東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「津」は大腸の腑、「液」は小腸の腑、コレなんで?? その2

2019.11.04

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前回のお話し

 

「津」は大腸の腑、「液」は小腸の腑、コレなんで??     参照

 

 

 

前回述べたように、東洋医学の言う五臓六腑の一つである、小腸の腑、大腸の腑には、「左旋」「十六曲」という形態的特徴が付されている。

 

『霊枢』腸胃(31)です。)

 

カテゴリ 五臓六腑

「小腸」って何ですか?(その5)

「大腸」って何ですか?(その6)    参照

 

 

 

もちろん、実際に人体を解剖してみれば、小腸は左旋も16曲もしていない訳ですが、現代西洋医学的な現実的、写実的解剖学ではなく、

 

気一元論、太極陰陽五行論を前提とした、観念論的、機能的解剖学”より完璧な”構築に腐心した古代中国、あるいは東アジアの医者たちとしては、

 

ここにどんな意味を込めたのか。

 

 

・・・昔から感じるけど、こういう問題に興味を抱き、気にするかどうかっちゅーのも、感性、センスという意味で、この医学を実践、ないし研究していく者にとっては重要かもしれない。

 

 

 

まず「左旋」からだけど、左旋ときたらまず思い浮かぶのが河図洛書の洛書だ。

 

 

河図洛書に関して、詳しい説明はここではしない(てか素人なんで出来ない(-_-;))けど、洛書では陰の動きは四隅における左回旋(2→4→8→6)であらわされる。

 

(アルテミシア『臓腑経絡学』p13)

 

 

つまり小腸の腑、大腸の腑における廻腸の「左回り=左旋」という形態的特徴の意味は、「陰の動き(収斂、収蔵、ある意味で成熟)」を表現しているのではないか、と、個人的には愚考している。

 

 

つまり形態的に「左旋」であらわされる「陰の場」である小腸大腸において、飲食物(水穀)は収斂、収蔵されていき、ある意味で「人体にとっては使い物にならない」二便が成熟していくわけだ。

 

(しかも左旋しながら上から下に動くわけだしね。(^^♪)

 

 

因みに、五藏六府の中で、奇恒之腑も含めて、回旋、螺旋のイメージであらわされるのは小腸の腑、大腸の腑のみだ。

 

(そのうち語りたいけど、この東洋医学的人体の”回旋・螺旋”の問題がまた、色々あって楽しい。(*‘∀‘))

 

カテゴリ 奇恒之腑    参照

 

 

・・・ではもう一つの特徴、「十六曲」はどうか。

 

 

五臓六腑では他にも、肝の七葉、肺の八葉、心系の四、三焦の三脾・胃心・心包肝・胆のニコイチなど、数字に拘って特徴づけられたような表現が散見される。

 

 

因みに、Wikipediaによると16の正の約数は1、2、4、8、16の5つだそうだ。

 

 

そして約数を「5つ」持つ数の中では「最小が16」であり、16の次は81だそうだ。

 

(もうこの、”最小”とか、”次が81”とか出てきただけで、ヨダレが。。。(笑))

 

 

また、約数の和と元の数との積が完全数になる3番目の超完全数であるそうで、1つ前は4、次は64だとか。

 

(これも、4とか64とか出てくるともう。。(゚∀゚))

 

 

数字、数術に詳しい読者の方、16そのものの数学的、数術的意味に関しては、まだまだ色々あると思うんで、ぜひ教えてください。<m(__)m>

 

 

・・・ともかく、「16」みたいに、易(河図)の言う生数(せいすう:1~5まで)成数(じょうすう:6~10まで)を超えた二桁の数字が出てきたときは、

 

『黄帝内経素問 三部九候論(20)』「天地之至數.始於一.終於九焉.」とあるように、そこに含まれる生数や成数の組み合わせで意味を考えて妄想したりしますが、

 

今のところ、小腸大腸の場合の「16」に内包されている意味は4✕4じゃないかな、と思っています。(私見)

 

 

