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これまでのお話・・・
「肺」って何ですか?(その1)
「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
さ、どんどんいきましょう!
☆「心の臓」と「肺の臓」の関わり
これまで書いてきたように、「心の臓」と「肺の臓」は両方とも上焦(胸部)に存在しております。
・・・というか、五臓六腑の中で、上焦に位置するのはこの2つのみです。
そしてなおかつ、この二臓は「氣管」によって連結され、他の3臓と比較すると、その結びつきは強い、と考えられています。
では具体的に、”どう”結びついているんでしょうか?
まず、「心」って何ですか?(その1)で述べたように、「心の臓」には、
”全身にくまなく「血」を送り込むポンプ作用”
というものがあります。
それと似た機能として、「肺の臓」には、
”五臓六腑のフタ(一番上に存在)となり、全身に気血を降ろし、巡らせる”
という機能があります。
この機能同士が密接に結びつき、お互いに支え合い、全身に「気血」を正常に循環させしめている、という訳です。
このようにして、「心」と「肺」は、”上焦(胸部)”という、人体における「上の部分」、つまり、人体の”上下”を陰陽で考えた場合、
「上」は陽なので、心と肺は「陽」という場の中で、陰陽の関係をなしている訳です。
つまり・・
心・・・上焦(陽)の中の陽
肺・・・上焦(陽)の中の陰
という風に、東洋医学では分類して考えます。
ここで当然、
「んん!?なんで心が陽で肺が陰なの??」
という疑問が浮上しますが、これもいずれ書こうと思います。
まあ要するに、心と肺は、”胸部”という場における夫婦みたいな関係だ、ということです。
そしてこの夫婦は、
全身にくまなく「気血」を降ろし、いきわたらせる、
という、人間が健康を保つ上で欠かせない、大変重要な働きを持っている、という訳であります。
また、この「降ろす」という働きと言えば、「胃」って何ですか?(その4)、「胃」って何ですか?(その5)で述べたように、
「胃の腑」にも、”気を下げる(和降)”という働きがあります。
つまり、「肺」の”気を下げる(粛降)”という働きは、「胃」の”気を下げる”という働きをフォローしているのです。
そして、「心」と「肺」が協調して、”気を全身に行きわたらせる”という働きは、「肝」って何ですか?(その2)で述べたように、
”肝が気血を全身にバランスよく配分する(疏泄)”という働きをもフォローしています。
このようにして、「五臓六腑」というのは、機能的に複雑に絡み合いながら、人体の正常な状態を維持するために、日夜頑張ってくれている訳です!!
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2010.08.10
先日、患者さんから、こんな相談、質問をいただきました。
「左の足の親指が痛むんですが、何で左だけなんでしょうか?」
・・・足の親指の異常、と言うと、有名な外反母趾とか、陥入爪(かんにゅうそう:巻き爪のこと)あたりが有名です。
これらについて、西洋医学では、先のとがった靴による圧迫や、骨盤の歪み等からくる荷重のアンバランスによって、徐々に足の親指の血行が悪くなって発症する、と考えています。
【参考サイト様】
冒頭の患者さんも、整骨院でこのような説明を受け、テーピングをしてもらった、とのことでした。
僕としては、コレはコレで筋が通っていると思いますし、否定するつもりは全くございません。
(事実、この患者さんも少し楽だ、とおっしゃいました。)
僕も、整骨院や整形外科で働いた経験もありますし、柔道整復師の免許も持っています。
各種の関節痛等の疾患において、こういうやり方(テーピング等)で効果が上がるケースがある、ということは、よく存じ上げておりますし、かつては僕自身も実際にやっていました。
しかし東洋医学では、これに対して、西洋医学とは違った考え方をします。
巻き爪や外反母趾、その他の異常については、足の親指に流れる「経絡・経筋」の異常、と考えます。
東洋医学では、足の親指の、人差し指側(外側)には「肝の臓」に関係する経絡(足厥陰肝経)、内側には「脾の臓」に関係する経絡(足太陰脾経)の気が流れている、と考えます。
これらの流れが悪かったり、均等にバランス良く流れていなかったりすると、足の親指に様々な異常が起こる、と考えます。
つまり、「肝の臓」や「脾の臓」に異常が起こると、足の親指に異常が起こることがある、ということです。
では、どういう異常が起こると、親指がどういう変化を起こすのか、という話になると、細かくて、難しくなるので書きません。(笑)
しかし、足の親指に起こった異常がどういったもので、しかも左右で違うのはなぜか、という問題も、東洋医学の考え方で、綺麗に説明がついていきます。
説明がつくだけで、治らないんじゃあしょうがないけど、それに基づいて治療していけば、ちゃんとよくなります。
これまでに何例も経験しています。
ちなみに冒頭の患者さんはお腹に1本鍼。
・・・よく効いています。
患者さんとしては、
「なんでお腹に?不思議!」
と思うかもしれないけど、東洋医学的に考えたら普通のことなんです。(笑)
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2010.08.09
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これまでのお話・・・
「脾」って何ですか?(その9)
「胃」って何ですか?
