東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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寒さの中に

2012.02.08


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今日、バイクで往診で外に出ていて、思いました。

(さらに…)

「表裏同治」とは(その4)

2012.02.03

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これまでのお話・・・。

「表裏同治(ひょうりどうち)」とは
「表裏同治」とは(その2)
「表裏同治」とは(その3)

 


前回、漢方薬に「表裏双解剤(ひょうりそうかいざい)」というグループが存在する、というお話をしました。

 

これはまさに読んで字のごとく、「表証」と「裏証」を同時に解く(治療する)お薬のグループです。

 

そしてそれは、さらに3パターンに分けられております。すなわち・・・、

1.解表温裏(げひょうおんり)・・・表証を治しながら、裏を温める。

2.解表清裏(げひょうせいり)・・・表証を治しながら、裏の熱を冷ます。

3.解表攻裏(げひょうこうり)・・・表証を治しながら、裏を攻め下す。

『中医臨床のための方剤学』神戸中医学研究会 編著 医歯薬出版株式会社から引用)

 

 


・・・まあ、コレ以上いくとどんどん難しくなっていくので深入りはしませんが、要は、表裏両方を治そうとする場合、

「表の状態」「裏の状態」にそれぞれ適切に合わせた処置をしないと治せませんよ、ということなんです。

ここで、こぼれ話になりますが、3.の”解表攻裏剤”の中に、有名な「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」という薬があります。

”メタボリックシンドローム”というものが騒がれるようになった近年、「やせ薬」なんつって大々的にうたわれ、話題になった薬です。

・・・やせ薬?? 

 

 

・・・漢方に??

 

 

いやいや、ちょっと待ってよ、そーゆーの、と思いませんか??

 


そういう、太ってるから、太鼓腹だから、イコールこの漢方、とかっていう考え方、また、そう誤解されるような宣伝方法に、僕はまったく賛成しない立場です。

この薬はもともと、1172年、元の時代に、「金元の四大医家」の一人といわれ、火熱論という学説を唱え、寒涼派といわれる劉完素(りゅうかんそ 1120-1200)によって書かれた、

 

『黄帝素問宣明論方(こうていそもんせんめいろんほう)』、通称『宣明論(せんめいろん)』という本に登場するお薬であり、この薬の目的は、

 

表裏、三焦(つまり全身)ともに実(邪気が旺盛)のものに使うことです。

 

・・・まあ確かにそう言われると、慢性的な食べ過ぎ飲み過ぎで、肥満から糖尿病が大流行りの現代人にとっては、とてもいい薬な気がします。

 


でも、コレ飲んで痩せようなんてのは、虫がイイ話です。

 


場合によっては(証が合っていなかったら)具合が悪くなることもあるかもしれません。

 

たまたま証があっていれば、スッキリと汗や便や尿が出て、痩せるケースもあるでしょうが、もしそうなったとしても、僕はあまり感心しません。

 


やっぱり薬に頼る前に、適切な運動、食事、睡眠です。(笑)

 

足すことよりも引くことを考えないと。

 

 


それでもダメな場合に、もし漢方薬でやりたいなら、漢方薬の専門家の診断に基づいた、適切な処方を選ぶことをお勧めしますねえ・・・。

 


忙しくて時間がないのは分かりますし、お手軽を求め、それに飛びついてしまう気持ちも分かります。

 

しかしながら・・・、です。

 

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「精神的ストレスで悪化、発症する病」について

2011.07.21

初診時、問診をしていくと、何か強烈な精神的ストレスがあってから、今回の症状を発症したとか、もともと慢性的にあった症状が急激に悪化したとか、

患者さんがおっしゃる事がよくある。

こういう時、東洋医学では、「肝の臓」の異常を中心として起こっている病である、という風に推論することが圧倒的に多い。

「肝」って何ですか?(その10) 参照

・・・でもこれ、なんか、短絡的な感じがする。

(と、以前は思っていた。今にして思えば、自分の考えが浅かっただけだったが。)

ここで、「強烈な精神的ストレス」と一口に言っても、色々ある。

怒った、喜んで気が緩んだ、思い悩んだ、憂い悲しんだ、驚いた、恐れおののいた、など。

まず、東洋医学の古典(『黄帝内経』『素問 陰陽応象大論(5)、五運行大論(67)』『霊枢 百病始生萹(66)』など)では、これらの感情それぞれの過剰によって、

 

影響を受ける臓腑が違う、ということが明確に述べられている。

怒りは肝、喜びは心、思いは脾、悲憂は肺、驚恐は腎、

という風に。

「七情」まとめ 参照

 


