東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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Search Results for: 素問

『素問 異法方宜論(12)』の同病異治

2019.06.27

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東洋医学のバイブル『黄帝内経 素問』の中に、「異法方宜論(12)」という有名な篇がある。

 

 

ここでは「同病異治」の道理を説いている。

 

 

「同病異治」というのは、同じ病でもいろんな治し方があるという意味で、それはどうしてか、という問題を取り上げたのがこの篇だ。

 

 

内容はいたってシンプルであり、

 

 

◆東方の民

 

→海が近くて魚と塩辛いものばっかり食べてるから、熱が籠ったり、血を病みやすく、オデキが出来る人が多い。

 

→砭石(石のメス)で切開や出血させるような治療が適してる!

 

 

◆西方の民

 

→砂漠や丘陵地帯が多く、おいしいお肉や新鮮な乳製品ばっかり食べてて太ってるので、外邪には入られにくいが、内臓を病んでいることが多い。

 

→内服薬が適してる!!

 

 

◆北方の民

 

→寒くて、乳製品中心の遊牧生活をしているため、内臓が冷えて脹満の病が多い。

 

→お灸が適してる!!

 

 

◆南方の民

 

→蒸し暑くて酸味や発酵食品をよく摂っているため筋肉の攣りや痺れが多い。

 

→鍼が適してる!!

 

 

◆中央の民

 

→四方から色々な食べ物が入ってくるので、色々なものを食べているが、苦労しないので、痿軟の病や血行不良(寒熱)の病が多い。

 

→マッサージが適してる!!

 

 

・・・で、名医というのは、これらをよく理解して、治療の大原則を踏まえて、臨機応変に対応できる先生のことです。

 

 

という内容です。

 

 

要は東西南北の民衆の生活様式に着眼し、それに応じた治療をしないとダメよ、って話です。

 

 

現代人、特に都市部で生活している人は、「中央の民」に一番近いですかね。

 

 

街中に無資格も含めたマッサージ屋さんが溢れかえっているところを見ると、納得です。(苦笑)

 

 

まあそういった中で、清明院は「鍼灸砭石担当」として頑張ります!!

 

 

異法方宜論的な、鍼灸砭石の適応症はオデキ、筋緊張、神経痛、神経麻痺、内臓の冷えから来る脹満らしい。。。

 

 

・・・まあ、よく診てます、確かに。(^^)

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 6

2018.07.31

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これまでのお話

 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 2 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 3

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 4

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 5    参照

 

 

◆『黄帝内経素問』脉要精微論(17)のポイント 続き

 

 

さて、『素問』のたいへん重要な篇である「脉要精微論(17)」の最後の部分です。

 

 

推而外之.内而不外.有心腹積也.

推而内之.外而不内.身有熱也.

推而上之.上而不下.腰足清也.

推而下之.下而不上.頭項痛也.

按之至骨.脉氣少者.腰脊痛而身有痺也.

 

 

とあります。

 

 

ここを簡単に訳しますと、

 

 

脈を内から外に向けて押して、内のみで打つものは心腹に積聚あり。

 

脈を外から内に向けて押して、外のみで打つものは身体外熱。

 

脈を下(尺位)から上(寸位)に向けて押して、尺位にのみ打つものは腰下肢の冷え。

 

脈を上(寸位)から下(尺位)に向けて押して、寸位にのみ打つものは頭項痛。

 

脈を骨にまで強く押さえて、弱いものは、腰脊痛で痹病。

 

 

となります。

 

 

ここでは、内外と上下(寸尺)に加えて、浮沈でも脈を比較しています。

 

 

手首の脈診部位を、

 

外から内、内から外、尺から寸、寸から尺、さらには浅い位置から深い位置

 

と、診る(指で押す)方向で噛み分けることで、脈診部位に全身を投影した場合の、病の深さと位置を窺っています。

 

 

面白いですね☆

 

 

このように、東洋医学では、局所には全体が投影されているとの考え方の下、全ての診察を行っていきます。

 

 

・・・で、総合的に判断して、「証」と「病因病理」を構築し、治療にあたります。

 

 

 

【参考文献】

 

『現代語訳 黄帝内経 素問』東洋学術出版社

『現代語訳 奇経八脈考』東洋医学術出版社

『奇経八脈攷 全釈』燎原

『経穴密語集』岡本一抱

『多紀元簡 素問識 上下巻』績文堂

 

 

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 5

2018.07.30

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これまでのお話

 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 2 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 3  参照

 

 

 

◆『黄帝内経素問』脉要精微論(17)のポイント 続き

 

 

ここには脈診に関して、まだまだ重要なことが書いてあります。

 

 

① 知内者按而紀之.知外者終而始之.此六者.持脉之大法.

