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前回までのお話・・・
では、続きいきます!!
◆歯と経絡の関係
前回までで、鍼灸は虫歯による痛みや腫れを対症療法的に治療するには効果的だけど、一度ばい菌に浸蝕されてしまって、形の崩れてしまった歯そのものを再生させるのは難しいのではないか、という話をしました。
ここでそもそも、「歯」というものについて、東洋医学ではどのように考えるんでしょうか。
東洋医学では、全身を巡る「気」の通り道として、「経絡」というものがある、としています。
経絡は全身をくまなく巡りますので、当然「歯」にも巡る訳です。
どんな経絡が巡るかというと、上の歯と歯茎には、「胃の腑」に関連する経絡が巡ります。
「胃の腑」については「胃」って何ですか?(その10)参照
下の歯には、「大腸の腑」に関する経絡が巡ります。
「大腸の腑」については「大腸」って何ですか?(その6)参照
(経絡の流注の詳細は『黄帝内経霊枢 経脈篇(10)』参照)
つまり、単純な話、「胃の腑」や「大腸の腑」の機能が悪くなると、「歯」そのものの気の巡りが悪くなり、ばい菌の侵襲を受けやすくなる、と考えられます。
(東洋医学にばい菌(細菌)という考え方はないけどね)
胃の腑が弱ると上の歯が悪くなり、大腸の腑が弱ると下の歯が悪くなる、といった具合です。
虫歯と言ったら上の歯ばかりなる、とか、下の歯ばかりなる、という方、意外といらっしゃるんじゃないでしょうか。
東洋医学ではこのように、「虫歯があるかないか」だけではなく、「上下左右、どこに偏っているか」まで意識します。
またこのほか、「歯」には「腎の臓」が関係する、という考え方もあります。
「腎の臓」については「腎」って何ですか?(その11)参照
これはちょっと長くなるので、それは次回。
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2012.09.27
2012.08.21
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前回のお話・・・
では、続きいきます!!
タバコ(煙草)については、いくつかの日本の江戸時代の名医達の医書にも出てくるようですが、ここでも意見は分かれています。
☆煙草なんて、メマイはするし、金はかかるし、火事のもとにもなるし、やめた方がいいよ!
(by 貝原益軒 『養生訓』)
☆いやいや、煙草は、胸の痞え感とか、痰がとれて気の流れがよくなるし、冷えや余分な水分によるシビレの病気にはイイよ!だけど熱がこもるから、老人はやめた方がいいな~。
(by 香月牛山 『老人必用養草』)
☆大して害がないから、別にやめさすこと無いよ。あんまり咳や痰が出てる時は控えさせりゃいいってぐらいカナ。
(by 平野重誠 『病家須知』)
・・・だそうです。
この記載、下記のブログ様を参考に引用させていただきました。↓↓
http://blog.goo.ne.jp/harumi4567/e/361bcee05abaf1382eb402b06b734fad
まあ、東洋医学的にも、見解の分かれるところだ、ということでしょう。
この中で、香月先生の、「痰がとれる」という言い方に、違和感を感じる人が多いのではないでしょうか。
(「痰」については「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について 参照)
「煙」という異物(汚れた空気)が気道に入るんだから、軽い炎症を起こして、痰がかえって絡むはず、と考えるのが普通でしょう。
でも実際は違うみたいです。
「煙」というものは、基本的に何かが燃えたから発生するものであり、五行で言えば「火」、陰陽で言えば「陽」の性質を持っています。
(もちろんその毒性は、燃やされたものによって異なりますが。)
つまり陰の性質を持った邪気である「痰」は、”さほど有害でない”タバコの煙の陽気によって、ある一定、乾かされる側面があるのです。
つまり食生活の不摂生や胃腸の弱り等によって、「痰」という邪気を体にため込んでしまっている人にとっては、
タバコを吸っていた方が症状も出ず、楽にいられるという側面があるのです。
(毒を以て毒を制すじゃないけど)
また、お香や、お灸の煙などは、匂いにリラックス効果があり、むしろ有益、とされています。
煙というのは、もちろんモノによりますが、「過度でなければ」問題ないのです。
(一社)北辰会でも、患者さんでヘビースモーカーの人には、無理にやめろとは強制しないように、と教わったことがあります。
煙草を吸うことで取れているバランスを一気に崩してしまい、思わぬ症状が出る場合があるからですね。
まるで強い薬を断薬する時と似ていますね。
・・・で、僕自身、急にやめたらエライ目に遭いました。(苦笑)
次回はそのお話。
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2012.08.09
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これまでのお話・・・
乳製品は体にいい?