・・・ではなぜ、「精神的ストレスで発症、悪化した病」を、どれもこれも即「肝の臓の異常が中心」と考えることがあるのか、という問題。

感情別に、悪影響を受ける五臓が分かれているというのに。


これは結局、各感情の過不足によって、結果的、最終的に起こる現象が「気の動き方」の異常だからだ。

「気の動き方(方向性やスピード)」を指して東洋医学では「気機(きき)」という。


つまり、感情の過不足が起こると、五臓それぞれに悪影響を与えて、最終的には「気機」に異常が起こってくる、ということだ。


具体的に言うと、

怒れば気は上がり、喜べば気は緩み、思えば気は結ぼれ、悲しみ憂えば気は消え、驚き恐れれば気は下がる、


といった具合。

 

『黄帝内経』「素問 挙痛論(39)、刺禁論(52)、繆刺論(63)」「霊枢 邪気蔵府病形(4)、百病始生(66)」など参照


つまり、本来全身を滞りなくスムーズに周流するべき「気」が、上がったり下がったり、部分的に消えたり停滞したり、緩慢になったりと、

 

異常を起こし、結果的に気の流れがスムーズでなくなる、ということを述べている。

その時、気の流れをスムーズに是正するべく頑張る中心が、「肝の臓」なのであり、その肝の臓の働きが追い付かなくなってるから、

症状がとれない、という風に考えるのである。

だから、その細かい説明を端折って、

「精神的ストレスで悪化、発症する病=肝の臓の病変」

という風に考えることがあるワケだ。

 

・・・しかし、まだ問題は残る。

 

次回に続く。

 

 

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「三焦」って何ですか?(その6)

2011.07.16

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これまでのお話・・・


「心包」って何ですか?(その6)

「三焦」って何ですか?
「三焦」って何ですか?(その2)
「三焦」って何ですか?(その3)
「三焦」って何ですか?(その4)
「三焦」って何ですか?(その5)

 

・・・さあさあ、バカスカ行きます!

 

☆「三焦」という文字の意味


こないだ、読者の方からご質問も頂きましたし、僕自身意外と好きな部分でもありますので、今日は「三焦」というネーミングの意味について考えてみたいと思います。


まず、中国における「三」という文字の意味はいくつかあるのですが、おおざっぱにまとめてしまえば、

1.”多い”ということを意味する

2.万物の始まりを意味する

3.あらゆる事象、また、空間の全体をひっくるめた究極の数

4.仏教では、時間の循環(過去・現在・未来や、前世・現世・来世)を表わす重要な数

といったところです。

また、「三」の字義としては

1.参加の「参」に通じ、いくつも混じること

2.参集の意味

な~んて出てきます。

 

そして、「焦」の字義に関しては、

1.こげる

2.あせる

3.ちぢむ

4.しぼむ

5.乾く

6、やつれる

と、なにやらよくない感じの意味ばっかり出てきます。(笑)

 

・・・前回の記事にも出てきた、東洋医学の聖典、『黄帝内経素問・霊枢(こうていだいけいそもん・れいすう)』の中には、ところどころに、

 

「焦」の文字が出てきますが、いずれも上記のようなネガティブな意味で使われております。

 

こっから先が、若干長くなっちゃうので、次回に続く。

 

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「三焦」って何ですか?(その5)

2011.07.15

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これまでのお話・・・

「心包」って何ですか?(その6)
「三焦」って何ですか?
「三焦」って何ですか?(その2)
「三焦」って何ですか?(その3)
「三焦」って何ですか?(その4)

 

 

ジャンジャカいきます!!

 

☆「三焦」は生命力が躍動するスペース

 


我々東洋医学の学ぶものが、避けては通れない聖典に『難経(なんぎょう)』という書物があります。

 

この大古典は、『黄帝内経(こうていだいけい)』よりは後に書かれたものですが、”論文集”といった色合いの強い『黄帝内経』に比べて、

比較的論旨が一貫しており、同一人物、あるいは同一の学派によって書かれたものであろう、とされています。

 


まあ、そういう考証めいた話はともかく、『難経』は東洋医学、特に”鍼灸”をやるものにとっては、『黄帝内経』と並ぶ書物、聖典の一つ、と言ってよいと思います。

 

僕もよく先輩から、

「この医学を本格的にやるなら「ソ・レ・ナン※」を徹底的にやれ!誰が何と言おうが、この医学はその基本からは出ないように出来てる!」

と言われてきました。

(※ソ・レ・ナン・・・黄帝内経素問(もん)、黄帝内経霊枢(いすう)、難経(なんぎょう)のこと。3つとも東洋医学における聖典みたいなものです。)

 