 

→体内の状況を知ろうと思えば脈を診ればいいし、外(経気の流れ)を知ろうと思えば始終を定めればいいよん。

 

春夏秋冬と内外の6つは、脈を診る上で意識しなければならない大原則でっせー☆

 

 

② 尺内兩傍.則季脇也.尺外以候腎.尺裏以候腹.

中附上.左外以候肝.内以候鬲.右外以候胃.内以候脾.

上附上.右外以候肺.内以候胸中.左外以候心.内以候膻中.

前以候前.後以候後.上竟上者.胸喉中事也.下竟下者.少腹腰股膝脛足中事也.

 

→脈の尺位の外側で腎の状態を窺い、内側で季脇の状態を、真ん中で腹部の状態を窺う。

 

左の関位の外側で肝を、内側で膈を窺い、右の関位の外側で胃を、内側で脾を窺う。

 

左の寸位の外側で心を、内側で膻中を、右の寸位の外側で肺を、内側で胸中を窺う。

 

脈診部位の前(掌側)で体の前半分を、後ろ(肘側)で後ろ半分を窺う。

 

寸位の掌側で胸から上の状態を窺い、尺位の肘側で下半身の状態を窺う。

 

 

 

 

ここでは、②の理解が有名かつ重要だと思います。

 

 

東洋医学の脈診では、手首の橈骨動脈の拍動部を三部位に分けます。

 

 

それを掌側から「寸口(すんこう)・関上(かんじょう)・尺中(しゃくちゅう)」と呼び分けています。

 

(よく”寸・関・尺”と略されて呼ばれます。)

 

 

因みにこの「寸関尺」に関しては、遠藤先生のこの論文が参考になります。

 

 

②の文章に書かれているのは、この「寸関尺」の部位を、さらに細かく、内側から診たり、外側から診たり、真上から診たり、掌側から診たり、肘側から診たりする診方を紹介してくれているもの、

 

というのが一般的な解釈なんですが、日本の江戸時代、多紀元簡(1754?-1810)先生は違った解釈をします。

 

多紀元簡という人物   参照

 

 

彼は、代表著作である『素問識(そもんし)』の中で、これは「尺膚診(しゃくふしん)」のことであると、『内経』および王冰の中を列挙して解釈しています。

 

 

「尺膚診」については、ずいぶん前に書きました。

 

「尺膚診」について 14   参照

 

 

・・・まあ要するに、ここは手首の橈骨動脈の拍動部の事を論じているのではなく、前腕全体の診方のことを論じているんじゃないか、という解釈です。

 

 

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↑↑このような図を使って、説明してくれています。

 

『素問識』より)

 

 

多紀元簡先生の解釈(尺膚診)ももちろん参考にはなりますが、このように、橈骨動脈の脈診部分を内外上下からみる診方考え方が『黄帝内経』の時代にすでにあり、

 

そこに全身の各部位や五藏六府が投影されていることが、非常に興味深いところです。

 

 

東洋医学お得意の、

 

「局所は全体の情報を含んでおり、全体の縮図である」

 

というフラクタル的な考え方が炸裂しているわけであります。

 

 

 

続く

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 4

2018.07.28

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これまでのお話

 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 2 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 3  参照

 

 

◆『黄帝内経素問』脉要精微論(17)における脈診に関する記載部分

 

 

長々と、勿体付けるかのように語ってきましたが、ここで『黄帝内経素問』脉要精微論(17)における脈診に関するポイント部分を抜き出しますと、

 

 

①診法常以平旦.

