東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 内熱

声音嘶唖(せいおんせいあ)嗄声・失声について ①

2019.02.08

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昨日、立春になり、声を失う。(笑)という記事を書きました。

 

 

ついでなんで、今回私が立春早々見舞われた、声音嘶唖(嗄声・失声)というものについて簡単にまとめておきましょう。

 

 

ネガティブな出来事を、ポジティブに変換。

 

 

この症状は、『症状による中医診断と治療 下巻』「耳鼻咽喉科症状」のところに、

 

「喉痒(いんよう:喉の痒み)」

「咽乾(いんかん:咽の乾き)」

「咽腫(いんしゅ:咽喉の発赤、腫脹)」

「咽喉痛(いんこうつう:咽喉の痛み)」

「咽喉白腐(いんこうはくふ:咽喉部に白い膜が出来るもので、ジフテリアに相当する)」

「喉中梗阻(こうちゅうこうそ:梅核気、ヒステリー球に相当するもの)」

「懸雍下垂(けんようかすい:口蓋垂が腫脹して下垂するもの)」

 

など、喉の炎症症状とともに纏められています。

 

 

「声音嘶唖(せいおんせいあ)」の参考弁証分型としては5つ。

 

1.風寒

2.風熱

3.熱邪犯肺

4.肺腎陰虚

5.血瘀痰聚

 

とあります。

 

 

1.2.は外邪性であり、いわゆる風邪ひき(感冒)の時に声が出にくくなるやつです。

 

4.はご老人や虚弱体質者などの慢性的な嗄声の場合が多いです。

 

5.は西洋医学的に言うと声帯ポリープのようなものですね。

 

 

今回の僕の場合、外邪の問題が水曜の午後の段階で片付いていたとするならば、3.が妥当(というか一番近い)だと考えます。

 

 

今回の嗄声に関しては、外邪の線は考慮しつつも、内傷病として扱いました。

 

 

外邪については、悪寒悪風症状や浮脈などはなかったので、内熱が主、外邪はあったとしても風熱で軽度、と考えています。

 

 

ただこの場合、内熱(熱邪)の発生源を特定しないことには、結局スッとするのど飴を舐めたり、のどを流注する経絡に対する通経などの、

 

対症療法に終始することになります。

 

(もちろん対症療法(標治)も非常に重要ですが。)

 

 

・・・さて、熱邪の発生源はどこであったか。

 

 

【参考文献】

 

『症状による中医診断と治療』燎原

 

 

 

続く

 

 

 

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一貫堂医学について 7(スペインかぜの治療)

2018.09.15

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これまでのお話・・・

 

墓マイラー 52 森道伯先生

森道伯という人物

一貫堂医学について 1(三大体質五大処方)

一貫堂医学について 2(瘀血証体質について)

一貫堂医学について 3(臓毒証体質について)     

一貫堂医学について 4(解毒証体質について)

一貫堂医学について 5(解毒証体質の続き) 

一貫堂医学について 6(温清飲について)       参照

 

 

 

さて、マニアックな話、ドンドンいきましょう。

 

 

ドンドン読者を置いていきます。

 

 

そしてみんな離れていって、終いには一人になりそうです。(爆)

 

 

・・・ともかくここまで、一貫堂医学における「三大体質・五大処方」について書いてきました。

 

 

よく勘違いされがちなこととして、

 

「一貫堂って、全ての患者を3つの体質に分類するんでしょ?それも全部実熱でしょ??そんなん、無理あるっしょ~~!!(;’∀’)」

 

というミスリード。

 

 

普通に考えて、そこだけ切り取って、名医・森道伯を語れる訳ないですね。(・ω・)ノ

 

 

矢数道斎(格)先生のまとめた『漢方一貫堂医学』には、森道伯先生のほぼ晩年の3年間のカルテに使った方剤が集積して一覧表にしてありますが、

 

当然ながら「それ以前の」数十年がある訳です。(笑)

 

 

まあ、色々な症例やエピソードがあると思うんですが、有名なのは「スペインかぜVS森道伯」のエピソードでしょう。

 