乳製品は体にいい?(その2)
乳製品は体にいい?(その3)
乳製品は体にいい?(その4)
乳製品は体にいい?(その5)
乳製品は体にいい?(その6)
では、どんどんいきます!
前回、「コーヒー」について書きました。
毎日毎日、患者さんの話を聞いていると、コーヒーや紅茶、緑茶などといった、いわゆる「カフェイン類」を過飲している人は多く、キチッと養生指導しなくてはいけないことが多いです。
これまでに多い人で、1日10杯も飲んでる、なんて人もいました。
ナンボいい鍼をしても、患者さんが誤った食生活を続けていたりすると、治療の大きな妨げになるものです。
カフェイン含有食品として有名なのは、紅茶、緑茶、コーヒーあたりです。
(因みに含有量的には紅茶>お茶>コーヒーの順ですが、インスタントコーヒーはレギュラーコーヒーの約70倍ものカフェイン量なんだそうです。。。(゜o゜))
問題はカフェインが入ってるものを、その人の”適正量”、”許容量”を超えて摂ってしまっているかどうか、また、それがどの程度、今回の症状に影響を与えているかどうか、です。
カフェインについて栄養学的に詳しく、一般人に分かりやすく解説したサイトは山ほどありますので、ここではしませんが、”いい作用”としては、
脳の働きを活発にするとか、利尿作用、虫歯予防作用、胃液分泌促進あたりが有名です。
反対に、過飲した場合の”悪い作用”は、胃潰瘍や卵巣嚢腫や乳腺嚢腫になりやすいとか、イライラや頭痛といった中毒症状が出るとか、です。
このカフェイン類というのは、東洋医学的にはどういう意味を持つのでしょうか。
・・・これは摂った人の、その時の状態によって、発現する作用が違ってくると思いますので、これまた臨機応変に、個別に考える必要があると思いますが、基本的には肝気を鼓舞する、という押さえ方で良いと思います。
因みに、何度も言うようですが、そもそも「過飲」の量だって、人それぞれ違います。
興味深いことに、患者さんに聞いていると、カフェイン類を摂ると、シャキッとする人と、ホッとする人の2パターンがおります。
同じ人でも、状況によって違う(逆の反応を示す)場合もあります。
会社にいる時はシャキッとするけど、家にいる時はホッとする、とかね。
家でカフェインを摂るとホッとする人には、寝る前にカフェイン類を摂った方が、かえってよく眠れる、どうして??なんておっしゃる方もいます。
このことから、興奮状態になったり、安静状態になったりすること(精神情緒の変動)にカフェインが関わる、と考えられ、それならば、東洋医学的には、
気の巡りや精神状態や思考機能に大きく関わる訳ですから、臓腑で言えば「肝の臓」や「心の臓」「脾の臓」あたりに作用する面が相対的に大きいのかもしれません。
つまり、「肝の臓」や「心の臓」、「脾の臓」を中心に病んでいる人は、摂取量に注意が必要、と考えます。
「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9)
「心」って何ですか?(その7) 参照
このように、臨床的にはあくまでも総合的に判断するべきで、ある情報のみをもって何かを断言することはできません。
・・・とまあ、このシリーズに関して、こんなもんなんですけど、山の子供さんからご質問いただいたので、せっかくなんで、タバコの問題もついでにいっときましょうかネ。
やはり皆さん、この辺の話は興味あるんだな。。。
◆参考文献
『食材効能大辞典』東洋学術出版
『東方栄養新書』メディカルユーコン
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2012.08.03
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昨日の記事に、ムスタファさんからご質問いただきましたので、僕なりの回答含め、何回かに分けて、ちょっと補足しようと思います。
乳製品は体にいい? 参照
ちょっと専門用語が出てきたりしてややこしいので、つまんない人は斜め読みして下さい。(笑)
・・・まず、乳製品は冷やす冷やす、と、なぜ東洋医学では言われるのか、という問題からいきます。
コレは、乳製品の過飲が、胃腸に負担をかけるから、結果的に消化力を落とし、他の飲食物の栄養吸収力が下がり、結果的にエネルギーが産生されにくくなったり、
老廃物が停滞したりする場合があるから、ということだろうと思います。
少し専門的な話ですが、東洋医学では「四気五味説(しきごみせつ)」と言って、自然界の飲食物を
”寒・熱・温・涼”の四気、
”酸・苦・甘・辛・鹹”の五味
に分けて考える学説があります。
(この学説についても、そのうち解説しましょう。)
あらゆる漢方薬や薬膳などの生薬、食品の配合も、基本的にはこの「四気五味説」に従います。
これで言うと、牛乳は東洋医学では
「乳ナイ(女+乃)」
と言われ、
四気では平(へい・・・つまり、寒熱どちらにも偏っていない)、
五味では甘、
臓腑では脾胃に主に関わる
とされ、
潤・降の作用がある
ことから、
陰虚や血虚、通便に効果あり
とされております。
ここだけ聞くと、色々なものに効く、魔法の飲み物のように思えますが、「潤・降」の作用が強いということは、逆に言えば陽気の働き(体を温め、清らかな気を昇らせる)を抑えてしまう側面も持っている、ということです。
つまり専門的には、あくまでもその人のキャパを超えて「過飲すると」の話ですが、牛乳は主に脾の臓の陽気を傷める側面がある、だから結果的に冷えるのだ~!