 

→脈は色々な外的条件の影響を受けにくい、夜明けに診ましょうね。

 

②夫脉者.血之府也.

 

→脈っつうのは「血が集まるとこ」だよん。で、その血を動かしているのは「気」だよん。

 

③四變之動.脉與之上下.以春應中規.夏應中矩.秋應中衡.冬應中權.

 

→四季の移ろいは、脈に反映されるよん。春はコンパス(規)のように丸く、夏はさしがね(矩)のように端正で盛んで、秋ははかり(衡)の様につり合いが取れており、

 

冬はおもり(権)のように安定しているよん。

 

④四時爲宜.補寫勿失.與天地如一.得一之情.以知死生.

 

→脈が四季の移ろいとマッチしている状態がいい状態なのよん。そのアンバランスを的確に見分けて、補瀉を間違わなければ、人の生き死にを仕切ることが出来まっせ―。

 

 

・・・④、スゴイっしょ。(゚∀゚)

 

 

(竹下が勝手に意訳☆)

 

 

 

続く

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 3

2018.07.26

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これまでのお話

 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 2   参照

 

 

◆『素問 脉要精微論(17)』の全体像

 

 

まあ、『黄帝内経』というのは、今から2500年くらい前に著されたとされる、『素問』81篇、『霊枢』81篇からなる膨大な書物であり、

 

「東洋医学の聖典」

 

と言ってもいいような本です。

 

『黄帝内経 素問 霊枢』を読むにあたって   参照

 

 

本気で東洋医学をやろうと思ったら、時間と労力を十二分に(一生?)かけて、自分の臨床と照らし合わせながら、一篇一篇、じっくりと読んでいくしかないのですが、

 

まあ、臨床家というのは「黄帝内経研究家」とはまた違うので、並の能力では、日々の忙しい臨床をやりながら、育児や家事など、家のことまでやって、

 

さらに条文を暗記したり、熟語の解釈に果てしない時間をかけたりするのでは、読み終わらないうちに、あっという間に一生が終わってしまいます。(苦笑)

 

 

なので、臨床家としては、常に自分の実際の臨床で起こった現象と照らし合わせながら、一篇一篇、要点を掴みつつ、共感できる部分、納得できる部分を掘り下げるように読むと、

 

楽しいし、ためになるんじゃないかと思います。

 

 

まあなんでも、楽しくなかったら続きません。

 

 

・・・で、今このシリーズで紹介しようとしている『素問』脉要精微論(17)ですが、この篇の要点は大づかみに言うと

 

「望聞問切の四診、それぞれの診察法について、専門的に論じた篇で、特に望診と脈診について、貴重な見解を提示してくれている」

 

篇だと思います。

 

 

このうちの、「脈診」に関する部分が、非常に興味深いです。

 

 

 

続く

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 2

2018.07.20

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前回のお話

 

『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1   参照

 

 

◆脈の内外上下

 

 

前回、「気口九道脈診」というものを少し紹介しました。

 

 

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↑↑この図は、私が尊敬する李時珍(1518-1593)『奇経八脈考』の最後の方に、こんな図で描かれ、説明されている脈診法であります。

 

(岡本一抱(1655-1716)『経穴密語集』より)

 

 

患者さんや、西洋医学の医療者の方など、東洋医学のまったくの素人の方も多く読んで下さっているこのブログですから、この脈診法の専門的で詳細な解説はしませんが、

 

最近になって、中国の明代に李時珍(1518-1593)が唱えた、この脈診法を、現代の日本の鍼灸臨床で実践しよう、という先生方が出てきているようです。

 

 

今年の11月に大阪で行われる日本伝統鍼灸学会の学術大会では、この脈診法に関して、シンポジウムが行われるとか・・・。

 

日本伝統鍼灸学会 第46回 学術大会HP    参照

 

 

実は、この脈診法を、昭和の時代にすでに日本鍼灸界で臨床実践していた鏑矢は、蓮風先生のご尊父である藤本和風先生です。

 

 

和風先生以外の有名な先生で、この脈診法を臨床実践していた先生がいたという話は、僕は聞いたことがありません。

 