「胃」って何ですか?(その2)
「胃」って何ですか?(その3)
「胃」って何ですか?(その4)
「胃」って何ですか?(その5)
「胃」って何ですか?(その6)
「胃」って何ですか?(その7)
「胃」って何ですか?(その8)
「胃」って何ですか?(その9)
これまで「胃の腑」に関するお話を「脾の臓」とも絡めながら、
・機能
・形態
・症状
なんかに注目しながら、具体例も挙げて話をすすめてきました。
・・・まあ、このシリーズは専門家に向けたものではないので、概要としては大体のことは述べてきたかな、と思います。
なので「胃ってなんですか?」シリーズは、ここらで一旦完結しようと思います。
最後に一つ、ついこの間、患者さんを診ていて、
「あー、これはまずいなー。」
と思ったことがあったので、お伝えしておきます。
☆「足三里」の危険性
その患者さんは、80代の女性です。
以前から診ていて、経過もよく、安心していたのですが、最近妙に元気がなく、脈、舌、体表観察所見も「脾胃」の反応所見がよくないのが気になっていました。
そんなある日、
「先生、最近食事の後、気持ちが悪くなるんです。」
と、その患者さんは訴えました。
詳しく聞くと、のどもよく乾く、便も出にくい、食欲も落ちてきている、体がだるいとおっしゃいました。
患者さんは、
「夏バテかなあ?」
とおっしゃったが、去年はどうだったか、これまではこういうことはあったかと聞いてみると、
「去年、その前はこんなことはなかった。」
とのこと。
さらによくよく聞いていくと、
「先生に鍼してもらってから調子がいいので、もっと調子よくなりたいと思って、足三里にここ最近毎日お灸をしている。」
とのこと。
「・・・それだ!!」
と思い、すぐに中止させたところ、上記の症状は消失。事なきを得た、ということがありました。
・・・ツボの中には、たまに、誰でも知っているような超有名選手がいます。
「足の三里」というツボもその一つです。
↑↑これです。
この「足三里」というツボは、よく「長生きの灸」とか言って、お灸をすると元気で長生きするとか、足腰が強くなるとか言われ、昔から有名です。
テレビや、一部の雑誌や書籍なんかで紹介されてたりすることも少なくありません。
・・・コレ、とんでもない話です。
こういう言い方は、迷信もいいとこです。
足三里にお灸をするだけで誰もが例外なく足腰が強く、元気で長生きするんだったら、誰も苦労しやしません。
確かに「足三里」は、上手に使えば大きな効果を得ることが出来るツボではあります。
しかしそれは、確かな東洋医学的な診断に基づいていて、なおかつ適正な術(鍼か灸か)で、適正な刺激量での処方であった場合にのみ、言えることです。
当然ながら、治療に使える、ということは、逆に言うと間違った使い方をすれば悪化させることもある、ということです。
上記の患者さんは、もともと「胃の腑」に熱がこもりやすいタイプの患者さんでした。
本来ならばその熱を冷ます治療、養生法を行い、どんどん「胃熱」を発散、排出させるように持っていかなくてはなりません。
しかし、この患者さんがやった「足三里にお灸」という処置は、どちらかというと「胃の腑」を温める治療になります。
つまり逆です。
熱に熱を足してしまっている訳です。
しかも、自分で見よう見まねで適当にツボの位置を決めているため、時には右のみが効いたり、左のみが効いたり、効果にばらつきがある上に、
その的確な評価も出来ないため、左右のアンバランスなんかも引き起こしやすいです。
高齢者が左右のアンバランスを起こし、それがあまりにもきつくなると、たいがい転倒します。
歩行姿勢が左右アンバランスで、不安定になるからです。
高齢者にとっては、転倒から骨折でもしたら、寝たきり状態にもなりかねません。
