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2016.04.29
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今日、患者さんから、
「実はここが辛いんですけど・・・。」
と言われた。
私が説明すると、
「実はあとここが・・・。」
と続く。
それでも説明すると、
「さらに実はここが・・・、」
と始まる。(笑)
これが患者さんです。
これでいいんです。
最初に持っていた症状が変化したから、こういう、「次なる展開」に進むのです。
ただ、清明院が他と違うのは、メインとなる症状を意識しつつも、そういう諸々の雑多な症状の「本質」を狙って治療を進めていっていることです。
だから、治療を進めていくと、諸々の不快な症状が一様によくなっていきます。
これを「本治」と言います。
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2023.11.16
清明院では現在、求人募集しております。
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以前告知しました、第41回、日本東方医学会の学術大会ですが、本番までいよいよあと10日となりました!
今回、お陰様で近年では最高の申し込み数を頂いているようで、会頭として、気合いが入りますし、一参加者としても、非常に楽しみです!!
申込期限は11.22(水)までとなりますので、まだ迷っているそこのあなた!!笑
駆け込み申し込み、大歓迎です!笑笑
今回、参加者の内訳として、鍼灸師、医師、鍼灸学生、医学生のバランスが非常によく、来賓では、ビッグネームの先生方もお見えになります。
講演は勿論、生でお会いできるのが貴重な先生ばかりです。
(講演後や、会場のそちらこちらで、名刺交換の行列が出来ること必至です。)
やっぱり学会はリアル対面開催が良いですね!
・・前身の時代を含めると50周年の節目の会、当日は創設者、間中喜雄先生も霊界から降臨してこられることと思うので、皆で一緒に盛り上げましょう!
お申し込みはこちら!!
大会概要はこちら!!(各講演の抄録も閲覧することが出来ます。)
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2022.08.09
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8.7(日)の朝に行われた、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴しました!!
今回も藤本新風代表と、奥村裕一学術部長という最強コンビによる、岡本一抱(1655-1716)の『万病回春病因指南』を題材に、「泄瀉(せっしゃ)・痢疾(りしつ)」というテーマでの講義でした。
〇
誰でもが経験したことがあるであろう、「下痢」。
東洋医学では大きく(細かく?)「痢疾」と「泄瀉」と呼んで、意味を分けています。
これは場合によって、半分生理、半分病理だったりします。
実に色々な状況で、この現象が現れます。
まあ多いのは、「物理的に冷えた時」「冷たいものを飲食し過ぎた時」「飲酒した翌日」「生理前」「生理前半」などなど。。。
生理現象として起こっているものを、無理に止めたらだめですし、病理現象として起こっているものについては、速やかに止めて、養生をキチッとしないと、ろくなことになりません。
尿や発汗の状況とのバランスを考えることも必須です。
これの判断のポイントは、下痢の状況(そのもの状況、前後の状況)と、脈診所見ではないでしょうか。
今回はその一つ一つの脈状に関して、相当丁寧に、一覧表にして説明して下さました。
なお、本ライブ配信は北辰会会員限定企画です。
これを機に入会の方はこちらからぜひ!!
2022.08.04
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7.28(木)の夜は、第43回の順天堂東医研で喋ってきました!!