「4(四)」は古代中国においては、代表的には地(陰)における東西南北の空間や、四時陰陽(四季)を示し、空間的広がりや、時間の循環を意味します。

 

青土社『中国神秘数字』参照)

 

 

また、易(河図)の生数では「4」「金」を意味します。

 

「五行」のはたらき 4   参照 

 

 

脾の臓と胃の腑の協調共同作業(胃の受納腐熟、脾の運化昇清のコンビネーション)での結果としての未消化物を、正常な脾胃の働きを土台にしながら、

 

心腎の陽気の扶助、肝肺の疏泄昇発宣発粛降の扶助によって、滞りなく、完璧に近い形で精濁泌別、糟粕の伝導が行われるためには、空間的に十分な広がり(四方)と、

 

十分な時間的な有余(四時)を必要とし、最終的には魄門(肛門)からの排泄(死と再生)が待っていますので、この流れは陰の場(左旋)において行われないと。

 

 

小腸の腑、大腸の腑における「左旋」「16曲」は、あんな、ある意味で稚拙な蔵象図の中に、上記のような深い意味をサラッと込めているモノなのではないかと、今のところ愚考しています。

 

(読者の方で、これに関して他の御見解がある方、ぜひご教示ください。)

 

 

鍼灸臨床で、便秘や下痢を治療するときに、合谷や後渓や上廉や下廉を当たり前に使うことがありますが、上記のようなことを考えながらやると、

 

診どころや意識に変化が出てくる筈です。

 

 

澤田健による

 

「リウマチは小腸の熱だ。」

 

という発言の意味や、北辰会が後渓を使ってあらゆる病を治している現実なんかもね。

 

 

・・・ま、どうであれ、結果的に、腸の健常な左旋力、消化吸収に必要不可欠な空間と時間を調整するのではないかと思っています。

 

 

今のところ、そう考えています。(゚∀゚)

 

(因みに今回と前回の話はまったくの私見ですので、悪しからず☆)

 

 

 

 

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「津」は大腸の腑、「液」は小腸の腑、コレなんで??

2019.10.27

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中医学では、体を流動する生理的な水分のことを「津液(しんえき)」と言います。

 

 

日本漢方の言い方では「気・血・水」「水」ですね。

 

(中医学の言う”津液”と、日本漢方の言う”水”は違う!という厳しい意見が聞こえてきそうですが、ここではザックリとこのように分けさせて下さい。(^^;))

 

 

この津液が、飲食物から吸収され、形成され、全身を巡るのには、比較的複雑な生理システムが関与しています。

 

 

まず、飲食物が「胃の腑」に入って、「脾の臓」の力で消化吸収され、余ったものは「小腸の腑」に送られ、さらに余ったものは「大腸の腑」に送られ、

 

それでも最終的に余った老廃物は、主に大便や小便や汗として体外に排出されます。

 

 

人体の恒常性維持に使えるもののうち、生理的な水分のことを「津液」と呼び、これは体表の露出している粘膜や、その他全身各所に、適度な潤いを与えます。

 

 

よく東洋医学では「五行色体表」といって、あらゆる要素を五分割した表があり、そこでは五液(涙、汗、涎、涕、唾)という表現が出てきますが、これらはぜーんぶ、津液(特に液)です。

 

 

この中で、臓腑経絡学において、「小腸の腑」では飲食物から津液のうち「液」をとり出し、「大腸の腑」では津液のうち「津」をとり出す、と教わりました。

 

 

・・・ところでこれ、何ででしょ??

 

 

東洋医学やってる人、パッと答えられますか??

