東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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患者さんの声(60代女性 脊柱管狭窄症)

2016.03.20

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「患者さんの声」をいただきましたので紹介します。

 

 

60代 女性 

 

【症状】脊柱管狭窄症による腰下肢の痛み痺れ(坐骨神経痛)、歩行困難

 

【既往歴】関節リウマチ、右顔面神経麻痺

 

 

 

「竹下先生なら親身になって診てくれますよ。」

 

という言葉を頼りに清明院に行ったのが、今から二年ほど前の事です。

 

当時、新宿駅から清明院までの5分程度の道中、痺れで毎回一度は立ち止まり、屈伸をして、どうにか通っていました。

 

そして鍼治療が始まっても、元々鈍感な体質?!の為、最初の頃は何の変化も感じませんでした。

 

温めて頂いた足元が気持ちいい...くらいでした。

 

それが、いつとは分からないのですが、屈伸しないで通えるようになったのです。

 

最近では、お友達と週二、三回歩く時間を作って、60~90分、休みなく歩いているのです。

 

普段、持病の他、私にとっては万病の時の駆け込み寺のようです。

 

知らず知らずの間に、竹下先生のお導きでここまでこれたと、感謝しています。

 

これからも体調を崩したら清明院。

 

なにで来ても、最善の対応をしますと断言して下さる竹下先生。

 

これからもどうぞよろしくお願い致します。

 

あの言葉を信じて良かったです。

 

 

 

【清明院からのコメント】


本症例は、初診がH26年の4月でした。

 

あるマッサージ院さんからの紹介でした。

この症例も、専門病院で投薬治療を行い、一定の改善を見るも、それ以上の効果に関してはお手上げ状態になっていた症例です。

そういうものを治してこその鍼灸医学ですね。

清明院では、脊柱管狭窄症に関しては、これまでにも診させていただいた経験が多くあり、それなりに自信があります。

 

初診時、「肝鬱気滞、腎虚」と弁証し、鍼をした後の変化から見て、これはいけるだろうな、という手ごたえは感じていました。

 

ただ、本症例は本格的に発症してから4年が経過しており、初めて軽い症状を自覚したのは15年前、という慢性症状であり、

 

メインの症状以外の既往歴も色々とあるので、時間はそれなりにかかるだろうと思いました。

 

案の定、初回の治療後、いい変化は感じていたものの、すぐに症状が元に戻ってしまうという、患者さんも、こちらとしても、ヤキモキするような状況がしばらく続きましたが、

 

それでも冷静に、有効打を与え続けた結果、上記のような素晴らしい結果が得られた、という症例だと思います。

 

よく頑張って通って下さったと思います。

 

このように、慢性、難治性の疾患を治療する場合、患者さん自身の治療に対する前向きな心持ち、行動が非常に重要になります。

 

初診以降、週1,2回のペースで治療を続け、無理をして疲れたり、カゼを引いたり、症状が強く出てきたりする度に適切に対応し続け、

 

徐々に徐々に症状が緩解していき、初診から1年が経った頃には、症状は半分以下となり、1年半たった頃には、最初を10とすると1程度まで改善しました。

 

現在では月に1.2回、健康の維持増進を目的に、通院を継続されております。

 

一回二回の治療で劇的に治癒した症例も、派手で結構ですが、こういう症例も実は鍼灸治療、東洋医学の醍醐味、本領だったりします。

 

脊柱管狭窄症というと、薬や注射で痛みや痺れをごまかし続け、いよいよ歩けなくなると手術する、で、しばらくするとまた同じ症状が出て、

 

同じことの繰り返しをしているうちに、いよいよ歩行困難、お手上げ状態となる、という悲惨な流れになってしまう方が非常に多いのですが、

 

早い段階で清明院に鍼に来ることをお勧めします。


何でも治せるとは言いませんが、脊柱管狭窄症については、鍼を持って以来、非常に多くの症例を診ていますが、総じて皆さん結果はいいようなので、

 

お困りの方は是非一度診せにいらしてください。

 

 

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2015年度、後期授業終了!!

2016.03.10

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3.9の水曜日で、東洋鍼灸専門学校、2015年度の後期授業が終了しました!!

 

 

・・・いやー、長かったー!!(@_@)

今回は「体表観察学」を昼夜3クラスに、「臓腑経絡学」を昼1クラスに、各クラス約20コマずつ、合計80コマの講義を終了しました!!