 

まず「スペインかぜ」を簡単に説明しますと、1918年~1919年(大正7年~8年)にかけて起こった、アメリカ発の強毒性インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)です。

 

 

アメリカ発なのにスペインかぜと呼ぶのは、情報源がスペインだったから、だそうです。

 

 

ちょうどこの時は第一次世界大戦(1914~1918)の末期であり、このスペインかぜが大戦を早期に集結させた要因の一つである、という見方もあるぐらいの大事件であったようです。

 

 

そのくらい被害は大きく、全世界で5億人が感染、死者は5千万人~1億人、とも言われています。

 

 

日本にも被害が広がり、現在タレント論客として活躍している竹田恒泰さんの曾祖父君にあたる竹田宮恒久王をはじめ、多くの日本人が感染しました。

 

 

この時、森道伯先生はスペインかぜを3つに分類し、

 

胃腸型・・・香蘇散+茯苓・白朮・半夏

 

肺炎型・・・小青竜湯+杏仁・石膏

 

脳症型・・・升麻葛根湯+白朮・川芎・細辛

 

で治療し、たいへん効果を挙げたそうです。

 

 

これらも、現在でもよく使われる、割かしなんてことない処方なんですが、この処方からしても、決して実熱のみを重視していたなんて思えません。

 

 

スペインかぜの弁証論治を、非常にシンプルな形に落とし込んだように見えます。

 

 

因みに各方剤の出典は、

 

香蘇散は北宋の国定処方集である『和剤局方』

 

小青竜湯は後漢の張仲景(150?-219)による『傷寒論』

 

升麻葛根湯『閻氏小児方論』という本が出典で、有名な葛根湯の変方かと思いきや、やや似て非なる配合の薬です。(笑)

 

 

僕のPCに入れてある『東洋医学辞書』では

 

葛根湯は葛根5.0・麻黄・大棗各4.0・桂枝・芍薬・生姜各3.0・甘草2.0

 

升麻葛根湯は葛根5.0・芍薬3.0・升麻・乾生姜各2.0・甘草1.5

 

と出てきますが、『中医臨床のための方剤学』では

 

葛根湯は葛根12g・麻黄、生姜9g・桂枝、炙甘草、白芍、大棗6g

 

升麻葛根湯は赤芍6g・升麻、葛根、炙甘草3g

 

と、ずいぶん違います。

 

 

こういうの(同じ方剤名でも時代や文献で構成生薬が違う)も、方剤学のややこしいところですね。(苦笑)

 

 

まあともかく、

 

 

香蘇散風寒表証+気滞の薬で、現代ではストレスからくる肩凝りだの胃もたれだのといった、肝鬱肝胃気滞によく使われる薬です。

 

 

小青竜湯風寒表証+脇下の水飲の薬で、現代では「くしゃみ三回小青竜」な~んていう、実に胡散臭い謳い文句があって、花粉症によく使われる薬なんですが、

 

何も考えずに長期服用すれば徐々に内熱が籠っていき、別の病を形成します。(~_~;)

 

 

西洋薬と比べて、副作用がなくて眠くならないから助かるわ、な~んつって、冬から春に長期服用している患者さん、ホントに多いです。

 

 

升麻葛根湯は、小児の麻疹(はしか)の薬として有名で、肺胃の熱毒を叩く薬です。

 

 

これらを強毒性のインフルエンザに巧みに応用した訳ですね。

 

 

・・・まあいずれにせよ、よく後世派と言われる一貫堂ですが、古方派の使うような方剤も臨機応変に臨床応用していたことが分かります。

 

(そういえば後世派、古方派についても書いてなかったですね。いい機会なんでこれが終わったら書きましょう。)

 

 

次回、感染症に対する東洋医学の考え方を書きます。

 

 

 

続く

 

 

 

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ノド痛が多かったなー

2018.06.22

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今日はやたら「ノド痛」を訴えて来院される患者さんが多かったですね。

 

(10人以上診たかな?)