という論なんだと思います。
脾の臓については「脾」って何ですか?(その9) 参照
ちなみに牛乳については、現代医学的にも、現代栄養学的にも、
ガン予防、安眠作用、血圧降下作用、骨粗鬆症予防作用など
が謳われていますが、これについて辛辣な反論もある、というのは、前回書いた通りです。
〇
・・・まあただ、「過飲」という量の定義なんて、人によって違い過ぎるので、一概にこの量飲んだらいけません、なんて話は出来ませんし、
一切飲むな、というのも行き過ぎだと、個人的には思います。
そもそも「牛乳を飲む」という食文化が日本に入ってきたのは飛鳥時代以降だそうですが、最初は天皇や皇族のみが利用していたそうです。
一般庶民が飲むようになったのは明治以降、さらに、”アメリカンライフスタイル”なんつって爆発的に普及しまくったのは、戦後の話だそうです。
給食で出るようになったのも、戦後からです。
(・・・ここら辺が、一部の人の思想を大いに刺激して、偏った、感情論的であったり、謀略論的な論調がネットに溢れている一つの要因なんじゃないでしょうか。)
まあ確かに、明治政府や、戦後の日本政府が採用した栄養学の是非論については、僕も興味のあるところで、あれが果たして正しかったのか、
相当見直す必要があるのでは?とは思っています。
『伝統食の復権』(島田彰夫 東洋経済新報社 2000年)には、
「高脂肪・高タンパクを説くドイツ栄養学を無批判に受け入れた明治日本。
戦後は、アメリカの食糧戦略に基づいた食生活改善運動により、伝統的な食文化は否定され破壊された。
高度経済成長の影響もあり、今や日本は “飽食の時代” を迎えている。」
とあり、この指摘は、参考にする価値が高いと思います。
しかしながら、最近のアレルギーベイビ―の問題であったり、三大成人病の問題を、すべてこれのせい、と短絡的に結論付ける風潮も、
いかがなもんか、と思っていますが。
一番イカンのは、最初に無批判に受け入れたことと、時代が変わっても、それに合わせて変えようとしない姿勢だと思いますが。
・・・話が逸れた、次回に続きます。(笑)
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2012.05.17
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最近、以前から通院されている不妊症の患者さんが妊娠されたり、妊娠初期で、つわりの治療でお見えになっている患者さんがたくさんおられます。
とある、なかなか治らないつわりの患者さん・・・。
こちらの指示もちゃんと聞いてくれるし、キチッと時間通り、決めた頻度で治療に見えておられますが、治療すると楽にはなるものの、
1、2日経つと症状が戻ってしまいます。
非常に苦しそうであり、何とかしてあげたい。
・・・ちょっと専門的になるけど、つわりの中医学的な基本病理メカニズムは、衝脈気逆が関与して起こる、胃失和降が基本です。
「生理と病理の連続性」というものの感じられる症状の最たるもので、妊娠すれば、奇経八脈の任衝2脈が盛んになるワケだから、
気機が上逆傾向になるのは、生理的現象とも考えられる。
なので、患者さんに説明する際には、つわりは正常な人でもある程度は出ることがあるから、最小限度に抑えましょうネ、
という風にお話しさせていただくことが多い。
ただこの「最小限」が、食事が取れない、嘔吐が続いて全身虚脱、栄養不良状態になる、とまでなってくると、うまくない。
当然、胃気の上逆が心神を擾乱すれば不眠や精神不安定も呈してきます。
もともと、肺の病変を持っている人であれば、喘息様の発作や気逆咳なんかが出てくることもあります。
そこで、八綱弁証、臓腑弁証、空間弁証などを弁別、駆使し、胃気を中心とした気機の降逆から、止嘔に努めるワケだが、なかなか止まらないことがある・・・。
で、なぜだろう、なぜだろうと考えていたところ、手の少陽三焦経の左右差が目に付いた。
肝鬱気逆から手少陽の左右差が生じることはあっても、手少陽の左右差が肝鬱気逆を助長する、という観点が希薄だった。
・・・で、左手薬指、手の少陽三焦経上に光る愛の証、結婚指輪を容赦なく外させた。
そしたらすぐ治った。(爆)
指輪、ピアス、ネックレス、具合悪い時は外しましょうネ。(笑)
正常な気の流れを邪魔することがありまっせ。
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2012.05.05
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これまでのお話・・・
「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
「血」って何ですか?(その3)
続きいきます!