この、1日4コマ講義の話を受けたとき、どんなことが起こるか、楽しみとか言っていましたが、結果的には、「僕が」けっこう疲れました。

 

(苦笑・・・すなわち、まさかの”僕が疲れる”という結果が得られました。。。)

 

 

まあでも、ここに、カリキュラム内容を公開し、記念碑にしようと思います。

 

 

【昼専科、夜本科専科】

1.ガイダンス~北辰会方式概論
2.中医学概論 実技デモ
3.28脈状診 実技
4.胃の気の脈診 実技

5.舌診 実技
6.腹診 実技
7.背候診 実技
8.原穴診・八脈交会八穴診 実技
9.顔面気色診・眼診 実技

10.臓腑経絡学概論 実技
11.弁証問診①総論 実技
12
.弁証問診②各論 実技
13.弁証問診③女性カルテ 実技
14.弁証問診④男性カルテ 実技
15.刺鍼術・施灸術 実技
16
.難病症例解説 実技
17
.公開臨床①(問診)
18.公開臨床②(体表観察~治療~養生指導)

19.空間診 実技

20.爪甲診・井穴診 実技

 


【昼本科】

 

1.ガイダンス 実技

2.臓腑経絡学総論 実技

3.臓腑経絡学 肺 実技

4.臓腑経絡学 大腸 実技

5.臓腑経絡学 胃 実技

6.臓腑経絡学 脾 実技

7.臓腑経絡学 心 実技

8.臓腑経絡学 小腸 実技

9.臓腑経絡学 膀胱 実技

10.臓腑経絡学 腎 実技

11.臓腑経絡学 心包 実技

12.臓腑経絡学 三焦 実技

13.臓腑経絡学 胆 実技

14.臓腑経絡学 肝 実技

15.奇恒之腑 実技

16.奇経八脈① 実技

17.奇経八脈② 実技

18.気と陰陽論基礎 実技

19.神主学説基礎 実技

 

(昼本科については前期に体表観察学の一通りの講義が終わっているため、座学講義の後半は実技で体表観察の練習をしました。)

 

 

・・・専門家の皆さん、なかなかのラインナップでしょ??(笑)

上記講義、どのコマも、一切の手抜きナシです。

やるからにはマジです。

でもちょっと疲れたので(苦笑)、2016年度はコマ数を半分に減らして、臨んでみようと思います。

 

 

やっぱ僕の居場所は、患者前だ。

 

 

それをよく理解する上で、大変大きな半年でした。

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奇恒之腑について 5

2016.02.02

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これまでのお話

 

奇恒之腑について 1

奇恒之腑について 2

奇恒之腑について 3

奇恒之腑について 4 参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

本日は奇恒之腑のラスト、「女子胞」についてです。

 

 

女子胞というのは、西洋医学で言う”女性生殖器”のような存在です。

 

(これも厳密に考えていくと違うのですが、イメージとしてはそんな感じです。)

 

 

要は、女性独特の臓器でり、妊娠し、胎児を育てる場所のことです。

 

(いわゆる”子宮”のイメージが一番近いでしょうね。)

 

 

形としては袋状でありながら、胎児を蔵する働きがあり、妊娠していない時でも、毎月、妊娠できるように十分な気血を蔵する、

 

というわけで、風変わりな存在である「奇恒之腑」にノミネートされとる訳です。

 

 

ちなみに、男性の場合の陰嚢、睾丸、精巣を”男子胞”という言い方はしませんし、奇恒之腑にも数えられていません。

 

(男性だって精を蔵するのにねー)

 

 

これは男性生殖器には胎児を妊養する能力がないからでしょう。

 

 

女子胞については当然、『黄帝内経』に出てきます。

 

 

『黄帝内経素問』奇病論(47)には、

 

「女子胞は腎に繋がっているのだー!!」

 

とあり、『黄帝内経素問』上古天真論(1)には、

 

「14歳になると、女子胞に関わる気血が盛んになって、妊娠できるようになるのだー!!」

 

と、書いてあります。

 

 

因みに、現代日本では初潮年齢の平均は12歳ぐらいだそうです。

 

 

2500年前と比較して、二歳も違うのは、栄養状態や、セクシャルな情報の氾濫など、様々な原因が考えられるでしょう。

 

 

ともあれ、上記から分かるのは、女子胞腎の臓と非常に関わりが深く、女子が正常に発育すると、一定の年齢で、女子胞において妊娠できるようになる、ということですね。

 