そうなってから泣いたってわめいたって遅いんです。
東洋医学というのは、誰でも簡単に使いこなせるもんじゃありません。
僕も場合によっては、遠方でたまにしか治療に来れない患者さんなど、自宅でお灸を据えてもらうこともありますが、その場合は、安全かつ確実なツボ以外は選びません。
・・・まあー、これだけ「医学だ、医学だ」と叫んでも、それはごく一部の人にしか伝わりません。
甘く見られることの方が多いです。
でも、それでも僕は叫ぶことをやめません。
だって「医学」だからです。
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2010.08.08
突然ですが、僕は「睡眠力」に自信があります。(笑)
最高で、40時間連続で寝続けたこともあります。
反対に、3日連続で徹夜したこともあります。
これはちょっとした特技であります。
今日は久々の完全オフでした。
昨日、診療終了後にとある先輩とサシで飲みに行き、『傷寒雑病論』に関する疑問を次々にぶつけ、自分の弱点を確認。
その後、それを秘密メモに書き残し、寝る。
そして今さっき起きました。
今日は18時間ほど寝ました。(笑)
よく、”何でそんなに寝れるのか”と聞かれるが、幼少の頃からなのでしかたない。
日中の活動は「陽」、夜間の睡眠は「陰」、このリズムとバランスが大事なのは言うまでもないけど、これは人によって若干違います。
「個体差」です。
・・・これが、普通の状態よりも大きく逸脱したものが「病気」という評価になるんでしょうけども、なぜか「不眠」はよく問題になるけど、「過眠=寝過ぎ」はあまり問題になりませんなあ。
(遅刻して怒られることはあってもネ。(苦笑))
これって「陰陽」の妙なんかなあ、と思ったけど、そうじゃなくて、「病気」として問題にするかどうか、という基準そのものに、「偏り」があるからではないか??
自分の特技から、「観点」「立ち位置」の重要性に気がついた。
観点、立ち位置を変えると、病気が病気でなくなり、健康が健康でなくなることがある。
そっちの方が「陰陽の妙」なんじゃないか?
まだ頭ボーっとしてるけど、こいつは何やら面白そうだぞ・・・。
認識主体の立ち位置によって陰陽は異なる。
おしまい
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2010.08.01
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これまでのお話・・・
「胃」って何ですか?
「胃」って何ですか?(その2)
「胃」って何ですか?(その3)
「胃」って何ですか?(その4)
「胃」って何ですか?(その5)
「胃」って何ですか?(その6)
「胃」って何ですか?(その7)
☆「胃」と「熱」と「狂」(続編)
今日のお話は、ちょっと難しいかもしれないけど、大変興味深い部分でもありますので、続き、いきます!
以前、「脾」って何ですか?(その5)にて、”脾は湿気が嫌い”というお話をしました。
その時、「脾はもともと湿っている臓だから、過剰な湿気を嫌うのだ」と書きました。
また、「胃はもともと乾いている腑だ」とも言いました。
・・・ということは、”胃は熱が嫌い”という考え方が、当然あります。
なぜならば、よけい乾いちゃうからです。(笑)
(ここには、実は難しいお話(・・というか意味)がありますが、割愛します。(笑))
つまり「脾胃」は、人体のど真ん中である「中焦」に存在し、かたや湿り(脾)、かたや乾き(胃)、乾と湿のバランスをも、とってくれている訳です。
「胃」って何ですか?(その5)で述べたように、「脾胃」は全身の気血の「昇降のバランサー」でありながら、「乾湿のバランサー」としても一役買っている訳ですネ。
(カッチョイー!)
