我々の行っている勉強会の様子を知ることは少ないでしょうから、これは大変興味深い映像だと思います。

「鍼狂人の独り言」10月15日公開映像

 

この映像には映ってないけど、このベッドの真横に僕は居ました。

 


一部始終を見ておりました。

 


相当な技術と自信と信念がなければ、これを実演してみせることは出来ません。

 


まーなかなか、素人の方がこの映像を見ても、何をしたかはよく分からないとは思いますが、これはサスガの超絶テクニックです。

 


武術に「活殺一体(かっさついったい)」という言葉がありますが、鍼もまさにそういうことなんですね。

 


活かすことと殺すことは表裏一体だと。

 


鍼を持つ者の一人として、身が引き締まる映像です。

 

 

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はるばる・・・(その11)三上創先生

2010.09.22

今日の昼休みは、現在奈良の藤本漢祥院(藤本蓮風先生の鍼灸院)で内弟子修業中の、

三上創(はじめ)先生が、清明院に見学にやってきました!!

(しまった~!写真撮り忘れた~!!)

藤本先生は中国との学術交流のため、昨日まで中国の医大で特別講演に行かれていましたので、

その間、つかの間の夏休みで東京に帰ってきたそうです。

・・・実は、彼は漢祥院に修行に行く前の約半年間、僕が以前副院長を務めていた鍼灸院で働いていたことがあります。

(なつかしい・・・。)

一通り清明院を見学した後、久々に2人でメシを食べに行きました。

色々と彼の普段の生活の話を聞きましたが、大変だけれども、とても充実しているようでした。

彼が以前、僕が勤めていた鍼灸院にいた時は、まだまだ社会経験も浅く、言わば”青い”部分が目立ちましたが(笑)、

最近は、顔つきも引き締まり、

「あー、ずいぶん鍛えられているなあー。」

という印象を受けました。

(まあ、関西の勉強会でしょっちゅう会っているんだけどネ。)

・・・鍼灸師の修行、と言えば、昔は徒弟制度が一般的でした。

師匠の家や治療院に泊まり込み、掃除から何から、雑用をすべてこなし、最低限の給料で生活しながら、

師匠の技術を見て盗む、というスタイルです。

今ではそういうスタイルはほとんどないし、むしろ敬遠されがちですが、きっとその生活でこそ得られる充実感、

その生活「でしか」得られない充実感というのがあるんだと思います。

「徒弟制度」・・・僕は経験したことないけど、アリかナシかで言ったら、「アリ」だな、と、思いました。

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「肺」って何ですか?(その10)

2010.09.12

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これまでのお話・・・

「肺」って何ですか?(その1)
「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
「肺」って何ですか?(その6)
「肺」って何ですか?(その7)
「肺」って何ですか?(その8)
「肺」って何ですか?(その9)

 

☆「肺」と「お水」

一般によく言われることに、

「人間の体の約60%は水分!!」

という言葉がありますよね?


今年の夏も、熱中症で多くの方が亡くなりました。


だからこの言葉を、つい最近聞いた人も多いのではないかと思います。

暑くて汗をかき過ぎて、しまいには脱水症状を起こすと、場合によっては生命が危ない。

だから人間の健康は、一つには、この水分の出納(出入り)がうまくいっているかどうかにかかっている、と。

(・・・ただ、だから誰も彼もガンガン飲め、というのは、いかにも短絡的で僕は嫌いなんですがネ。)

僕もこのブログで、以前から再三、東洋医学における「水分」と「健康」の関わりの重要性を説いてきました。


患者さんの質問
たくさん飲んだ方が健康に!?
どうしてムクむの?
どうしてムクむの?(その2)
「湿熱」について
「脾」って何ですか?(その5)   などなど参照


これらを読んでいただくと、


量的に余分なお水、あるいは質的に偏ったお水、あるいはその両方
   ↓
胃腸に入る
   ↓
受け止めきれない(うまく捌ききれない)
   ↓
体内に余分なお水の停滞発生
   ↓
胃腸および全身の働きが弱り、諸症状発生

 


・・・という、簡単なメカニズムがご理解いただけるんじゃないかと思います。


このメカニズムから言えば、お水と直接関わるのは、五臓六腑で言うと「脾胃」や「小腸」「大腸」であり、他の臓腑はあまり関係ないようにも思えます。

しかし、そんなことはないのです。


「余分なお水」と「脾胃、腸以外の臓腑」は大いに関わります。


・・・「めちゃめちゃ」関わります。(笑)


ではどう関わるのか、という問題です。


人間に備わった、主な「余分な水分排出機構」というのは即ち、「発汗」、「排尿」、「排便」ですよね?