 

 

水分(津液)は、陰陽で分ければ「気」、つまり「陽」に対して、「陰分」とか「陰液」言われますが、その津液をさらに陰陽に分けると、液は陰、津は陽です。

 

(流動性と粘性の強弱、存在する位置、機能的なベクトルなどから、このように分けています。)

 

 

これにはまあ、色々な説明の仕方が出来ると思うのですが、平たく言えば、小腸の腑の段階ではまだ完全に飲食物は消化され切っておらず、

 

大腸の腑よりも相対的に清濁が判然としない状況ですので、ある意味ザックリと荒っぽく、大まかに水液をとる必要があります。

 

 

従って結果的に流動性の低い、相対的に濁った(粘った)水液である「液」をも、とり出します。

 

 

そして大腸の腑では、小腸の腑と比較すれば消化物はかなり便に近い状態になっていますので、精濁の分化は小腸の腑の時よりも相当ハッキリとしており、

 

大腸の腑では仕上げとして、より完璧に、清濁をキッチリと分ける必要があります。

 

 

従って、流動性の高い、相対的に澄んだ水液である「津」をも、残さずとり出す、ということになるのではないかと思います。

 

 

ここで注意しないといけないのはあくまでも相対的に、という理解ですね。

 

 

四角四面に、小腸=液、大腸=津、と硬直的に考えてしまうと、臨床的には失敗のもとだったりします。

 

 

また、「小腸の腑」「心の臓」と表裏関係であり、五行では「火(君火)」の性質があてられていますが、心の非常に強い陽気の働きを助けとして、

 

ある意味で胃から送られてきた未消化物を”火にかけながら””荒っぽく”、精と濁とを分けるのに対し、「大腸の腑」「肺の臓」と表裏関係であり、

 

五行では「金」の性質があてられており、大腸では肺金の「従革」「粛殺」の気の助けを借りて、ある意味”几帳面に”、”精緻に”飲食物は大便へと”変化”させる、

 

という、五行の性質を通じた解釈もあり得ると思っています。

 

 

この「東洋医学的消化活動」の更なる詳細はここでは述べませんが、この流れにさらに、肝の臓や腎の臓、三焦の腑などなど、あらゆる臓腑が協調して参画して、

 

バランスが崩れないようにシステムで仕事をしてくれています。

 

 

五藏六府の表裏関係の中で個人的に面白いのは肺大腸、心小腸、心包三焦なんですが、他の肝胆、腎膀胱、脾胃と違い、”隣接”という位置関係をとらずに、

 

上焦(心肺)と中下焦(小腸大腸)で表裏関係を成しています。

 

(心包三焦はまたもう一歩特殊で、膜同士、とか、内外、と言っていいと思いますが)

 

 

肺は華蓋で八葉蓮華、蓮の花が”逆さになった”形で描かれ、心は蓮華の蕾のような姿で、これも”逆さになった”姿で描かれます。

 

 

そして、小腸は左旋で16曲、大腸の最初の部分である廻腸も左旋で16曲、という風に描かれます。

 

 

ところで、小腸大腸のこの「左旋」「16曲」、これは何でですか??

 

 

 

続く。

 

 

 

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「土用」に入りました!!

2019.10.22

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昨日チョロッと書いたように、二十四節気では寒露から霜降に入ろうとしています。

 

 

霜降の後にはいよいよ「立冬」です。

 

 

この「立冬」の前の18日間を「土用」と言います。

 

 

実は昨日、21日から立冬の前18日間なんで「秋の土用」と言います。

 

 

「四立(立春・立夏・立秋・立冬)」の4つの節の前の18日間のことを言い、1年で4回あります。

 

 

この時期にはよく、引っ越しするなとか、土いじりをするなとか言われます。

 

(丑の日にはウナギを食えとかね。(笑・・・これは平賀源内のアイデアらしいが。))

 

 

これは陰陽道の神である「土公神(どくじん、どこうしん)」の怒りを買うからだと言われます。

 

 

これが発展したのか拡大解釈されたのか、結婚や就職も良くないと言われます。

 

 

日本人はこうやって色々、占い的に考えるのが好きですね。

 

 

自然界の様相を数字や記号に置き換えて、現実と照らし合わせては理論に落とし込んで、吉凶を考える占術というのも、なかなか面白いものです。

 

 

何かをつかまえているのでしょう。

 

 

・・・まあかといって、治療においては、時節以外の要因も数限りなくあるわけですから、言うまでもなく時節に拘り過ぎれば失敗します。

 

 

土用だから絶対的に脾胃をいじっちゃいけないとかは僕は思いませんね。(∩´∀`)∩

 

 

 

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順天堂大学医学部、東洋医学研究会で喋ってきました!!