 

ただ実際は、女子胞には経絡で言うと腎の臓の経絡である足少陰腎経の他にも、足厥陰肝経、足太陰脾経、足陽明胃経、奇経八脈の任脈、督脈、衝脈が入りますし、

 

機能の上では心の臓も深く関わりますので、一概に女子胞の病だからと言って、腎の臓が悪いとは即断できません。

 

 

清明院にも婦人科疾患の患者さんは非常に多いのですが、一例一例、的確な弁証論治が要求されます。

 

 

まだまだ細かいことを語りだしたらキリがないですが、「奇恒之腑」シリーズ、一先ずここまでにします。

 

 

 

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奇恒之腑について 3

2016.01.31

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これまでのお話

 

奇恒之腑について 1 

奇恒之腑について 2    参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆東洋医学における「髄」とは。

 

 

本日は「髄」に関していきます。

 

 

「髄」というのは、前回説明した「骨」の中にしまわれている、大切なエキスです。

 

 

その原料になっているのは「精」だと言われます。

 

『黄帝内経霊枢』経脈篇(10)「・・人始生.先成精.精成而腦髓生.・・」

 

 

五臓はそれぞれ「精」を蔵していますが、とりわけこの「精」にかかわりが深いのは「腎の臓」です。

 

『黄帝内経素問』解精微論(81)「・・水宗者積水也.積水者至陰也.至陰者腎之精也.・・」『黄帝内経霊枢』本神(8)「・・腎藏精.精舍志.・・」、九鍼論(78)「・・腎藏精志也.・・」

 

 

腎の臓が蔵する「精」は、人間の生殖能力にも大きく関わります。

 

 

その「精」が凝集し、骨の内部をミチッと満たしているものを「髄」といい、それは「骨」の中に大切にしまい込まれている腎精のエキスだ、というワケです。

 

 

『黄帝内経素問』五蔵生成論(10)には

 

「諸髄はみな脳に属す」

 

とあり、同じ『素問』陰陽応象大論(5)には、

 

「腎は骨髄を生ず」

 

とあります。

 

 

これらから分かるのは、奇恒之腑のうち、「骨」「髄」「脳」は、どれも腎の臓、とりわけ”腎精”との関わりが深く、腎の臓の機能失調、機能低下は、

 

結果的に骨をもろくし、髄や脳を空虚にする、という現象がある、ということです。

 

 

 

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奇恒之腑について 2

2016.01.30

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前回のお話

 

奇恒之腑について 1 参照

 

 

 

では続きいきます!!

 

 

奇恒之腑というのは、6つあります。

 

つまり、

 

「骨・髄・脳・脈・胆・女子胞」

 

の6つです。

 

 

この6つに、”奇恒之腑”なる名前を与えたのは、『黄帝内経』です。

 

(『素問』五蔵別論(11)です。)

 

 

五蔵別論には、

 

「この6つは、地の陰気を受けた存在であり、腑のクセに何かをため込んでやがる存在」

 

ということになっています。(意訳by竹下)

 

 

五蔵別論には、臓と腑の定義を比較して、

 

「臓は大事なものをため込んで洩らさない存在、腑は洩らしてため込まない存在」

 

ということになっています。

 

(これは超有名です。)

 

 

そう考えると、奇恒之腑というのは、腑のクセに、何かをため込んでやがるという、変わったやつな訳です。

 

 

だから、変わった存在、ということで、奇妙の”奇”の字があてられています。

 

 

この中の、「胆」については、以前書きました。

 

「胆」って何ですか?(その12) 参照

 

「脳」についても、以前書いています。

 

脳卒中と鍼灸 その7

精神の中枢は「脳」か「心の臓」か 10 参照

 

 

ですので、ここでは、それ以外の4つについて語っていこうと思います。

 

 

まずは「骨」から。

 

 

◆東洋医学における「骨」とは。

 

 

東洋医学も、当然、人間の体には「骨」という、建物で言えば柱のようなものがあるということは、2500年前の『黄帝内経』の時代から、すでに認識していました。

 

 

『黄帝内経』の本文中から、「骨」という文字を検索すると無数に出てきます。

 

 

しかし、素問81篇、霊枢81篇の、「篇名」自体の中に”骨”とはいっているのは

 

霊枢:骨度篇(14)と素問:骨空論(60)

 

のみです。

 

 