(もし誰か知っていたら、教えて下さい。<m(__)m>)

 

 

最近になって、「気口九道脈診」を臨床で実践しておられる先生方も、もともとは和風先生自身や、和風先生の主宰していた「無極会」という勉強会で教わっていた先生方の影響を受けているのではないかと思います。

 

 

・・・で、この脈診法はどういうものかというのを、ここに簡単に述べますと、他の脈診法と同じように、手首にある橈骨動脈の拍動部位を診るのですが、

 

拍動部位を外側から診るのと、内側から診るのと、真上から診るのとで、

 

橈骨動脈を3方向から診て、それぞれの部位で、十二経絡と奇経八脈の変動を同時に窺うという、ちょっと変わった脈診法なのです。 

 

経絡(十二正経)

経絡(奇経八脈)   参照

 

 

この脈診法は、十二経絡はともかくとして、同時に奇経八脉の変動をも窺うことが出来ると言われる、貴重な脈診法であります。

 

 

「奇経八脈が病んでいるのかどうかを窺い知る簡便な方法」というのは、古典の中には、意外とないのです。

 

(いや、あるぞ!!という方、おられましたらぜひ教えて下さい。<m(__)m>)

 

 

まあ、この脈診のルーツは、李時珍が急に言い出したというよりは、その親父さんの李言聞が書いた『四言挙要』という著書の中に出てくるようで、

 

そのさらに淵源は、そこからさらに1000年ほど遡って、有名な王叔和(3世紀)の『脈経』にあると言われます。

 

 

そもそも、あんなに小さい部位である、手首の橈骨動脈の拍動部位を、寸関尺、浮中沈の三部九候に分けて診るのすら十分細かいのに、さらに外側、内側、真上と3つに分けて診るだなんて、

 

細かすぎるよそんなん・・・、と思う人が多いかもしれません。

 

 

でもこういう考え方は、すでに『黄帝内経』にあります。

 

 

ふう、やっと今回のタイトルに寄ってきた。。。

 

 

脈診の話をし出すと、取っ散らかっちゃって、キリがない。(苦笑)

 

 

言いたいことが色々あり過ぎる。(*‘∀‘)

 

 

 

【参考文献】

 

『埋もれている脈診の技術 気口九道』平口昌幹 燎原

『現代語訳 奇経八脈考』李時珍著 勝田正泰訳 東洋学術出版社

『奇経八脈攷全釈』李時珍著 小林次郎訳 燎原

『経穴密語集』岡本一抱

 

 

 

続く

 

 

 

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『素問』脉要精微論(17)における「脈の内外上下」 1

2018.07.19

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「東洋医学的な鍼灸治療」をなさる、あるいは標榜している先生方は、ほぼ皆さん「脈診」をします。

 

「脈」で何が分かるの?   参照

 

 

まず、そもそも治療のたびに「脈診」を行う鍼灸師自体が、この日本では少数派でしょう。(苦笑)

 

 

しかも「脈診」には、東洋医学と同じだけ歴史がありますので、現代では、この「脈」の診方考え方が、各流派によって異なっていたりします。

 

 

(一社)北辰会では、東洋医学の歴史と伝統、さらには日本鍼灸界の現状を踏まえた上で、北辰会方式にとってより有用性の高い脈診法として、

 

「胃の気の脈診」「脈状診(張景岳の十六脈を基本に)」

 

という考え方でもって、脈を診ています。

 

胃の気の脈診⑧ 衝和と弦急の脈

七死の脈⑧ 附録 数脈について     参照

 

 

日本の鍼灸学校なんかで、主に教育されている脈診法は、「六部定位脈診(ろくぶじょういみゃくしん)」と言います。

 

「初めて脈診をちゃんと教わりました。」

「六部定位脈診」の根拠         参照

 

 

この脈診法は、昭和の時代に、柳谷素霊先生のお弟子さんたちが、世に広めたと言われる脈診法です。

 

柳谷素霊という人物  参照

 

 

もちろん、臨床上有用な脈診法です。

 

 

さらに最近では、『本草綱目』で有名な、明代の李時珍(1518-1593)先生が残した「気口九道脈診」という脈診法を主張する先生方も出てきました。

 