・・・東洋医学では、体内、および体外の過剰な”熱”のことを「邪熱(じゃねつ)」と言い、様々な症状、病気を引き起こすもとと考えます。
そして特に「胃の腑」が過剰に熱を持つと、それを「胃熱(いねつ)」と呼び、分かりやすいところでは、強いのどの渇き、あるいは食べても食べてもすぐに腹が減る、
暑さを極端に嫌がる、などの症状の原因になります。
”非”生理的な「邪熱」、および生理的な「熱」というのは、通常、どんどん体外に発散しなくては、正常な体の状態を保てません。
大便なり、小便なり、汗なりで、です。
「熱」がうまく発散、排泄出来ずに、どんどん「胃」に籠ると、徐々にマズイことが起こってきます。
前述のような症状はもちろん、マグマのようにブスブスと籠った熱は、やがてまるで”火が付いた”かのように、突然、一気に激しく「上焦」に向かって突きあげます。
これを東洋医学では「胃火(いか)」と言います。
(そのまんまだネ。)
そして突き上げた先の”上焦”には、「心」と「肺」という臓が存在します。このうち、特に「心」が「胃火」の影響を強く受けると、狂乱、錯乱状態になることがあります。
言わば、燃え盛る「胃火」が、「心の臓」に燃え移ってしまった、という状況です。
「心の臓」が蔵している「神(しん)」というものが、”顕在意識を清明たらしめているもの”という話は以前「心」って何ですか?(その6)に書きました。
その働きが侵されるために、正常な判断を失い、まるで”もののけ”でも憑いたかのように叫び、わめき、暴れ出します。
また、体内の邪熱が極まっているために暑くてしょうがなく、衣服を脱ぎ捨てる、というような状況となります。
まさに、前回のブログで紹介した事件のような状況、となる訳です。
しかもあの事件の場合は「朝8時ごろ」という時間帯にも大きな意味があると思いますが、それの解説は長くなるので、またそのうち致しましょう。(笑)
しかしまあ、あの事件の女性の発言から考えるに、おそらく悪い男に弄ばれたとか、そういうことがあった後のことでしょうから、もしそうだとすれば、
ある意味、言ってることにスジは通っています。
また、パンツ1枚の姿だった、とか、実際にベランダから飛び降りはしなかった、ということは、少しは理性が残っていたのかも知れません。
そういう意味ではそれほど強烈な「胃火」ではなかったか、「心神」がそこまでは弱っていなかったのでは、と考えられます。
まあ、いずれにせよ、ああなる前に治療させてほしかったナー、近いんだし・・・。
という感じです・・・。
次回に続く
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2010.07.28
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これまでのお話・・・
「胃」って何ですか?
「胃」って何ですか?(その2)
「胃」って何ですか?(その3)
「胃」って何ですか?(その4)
・・・けっこう空いちゃいましたが、「胃」のお話、続けていきましょう。
☆脾は上げ、胃は下げる(続編)
「脾の臓」というのは、飲食物から取り出した「気血のもと」を、上焦(胸部から上の部分)に持ち上げます。
そこから後の流れについては、「肺」を解説する時に書こうと思います。
「胃の腑」というのは、飲食物から脾の臓が「気血のもと」を取り出したあとの”残りモノ”を、下焦(胃よりも下の部分)に送っていきます。
すなわち「小腸の腑」「大腸の腑」へと、下に下にと、送っていく訳です。
小腸、大腸にて何が行われるかは、それらを解説する時に述べましょう。
つまり、脾は「持ち上げる力」があり、胃には「下げる力」が生理的に備わっている、と、東洋医学では考えます。
そしてこれはなにも飲食物を消化する時にのみ働く力、と考えるのではなく、全身を巡る「気血」の、上下のうごきをバランス調整している、とも考えられます。
いわば脾胃は「人体」という小宇宙における「昇降のバランサー」なのです。
(笑・・・カッチョイー!)
なので、「脾の臓」が弱ると、消化器症状のみならず、気血がうまく上焦に上らないため、立ちあがった時にめまいがしたり、脱肛や脱腸、子宮脱や胃下垂などの内臓下垂になったりすることがあります。
同じように「胃の腑」が弱ると、うまく気血を下げられないために吐き気やおう吐、頭痛などが起こることがあります。
このようにして東洋医学では、「脾」と「胃」を、働きの上から「脾胃」、「脾胃」と呼んで同一視しながらも、実際に変調が起こった時は「脾」なのか「胃」なのかを明確にして治療します。
「脾」が悪い時と「胃」が悪い時では治療のやり方が違ってきます。
症状も違います。
東洋医学的な所見も違います。
こういったことを明確にしないままに治療しても、なかなかうまくいきません。
「弁証論治」の重要性ですな。
・・・人体を上焦、中焦、下焦と3つに分けると、そのど真ん中となる「中焦」にデ~ンと存在し、気血の上下、「昇」と「降」をつかさどる脾胃・・・。
昇るべきものを昇らせ、降るべきものを降す、脾胃はまさに、「生命活動の中心」なのであります。
次回に続く
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2010.07.26
いや~、しかし毎日毎日暑いですね~!!