このうち、特に中心になるのが「排尿」と「発汗」ですよね?

例えば、「肺」って何ですか?(その6)で述べたように、「肺の臓」には、気を降ろす働きがあります。


気を降ろし、全身に気をくまなく巡らせる、というのは、肺の重要な働きでしたよね?


「気を降ろす」ということは、最終的には「下焦に降ろす」と考えていただいて差し支えない。


ということは、

「下焦に存在する”腎の臓”や”膀胱の腑”に降ろす」

と考えてよい。

「腎と膀胱」の重要な働きの一つは、

「尿を作って(溜めて)体外に排出すること」

です。

カテゴリ 「腎・膀胱」 参照

 

この働きに大きく関わる(助ける)のが、実は、”気を降ろす”働きを持った「肺の臓」なんですよ。


・・・そして、「発汗」ですが、発汗するところはどこかと言えば当然「皮膚」でございます。

「肺」って何ですか?(その7)で述べたように、その皮膚(皮毛)をつかさどるのは「肺」でございましたよね?


さらには、「余分な水分排出機構」の中では脇役である、「排便」に関しても、実は「肺」は大きく関わります。

 


長くなってきたので、その話は次回・・・。(笑)

 

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墓に入るとき

2010.09.01

こないだ、夏季研修会の後の飲み会で、何人かの先生達とした話が印象に残りましたので、ちょっと書いておきます。

・・・人間は、いつかはみんなあの世に逝きます。

(笑・・・別にこんな、重いテーマでしんみりと飲んでたワケではないのでご安心を。)

まあ、それはみんな分かってる訳だけど、みんなが興味があるのは、”どう”逝くか、ですよね?

今日も、ご高齢の患者さんと話していて、話の中で、その患者さんが、

「先生、私は、死ぬ時はある日”パッ”と死にたい。」

とおっしゃいました。その患者さん曰く、

「何年も寝たきりになって、周りに迷惑かけるのだけは絶対いやだ。もうここまできたら、いつ死んだって別に構わないけど、動けない状態が長くなるのだけはいやだ。」

とのことです。そこで僕が、

「”周り”って誰よ?」

と聞き返すと、

「家族。」

とのこと。僕は、

「今まで散々迷惑かけられて来たんだから、たまにはこっちが迷惑かけたっていんじゃないですか?」

と言うと、笑いながら、

「はは!それもそうだね!!(笑)」

とのこと。

・・・「最後はパッと逝きたい」、これは誰もが思うことではないでしょうか。

痛いとか、痒いとか、苦しいとか、そういうことばっかりを言って、泣きながら向こうへ逝きたい人なんて、普通はいません。

でもなかなか「現実」には、本人が思い描いたようにはならないのが、困ったところな訳です。

ということは、「現実」的に考えた場合、この問題は、どこまでいっても、

「何かをやってれば、間違いなく思い描いたように逝ける!」

とか、

「この考え方で生きれば間違いナシ!」

とかいう正解が、結局は”ない”ということを示しています。

だって、その人の置かれている環境も状況も何もかも、みんなそれぞれ違うし、しかもそれは常に目まぐるしく変わっていくからです。

・・・となると、最後の最後に、笑顔で逝けるか、しかめっ面で逝くか、コレを分けるのは、結局その人の、

「ものの見方、考え方+その柔軟性」

にかかってくるんだと思います。

楽観と悲観、消極と積極、絶望と希望、プラスマイナスの視点、これらも陰陽な訳ですから、

「一定の条件下では」

”転化”させることが可能な筈です。

しかしこれもなかなか、頭では分かっても、

「そういう時はこうすればいい」

という決め手がないだけに難しいですね。

そこで、我々が使う「鍼」、というのは、その「一定の条件」に大いになりえます。

僕たちは毎日、スゴイものを手に持っている訳です。

・・・明日もガンバろ。

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携帯からの更新!