◆血が不足すると問題発生
これまでの話で、東洋医学における「血」というものは、基本的には「飲食物」が主な原料となり、足らなくなると「腎精」が「血」に変化してくれることによって不足がフォローされ、
主として「血脈」の中を流れて、全身を隅々まで循環し、必要に応じてカラダを栄養するもの、でした。
また、睡眠時など、あまり使われない時は「肝の臓」に蓄えられている、というお話もしました。
そして、「血」が循環する際の原動力や律動性には「心の臓」や「肺の臓」が、飲食物を消化吸収するためには「脾の臓」や「胃の腑」が、
「腎精」から「血」に変化するには「腎の臓」の働きが大きく関わり、「血」の生成、作用は、実に様々な臓腑の働きに支えられているよ、
というお話でした。
・・・で、今日は、”「血」が不足する”とはどういうことか、を考えてみたいと思います。
上記のようなメカニズムで生成される訳ですから、当然、「脾の臓」や「胃の腑」に異常があって、飲食物をうまく消化吸収出来なければ、
「血」が生成されにくくなり、不足が起こってきます。
それでも、「腎の臓」がしっかりしていて、「腎精」をガッチリ蓄えてくれていれば、不足をフォローできます。
また、「肝の臓」に「血」がたっぷりと貯蔵されていれば、ここからも不足をフォローすることが出来ます。
ですので、”脾胃が弱い=必ず血が不足する”という短絡的な考え方はNGなのです。
しかし、脾の臓や胃の腑が弱く、飲食物から「血のもと」を取り込めない、しかも腎の臓も弱っていて、「腎精」による血のフォローが出来ない、
なおかつ肝の臓にもあまり貯蔵出来ていない、ということになると、これは”全身的な血の不足”が起こります。
まずコレが一つ重要。
こうなると、カラダを潤すことが出来なくなるワケですから、いたるところがパサパサになってきます。
具体的には皮膚、髪、爪がパサパサ、弱く脆くなり、全身的に血色が悪くなり、唇や舌の色も褪せて白くなってきます。
(コワイネ~)
もう一つのパターンとして、「血」の全体量としてはあるんだけど、巡る力が弱い、あるいは何かによって邪魔されてるために、停滞してしまって、
必要な部分に届かず、”部分的に”足らなくなるパターンです。
皮膚に足らなければ痒みを起こしたり、目に足らなければ眼精疲労を、筋肉に足らなければこむら返りやけいれんなどなど、実に様々な症状を引き起こします。
これが、”部分的な血の不足”です。
二つ目にはコレが重要です。
・・・ちなみにこの、「部分的な血の不足」の原因の一つである、”停滞してしまって、使い物にならん血”のことを東洋医学では「瘀血(おけつ)」と呼んでおります。
「瘀血」については、素人の方でも、聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
以前、このブログでも紹介しました。
要はこの瘀血が、正常な血の運行を物理的に邪魔して、必要な部分に届かないと、様々な症状が起こす場合があるのです。
それ以外にも、肝や心や肺の異常により、「気の停滞」が起こると、血の正常な循環が保てなくなる、というケースもあります。
・・・このように、「血の不足」と一口に行っても、東洋医学的にはまずそれが「全身的なのか、部分的なのか」を考え、それらのメカニズムまで考え、対処、治療しております。
ちなみにちなみに、言うまでもないですが、東洋医学の言う「血の不足(血虚)」と、西洋医学の言う「貧血」とは別物ですので、あしからず。(苦笑)
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2012.05.03
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これまでのお話・・・
「血(けつ)」って何ですか?