溶けかけながらも、精一杯やっております!(笑)
そんな暑いさなかの昨日、25日の日曜日は、代々木オリンピックセンターで行われた、(社)北辰会関東支部定例会に行ってきました!
今回の定例会は、午前中の臨床コースは金子太先生による「鬱証(うつしょう)について」、基礎コースは尾崎真哉支部長による「病因病理学」という内容。
午後は実技指導「腹診」の後、本部学術副部長である藤本彰宣(あきのり)先生による、基礎、臨床合同の特別講義「実用標本学」、という、
充実、盛りだくさんの内容でした。
・・・今や「現代」を、「〇〇病の時代」と名付けるのに最も適した病が「うつ」ではないでしょうか。
(なんてこった・・・。)
清明院にも、様々な心の病を抱えた患者さんがみえます。
東洋医学では、「心身一如(しんしんいちにょ)」と言って、心と体を別々に分けて考えることはしませんので、体のアンバランスを整えることによって、
心を安定させる、という方法をとります。
(簡単に言うとネ。)
実際、心を病んでおられる患者さんのお体を拝見させていただくと、いたるところにアンバランスを起こしています。
これを是正し、体が楽になると、心も楽になる、という変化を、よく見かけます。
「腹診」の実技指導では、僕もひと班担当させていただき、指導させていただきましたが、なんか回を増すごとに、参加者の先生方のヤル気が上がってきているように感じます。
指導しながらも、大変いい刺激になります。
藤本先生の「実用標本学」は、前回このブログに書いた続・再分析(標本について)の内容の、”もっともっと専門家向きの高度な内容”の講義を、
非常に分かりやすく、綺麗なスライドを使って、説明しておられました。
サスガでしたネ。
こないだこのブログ上で述べたように、午前中の尾崎支部長による「病因病理学」も、この「標」と「本」を明確にする上では、欠かせない考え方です。
かなり細かい部分まで説明しておられたので、参加された先生方はついていくのが大変だったかも知れませんが、ココをきっちり抑えてしまえば、
後が楽なんです。
是非時間をかけて、何度も何度も復習して、モノにしていってほしいと思います。
「基本」なんだから。
「基本に対する徹底的把握力=応用力」であります!!
・・・最近の北辰会は、本部も支部も、どんどん参加者、入会希望者が増えているようです。
それを受けて、もっともっと内容、構成のいい、レベルの高い(難解って意味じゃないよ)講義をしようと、講義に関しても、高いプロ意識を持った講師の先生方が増えてきているように思います。
ちゃんとした東洋医学を、本気で世にアピールしようと思ったら、ちゃんとした「臨床」をやって、ちゃんとした「教育」もしないといけません。
これはすごく大変なことなんだけど、志を高く、僕もいっちょ頑張ろうと思っております!