2019.09.13

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昨日は順天堂大学医学部、東洋医学研究会で喋って来ました!!

 

順天堂大学医学部に東洋医学研究会が発足!! ⑩   参照

 

 

今回のテーマは

 

「東洋医学のキホン 脾胃」

 

 

実技指導 舌診」

 

の二部構成。

 

脾・胃

「舌診」を含む記事    参照

 

 

これを二時間ですべてやるというワケですから、ある意味、殺人的スケジュールです。(苦笑)

 

 

講師である僕にとっても、本格的な東洋医学の、濃密で本質的な内容を外さず、いかにエレガントに「サマライズ」出来るか、これが問われています。

 

 

この現代日本には東洋医学の大学は無く、月にたった一回の勉強会と、学生同士での自主勉強という、しっかりと教育する時間がとれないという厳然たる現実の中で、

 

学生の興味をしっかりと引きつけつつ、しかも効率よく、退屈なマニュアルの暗記や、単なるHow toモノに陥ることなく、しかも、マニアック過ぎや専門的過ぎて煩雑な内容に陥ることもなく、

 

きちんとした東洋医学の基礎を教え込む。。。

 

 

これはなかなか、ハードルが高い事業であります。

 

 

・・・でも、僕は彼ら(医大生)の圧倒的勉強力に期待しています。

 

 

彼らなら、予め内容を決めて、予習復習さえきちんとやってくれれば、最短時間でこの医学の基礎が身に付けられる筈です。

 

 

それもワイワイと楽しみながら。

 

 

今回も北里大学の東医研のメンバーや、杏林大学の学生さん、順天堂の大学院生さんも参加して、徐々に参加者も増えてきました。

 

 

どの程度伝わったかはアンケートを待ちますが、今後の彼らの伸びや盛り上がりに期待しつつ、見守ります☆

 

 

 

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儒教、仏教の言う「七情」

2019.08.10

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ずいぶん前に、この医学の言う「七情」というものについて簡単に書いた。

 

七情(感情)   参照

 

 

この医学を勉強したことのある人なら、「七情」と言われればすぐに「怒・喜・思・悲・憂・恐・驚」とすぐに出てくる筈。

 

 

しかし、「七情」という単語から、上記とは別の定義も出てくる。

 

 

岩波の『仏教辞典 第二版』によれば、「七情」は、儒教の四書五経の一つである、『礼記』の礼運というところには、「喜・怒・哀・懼(く:おそれ)・愛・悪・欲」と出てきます。

 

「四書五経(ししょごきょう)」とは    参照

 

 

また、『礼記』以外の中国古典には「喜・怒・哀・楽・愛・悪」「六情」がよく出てくるようで、それに「懼れ(懼:く)」を加えたものが『礼記』の七情なんだそうです。

 

(ここでは、欲と楽は同義、と考えるんだそうです。)

 

 

そして、使用例として江戸初期(1619年)の仏教書『盲安杖(もうあんじょう)』より、

 

「おとなしき者の病も七情より起こるとなり」

 

とあります。

 

 

この『盲安杖』というのはなかなか面白いタイトルで、「心の盲者を安きに導く杖」という意味だそうで、儒教からの仏教批判に対するアンサー本として、

 

人間が守るべき10の徳目について書かれたものだそうです。

 

(心の盲者ね。。。(笑))

 

 

ここでまた面白いことに、儒教、仏教における「七情(喜怒哀楽愛悪懼)」と、東洋医学における「七情(怒喜思悲憂恐驚)」の違いを見ますと、

 

目につく違いは「愛・悪」「思」ですね。

 

 

因みに『黄帝内経』を素問、霊枢と両方検索しても、「愛」の字はたった1文字、それもいわゆる「愛情」とは全然違う意味で出てきます。

 

 

因みに因みに、『道教辞典』でも「愛」という単語は出てきません。

 

 

まあ、「愛・悪」という感情は結果的に「思慮過度」という病理を生む、という意味では、同じことかもしれませんけどね。(笑)

 

 

「思慮過度」は脾にこたえる。

 

「脾」って何ですか?(その9)    参照

 

 

「愛情」「憎悪」は、最終的に脾にこたえる、ってか。

 

 

結果的に、太ったり痩せたり、下痢したり便秘したり、痔になったり鬱になったり、ってか。

 

 

なるほどねえ、と思わされるところがありますなあ。

 

 

 

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(一社)北辰会関東支部講師研修会

2019.07.24

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7.22の月曜日は、関東支部の講師陣と新風先生で集まって、「支部講師研修会」をやりました!!