 

 

まあこれも、東洋医学的には色々な病態があります。

 

 

「ノド痛=〇〇というツボ!」

 

「ノド痛=〇〇という漢方!」

 

みたいなのが東洋医学だと思わないで下さいね。(苦笑)

 

 

そんなもんじゃないすよ。(^^;)

 

 

咽喉部には様々な経絡が流れています。

 

 

どの経絡の異常でも、「ノド痛」は起こりえます。

 

 

咽喉痛は、患者さんに聞くと、「今朝から」とか、「さっきから」とか、「昨日の夜から」とかという風に、急性に起こることが多く、こういう急性病というのは、

 

多くは外邪、例えば「温熱邪」による侵襲、つまり「表熱証」といわれるものであったり、「風寒邪」による侵襲、つまり「表寒証」といわれるもので、

 

結果的に咽頭部の気血の流れが凝滞する、あるいは表面が冷えたために、内熱の逃げ場が無くなって結果的に咽頭部に籠る、そういう、外邪に由来する咽頭痛が多いです。

 

 

また、それ以外にも、寝不足してから、とか、強いストレスがあってから、暴飲暴食してから、とか、そういう、外邪以外の成因によって起こるものもあり、

 

さらには、外からの問題と内からの問題が相まって起こっているものも臨床では多々あります。

 

 

因みに『傷寒論』におけるノド痛「喉痺(こうひ)」の弁証論治に関して、かつて蓮風先生が『実践から理論へ パートⅠ』の中で纏めて下さっています。

 

 

こういうことを分かったうえで、多角的にキチッと分析して治療しないと、なかなかパッと治せません。

 

 

配穴も手法も、千差万別です。

 

 

ところで、西洋医学的に考えても、ここは免疫機構の最前線基地といってもいい「扁桃」という重要な組織がある場所であり、ここの炎症は大火事のもとです。

 

 

因みに鍼灸師であれば誰でも知っていると思いますが、「長野式治療法」で有名な、2001年に亡くなった大分の鍼灸師である長野潔先生が生前強く訴えておられた「扁桃病因論」なんかも有名ですね。

 

 

また、扁桃炎と咽頭炎、喉頭炎など、炎症が起こっている場所や、ウイルス性か細菌性かなど、炎症を起こしている原因によっても、治療は異なり、

 

西洋医学でも重要視している症状でしょう。

 

 

数年前から北辰会に鍼灸の勉強に来られている児玉和彦先生が、以前小児の咽頭炎に関する論文を書いておられましたね。

 

 

よく見かける症状だけど、キチッと分析してパシッと治すには、けっこう厳密な基礎力が問われます。

 

 

患者さんからしたら、一見全く関係なさそうな手や足のツボに一本鍼をして、パッとその場でノドが楽になるなんてのは、スーパーファンタジーです。(笑)

 

 

なんか今日は鍼の神に

 

「もっと、基礎の厳密さを!」

 

と言われた感じがしました。(苦笑)

 

 

精進します。(感謝合掌)

 

 

 

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「紅汗」について考えてみましょう。5

2017.12.04

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前回のお話

 

「紅汗」について考えてみましょう。  参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆『宋本傷寒論』の「辨陽明病脉證并治第八.」の条文

 

 

ここに、

 

「陽明病.口燥但欲漱水.不欲嚥者.此必衄.」

 

と、出てきます。

 

 

簡単に訳しますと、

 

「陽明病にかかって、口が乾燥するけど、すすぐだけで飲みたがらないものは、鼻血が出るはずだ。」

 

と言っています。

 

 

「陽明病」というのは、カゼがちょっと深く入ってしまったやつのことを指し、

 

「胃家実是也(いかじつこれなり)」

 

という言葉で言い表されます。

 

 

陽明病というのは、胃腸の実証病変を言う、というほどの意味です。

 

 

そして陽明病というのは、浅い位置から深い位置まで、熱が籠ったような病変が非常に多いのが特徴です。

 

 

胃腸の実熱を、深さに応じて上手に治療するのが、陽明病の治療の眼目でしょう。

 

 