・・・まあともかく、この「ソ・レ・ナン」の中にも、「三焦」に関する記載があります。

 


『難経』では、おへその下に、生命力の根本(原気)が宿る、と書いてあり、ここから全身、すなわち「三焦」を駆け巡るのだ、な~んて言っております。

 

(有名な八難、六十六難あたりですね。)

 

 


だから、我々も患者さんのお腹をみる時、おへその下の弾力の程度を重要視しますし、武道や気功なんかでも、おへその下に重心を置くとか、

”気を集める”ことを非常に重要視します。

 

ここには、おへその下(丹田:たんでん)という「部分」を充実させることによって、結果的に「全体」を充実させようという、

「部分」=「全体」であり、「全体」=「部分」

 

という、東洋哲学的な考え方が潜んでおります。

 

・・・この考え方は、実は仏教などでもおなじみの考え方です。

 

「部分」と「全体」が同一である、という関係性は、一瞬の中にも永遠を含むという「一即一切、一切即一」という世界観へも展開していく、といわれます。

 

・・・なんか、ムズイネ~♪


(笑・・・こういう話、好きな人は好きなのは重々承知ですが、あまり深入りしましぇん。あしからず。)

 

ともかく、臓腑では脾胃や腎、人体を流動する構成要素では「気」や「水」の動きに大きく関わりながら、人間の根源的な生命力とも深く関わるという、

 

壮大であいまいな謎の存在、「三焦」・・・。

 


その1でも述べましたが、これが、独特の哲学性に裏打ちされた、「東洋医学の完成度の高さ」を支えているのです。

 

 


続く

 

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「熱中症」について(その6)

2011.07.06

前回までのお話・・・

35℃超え!!
「熱中症」について 
「熱中症」について(その2)

「熱中症」について(その3)
「熱中症」について(その4)
「熱中症」について(その5)

 

サーサー、どんどんいきましょう!!


本日も、「熱中症」に関する不安なニュースがやっておりましたね・・・。


なんでも、6月中に病院に運ばれた人の数が去年の3倍なんだとか・・・。

そしてすでに全国で20人以上の人が亡くなっているんだとか・・・。

にもかかわらず、震災以降、今全国で共通の話題は「節電」です。


関東、東北は特にです。

・・・ということは、エアコンを使うことを過度に控えた結果、今年は例年よりもうまく体温調節、水分調節できずに、熱中症で運ばれる人、命を落とす人が増えるのかもしれませんね。


清明院の患者さんでも、吐き気がするとか、足がつったとか、軽~い熱中症と言っていいような症状を起こした患者さんが何人かいらっしゃいました。

そういう患者さんの生活や、その時の状況を聞いてみると、やっぱり体調管理のやり方が何かしら間違っています。

大量発汗していながら、真水のみを一生懸命飲んでいる。

それで、一過性の電解質異常、塩分不足から、足や、その他の場所の筋肉がつってしまった。


暑くて大汗かきながら、ガブガブ水を飲んで、そうめんとか冷たいうどんとか、入りやすい麺類ばっか食いながら睡眠を削って、

クーラーガンガンのオフィス、自宅で仕事仕事・・・。


やがて下痢が出始め、のぼせ感と気持ち悪さとメマイが出てきたとか・・・、パターンは違えども、みんなある種の熱中症です。

病の本体は体に籠らせた「余分な熱」と「気・津液不足」です。


このバランスを考えて治療し、養生指導を行って、患者さんがそれをちゃんと守ってくれれば、バッチリなんですが・・・。(苦笑)

 

 

ともかく、前回の続きですが、熱中症にならないために、クーラーの効いたところでじっとしてたら健康的かというと、さにあらずです。

東洋医学の聖典である『黄帝内経(こうていだいけい)』の中では盛んに、自然にあらがうな、ということを述べています。

あらがうのではなく、合わせる、そういう過ごし方を説いています。

夏は花がキレイに満開になるように、気分を開放して、外に向かって発散させてOK!寝る時間も、他の季節に比べて相対的に少なくてもOKだぜ!

と述べています。ここは、夏は大いに遊べや、騒げや、ともとれます。また、

頭イイ人はちゃんと養生するから未然に病を防げるけどさー、愚か者はかえってこれに背くんだよねー。だから病気になってから慌てる破目になんのよ。

ノドが乾いてから井戸を掘るの?戦争が起こってから武器を作るの?そんなんじゃ、遅くねぇ??