「血」って何ですか?(その2)
続きいきます!
◆「血」の居場所
最初に述べたように、「血」は「血脈」をその通路として全身を巡回し、全身の各部位を栄養します。
ドックンドックンと、律動的に、全身を巡っております。
ドックンドックンと押しこくられるパワーは「心の臓」が関与し(主血作用)、その律動性は「肺の臓」が、主に関与(治節を主る)しています。
「血」の通路であるこの「血脈」は、「心の臓」と関係が深いです。
・・・というよりも、「心の臓」自体が、ある意味「血脈」の一部、とも考えられます。
胎児が育っていく過程で、「血脈」のある部分が膨らんで、特別な働きを持ったモノ、これが「心の臓」であるとも考えることが出来ます。
〇
話がそれたので戻しますが、「血」というのは、例えば運動して筋肉を使えば筋肉に、パソコン作業で目を使えば目に、すぐにサッと集まって、その部分の働きを支えてくれます。
(まあ、燃料みたいなもんですナ。無尽蔵ではないけど。)
人間が、ある部分を使う時は、その部分には「気と血」が必要なのです。
だからやり過ぎ(使い過ぎ)たら休ませて、その間に「気血」を生成して、また使う、これの繰り返し以外あり得ないのです。
これは自然の摂理です。
また、あまり体を使っていない時、つまり寝ている時なんかは、「血」はどこにいるかというと、全身を巡ってないわけではないですが、
日中ほどは必要とされないので、主に「肝の臓」に貯蔵されています。
このように、東洋医学の言う「血」というものは、肝、心、脾、胃、肺、腎など、五臓六腑と密接に関わりながら、「気」や「精」というものとも深く関わりつつ、
全身を栄養し、潤してくれているのです。
だからこの「血」が不足すると、体が栄養不足を起こし、パサパサになります。(苦笑)
次回はその具体例のお話。
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2012.04.30
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今さらな感じもしますが、よく出てくる「気血(きけつ)」という言葉・・・。
このブログでも、何度となく「気血(きけつ)」という表現は出てきていますが、「気」については書いたものの、「血(けつ)」というものについて、
いまだにしっかりと解説していなかったので、今「経絡(けいらく)」について解説している関係もあり、ここらで簡単に解説しときましょーかネ。(笑)
〇
「血(けつ)」・・・、まあ、これも、五臓六腑なんかと一緒で、西洋医学の言う「血液=blood」とは違います。
”全然違う”、と思っていただいた方がいいと思います。
ヘタに西洋医学の考え方、常識で東洋医学を理解しようとすると、いずれ迷宮に入っていきます。
勝手に、ひとりでに、ネ。(笑)
まず、まっさらに、素直になった状態から、勉強し始めていただいた方が、数倍分かりやすいと思います。
中医学の教科書の「血」の項をを見ますと、
「血(けつ)とは、体の大事な構成成分で、”血脈(けつみゃく)”の中を巡って、全身を栄養する赤い物質だよ~ん。」
と、書いてあります。
(竹下意訳)
ちなみにこの”血脈”というものも、西洋医学の言う“血管=blood vessel”とは全くの別物と考えて下さい。
そしてコレ(血)の生成過程としては、
「もともとは飲食物が原料であり、飲食物が中焦(腹部)の脾の臓と胃の腑の協調作用で消化された結果として得られた栄養分が、主に脾の臓の働きによって上焦(胸より上)に持ちあげられ、
上焦において肺の臓が天空から取り込んだ清らかな気と合わさり、さらに心の臓の強力な陽気を受けて、赤く変化したものだよん。」
などという説明がなされており、さらに、
「また、腎精(じんせい)が血に化(か)すことから、精血同源(せいけつどうげん)という言葉がある。」
などという、難しいことまで書いてあります。
・・・これまで、東洋医学における「血(けつ)」や「水(すい)」、「津液(しんえき)」といったものを説明してこなかったのは、東洋医学における、
こういう基本概念を理解するためには、東洋医学における、五臓六腑というものの、一つ一つの独特の働きが分かってないと、理解不能になるだろうなあ、
という思いから、書けずにいた面もあるのです。(苦笑)
内臓の名前から、西洋医学のそれを想起してしまうと、東洋医学の生理学はなかなか理解できません。
上記の「血」の説明にも、ズラズラと心、脾、胃、肺、腎、が出て来ました。
これらの意味については、下記をご参照ください。
カテゴリ 五臓六腑
「心」って何ですか?(その7)
「脾」って何ですか?(その9)
「胃」って何ですか?(その10)
「肺」って何ですか?(その12)
「腎」って何ですか?(その11)
(笑・・・ゆっくりと、楽しんで読んでいただければ、と思います。GWだし~。)
まあ、今ではこうやって、各臓腑について、「平易な言葉で」説明し終わりましたので、上記を読んでいただければ何となく分かるんじゃないかな、と思います。
次回に続く。
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2012.04.17
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これまでのお話・・・
続きいきます!!