「李時珍(りじちん)」という人物   参照

 

 

学ぶ側にしてみれば、よく言えば非常に多種多様、悪く言えば何が何だか分からない状況であるわけです。(^^;)

 

 

なんか話が長くなってきたんで、次回に続く。。。

 

 

 

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『黄帝内経 素問 霊枢』を読むにあたって

2017.02.06

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この医学を本格的にやろうと思ったら、避けて通れない『黄帝内経』

 

 

この医学のバイブルと言ってもいい本です。

 

 

この本に書いてあることが全くの迷信で、信じるに足りないインチキ本である、という立場に立つならば、それはもう東洋医学の否定です。

 

 

東洋医学の道ではない道、東洋医学と接点を持たない人生をどうぞ、ということになります。(゚∀゚)

 

 

約2500年前に書かれたと言われる、この本に書いてある内容を、現代の患者さんの前でも十分に使える考え方であり、一面の真実だ、

 

というのが、東洋医学を実践する者の、普通の立場です。

 

 

ただ、『黄帝内経』に書いてあることと言えど、盲信する訳ではなく、現代の現実に照らし合わせて理解し、運用していくのが、

 

一番理性的で常識的な立場だと思います。

 

 

いかに聖典であり、優れた本であると言っても、所詮は2500年も前の外国の本です。

 

 

現代日本の現実と完全に一致するはずはないです。

 

 

そこで、この本を研究していくのに重要な書籍は、何があるか。

 

 

まずは東洋学術出版社の『現代語訳 黄帝内経素問 上中下巻』『現代語訳 黄帝内経霊枢 上下巻』でしょうね。

 

 

僕はまず、この5冊から入りました。

 

 

値段的にも手に入りやすいし、凄く丁寧な本だと思います。

 

 

原文、読み下し文、現代語訳、解説文と、全て付いていて、参考文献も豊富です。

 

 

次に築地書館の『意釈黄帝内経』シリーズ。

 

 

これは素問と霊枢の他に、運気と難経と神農本草経もあります。

 

 

これも平易な現代文で読みやすい。

 

 

次に雄渾社の柴崎保三著、『黄帝内経』25巻セット。

 

 

これはなかなかお高いし、揃いで手に入れるのは難しいのかもしれませんが、持っといて損はないでしょう。

 

 

まずは上記をキチーッとやること。

 

 

・・・で、いよいよ漢文も読めるようになってきて、本格的になって来たら、森立之の『素問攷注』渋江抽斎の『霊枢講義』を入手しましょう。

 

森立之という人物

渋江抽斎という人物 参照

 

 

この二冊は、日本の考証学派が世界に誇る二冊です。

 

 

『黄帝内経』が出てから2500年、ここまで詳細に読み込んだ本はなかなかない、とまで評価される、日本人が書いた、

 

世界最高峰と言われる『黄帝内経』解説書の金字塔です。

 

 

幕末~明治初期、日本人の東洋医学研究の水準は、本家中国を凌ぐほどだったんですよ。

 

 

今でこそ、中国共産党が国家主導でまとめ上げたと言っても過言ではない「現代中医学」が東洋医学教育のグローバルスタンダードになっていますが、

 

中医学が成立していく際にも、日本人の多くの書籍が影響を与えているんです。

 

カテゴリ 「中医学」 参照

 

 

ここらへんをよーく踏まえて、日本人の誇りを持って学ぶべしです。

 

 

 

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「尺膚診」について 14(『素問識』における尺膚診)

2015.09.30

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これまでのお話(分かり易いように、タイトルを付けました)

 


「尺膚診(しゃくふしん)」について(イントロ) 
「尺膚診」について 2(『史記 扁鵲倉公列伝』における尺膚診)                     
「尺膚診」について 3(『黄帝内経素問』平人気象論(18)における尺膚診)          
「尺膚診」について 4(『黄帝内経素問』通評虚実論(28)における尺膚診)
「尺膚診」について 5(『黄帝内経霊枢』邪気蔵府病形萹(4)における尺膚診)   
「尺膚診」について 6(『黄帝内経霊枢』論疾診尺(74)における尺膚診)
「尺膚診」について 7(『黄帝内経霊枢』邪客篇(71)における尺膚診)
「尺膚診」について 8(「表をもって裏を知る」の重要性) 
「尺膚診」について 9(「表をもって裏を知る」の重要性その2)
「尺膚診」について 10(『黄帝内経素問』脈要精微論(17)における尺膚診)

「尺膚診」について 11(『難経』13難における尺膚診)

「尺膚診」について 12(『傷寒論』における尺膚診)
「尺膚診」について 13(『腹証奇覧翼』における尺膚診)         参照

 

では続きいきます!