 

 

この研修会は、数年前から始めた企画なんですが、支部の講師で集まって、より良い講義はどういったものか、より良い指導法はどういったものか、

 

というのを研究し、指導力を向上させようというのが狙いの研修会です。

 

 

現状、鍼灸学校の教員になるには、二年間の教員養成課程(臨床教育専攻科)、あるいは鍼灸大学の修士課程を出なければなりません。

 

 

竹下も一応、東京衛生学園臨床教育専攻科を出ています。(笑)

 

 

専攻科では、鍼灸の指導に関する内容や、一般的な大学の教育学部でやるような教育学はもちろんのこと、「教育技法」といって、模擬講義を実際の教員の先生に聞いていただき、

 

批判して頂いたり、「教育実習」として他の鍼灸学校に行って授業を見学したり実際にやったりと、様々な経験をすることが出来ます。

 

 

しかし、北辰会やその他のような流派学派で講師をやる先生方は、特にそういった過程は経ずに、ある意味で「見よう見まねで」講義や実技指導を行うようになります。

 

 

そうでなくても指導内容や指導力というものにはバラつきが大きいのに、これだと、さらに大きくなります。

 

 

ですので、そこを是正、補強せんがために、講師間で教育内容や教育技法に関するコンセンサスを得るという目的もあって、数年前から私と新風先生とで企画して、

 

丸1日かけて、やっております。

 

 

分かりやすい講義とは何か、分かりやすい実技指導とは何か、限られた時間の中で、本質を外さずに上手くデフォルメするにはどうしたらいいか、

 

講師として教壇に立つ以上、こういったことには常に注意を払うべきだろうと思います。

 

 

15年くらい前から始まった北辰会方式の教育改革ですが、続々と本を出版し、教科書などの教材を整備して、自学自習の出来る人にとっては非常に学びやすい状況を整えつつ、

 

学術部としてさらにやらなくてはならないのは、座学と実技の両面における講師の先生方の教える技術の向上であります。

 

 

講師になって教えるということは、自分自身の学術の復習にもなりますし、一番勉強になるのは講師自身です。

 

 

ですので、一般会員の先生方にも、まずは徹底的に基礎を踏まえたのち、さらにという向学心向上心があるのであれば、大いに講師を目指してほしいですね。

 

 

そして、終わった後は酒。。。

 

 

土曜の夜から、三日連続、酒です。

 

 

昨日感じたけど、普段より空腹感が強い。

 

 

夜になると、酒を欲する感覚が強い。。

 

 

うーん、この欲求に任せていると危ないので、暫くは脾胃を休めます。。。(;’∀’)

 

 

 

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6月(一社)北辰会定例会東京会場

2019.06.25

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6.23の日曜日は高田馬場で行われた(一社)北辰会定例会東京会場へ。

 

 

今回は本部から鍼灸 大仙堂院長、山本克仁先生もお見えでした。

 

 

朝から清明院元副院長、現寧心堂院長の森岡健介先生による基礎中医学講義「津液」。

 

過去記事 森岡  参照

 

 

(一社)北辰会は、中医学を理論のベースに置いていますが、今では『北辰会方式 理論編』として全面的に理論化、書籍化され、非常に学びやすくなったと思います。

 

 

朝イチは私と森岡の鍼灸学校の同期でもある伝統鍼灸かみなり院長、土田丈先生による経穴解説「肺経・大腸経・胃経」。

 

 

朝二は春宵堂治療院本山裕子先生による経穴解説「脾経・心経・小腸経」。

 