骨度篇の方は、骨の長さから、経脈の長さを論じた篇です。

 

 

骨空論の方は、経穴が骨と骨の間の空間(骨空)に存在することを説いた篇です。

 

 

このように、「骨」というのは、他の組織に比べて動きが少ないため、人体における位置や長さを考える時の”基準”として考えるのに便利だったんだろうと思います。

 

 

また、何度も出てきますが『素問』五蔵生成論(10)には、

 

「腎の合は骨なり」

 

とあり、『素問』陰陽応象大論(5)には、

 

「腎は骨髄を生ず」

 

とあり、『霊枢』経脈篇(10)には、

 

「骨は幹たり」

 

とあります。

 

 

これらから分かるのは、骨と腎の臓との関わりの深さ、また、骨は体を支える柱である、ということです。

 

「腎」って何ですか?(その11)

 

 

また、「歯」について、東洋医学では

 

「歯は骨余(骨の余り)」

 

と説きます。

 

 

歯についても、以前書きました。

 

歯科と東洋医学 参照

 

 

これらのことから、東洋医学的には、「腎の臓」が弱ると、骨や歯がもろくなり、逆に骨折などで骨を傷めると、腎の臓にキツイ負荷がかかる、と言えると思います。

 

 

 

続く

 

 

 

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「三陰三陽」という考え方 6

2015.11.27

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これまでのお話

 

「三陰三陽」という考え方 1

「三陰三陽」という考え方 2

「三陰三陽」という考え方 3

「三陰三陽」という考え方 4

「三陰三陽」という考え方 5   参照

 

 

 

では続きいきます!!

 

 

前回、手足の経絡は3つの陰経と、3つの陽経とに分類される、というお話をしました。

 

 

それを「三陰三陽経」というワケですが、その名前を陰経から言うと

 

「太陰経」「少陰経」「厥陰経」、

 

陽経では

 

「太陽経」「少陽経」「陽明経」

 

でしたね。

 

 

そしてこれらは、陰気や陽気の多寡によって、このように呼び分けられている、というお話をしました。

 

 

今日は、それ以外の特徴について触れておこうと思います。

 

 

◆三陰三陽経と開・闔・枢(かい・ごう・すう)

 

 

この話は一般の方には難しいと思うけど、ついでなんで書いときます。

 

 

三陰三陽、それぞれの経絡の”働き”を考えた場合、開・闔・枢という3つの働きに分けることが出来ます。

 

 

これは、『黄帝内経素問』陰陽離合論(6)というところに書かれています。

 

 

「開」には開くという意味があり、気の出入に関係します。

 

 

三陰三陽経の中で「開」の働きを持っているのは、陽経では太陽経、陰経では太陰経です。

 

 

太陽経は小腸と膀胱の経絡、太陰経は脾と肺の経絡です。

 

 

・・・まあ、この4つの臓腑ともに、”開く”ことによって気の出入を調整するという意味で、理解できなくもないと思います。

 

「小腸」って何ですか?(その5)

「膀胱」って何ですか?(その5)

「脾」って何ですか?(その9)

「肺」って何ですか?(その12)   参照

 

 

 

「闔(ごう)」は閉じるという意味があり、気の保護に関係します。

 

 

「闔」の働きは陽経では陽明経、陰経では厥陰経です。

 

 

陽明経は胃と大腸、厥陰経は肝と心包です。

 

 

この4つも、閉じることによって気を保護する、と、理解出来なくもない感じです。(笑)

 

 「胃」って何ですか?(その10)

「大腸」って何ですか?(その6)

「肝」って何ですか?(その13)

「心包」って何ですか?(その6)   参照

 

 

「枢」”開と闔(つまり開閉)を調整する”という意味があります。

 

 

ドアで例えれば、開いていて出入り自由な状態が「開」、閉じた状態が「闔」、それを調整する蝶番のような役割を担うのが「枢」です。

 

 

「枢」の働きは少陽経と少陰経です。

 

 

少陽経は胆と三焦、少陰経は心と腎です。

 

 

この4つが、「開く」「閉じる」を調整するというのも、分からんではない、という感じですな。

 

「胆」って何ですか?(その12)

「三焦」って何ですか?(その12)

 「心」って何ですか?(その7)

「腎」って何ですか?(その11)    参照

 

 

 

 

ここで個人的に重要かな、と思うのは、上に一応臓腑を働きとともに挙げましたが、開・闔・枢というのは、「臓腑」そのものの働きことを言っているのではなく、

 