2010.08.29

いやー、行ってきました、(社)北辰会夏季研修会!

話しておきたい話題がいっぱい・・・。(笑)

でも今日は携帯からの更新なので、明日書きます!

お楽しみに!!


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「胃」って何ですか?(その10)

2010.08.09

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これまでのお話・・・

「脾」って何ですか?(その9)
「胃」って何ですか?
「胃」って何ですか?(その2)
「胃」って何ですか?(その3)
「胃」って何ですか?(その4)
「胃」って何ですか?(その5)
「胃」って何ですか?(その6)
「胃」って何ですか?(その7)
「胃」って何ですか?(その8)
「胃」って何ですか?(その9)

 

これまで「胃の腑」に関するお話を「脾の臓」とも絡めながら、

・機能
・形態
・症状

なんかに注目しながら、具体例も挙げて話をすすめてきました。

 


・・・まあ、このシリーズは専門家に向けたものではないので、概要としては大体のことは述べてきたかな、と思います。

 


なので「胃ってなんですか?」シリーズは、ここらで一旦完結しようと思います。

 


最後に一つ、ついこの間、患者さんを診ていて、

「あー、これはまずいなー。」

と思ったことがあったので、お伝えしておきます。

 

 


☆「足三里」の危険性

 


その患者さんは、80代の女性です。

 


以前から診ていて、経過もよく、安心していたのですが、最近妙に元気がなく、脈、舌、体表観察所見も「脾胃」の反応所見がよくないのが気になっていました。

 


そんなある日、

「先生、最近食事の後、気持ちが悪くなるんです。」

と、その患者さんは訴えました。

 

詳しく聞くと、のどもよく乾く、便も出にくい、食欲も落ちてきている、体がだるいとおっしゃいました。

 

 


患者さんは、

「夏バテかなあ?」

とおっしゃったが、去年はどうだったか、これまではこういうことはあったかと聞いてみると、

「去年、その前はこんなことはなかった。」

とのこと。

 

さらによくよく聞いていくと、

「先生に鍼してもらってから調子がいいので、もっと調子よくなりたいと思って、足三里にここ最近毎日お灸をしている。」

とのこと。

「・・・それだ!!」

と思い、すぐに中止させたところ、上記の症状は消失。事なきを得た、ということがありました。

 

・・・ツボの中には、たまに、誰でも知っているような超有名選手がいます。

 

 

「足の三里」というツボもその一つです。

 

足三里画像


↑↑これです。

 


この「足三里」というツボは、よく「長生きの灸」とか言って、お灸をすると元気で長生きするとか、足腰が強くなるとか言われ、昔から有名です。

 


テレビや、一部の雑誌や書籍なんかで紹介されてたりすることも少なくありません。

 


・・・コレ、とんでもない話です。

 

 

こういう言い方は、迷信もいいとこです。

 


足三里にお灸をするだけで誰もが例外なく足腰が強く、元気で長生きするんだったら、誰も苦労しやしません。

 


確かに「足三里」は、上手に使えば大きな効果を得ることが出来るツボではあります。

 


しかしそれは、確かな東洋医学的な診断に基づいていて、なおかつ適正な術(鍼か灸か)で、適正な刺激量での処方であった場合にのみ、言えることです。

 


当然ながら、治療に使える、ということは、逆に言うと間違った使い方をすれば悪化させることもある、ということです。

 


上記の患者さんは、もともと「胃の腑」に熱がこもりやすいタイプの患者さんでした。

 


本来ならばその熱を冷ます治療、養生法を行い、どんどん「胃熱」を発散、排出させるように持っていかなくてはなりません。

 


しかし、この患者さんがやった「足三里にお灸」という処置は、どちらかというと「胃の腑」を温める治療になります。

 


つまり逆です。

 

 

熱に熱を足してしまっている訳です。

 


しかも、自分で見よう見まねで適当にツボの位置を決めているため、時には右のみが効いたり、左のみが効いたり、効果にばらつきがある上に、

 