 

経穴は解説はかつて「北辰会常用腧穴講義」と題して、蓮風先生がシリーズで講義して下さった、北辰会の人気講義なんですが、

 

今では『経穴解説』として書籍化され、非常に勉強にしやすくなったと思います。

 

 

3名とも、”読めばわかる”部分を超えた講義をやってくれたと思います。

 

 

午後は現在、北辰会の育成運営の責任者である山本克仁先生の鮮やかな実技デモの後、各班に分かれて実技練習「原穴診・背侯診・取穴」

 

 

これも今では、『体表観察学』『北辰会方式 実践編』という二冊がありますので、大変勉強しやすくなっております。

 

 

書籍も充実、講師も充実、やってますね~、北辰会。

 

 

2005年くらいから、藤本新風先生を中心に、次世代に向けて様々な改革を進めてきました。

 

 

最近では、2018年に新代表に就任した藤本新風先生が、伝統鍼灸学会では他流派の先生方と実技コラボしたり、三旗塾で講演したり、良導絡自律神経学会で講演したり、

 

今度大阪で行われる鍼灸フェスタで講演したりと、外へ外へと力が向いてきております。

 

 

他流派の先生方ともどんどん交流して、日本の鍼灸界、今後も盛り上げたいですね☆

 

 

 

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つむじ(旋毛)のナゾ

2019.06.08

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毎日患者さんの体を診ていると、妙に気になるところがある。

 

 

例えば、主に背中に現れる「つむじ(旋毛)」

 

 

督脈上だけでなく、膀胱経上にも確認出来ます。

 

 

つむじといえば、頭のてっぺんにあるのはみんなよく知っている。

 

 

でも、教科書的な百会穴と一致するかというと、しない。

 

(広い意味では一致するといってもいいのかな。。。)

 

「百会」を含む記事 参照

 

 

中学生の時、おでこの周辺にももう一つつむじのある友達がいて、みんなで不思議がっていた。

 

 

・・・あれはいったい何なんだろう。

 

 

つむじは一応、医学用語(というほどでもないだろうけど)では「旋毛(せんもう)」とか「毛渦(もうか、けうず)」と呼んだりするらしい。

 

 

調べたところ、右回旋のものの方が10%ほど多かったとか、日本人では左回旋が多いとか、人種差があるとか。

 

(これも興味深い。でも、母集団がどういったものか、よく分からん。。。(苦笑))

 

 

胎児の名残りで、皮膚の発生と関与するとか。

 

 

つむじから始まる毛の生え方、流れのことを「毛流(もうりゅう)」というらしく、動物を見ると、進む方向に、また雨水を効率的に下に落とし、

 

体温を守るためか、風と水の流れを邪魔しない方向に沿って生えている。

 

 

走っている毛足の長い犬を想像すれば分かるように、進む方向に沿って生えている訳です。

 

 

確かに進行方向とは逆に生えてたら、空気抵抗で動きにくくてしゃーないですわな。

 

 

水が落ちやすいように、上から下に向かって生えているというのも濡れた動物の姿を想像すれば分かるでしょう。

 

 

これも逆に(下から上に)向かって生えてたら、背中に水がたまっちゃって、乾きにくくてしゃーない。

 

 

人間は二足歩行で直立するから、頭のてっぺんにつむじが出来て、水が流れ落ちるようになっている、と言えば何となくわかるが、じゃあ背中にあるのはなんでだろう。

 

 

胎児の名残り、四足歩行時代の名残りと言うなら、全員の同じ場所に無いのは何で??