◆経絡は絶えず循環している
前回までで、「経絡」のメインルートは12本あり、それを「正経十二経」と呼び、一本一本が関係の深い臓腑をもっており、
それは全身を複雑なルートで、絶えず循環している、というお話をしました。
では、どのような順番なのかというと。
肺経→大腸経→胃経→脾経→心経→小腸経→膀胱経→腎経→心包経→三焦経→胆経→肝経
という順番で、全身を循環していると考えられています。
・・・な~んて言われても、ワケ分かりませんわな。(笑)
まあ、ここはあんまり、専門的にならないように、深入りしないように解説しますが、経絡というのは、それぞれが関連する臓腑をもつことと、
もう一つ重要なのが、「手を中心に流れる」ものと、「足を中心に流れる」ものに分けられることです。
例えば、「肺経」であれば肺の臓と深く関わりながら手に流れ、「肝経」であれば肝の臓と深く関わりながら足に流れる、という具合です。
そう考えると、
肺経(手)→大腸経(手)→胃経(足)→脾経(足)→心経(手)→小腸経(手)→膀胱経(足)→腎経(足)→心包経(手)→三焦経(手)→胆経(足)→肝経(足)
という順番になるのですが、これを見ると、経絡の気は手→手→足→足→手→手・・という風に、手から足へと巡り、再び手へと、順番に巡っていることが分かります。
こうやって経絡は、手足、すなわち上下の気の流れのバランスをとってくれているのです。
また、体内の臓腑(深部)にも、皮膚表面(浅部)にも巡ることで、体の深部の気と、浅部の気とのバランスもとっており、上下、左右、前後、内外の気血のバランスの恒常性は、
この「経絡」の循環システムが正常に機能して、はじめて成り立つものと考えているのです。
次回は、経絡それぞれが持つ特長について、ちょっと触れときます。
「経絡」って何ですか?(その5) に続く
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2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
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日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
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清明院14周年!!2023.10.04
12.3(日)市民公開講座やります!!2023.10.01
2023年 10月の診療日時2023.09.23
第41回、日本東方医学会学術大会のお知らせ2023.09.22
第55回、順天堂東医研に参加してきました!2023.09.21
第27回、日本病院総合診療医学会で発表してきました!!2023.09.20
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.09.01
2023年 9月の診療日時2023.08.18
第54回、順天堂東医研で喋ってきました!2023.08.17
順天堂東医研の学生さんと、「森のくすり塾」へ。2023.08.16
診療再開!!2023.08.01
2023年 8月の診療日時2023.07.24
第53回、順天堂東医研に参加してきました!2023.07.23
(一社)北辰会関東支部に参加してきました!2023.07.22
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.07.21
第73回 日本東洋医学会に参加してきました!2023.07.01
2023年 7月の診療日時2023.06.12
(一社)北辰会関東支部定例会に参加してきました!2023.06.11
(一社)北辰会本部会に参加してきました!!2023.06.10
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.06.09
第52回、順天堂東医研で喋ってきました!!2023.06.08
第14回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会に登壇しました。2023.06.01
2023年 6月の診療日時2023.05.31
日本東方医学会、医鍼薬地域連携研究会(DAPA)について2023.05.30
生薬観察登山に行ってきました!2023.05.12
清明院のコロナ後遺症対応に関して2023.05.01
2023年 5月の診療日時