その的確な評価も出来ないため、左右のアンバランスなんかも引き起こしやすいです。

 


高齢者が左右のアンバランスを起こし、それがあまりにもきつくなると、たいがい転倒します。

 


歩行姿勢が左右アンバランスで、不安定になるからです。

 


高齢者にとっては、転倒から骨折でもしたら、寝たきり状態にもなりかねません。

 


そうなってから泣いたってわめいたって遅いんです。

 


東洋医学というのは、誰でも簡単に使いこなせるもんじゃありません。

 


僕も場合によっては、遠方でたまにしか治療に来れない患者さんなど、自宅でお灸を据えてもらうこともありますが、その場合は、安全かつ確実なツボ以外は選びません。

 


・・・まあー、これだけ「医学だ、医学だ」と叫んでも、それはごく一部の人にしか伝わりません。

 

 

甘く見られることの方が多いです。

 


でも、それでも僕は叫ぶことをやめません。

 

 

だって「医学」だからです。

 

 

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クーラーで冷えると・・・

2010.06.26

今日は朝一から猛烈に忙しかったです!(感謝)

 

狭い清明院の中を、1日中かけずり回っておりました(笑)

 

さて、今日の患者さん達を診ていて気がついたのですが、やはりこの時期、

「クーラーをつけっぱなしにして寝ちゃってから調子が悪いです。」

という訴えの多いこと多いこと!

 

・・・これ、単純になぜでしょうか?

 

 

なんで、クーラーつけっぱなしにして寝ると調子悪くなるんでしょうか?

 

 

そりゃ冷えるからに決まってんじゃん!・・・という声が聞こえてきそうですが、じゃあ患者さんの訴えが人によってバラバラなのはどうしてでしょう?

 

必ずしもカゼみたいな症状が出る人ばかりじゃなくて、神経痛が出る人、頭痛が出る人、痒みが出る人、怒りっぽくなる人などなど、

 

「クーラーによる冷え」

 

の後から出てくる症状は、メチャメチャ多岐にわたります。

 

・・・今日は、これがどうしてか、考えてみたいと思います。

 

本日は6月26日、この時期は24節気で言うと「夏至(げし)」に入って5日目であります。

 

この「夏至」とは、1年で一番日が長く、とても暑い時期、ということになっています。

 

 

ただ日本ではこの時期は梅雨であり、あまりこのことが実感されることは少ないようですが、いずれにしても自然界の”陽”の気が非常に高まる時期であります。

 

我々人間も動物ですので、自然界が陽に傾けば、人体も陽に傾きながらバランスを取るのが自然な、本来の姿です。

 

ですから、この時期は体の中には陽気が盛んになって、活動的で元気になってきます。

 

 

そしてたくさん汗もかきます。

 

 

陽気が盛んになる、ということは、ある意味「生理的に」「生理的な」熱を持つ、と言ってもいいと思います。

 

 

だから、たくさん汗を出して、その熱が体に籠らないように発散しようとしている訳です。

 

 

これを、クーラーで体の表面を冷やし、玄府(げんぷ=汗腺)の動きを鈍らせ、皮毛を閉じ、生理的な発汗を無理に止めてしまうと、マズイことが起こります。

 

 

要は、体に「余分な熱」が籠るのです。

 

 

具体的な症状としては、咽が異常に渇いたり、食欲が極端に亢進したり、便秘したりします。

 

 

そして、口渇や食欲など、その欲求にまかせてどんどん暴飲暴食してしまうと、もっとひどくなって、しまいには便秘したりします。

 

 

あるいは徐々に徐々に食欲が落ちてきて、ヤル気がない、元気がない、本来活動的になるべき陽気の盛んな時期なのに、いわゆる「夏バテ」状態になります。

 

 

また、局所的に冷やされた部位の血行が極端に悪くなり、そこに痛みやしびれが出たりします。

 

・・・ここまで書いたところで、支部役員前日勉強会のお時間になってしまいましたので(笑)、続きは次回に・・・。

 

参考 Wikipedia 二十四節気

 

 

 

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「湿熱」について

2010.01.20

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前回は、「寒燥」についてのお話をしました。

 

 


今回はその逆の「湿熱(しつねつ)」について書いてみようと思います。

 

 


最近の気候は、前回述べたように、まさに「寒燥」という感じであります。

 

 


それとまったく逆なので、時期外れのように感じますが、日々、患者さんを診ていますと、今の「寒燥」の時期であっても、この「湿熱」という邪気が問題になることがあります。

 

 


・・・コレ、なぜでしょうか?