 

 

で、よく診ると、これが特定の経穴、示唆的な経穴に出ている場合がある。

 

 

良くあるのは神堂、筋縮などの督脈上。

 

 

督脈からは少しずれて、脾兪に出ているのもあった。

 

 

東洋医学的には、それらによっても意味するところが違ってくると思う。

 

 

頭のつむじが生まれつきあるところを見ると、その他の部位に出てくるつむじも、生まれつきなのか。

 

 

これは、気が散っていく様か。

 

 

あるいは流れ込んでくる様か。

 

 

あるいは鳴門の渦潮のように、旋毛の付近で相反する方向性の気の流れがぶつかった結果か。

 

 

これらが複合している様か。

 

 

おおよそ、上記に帰納できそうだが、いずれにせよ、気になる所見。

 

「螺旋」を含む記事 参照

 

 

今後も診ていこう。

 

 

 

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次から次へと。。。

2019.06.06

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二十四節気では「芒種」に入り、すっかり暑い日が続きますね。

 

 

明日あたりから天気が崩れ、梅雨の様相を呈して来るようです。

 

 

湿邪持ち、脾虚タイプの人は要注意です。

 

(1週間くらい前から、もうだいぶ反応が出ていましたが。。。)

 

 

清明院では心が絡んでるものが多く、厄介でしたね。

 

 

 

 

まあそれにしても、次から次に勉強したい内容、仕事、ドシドシ入ってきますな。

 

 

こういう時は、あえて無茶せずに寝るに限りますね。

 

 

遅くまで仕事せずに、寝たって別に大丈夫です。

 

 

タルいから寝る☆

 

 

問題なく、世の中回ります。(゚∀゚)

 

 

健康の秘訣の一つだと思いますね☆

 

 

 

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「五行」のはたらき 4

2019.04.21

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これまでのお話し

 

「五行」って何ですか?(その8)

「五行」のはたらき 1 

「五行」のはたらき 2       参照

 

 

 

◆従革とは。

 

 

さて今日は、これも聞きなれない金の性質、「従革」を説明します。

 

 

「金は従革」と定義したのも、紀元前5世紀ごろの書とされる『書経(尚書)』洪範です。

 

 

これは、中国隋代の蕭吉(しょうきつ)によって撰述された『五行大義』によれば、

 

「従」・・・範(のり)に従い

 

「革」・・・更(あらた)まる

 

という意味だそうで、金属が溶けて容器や刃物など、様々な形に姿を変えることからこの性質が言われるようになったそうです。

 

 

また、後漢の許慎の『説文解字』では、「金は禁」といわれ、金の時季である秋になると、自然界の陰気が盛んになりだし、万物の成長が止まる(ある意味で成熟する)、と説明します。

 

 

それを「粛殺の気」と言います。

 

 

これは、以前にも書いていますが、8月の立秋の頃になると、朝晩の空気、風に微妙に出てくる、あの感じのことです。

 

秋燥の気   参照

 

 

 

また「金」という漢字の中には「土」が隠れており、間にある「’ ’」は、金属が土の中で光っているさまを示す、と説明します。

 

 

 

「金」は方位(空間)では西方、季節では秋です。

 

 

 

西方は日が沈む方角、死の世界ですね。

 

 

 

しかしこれも大事な自然の摂理です。

 

 

 

天の道理に順う粛殺は、新しいものを生み、発展の方向に向かうのですが、天の道理に従わない粛殺は、かえって新しいものを生まなくなり、

 

衰退を招くという、重要な教えが含まれています。

 

 

 

「金」は臓腑経絡では肺の臓(手太陰肺経)と大腸の腑(手陽明大腸経)、経穴では陽経の井穴と陰経の経穴です。

 

肺・大腸    参照

 

 

 

臓腑では稼穡の土は脾胃で、従革の金たる肺大腸とはいわゆる相生関係にある訳ですが、これが経絡的には太陰経と陽明経で手足一対になっていることも興味深く、

 

流注の順序からしても肺→大腸→胃→脾と密接であり、陰陽ともに気血が旺盛(太陰と陽明)、というのも意味深いですね。

 

 

十二経の流れの順調度合いは、胃の気の充実(一つには稼穡力)からの肺金の従革力(死と再生)ありきな訳です。

 

 

 

また、金(従革力)に関与する経穴を実際に動かす時は上記のような考えを持つと、診どころが変わってくると思います。

 

 

 

例えばよく使う陽経の井穴刺絡とか、霊道穴とかね。(゚∀゚)

 

 

 

続く。

 

 

 

 

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