と、不養生の人や、間違った養生をする人を痛烈に皮肉っています。

『素問:四気調神大論(2)』から抜粋意訳 by竹下)


このように、季節の特性に合わせながら、過度にならないように気を付ける、これが「普通」なのです。


現代人の生活、とりわけ都会人が、いかにこの「基本」から離れ過ぎているか、まずそれを頭で理解するだけで、全然違うのです。

 

「熱中症」について、ここまででひとまず終わり。

 


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「熱中症」について(その4)

2011.07.03

前回までのお話・・・

35℃超え!!
「熱中症」について 
「熱中症」について(その2)
「熱中症」について(その3)

 

 

続いて行きます!

 


大量発汗時、水分や塩分、ミネラルを十分に補給しなかった場合も、熱中症が起こることがあります。

 


今日はこれを東洋医学ではどう考えるか、という問題です。

 

コレを理解するには、「発汗」という現象によって東洋医学的な”人体”に何が起こるのか、を簡単に理解しなくてはいけません。

 


「発汗」という仕組みは、一般的には老廃物排出機構&体温調節機構です。

 


コレは東洋医学的に考えてもそうで、正常であれば汗によって余分なお水(水湿の邪)、余分な熱(熱邪)を体外に排出してくれている訳です。

 

つまり、ある程度出てくれて、止まってくれれば何ら問題のない生理現象です。

 

(発汗のメカニズムについては『素問』評熱病論(33)、痺論(43)あたりに記載があります。)

 

これが、過度の運動や、暑熱環境、あるいは”必要なだけ出してしっかりと汗を止める”という力がうまく発揮できない場合なんかに、

「汗かき過ぎ(発汗過多)→補給が必要!!」

という事態が起こるのです。

 


この時、対応が遅れたり、間違っていたりすると、いわゆる「脱水症状」を呈することがあります。

 

発汗は「過多」になってしまうと、体にとって必要な熱(陽気)も、必要なお水(津液)も出ていってしまいます。

 

 

現代医学の言い方で「脱水」と言われますが、東洋医学的には、陰液だけでなく「陰も陽も」出ていってしまう、と考える、ということです。

 

この場合、すぐに陰陽ともに補給しないといけませんが、口から水分がとれるうちはいいけど、意識がないとか、嘔吐が止まらなくて、口から何も摂取出来ない状況になっていることもあります。

この場合どうするか、湯液が使えない訳ですから、東洋医学的には非常に難しい局面になってくると思います。

 

 

ここで「鍼灸」の出番ですよね。

 

昔の東洋医学の医者であれば、まず鍼なりで意識を付けたり、嘔吐を止めたりして、口から飲める状態にして、それから湯液なりを与えるようにするのだと思いますが、

まー面白くないこと言うようだけれど、現代では、この局面では病院に送ってしまって、点滴で輸液した方が圧倒的に確実簡単ですね・・・。(苦笑)


ただもし、救急車も呼べない、近くに病院がない、という状況だったり、救急車が来るまでの間には、何かしなくてはならない場合もあるでしょう。

ちなみに、まだ口から飲める状況であれば、スポーツドリンクを薄めたものなり、1%程度の食塩水を少しづつ飲ませ、あとはひたすら、

わきの下や股関節の前側の部分など、動脈のあるところを中心に冷やす、という、よくテレビなどで言っているあれです。

この時、状況にマッチした鍼をすることが出来れば、回復は断然早いと思います。

 

次回に続く。

 

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「熱中症」について

2011.06.30

昨日の記事を受けて、「熱中症」というものについて、僕の考えを述べてみたいと思います。(笑)

 

・・・と言っても、西洋医学的な熱中症の程度分類やら、塩分やミネラルのお話、意識障害やけいれんについてとか、そういうサイトはゴマンとあるんで、

ここでは、要するに患者さんから見て、我々鍼灸医学、東洋医学に聞きたいこととしては、

1.熱中症って、コワいコワいって言うけど、要するにどうすれば回避できるの??

2.それでも、もしなっちゃったら、どうすれば最小限に食い止められるの??

3.熱中症に対して、東洋医学はどう考え、何が出来るの??

という3点に尽きるかと思いますので、この3点について書いてみたいと思います。

 

・・・まあ、まずは熱中症の定義ぐらいは、簡単に述べておきましょう。


「熱中症(暑熱障害 Hyperthermia)」


というのは、

体の中と外の”熱”によって引き起こされる、様々な体の不調

 

のことで、専門的には、

「暑熱環境下にさらされる、あるいは運動などによって、体の中でたくさんの熱を作るような条件下にあった者が発症し、

体温を維持するための生理的な反応より生じた失調状態から、全身の臓器の機能不全に至るまでの、連続的な病態を指して言う。」 

 だそうです。

赤字部分は具体的に言うと、吐き気とかのぼせ感、めまいやけいれんなどのことを指します。

 