 

 


これは、現代の食生活と、発達した空調機器に、問題の中心があるのではないかと愚考しています。

 

 


◆「湿」について

 

 

「湿邪(しつじゃ)」というのは、外界では湿度の高さ、人体内では水分の停滞が過剰に存在することで、人体に病的な異常を起こす「邪気」の一つであり、

 

性質の上から「陰邪」に分類されます。

 


つまり、「湿邪」というのは、平た~く言うと、

「余分なお水」

を意味しますので、単純に水分(お酒も含む)の摂り過ぎ、あるいは食べすぎで胃腸が弱った場合にも、水分がうまく捌けなくなって、結果として体内に「湿邪」が生じます。

 

 


体外の「余分なお水」は、というと梅雨時期や夏場のムシムシ、ジメジメした時期に湿度が高くなる、
まさにあれのことです。

 

(もちろんそれが人体に悪影響を及ぼした時に、”湿邪”という邪気として認識する訳ですね)

 

 


◆「熱」について

 


それに対して「熱邪(ねつじゃ)」というのは性質的には「陽邪」に分類され、からだの内外に存在する”余分な熱”のことを言います。

 


ここで勘違いしてほしくないのは、現代人は「熱」と聞けばすぐ体温の「発熱」を想像しますが、
東洋医学の言う「熱」というのはそれだけではなく、

 

ある種の咽喉の渇きや便秘、過食傾向、またカゼや感染症の原因などになるもの(邪気)として「熱邪」というものを位置づけています。

 

 


こういう、東洋医学と西洋医学の概念の混同が、東洋医学が正確に理解されにくい原因の一つだったりします。

 

前もこんなようなこと言ったかもしんないけど、カゼひいて熱がある人をみた時に、「すごい熱だね~」ではなく、

「体温がHOTだね~。」

とか、

「HEATだね~。」

とか言ってくれれば、混同されにくいのにな~・・と思います。(笑)

 

 


体外の「熱邪」は、というと、夏場の暑い時期や、冬場でも過剰な暖房などで不快なほど熱すぎる状況の時に、人体に悪影響を及ぼした時に「熱邪」と考えます。

(分かりやすく言うとね。)

 


この2つ、「湿邪」と「熱邪」が合体したものを、東洋医学では「湿熱の邪気」と呼び、「寒燥」と同じように、陰邪と陽邪ががうまいことバランスをとっている、
邪気の中でも「手強い奴」な訳です。

 

 


現代は、外が寒くて乾燥していれば、家の中は暖房と加湿器を使って快適を得ようとします。

 

 

しかしやりすぎれば、秋冬なのに「ムシ熱い室内」になってしまいかねません。

 

 


そうなれば「寒燥」ではなく、季節外れの「湿熱」の病になりやすくなります。

 

 


また冬場は、寒いからと、あまり外に出歩くことも少ない人が多く、運動不足になりやすく、忘年会や新年会などで、暴飲暴食、過食傾向になりやすいです。

 


こうなると胃腸は弱り、水分が捌き切れず、体内に余分なお水である「湿邪」が増えます。

 

 


さらに、汗もかきにくい時期ですので、体内の余分な「熱邪」を汗によってうまく排出(発散)することも出来ず、結果、体内に「湿熱の邪気」が生じてしまう場合があります。

 

 


こうして現代では、冬場なのに「湿熱」の病が問題になることがある訳です。

 

 


「湿熱」については、大変面白い部分でもありますので、もっと細かく書こうかなとも思うのですが、
時期的に梅雨時期とかの方が実感しやすいかな、

 

と思うので、その頃になったら、また詳しく述べてみようかなー、と思っています。

 

 

 


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