この条文の場合は、口が乾くけど飲みたがらないということは、熱が胃の腑に籠ったわけではなくて、もっと上の部位の、陽明胃経の経絡上に籠ったことを示唆しています。

 

 

・・・で、内熱によって血脈が内から破けて、出血すると。

 

 

だからこれは「陽明病の変証」であり、熱が籠っている部位を特定し、綺麗に清熱しないといけません。

 

 

「太陽病」の時のように、単純に治る兆しとは考えない方がいいでしょう。

 

 

 

続く

 

 

 

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表証あっても脈浮かないパターン

2017.09.09

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二十四節気では処暑を過ぎて白露に入り、次は秋分と、もうここまでくると、鈍感な人でも十二分に秋の気配を感じますね。

 

 

いよいよ秋です。

 

 

こうなってくると、体も明瞭に変わってきます。

 

 

体が外的環境変化についていけない人は、色々な病理変化が現れます。

 

 

最近、喉痛から始まるカゼが非常に流行っています。

 

 

お子さんの手足口病、大人のヘルパンギーナの方も多かったですね。

 

 

今日なんかは、「表寒+裏熱」というパターンを多く診ました。

 

 

『傷寒論』で太陽病と言えば

 

「脈浮、頭項強痛、悪寒」

 

が提綱証で基本ですが、これにあまり拘ってもまずい。

 

 

大青龍、小青竜、桂枝二越婢一湯、などなど、色々な条文が頭をよぎる。

 

 

温病的な強い喉痛もなく、急激に悪寒発熱したりすることもないのですが、外関の冷えや上背部の冷え発汗、大淵の虚冷など、明らかな表寒所見が散見され、

 

しかし脈は浮かずに按じて滑有力、症状としては感冒的な症状は訴えない、というパターンが多かったですね。

 

 

この場合、舌がじゃっかん褪せている。

 

 

苔が厚くなっている。

 

 

しかし、食欲も正常、大便も正常、暴飲暴食もない。

 

(中には消化器症状を少し訴えるものもありましたが)

 

 

訴えとしてはダルさ、ニキビ、言われてみれば喉の違和感、鼻水などなど、っていう感じ。

 

 

この場合、単に表寒取りに行ってもダメです。

 

 

内熱ばっかり見てても失敗します。

 

 

表寒所見と内熱所見、一穴で両方取れるようにもっていかないと。

 

 

場合によっては水も動かさないといけない。

 

 

裏虚に配慮する必要もあったりする。

 

 

工夫が必要。

 

 

一穴でなくてもいいか。

 

 

楽しいねー(゚∀゚)

 

 

 

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「麦飯」ってどうでしょう?? 7

2017.07.09

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これまでのお話

 

「麦飯」ってどうでしょう??

「麦飯」ってどうでしょう?? 2

「麦飯」ってどうでしょう?? 3 

「麦飯」ってどうでしょう?? 4

「麦飯」ってどうでしょう?? 5   参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆もち米、東洋医学的にはどうか。

 

 

これまで書いてきたように、もち米のことを東洋医学では「糯米(だべい)」と呼びます。

 

 

糯米は、古くは単に「稲(イネ)」と呼ばれ、春秋戦国時代には、かの孔子が食養生に薦めたことで有名なようです。

 

「孔子」を含む記事 参照

 

 

そして、糯米の根とぎ汁、ぬか、発芽した糯米にもそれぞれ薬効があると考えられており、重視されてきました。

 

 

ただ、前回述べたように、糯米は粘りが強く、消化に負荷がかかるため、小児や老人等、消化機能の低下した人には常食はあまりお勧めできません。

 

 

常食すると動悸、皮膚炎、眠気、酒とともに摂ると酔いが抜けにくくなるなどと、僕の好きな李時珍先生『本草綱目』に書いてあります。

 

「李時珍」を含む記事 参照

 

(上記の症状への解釈はまあ、熱化する、脾胃をいためる、というほどでいいんじゃないでしょうか。)

 

性味は温で甘、苦、臓腑では脾肺を養うといわれ、効能としては補中益気、温中止痢、止消渇、止汗とあります。

 