今般の感染拡大を受けて、今回から、再びzoom講義となりました。。。苦笑
(この二年半の間、大体二回ハイブリッドをやると、またオンラインに戻る、というパターンを、3回繰り返しています。苦笑)
・・・まあしかしもう、慣れたもんです。
zoomならzoomで、それに最適化した内容を粛々とやるのみです。
まだまだ、教えていないこと、語っていないことは山ほどある。
今回も北海道から沖縄まで、多くの学生さんから参加申込があり、嬉しい限り。
怪我の功名で、こうやって全国の学生さんと繋がることが出来たのも、オンライン講義の普及の御蔭です。
今回は
「東洋医学的診察法⑩ 弁証問診その2(飲食・二便・発汗)」
「東洋医学的診察法⑪ 弁証問診その3(その他の排出物、五官、睡眠状況など)」
という2本立て。
極めて重要な、「東洋医学的問診」シリーズであります。
的確な漢方処方、的確な鍼灸配穴を得る上で、「的確な弁証問診」が必要なのは言うまでもありません。
えーそんなん、身体を診りゃわかるじゃん、と思った先生もいるかもしれませんが、それだけでは、病の細かいストーリーやメカニズム、その患者さんの置かれている環境、背景まできっちり押さえることは出来ませんので、
そういう「検査すりゃ分かるんだから問診なんて不要」みたいな乱暴な考えは、東洋医学では持ちません。
これはまあよく言われる、「病気を見て人を見てない」ってやつに陥りがちな考え方であって、東洋医学ではミステイクだと考えています。
(by『黄帝内経素問』徴四失論(78)参照)
・・・かつて、西洋医学は、
「3時間待ちの3分診療」
とか、
「PCばっかり見ていて患者の顔を見ていない、冷たい医療」
なんて揶揄されたこともありますが、近年では、
「医療面接」
「NBM(Narrative Based Medicine:物語と対話による医療)」
として、非常に問診が重要視されるようになってきているようで、上記のような声を聞くことは減ったように思います。
しかし、問診が重要というところでは一致していても、患者さんから聴取した情報を、どう分析し、治療に繋げていくか、というところが、そもそもの人体観が異なる、西洋医学と東洋医学では異なります。
今回やった、飲食の情報や二便の情報、睡眠の情報等々から、東洋医学では、その患者さんの全身の機能バランスが、「どこがどう」崩れているのかを考えていきます。
つまり「八綱弁証」「臓腑経絡弁証」「気血津液弁証」「病邪弁証」「病因病機」等々、大きい物差しや小さい物差しを駆使して、その患者さんの体質も含めた病態、メカニズム、ストーリーを全機的、総合的に把握せんが為になされる、東洋医学独特の、重要な診察行為です。
これが理解できない人は、いつまで経っても東洋医学的な思考で治療を進めることは出来るようにはならないでしょう。
また、この弁証問診の学理というのは、体表観察と違って、一定の理論を学べば、みんなでその症例に関してディスカッションできるという利点もあります。
この弁証問診シリーズはまだ少し続くので、これを機に一からキチッとやって、最終的には公開臨床で、その一部始終をお見せしようと思っています。
2022.07.15
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7.11(月)の夜は、日本東方医学会の分科会であるDAPAカンファレンスを視聴してきました!!
(それも新幹線の中から。笑 ・・オンライン最高!)
今回のテーマは
Case 35【子宮筋腫核摘出手術後における子宮留血(膿)症の症例】
Case 36【漢方クリニックからの紹介 10代女性続発性無月経の症例】
という二本立て。
1例目は強い信頼関係を築いた患者さんの子宮内の感染症において、西洋医学に任せるタイミングが遅れた症例。
2例目は医師から紹介のあった無月経の症例。
私用のWebミーティングがあったので、二例目の途中で中座しましたが、今回もなかなか刺激的な症例で、色々と考えさせられました。
鍼灸で疼痛がある程度コントロール出来ていても、また、患者さんとの信頼関係が強固であっても、ある種の感染症や器質的疾患が疑わしい場合などは、
即座に西洋医学(専門医)をコンサルしなくてはならないケースというのは、実際にあります。
この辺の判断のシャープさは、蓮風先生の臨床を見ていても、非常に重要な部分ですね。
ただし、その時点における自分の治療介入の限界や不適応、イコール鍼灸治療や鍼灸医学の限界、という理解には、注意しないといけません。
果たして本当にそうかどうか、よくよく考えるべきでしょう。
あくまでもそれは、その段階における自分自身の臨床実力の限界であって、必ずしもそれが鍼灸そのものの限界とは言い切れない、という、
鍼灸医学に対する謙虚さも極めて大事ではないかと思います。
また、
「東洋医学的にはこうだよ、あとは知らないよ。」
では、その鍼灸師が世の中の大きな信頼を得ることは難しいでしょう。
この辺のバランス感覚は、現代日本における鍼灸臨床家には、常に問われてくる部分かと思います。
次回のお申込みはこちらから、ご興味のある方はぜひ!!