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2010.07.25
これまでのお話・・・
・・・東洋医学的な鍼灸治療において、初診の時にその患者さんが、
・なにで困っているのか
・どうしてそうなったのか
・そうなってから他に変化したことはないか
・普段の生活状況(仕事、家庭環境)はどうか
・それは今後どう変化していくのか
・もともとの体質的な特徴はなにか
・実際に観察してみてどうなっているか
・・・などなどを、つぶさに、丁寧に診察し、それを「東洋医学の考え方に則って」分析し、治療する訳です。
そしてその患者さんが今後どうなっていくのかを、これまた、
「東洋医学の考え方に則って」
予測し、それを説明させていただいた上で、養生法や治療頻度などについても、ご提案させていただく、という訳です。
当然、「病気」というのは、難しいものになればなるほど、1,2回の治療で効果が期待できるようなものは少ないです。
これはどんな名人だろうが仙人だろうが、そうなんです。
病治しの世界は甘くはないんです。
・・・残念ながら。苦笑
しかも、治療していく日々の中で、その患者さん自身が、こちらが期待している通りの生活をしてくれるとは限りません。
患者さんの体の状態や、置かれている状況というのは常に変化、流転する訳です。
悪い方向にも、です。
つまり、たとえ初診の段階で、
「これで完璧だ!」
と思えるような東洋医学的な診断、治療を施したとしても、そこから一直線に何もかもが治癒、快方に一直線に進む、などということはなかなかない、
というのが厳しい現実なんです。
ただしかし、そうであっても、患者さんの変化に迅速についていき、時には先回りして、いち早く、治癒に導いてあげたい、笑顔が見たい、というのが、治療者側の普通の考え方です。
ここで大いにモノを言うのが「再分析力」です。
それも瞬時の。
〇
「標」と「本」という言葉の意味については前回お話しした通りです。
ここで、
「病を治そうと思ったら、根本を治す”本治”だけやり続けるのが一番いいんじゃないの?」
と思う方もいらっしゃるかも知れません。
これは中医学の成書では「治病求本」と言われ、非常に重要な考え方なんですが、いつも必ずそうとは限りません。
しかし、時には”病の枝葉”ともいえる「標」を先にやっつけた方がいい場合もあるのです。
どんな時かというと、急性症状や激しい症状で、まずは症状を治めてしまわないといけないような場合です。
これも「急則治標」という、重要な考え方です。
反対に、症状があるけれども、ある程度安定している状況の時は「緩則治本」といって、本質的な病理を治療するのです。
また、時々刻々と流転する日々の中で、患者さんの病の「標」と「本」の主従が逆転することもあるんです。
その、
「今この瞬間は、標を相手にするか、本を相手にするか、あるいはその両方を相手にするか(標本主従の明確化)」
という判断の正確さ、的確さの下支えになるのが、
「病因病理把握力」+「体表観察力」
なのであります。
前者は基礎理論~応用理論の把握がしっかりしてないと正確性を失うし、後者は感覚の鋭さ、的確さがないとこれまた正確性を失います。
「理論」と「感覚」・・・これ両輪の輪です。
この両者を「バランスよく」鍛え、臨床の精度をより高めようと思ったら、結局は一生懸命勉強して、毎日患者さんに「本気で」向き合い続けるしかないんです。
漫然とやってたら、十年やってもダメです。
常に「本気」でやることです。
ただ、引かれない程度にね。(笑)
とどのつまり・・・、患者さんこそが我々の「先生」なのだ、ということです。
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2010.07.21
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前回のお話・・・
☆胃の位置
胃の位置は、おへそとみぞおちのちょうど真ん中ぐらいにあります。つまり、体を上中下と分けた場合の「ど真ん中」にあります。
・・・デ~ン!とね。
この、おへそからみぞおちまでの間のスペースを東洋医学では「中焦(ちゅうしょう)」と呼び、その中焦のほぼど真ん中に、「胃の腑」が位置している、と考えます。
これは、西洋医学のいう「胃=stomach」の位置と大体同じですね。
しかし、そこから先はずいぶん違ってきます。
まず、東洋医学のいう「五臓六腑」というのは、それぞれみんな「背骨」の何番目にくっ付いている、と考えています。
一般的な常識から考えたら、
「ハ?そんな訳ないんですけど・・・。」
ですよね?僕も最初これを聞いた時、そう思いました。(笑)
これはなぜかというと、物理的に背骨と内臓が連結しているというよりは、例えばある臓腑が異常を起こした場合、その臓腑が付着する(と考えられている)背骨周辺に異常(コリや変形など)が起こることが多く、
さらにその背骨周辺のコリなどの異常を正すことによって、その臓腑の異常が治る、という経験から、そのように考えたんだと思います。