カテゴリ「脾胃」 参照

カテゴリ「肺大腸」 参照

 

(肺を養うのが意外な気がしますが、経絡や東洋医学的な肺の生理を知っていると、なるほど、と分かります。)

 

 

脾虚による慢性の下利や脱肛、軽い貧血なんかには、お粥にして摂るといいようです。

 

(ただし、陰虚内熱型にはダメですよ☆)

 

 

温性であるため、内熱や陰虚のきつい人が食べてしまうと、状態を悪化させる恐れがありますね。

 

 

現代の研究では白濁尿の原因であるフィラリア象皮病の原因であるマレー糸状虫(いずれも寄生虫の一種)に効くとか。

 

 

ちなみに、有名な漢方薬である「小建中湯」に含まれる重要な生薬である「膠飴(こうい)」、つまり水あめの原料は糯米粉(あるいは粳米粉や小麦粉)であり、

 

糯米から作った膠飴が一番いい、といわれているようです。

 

(温性、粘り気の観点で、他をリードしているのでしょう。)

 

 

桂枝湯の中の芍薬を倍にしたら桂枝加芍薬湯、それに膠飴(水あめ)を加えたら小建中湯、という、『傷寒論』を勉強していると良く出てくる言い回しがありますが、

 

膠飴は中焦と肺を温め潤しつつ、症状を緩和し、一部の毒を解毒してくれるわけですね。

 

 

 

続く

 

 

 

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「麦飯」ってどうでしょう?? 3

2017.07.03

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前回のお話

 

「麦飯」ってどうでしょう??

   参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆麦飯と東洋医学

 

 

東洋医学的に考えていく場合、麦飯は大麦を炊いたものですので、大麦について知らなければなりません。

 

 

大麦とは、人類最古の作物の一つと言われ、原産地は西アジアですが、9000年前のイラクの遺跡からも発見されたとか。

 

 

日本では飼料やビール、麦茶、麦芽糖、みそ、しょうゆ、焼酎の原料として利用されています。

 

 

まさに我々の生活になくてはならない作物ですね。(゜o゜)

 

スタッフブログ 「麦茶」 参照

 

 

東洋医学的には、五味は甘、鹹、性は微温(涼性という説もある)であり、気を下げ、潤す性質をもち、脾の臓、胃の腑、膀胱の腑を養うと言われます。

 

 

発芽した大麦(外皮が付いたモミ)は「麦芽」という生薬として、漢方薬に使われます。

 

 

効能としては清熱消渇、益気調中、凉血利水、強心養血、寛腸消積とあり、主に中焦(脾胃)を調整する効果があります。

 

 

現代の研究では、前回述べた血糖値降下に作用する以外にも、消化促進、有機リン解毒作用、潰瘍抑制作用も期待出来ると言われ、

 

こういうものを日常的に摂っていた日本人、サスガ、って感じです。(笑)

 

 

ただ、注意点としては消化にやや負荷がかかるため、胃腸の虚弱な人や下痢しやすい老人や小児は、控えめに摂った方が良いでしょう、という感じです。

 

 

因みに、「大麦の苗」は一部の青汁の原料にもなっており、熱証、湿熱証の人は積極的にとるべきものですが、これも、

 

冷えのキツイ「陽虚」型の人は気を付けるべきでしょう。

 

 

このように、体にいいからと言って摂りすぎるのは問題ですが、西洋医学的に血糖値の問題といい、東洋医学的に内熱の問題といい、

 

胃腸虚弱やキツイ冷え体質でもない限り、現代人は白米に麦を混ぜた方が良い気がしてなりません。

 

 

 

続く

 

 

 

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どうして眠れないのか

2012.12.06

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「不眠症」に限らず、どんな病気であれ、健やかな睡眠をとれていない患者さんの、なんと多いことか。