あくまでも「経絡」(手足三陰三陽経)の、生理的な働きのことを言っているのだ、ということです。

 

 

手足三陽経において、人体後面(陽の部位)を大きく流れる太陽経は、開く(エネルギーを発散する、と言い換えてもいいかもしれません)働きを持っており、

 

人体の前面(陰の部位)を大きく流れる陽明経は、閉じる(エネルギーをため込む、と言い換えてもいいかもしれません)働きを持っており、

 

人体の側面(陰陽が中途半端な部位)を大きく流れる少陽経は、その開閉を調整する働きを持っており、手足三陰経においては、手足三陽経のその働きを支えつつ、

 

自身も開・合・枢の働きを有し、表裏のエネルギーバランスの調整(恒常性維持)に役立っている、ということだと思います。

 

 

このように経絡というのは、それぞれに気血の量が多かったり少なかったり、それぞれに担う働きが違ったりしながら、人体の複雑で霊妙なバランスを支えている機構なのです。

 

 

 

つづく

 

 

 

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病態説明能力

2015.11.23

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よく学生を教えていると問われることがある。

 

「先生、東洋医学的な病態説明って、難しくないですか??」

 

と。

 

 

私が

 

「どうして?」

 

と問い返すと、

 

「だって、腎虚とか肝鬱とか言っても、一般人には分からないじゃないですかー。」

 

という。(苦笑)

 

 

・・・うーん、そんなん当たり前じゃないすか。。。

 

 

この考え方は間違っていますね。

 

 

一般人に、専門用語で説明したって分からないのは当たり前。

 

 

そこは東洋医学も西洋医学も一緒だ。

 

 

重要なのは、患者さんが分かるようにかみ砕いて説明する能力を身に付けること。

 

 

それが出来ないと、東洋医学的な臨床で飯を食うのは、確かに難しいだろう。

 

 

 

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「三陰三陽」という考え方 5

2015.11.20

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これまでのお話

「三陰三陽」という考え方 1

「三陰三陽」という考え方 2

「三陰三陽」という考え方 3

「三陰三陽」という考え方 4  参照

 

 

では続きいきます!

 

 

ここまで、手足の三陰三陽経と、五臓六腑との関わり(仮説も含めて)を説明してきました。

 

今日はまた別の角度から考えてみたいと思います。

 

手足の経絡にはそれぞれ、「三陰三陽」の名前が付いています。

 

どういうことかというと、以下の通り。

手の大腸経、足の胃経・・・陽明経(ようめいけい)

手の三焦経、足の胆経・・・少陽経(しょうようけい)

手の小腸経、足の膀胱経・・・太陽経(たいようけい)

手の肺経、足の脾経・・・太陰経(たいいんけい)

手の心包経、足の肝経・・・厥陰経(けついんけい)

手の心経、足の腎経・・・少陰経(しょういんけい)

とまあこのように、手の経絡と足の経絡を一つづつまとめて一対にし、それぞれに名前が付けられています。

 

この、”陽明”だの”少陽”だのという名前は、もちろん『黄帝内経』にて定義されたのですが、どういう意味かと言うと、一つには

「その経絡の陽気や陰気の多寡」

を示すんだそうです。

 

少陽経と太陽経といったら、何となく太陽経の方が陽気が多そう、というのは、字からしてすぐ分かりますね。

 

少陰経と太陰経もしかりですね。

 

では、陽明経というのはいったい何なんでしょう。

 

これは、太陽経よりもさらに陽気が多く、いよいよ明るい、という意味なんだそうです。

 

では、厥陰経というのはいったい何なんでしょう。

 

これは、太陰、少陰と陰気が少なくなってきて、いよいよ尽きるように少ない、という意味なんだそうです。

 

(厥には”厥(つ)きる”という意味があるそうです。)

 

でもまあ、本当に尽きてしまっては死んでしまいますから、あくまでも生きている人間の中における、相対的な陰気の少なさを示すのが、この呼び名なんだそうです。

 

そして、この6つの呼び名を「六経(りっけい)」と呼びまして、これが後代の有名な『傷寒論』「六経弁証」という考え方に繋がっていきます。

 

『傷寒論』というのは、「傷寒」というぐらいですから、超簡単に言えば”寒邪(冷えの邪気)”にやられ、色々な症状を呈しながら、

最終的には死んでしまうところまでの病気の流れ(各ステージ)について、病の起承転結を詳細に詳細に説明した本です。

『傷寒論(しょうかんろん)』という本 参照

 


ですから当然、経絡それぞれの陽気や陰気の多寡に応じて、寒邪に侵襲された場合に出てくる症状や所見が、それぞれの経(位置)によって違うのです。

 

続く

 

 

 

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「三陰三陽」という考え方 4

2015.11.16

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これまでのお話

 

「三陰三陽」という考え方 1

「三陰三陽」という考え方 2

「三陰三陽」という考え方 3 参照

 

 


では続きいきます!