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2022.06.23
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4月に二回ほどお邪魔して、東洋医学、鍼灸医学について語らせて頂いたドクターズプライム。
・・・で、その時に聴講された臨床医の先生方から、なかなかの御好評を頂いたということで、今回からは北辰会は勿論、順天堂東医研でも、東洋鍼灸専門学校でも長年にわたって講義してきた
「東洋医学的診察法(体表観察)」
について、これからシリーズで講義していくことになりました。
まず最初は「脈診」からです。
多くの医師にとって、「脈診(Pulse diagnosis)」といえば、バイタルサイン(生命兆候)確認の一環として、いわゆる”心血管系”の異常を念頭に、
脈拍数(頻脈・徐脈)
律動性(不整脈)
血管壁の硬さ(血圧)
などを、聴診による心音や浮腫の状況、その他の心電図所見などとも組み合わせて診て、診断するための情報としてなされるものでしょう。
しかし、東洋医学ではなんと、脈診部位(橈骨動脈搏動部)で全身の状況を診る、というのです。
それも、西洋医学とは根本哲学、人体観を異にする「全身の状況」を、です。
このブログにこれまで何度も書いてきたように、東洋医学では、「気血津液」の通り道としての「経絡」があり、その正常な循環を保障する「五藏六府」があります。
【カテゴリ】
厳密にいえば、気とエネルギーは違うし、血と血液は違うし、津液とリンパ液、組織液は違うし、経絡と神経や血管系は違うし、五臓六腑と内臓は違います。
東洋医学では、全身各所の細かな機能や形態の異常を診ているのではなく、全身の機能のバランスの乱れを、こうした諸概念に置き換えて診ているのです。
今回はその辺を分かり易く説明したつもりでしたが、どの程度伝わったかはアンケートの結果を待ちたいと思います。(^^)
一人でも多くの医師が、東洋医学に興味を持って下さり、理解を示してくれることを祈りつつ、より質の高い講義が出来るように精進します。
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2022.06.17
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6.5(日)の朝に行われた、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴しました!!
今回も岡本一抱(1655-1716)の『万病回春病因指南』を題材に、「嘔吐・翻胃(おうと・ほんい)」というテーマでの講義でした。
これねー、意外と多いんです。
特に若い人で。
最近も、消化器内科の先生から、比較的若い患者さんの「FD(Functional dyspepsia 機能性ディスペプシア)」の患者さんを紹介して頂き、何例か診ているところです。
実は僕自身も、20代のある時期に、一過性でしたが、嘔吐癖のようなものがついてしまったことがあって、以前はお酒を飲んでも相当飲まなければ吐くことはなかったのですが、
少し飲んだだけで吐くようになり、酒を飲んでいなくても常に悪心があるような状態となり、結構苦労した思い出があります。苦笑
また、患者さんでは、もう10年以上前ですが、すい臓がんの末期の患者さんで、亡くなる寸前まで診させてもらった患者さんでしたが、最後はもう黄疸が出て、嘔吐が止まらず、
吸い飲みの水や、自分の唾液を少し飲んだだけでも真っ黄色の胆汁まで吐いてしまい、非常に可哀想だったのをよく覚えています。
(まさに今回の講義で言う”翻胃”、”上膈”の病の状況だったんでしょうね。)
このように、軽症から重症まで、非常に様々な思い出がよぎる嘔吐ですが、今回の講義では「胃の冷え」に注目しつつ、「脾胃は寒熱の偏りを嫌う」ことに着眼せよ、という内容で、非常に参考になりました。
具体的には、嘔吐を治す時に、もし胃の冷えが原因のものであれば、生薬では生姜や山椒が重要になるということです。
酒ばっか飲んで嘔吐する人に、乾姜を使うことが重要とは、湿熱や湿痰を攻下する事ばかりを考えていた、20代の頃の僕にはほとんどない視点でしたね。笑
(・・・あの当時、とある有名な漢方の先生が、僕に対して温剤を処方した意味が、少し分かりました。)
まあ、平たく言えば、吐くことによって邪気を排出する側面と、吐くことによって正気が傷られる側面があり、そのバランスをよく考え、かつ、吐くことの原因を慎重に追及しないと、なかなか治らないよ、ってことですね。
あとは、酒飲んだら、基本的には運動と利尿が重要で、むやみに下したらいけないよ、とか、奥村先生が以前から盛んに研究されている「膜原」に対する理解、というのも、重要な指摘ですね。
やはり膈膜ライン、帯脈ライン、その中心にある胃土エリアは重要だ、というところに行き着きますね。
また、今回も奥村先生の古典研究の精緻さが光っており、日本の江戸期の古典の中に引用されている、中国の古典にさらに当たって、その文章の内容の違いから、
各時代、各国の先生方の考えを類推するという、ベーシックだけど非常に重要な研究方法で、いつもながら、頭が下がる思いがしました。
こうやって、臨床上よくある症状でも、歴史を掘り下げると、非常に奥が深いことがよく分かりますね。
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2022.04.29
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先日お伝えしましたが、今日の昼はドクターズプライムさん主催の、若手医師、医学生向けの5日連続勉強会「ドクターズプライムサミット」にて、1時間ほど
【鍼灸の世界へのいざない Part2-東洋医学的身体診察の世界-】
と題して、喋ってきました!!