食べる、寝る、動く、こういう基本が出来ていないと、どんな症状、病気であれ、治りの良し悪しに大きく関わってくる。

セオリー通りの治療で、スッスッス~ッとよくなっていく患者さんはいいとして、

「・・・ん?な~んか妙に、治りが悪いなあ。」

という患者さんの場合は、上記のポイントを必ず再チェック。

中でも眠れていない、というケースは多い。

あるいは寝てても、常習的に睡眠薬に頼っている、とかね。

睡眠薬というもので、ある意味「気絶」させて、半ば強制的にとらせた睡眠というのは、自然な睡眠と比べて疲労の取れ方が全然弱いように思います。

(患者さんが、皆さん大体そうおっしゃいます。)

まあ、薬によって色々な作用機序はあるでしょうし、使用は仕方ない局面もありましょうが。。。

・・・ともかく、なぜ眠れないのか。

東洋医学では心、腎、肝、胆、脾、熱痰、内熱あたりが原因とされている。

「心」って何ですか?(その7)
「肝」って何ですか?(その13)
「脾」って何ですか?(その9)
「怪病多痰(かいびょうたたん)」という言葉
「疲労」によって籠った熱
「痰(たん)」「瘀血(おけつ)」について
「風」「火」について
「湿熱」について        参照

これ、どういうメカニズムか。

まず、寝るということは、東洋医学的には体を休め、陰気を養う、重要な生理現象だ。

大地に体を預け、瞑目し、呼吸は深くなり、筋は緩み、陽気は体内に深く潜り、臓腑筋骨をめぐり、滋養する。

相対的に体表の気が不足するから、表邪を受けやすくなるため、布団をかぶる。

この時、体内深くに、「気の受け皿」がないと、気が潜れないから眠れない。

 

(つまり陰の器の不足)

あるいは陽気が昂ぶり過ぎてたり、熱が盛んだと、これも、気が深くに潜れないから眠れない、あるいは眠りが浅くなる。

 

(陽の過多、上、外ベクトルへの気機の過剰)

また、気の停滞がきつくてもダメ、神が安定していなくてもダメ。

 

(肝胆、心の異常)

あと、僕の好きな奇経八脈なんかも関わる。(蹻脉)

因みに張景岳大先生は、スッキリとぶった切る。

「不眠のキモは神の安定性だ。しょせんは虚実!」

『景岳全書・雑証膜・不寝』から、抜粋意訳by竹下(笑)

「張景岳(ちょうけいがく)」という人物 参照

・・・不眠(不寐)の治療は滋陰清熱が基本であれども、多くのケースで、神主学説が、応用可能。

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「熱中症」について(その3)

2011.07.02

さて、前回までのお話・・・

35℃超え!!
「熱中症」について 
「熱中症」について(その2)

 


前回、熱中症が起こる現代医学的なメカニズムについて、門外漢ながら、甚だ簡単ではありますが書かせていただきました。

 


今回は、熱中症が起こる状況として有名な、

・暑熱環境にいる

・大量発汗している

・激しい運動をしている

ということが、人体にどのような影響を及ぼすかについて、「東洋医学的に」考えてみたいと思います。

 

まず、暑熱環境についてですが、コレは外界の「熱邪(ねつじゃ)」、「暑邪(しょじゃ)」がきつい環境、という風に考えます。

(これは要は”自然界の余分な熱”です。)

「風」「火」について
「湿熱」について   参照

 


こういう時、もともと体が冷えている(温める力が弱っている)人にとっては、そんなにつらくないか、むしろ楽だという人もいます。

 

暑い時期や暑い場所にいると、極端に具合が悪くなる人、というのは、もともと体に「邪熱(じゃねつ)」、「内熱(ないねつ)」を持っていることが多いのです。

 

これを、体内の邪気と体外の邪気が合わさる、合体してしまう、という意味で、「内外合邪(ないがいごうじゃ)」と言います。

 

「内外合邪」については、以前述べました。

「ジメジメ」恐るるに足らず 参照

 


つまり一つには、もともと体内に「余分な熱」を持ってる人ほど、熱中症にかかりやすい、ということが出来ます。

 

では次に、大量発汗のケースですが、コレは次回。(笑)

 

 

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