 

 

前回は、手の三陰三陽の経絡に関して、若干の考察をしてみました。

 


では、足の三陰三陽はどうでしょうか。

 


足の陰経が関わる臓は肝、脾、腎

 


足の陽経が関わる腑は胆、胃、膀胱です。

 


こちらはいずれも、中焦から下焦に存在するので、手よりも足と関係が深そう、というのは何となく感覚的に分かりやすいですね。

 


そして、肝、脾、腎の三臓はどれも管腔状ではない、ミチッと詰まった実質臓器です。

 

脾は胃と隣接し、胃の働きを助ける臓で、肝は血を蔵し、腎は精を蔵す。

 

ビッチリ中身が詰まっているわけですね。

 

胆、胃、膀胱の三腑も、胆は胆汁(精汁)、膀胱は濁液(尿)、胃は飲食物(水穀)を、一定程度ため込んで、必要に応じて送り出します。

 


単に通過するだけでなく、一定程度ため込む時間がある、という意味では、大腸、小腸、三焦よりも陰的なのです。

 


だから陽である手ではなく陰である足に、その気の反応が現れる、と。

 

次回、さらに突っ込んでいきます。

 

続く

 

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「三陰三陽」という考え方 2

2015.11.14

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昨日、「三陰三陽」という考え方 1という記事を書きました。

 

早速、続きいきます。

 


まずは前回の復習から。

 


我々にとって欠かせない「経絡」なるものは、脾胃のある中焦から始まって全身を一周し、再び中焦から全身を巡ります。

 


このように、全身をくまなく巡って、全身に気をスムーズに行き渡らせる機構が「経絡」です。

 

そして、その「経絡」は、通過する場所によって関連の深い臓腑があり、臓腑別に、全部で12の名前があります。

 


それを「十二経絡」と言いました。

 


そして、その「十二経絡」も、陰陽に分けられています。

 


その分け方を「三陰三陽」と言い、他の東洋思想、東洋哲学にはない、医学分野独特の分け方(※)なのです。


(深い意味がありそうですねえ。)

※因みに、三陰三陽学説が東洋医学独特の考え方である、という論は、私の鍼灸学生時代の恩師でもある、松本弘巳先生『鍼灸臨床のための素問・霊枢医学』の記載を参考にさせていただいています。

 

・・・とまあ、ここまでが前回の復習。

 


で、その分け方はどうかというと、

「3つの陽の経絡と、3つの陰の経絡があり、合わせて6つの経絡が、それぞれ手と足にある、だから手に6、足に6、6✕2で12経絡」

というセッティングになっています。

 


手足も陰陽ですから、12の経絡をまずは大きく手足に6つずつ分け、さらに手の中にも陰陽、足の中にも陰陽、と分け、さらにさらに陰を3つ、陽を3つに分けた訳です

 

ですので、手に三陰三陽の六経絡、足に三陰三陽の六経絡、合わせて十二経絡、というわけです。

 


ここでいう陽の経絡というのは、五臓六腑の「六腑」の方と関わる経絡です。

 


陰の経絡というのは五臓六腑の「五臓」の方と関わる経絡です。

 


因みに五臓だと数が合わないですが、肝心脾肺腎に、心の臓のガードマンである心包の臓を入れたら六臓ですね。

 

 

心の臓と心包の臓は働きの上でニコイチ、という話は以前しました。

 

心・小腸

心包・三焦   参照

 


このように、手に6つの経絡、足に6つの経絡、そしてそれらは三陰三陽、半分に分けられ、人体に左右対称に存在する。

 


総じて、陽の経絡は体の後外側、陰の経絡は前内側に配置されています。

 

このように考えられているのが、われわれ鍼灸師がこの上なく重視する、「経絡」の主な系統です。

 

では、もう少し詳しく考えていきます。

 

続く

 

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