 

 

◆多紀元簡(たきげんかん)の『素問識(そもんし)』における尺膚診の記載

 


「尺膚診」について 4「尺膚診」について 10
に、日本の多紀元簡という人物の言説をチラリと紹介しました。

 


この人物の紹介は、また後ほど詳しくするとして、彼の代表作である『素問識』の中でチョイチョイ、この尺膚診について述べてくれております。

 

一つは、『素問』の17篇目、”脉要精微論”を解説した部分です。

 

 

 

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↑↑このような図とともに、細かく解説してくれております。(『素問識』より)

ここで彼が述べているのは、

「”尺”というのは前腕のことでアール!」

という説です。

 

それを言うだけでなく、前腕のどこで何を診るのかまで、わざわざ図にしてくれています。

 

専門家の方々は参考にするべきでしょう。

 

この前腕に書いてある文字を見て、あ!と、ピンとくるべきです。(笑)

 

もう一つは『素問』の28篇目、”通評虚実論”の解説部分です。

 

ここには、

「脈診で経を診て、尺膚診で絡を診る」

という論が提出されております。

 


経絡、経絡、と言うが、経が相対的に深く、絡は相対的に浅い、という論から始まり、さらに、経には営気が満ち、絡には衛気が満ちる、

という論から、脈が熱なのに尺膚が寒であるものについて、考察してくれております。

 


・・・とまあこのように、日本にもスゴイ先生がいた訳です。

(今でもいるけど)

 

この『素問識』なんかを読んでますと、『黄帝内経』のみならず、その周辺の有名な古典も、すべて頭に入った上で、平易に分かりやすく配慮しながら、慎重に解説しているのがよく分かります。

 

恐るべし、多紀元簡・・・。(苦笑)

 

 

尺膚診に関してはここらでいったん切って、また折に触れて解説してみたいと思います。

 

続く

 

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熱を取った後に陰を補う(素問刺熱論の”骶”について)

2014.11.17

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『黄帝内経素問』刺熱論(32)に面白いことが書いてある。

「熱病気穴、三椎下間、主胸中熱、四椎下間、主鬲中熱、五椎下間、主肝熱、六椎下間、主脾熱、七椎下間、主腎熱。栄在骶也。」


と。

この考え方にヒントを得た方法を応用して、北辰会では、あらゆる病に非常に高い臨床効果を上げております。

この文章は、背中の真ん中にある5つの経穴が、それぞれ色々な部位の”邪熱”を取ることに適している、という文章なんですが、僕的には、最後の

栄在骶也。

が気になります。


これには諸説あるようですが、

1.もっと深い所の熱を取るのには尾骶骨だぜ!(高士宗)

2.上で熱を取ったんだから、下をフォローするべきで、それは尾骶骨で出来るぜ!(張景岳)

なんだそうです。

「張景岳(ちょうけいがく)」という人物 参照

(高士宗もそのうち紹介します。)


両者の解釈は、補瀉という意味で逆です。

・・・さあ、高先生の説が正しいのか、張先生の説が正しいのか。

僕的には、文脈からしても、張先生に一票かな。

(高先生の説ももちろん一理あり、全否定する気はないですが。)

張先生の説の方が、臨床で応用効くし。

個人的にはこの刺熱論(32)、もっと言えばその前後の篇も合わせて、通評虚実論(28)~評熱病論(33)の説を、拡大解釈、臨床応用することが、

色々な重症の慢性疾患や難病の治療を考える上で、重要なんじゃないかと思っております。

 


(今のところ)

 

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