(詳細はこちらのサイト 甲府病院「熱中症」ページ 参照)

 

・・・ちなみに、”熱中症”とは、熱に中る(あたる)症(証)のことを言います。

(よく、脳卒中のことを”中風(ちゅうふう)”と言いますが、あれも”風に中(あた)る”という意味があります。)


「中る」というのは東洋医学によく出てくる言い方で、侵される、毒される、というような意味です。


ちなみにちなみに、よく聞く「霍乱(かくらん)」というのは東洋医学の病名で、暑気あたり、いわゆる日射病を指す場合があります。

 

(『霊枢』経脈篇(10)、五乱(34)『素問』通評虚実論(28)、気交変大論(69)、六元正紀大論(71)『傷寒論』弁霍乱病脈証并治(13)『金匱要略』禽獸魚蟲禁忌并治(24)などなど)

で、まず1.についてですが、同じように炎天下でスポーツしてようが、同じように猛暑の日にクーラーのない部屋にいようが、

全員が全員熱中症を発症する訳ではありません。

 


熱中症を発症するには、それなりの理由がすでにしてその人の体にあるはずです。

 

 


・・・長くなったので、続きは次回。

 

 

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「表を以て裏を知る」

2011.02.15

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東洋医学に、とても大事な言葉があります。


「表を以て裏を知る」

 

・・・今日、先輩とメールでやりとりしていて、フッとこの言葉が頭をよぎりました。

 

以前このブログでも、チラッとこのことに触れたことがあります。

「経絡(けいらく)」って何ですか? 参照

 

・・・この言葉は、東洋医学の原典である、『黄帝内経素問(こうていだいけいそもん)』の中の、『陰陽応象大論(いんようおうしょうたいろん)』という、これまた超有名な篇の中に出てきます。

 

で、ここに、

「鍼がうまい人というのは、”陰陽”という考え方を自在に操り、体の表面を診て内部で何が起こっているかをよく理解し、先手先手を打って治療するため、患者さんを危ない状態にすることはない。」

という内容の文章が出てきます。

 


・・・コレはスゴイことです。

 

僕たちが普段やっている、脈を診たり、舌を診たり、腹を診たり背中を診たりするのも、こういうことをやらんがためなんです。

 

ものごとの「表」と「裏」の連続性、関連性・・・。

 

これは何千年経っても変わらない真実だと思います。

 

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「惑う(まどう)」

2011.01.25

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東洋医学の聖典とされる、代表的な書(大古典)に、

『黄帝内経(こうていだいけい)』

という書物がある。

この『黄帝内経』

『素問(そもん)81篇』

『霊枢(れいすう)81篇』

から成る本で、あわせて162篇もある、世界最古の医学書だ。

 


その『霊枢』の中の80番目に、

『大惑論(たいわくろん)』

という篇がある。

 


『黄帝内経』の中には多くの興味深い篇があるが、この篇もなかなか興味深い。

 


この篇は”黄帝(こうてい)”という王様と、”岐伯(きはく)”という名医の対話なのだが、その中で黄帝が、

「とある場所に行ったら急激に不安になってめまいがしたんだけど、どうして??」

と岐伯に聞く。

 

 

すると岐伯は、

「こうでこうでこうだからです。」

と、冷静に、考えられるそのメカニズムを述べた。

 

 

しかしそれでも黄帝は納得いかず、

「ホントにそうかなあ??その場所に、僕を不安にさせる特別な何かがあるんじゃないの??」

と聞いた。

 

 

すると岐伯はさらに、

「違います。”全然”違います。それはこうでこうでこうだからです。」

と、またもや冷静にメカニズムを説明した。

 

 

すると黄帝は、

「ふ~ん・・・じゃあこれは?じゃあこれは??」

と、不安になったり、物忘れしたり、眠れなくなったり、逆に眠かったりといった、精神的なものの影響が大きいとされる、不可解な症状について、

 

矢継ぎ早に岐伯に聞いていった。

 


それでも岐伯は、

「それはこうで、それはこうで、その場合はこうで・・・。」

と、冷静にそれらのメカニズムを粛々と、淡々と説明した。

・・・しまいには、黄帝も納得した、というお話である。

安易に神秘に寄り添い、感情的になる黄帝と、医者として、冷静、理知的に返す岐伯・・・。

これは、現代でも、よくある光景ではなかろうか。

「”大”きなと”惑(まど)”いを”論”じる」

患者さんの心理というのは、2500年前から変わっていないのでしょうかネ・・・。

(ちなみに上記の大惑論の翻訳は僕なりのものですので、若干偏ってますがあしからず。(笑))

 

 

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