また、どんな人でも基本的に臓腑の位置は大きくは変わらないし、人生の途中で大きく臓腑の位置が変わってしまうこともない、ということから、
硬くて固定的な「背骨」に付着してるんじゃないか、と考えたのかもしれません。
いずれにせよ、いわゆる「現代解剖学的に」正確な内臓の位置や形態の理解なんていうのは、東洋医学の歴史においてはあまり重要視されてこなかった、ということです。
でもこれはこれで重要な意味がある、ということは、以前に何度も述べた通りです。
ですから現代では、結果的に外科的な分野においては、西洋医学の技術の方がはるかに発達していますよね。
そういう意味では、東洋医学は「気」を動かし、調えることによる「機能(陰陽バランス)」の調整、という観点から人体にアプローチする方法、医学体系、と言えます。
では東洋医学は人体の「形態」の異常にはまったくの無力か、というと実はそうでもありません。
まあこれも当然ちゃあ当然なんですがね。
その話もいずれ致しましょう。
なーんか話がそれてきたんで今日はこの辺で・・・。
次回に続く
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2010.07.19
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・・・さあ、そろそろ再開しましょう。
これからお話しする「胃の腑」についてのお話は、とても重要です。
東洋医学では、生命を考える上で、この「胃」という腑の働きを、「脾」とセットで大変重要視しています。
何度も言いますが、東洋医学のいう「胃の腑」というものは、西洋医学の言う「胃=stomach」とは違います。混同なきよう。
西洋医学では、「死」を心肺停止と瞳孔散大からの全細胞の活動の停止、と考えます。
(もちろん死の定義については法律的、生物学的など、色々な解釈や議論があります。)
そしてそこに至るプロセスにおいて特に重要視される臓器は「心臓=heart」であったり「脳=brain」ですよね。
語弊があるかもしれませんが、東洋医学では、そうは考えません。
最後まで、五臓六腑の正常な働きに裏打ちされた、「陰陽のバランス」を重要視します。
「陰陽(いんよう)」って何ですか?
「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」って何ですか? 参照
そしてとりわけ、その中でも重要なのが「脾胃」であります。
・・・昔、とあるパーキンソン病(脳の病気で、体が震えたり、筋肉がこわばって、徐々にあらゆる運動が出来なくなってしまう病気)の患者さんがいました。
その方は80過ぎの男性で、奥様と二人暮らし。
昔から病院が嫌いな方でしたが、鍼をすると震えが止まり、ご飯がおいしく食べられる、ということで、信頼していただき、亡くなられる寸前まで診させていただいたことがありました。
その方は最後、徐々に徐々に筋肉が硬直していき、起き上がることすら困難、だんだんと食べ物を噛んだり飲み込んだりすることもままならない状況になっていきました。
その時、病院の医師は、「胃ろう(胃に管を通し、その管から胃に直接栄養を入れる方法)」をご本人と奥さまにすすめてきました。
それをすれば、奥様の介護の負担が減るし、ご本人も長く生きられるし、誤嚥(ごえん:誤って飲み込んだものが気道に入ること)して肺炎を起こす危険性もないと。
しかしご本人は、断固拒否。
「そんなことまでして生きてるんなら、死んだ方がマシだ!俺がもし喋れなくなっても、そんなこと絶対にするなよ!」
と、奥様におっしゃっていました。
その後、いよいよ喋ることすら難しくなり、流動食をどうにか口にするようになった頃、奥様が病院の先生に、
「胃ろうにして下さい。」
と、”ご本人に内緒で”願い出ました。
無理もないことで、介護の負担があまりにもきつかったんだと思います。
しかし、「検査だから」とご主人をだまして病院に連れていき、胃ろうを開けた翌日に、ご主人は他界されました。
・・・何とも言えない、症例でした。
東洋医学が重要視するのは、あくまでも他の4臓5腑とのバランスの取れた、「脾胃」であり、それは機械的な消化吸収機関、としての「内臓の一つ」のことではありません。
この患者さんの場合も、治療していく上で僕の念頭にあったのは、最終的には「脾胃」の機能をどこまで保てるか、繋いでいけるか、ということでした。
その場合、常に他の臓腑や全身(精神的な安寧も含む)とのバランスを考えていなくてはなりません。
すべての生物が避けることのできない「死」というものに対して、一つの自然現象として、相対的に寛容に受け止めるか、たとえ姑息的であっても、
方法があるのにやらないということを医療の敗北と考えて、いかなる方法であっても、延命の道をとるか。
・・・東洋医学の「胃」と西洋医学の「胃」は違うんです。
次回に続く
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