(テキストリンクばかりですいません。笑)
本講義は無料であり、見逃し配信もあり、こちらからまだ申し込み出来ます!
よく考えるとこれ、診療の合間に、全国に向けて講義が出来るという、これまででは考えられない、とんでもない時代が到来していますね。。。
また受講者も、職場のデスクや自宅のベッドで寝っ転がりながら視聴できるという。。。
まあ、真面目に聴ける人にとっては、素晴らしいことと思いますし、スゴイ時代だと思います。
ただ今後、非常に講義のうまい先生の講義動画や文章などが、ネット上に無料で充満し、学校講義や講演会講義や教則ビデオや書籍の類は、CDやDVDと同じ運命を辿る感じはしますね。。。
〇
現在、清明院では研修生として若い医師を1名受け入れています。
去年研修に見えた総合内科医である増田卓也先生も、今年の研修医の先生も、初日に
「清明院に研修に来て、何を身につけたいですか??」
と聞くと、二人とも
「東洋医学的な身体診察とその理論」
と言いました。
なるほど、現場の医師からしたら、我々が普段当たり前に行っている、東洋医学的な身体診察に興味があるんですね。
ですので、今回の講義では”東洋医学的な身体診察”に重きを置いて、最初に20分ほどこの医学の歴史、現状、有用性を述べてから、さらに動画で、
実際の一通りの身体診察(我々は”体表観察”と呼んでいますが)から治療までを、前回よりもじっくりとお見せしました。
動画の中でも申しましたが、西洋医学の総合診療の分野でも、鑑別診断をするために「Head to toe」といって、頭の先からつま先まで身体診察をする、という考え方があるそうですが、
東洋医学でもまさに「Head to toe」で全身を診るのですが、その前提となる世界感、哲学が西洋医学のそれとは異なっており、診ているのはあくまでも全身の気血津液の変調、偏在、アンバランスを診ているのです。
西洋医学が「局所」を診ることで結果的に「局所」の状況を細胞、DNAレベルまで徹底的に把握するのが視点の中心、眼目であるのに対して、
東洋医学は「局所」を診ることを通じて、常に「全体」「総体」を診ているのです。
このことについては以前書きましたので、良かったらどうぞ。
僕としてはこの、根本哲学を異にする、優れた両医学が、患者さんのために協力し合うということが、患者さんにとって非常に有益なことになると思っています。
2021.10.14
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「患者さんの声」を頂きましたので紹介します。
下記以外の「患者さんの声」についてはHP内およびGoogleのクチコミページ 参照
〇
40代女性 会社員
【症状】
片側の腰臀部から下肢の痛み
〇
私は腰椎椎間板ヘルニアを今年の4月上旬に発症しました。
椎間板ヘルニアは保存療法で数か月様子をみることが一般的だと言われ、整形外科でリハビリと投薬(鎮痛剤)で2か月様子を見ていました。
しかし、痛みが治まらず、1日に薬を何度も飲まないと生活ができない日々が続きました。
その後、ペインクリニックでブロック注射をするようになり、痛みは緩和してきたものの、鎮痛剤がないと夜寝られず(夜中に起きる)、
薬を飲み続けることに不安な毎日を送っていたところ、インターネットで清明院を見つけました。
椎間板ヘルニアを発症してから5か月が経過していた頃でした。
最初は半信半疑でしたが、なんと鍼をうってもらった翌日から、薬を飲まないでも痛みを我慢できるようになったのです!
それから数回の治療で嘘のように症状が回復してきています。
今はまったく鎮痛剤は不要です。
痛みはほとんどありません。
先生に出会えたことを本当に感謝します。
椎間板ヘルニアで悩んでいる方は多くいると思います。
一度、先生の治療をうけてみたらいかがでしょうか。
※私の症状も改善してきていますが、あの辛い日々がぶり返さないように今後もお世話になりたいと思います。
【清明院からのコメント】
この患者さんは、行楽地で歩き過ぎた翌日に、腰臀部から下肢の痛みを急激に発症しました。
最初は「死にたくなるほどの痛み」を自覚され、服薬やブロック注射で、どうにか生活は出来るようになったものの、週4回の通院と、毎日複数回の服薬に、
これがいつまで続くのかと、非常に不安を感じておられました。
(因みに、マッサージによって、かえって痛みが増したという情報もありました。)
初診時、問診、体表観察の結果、「心肝気鬱、脾気気滞」と弁証し、手の経穴に一本、治療すると、初回から劇的に効果が出ました。
あまりの効果に、御主人から
「何かの間違いだろ、そんなはずはない。」
と言われたそうです。(苦笑)
症状は激しくても、東洋医学的に「気の停滞」が主要病理となるようなものは、非常に効果が高く、即効性も得やすいという印象があります。
本症例は、まさに東洋医学的な診立てと治療が奏功した症例と言えるでしょう。
これまで散々、西洋医学的に腰をいじくり回してきたのが、手に一本鍼をしただけで、劇的に痛みが取れたら、半信半疑になるのも当然だと思います。
その後、5回ほどの治療で、痛みの程度はほぼゼロまで治まっており、服薬、ブロック注射を行わずに過ごせています。
(来院頻度は週に1,2回ほどです。)
鍼に行くたびにグングン良くなるのが、傍から見ていても分かるので、御主人にも今ではすっかり信用して頂けたようで、嬉しいです。(笑)
整形外科的な疾患で、痛みやしびれが中心であり、整形外科やペインクリニックに通院してもなかなか解決しないようなものに、このように
「東洋医学的な見地に基づく、内臓の機能失調も意識した、全身のバランス調整を意識した鍼灸治療」
が奏功するということは、患者さんからすれば異次元世界の話かもしれませんが、我々は日常的に普通に経験しています。(笑)
因みに、いつも言うことなんですが、私はこの症例をもって
「鍼灸でヘルニアが治る」
という、短絡的でミスリーディングな主張がしたい訳ではないです。
西洋医学的に、一口にヘルニアといっても、東洋医学的には程度も種類も実に様々であり、患者さん個々の生活状況や体質も違いますので、
「ヘルニアと診断された痛みの中に、鍼灸でコントロールできる痛みが存在するから、試してみてはどうでしょうか?」
という提案がしたいのです。
ヘルニアについては「過去記事”ヘルニア”を含む記事」 参照
なかなか症状が取れずに、最終手段である手術に踏み切ろうか悩んでおられる患者さんも多いのでないかと思いますので、一度相談に来られては如何でしょうか。
2021.09.17
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9.15(水)の夜は、(一社)北辰会会員限定企画である古典ライブ講義を視聴してきました!!
水曜日は毎週、東洋鍼灸専門学校での講義なので、21:10まで講義なんですが、学校を出て、21:15くらいからスマホで講義を聴きながら、
チャリこいで家に帰り、家で片付けと明日の準備をしながら、講義を聴けるという素晴らしさ。
もう、オンライン講義なしでは生きていけない。。。笑
しかも、分かりにくかったところを翌日にOD配信で確認できるというお得さ。。。
北辰会会員に限らず、対面実技指導が受けられないコロナ禍のうちに、しっかりと学術のレベル、特に「学」のレベルは、最高まで高めましょう。
臨床家にとって、学と術は両輪の輪です。
今回の第5回古典ライブのテーマも
「古典に学ぶ病因病機 ~万病回春病因指南を題材として~」
であり、今回は
「内傷(脾胃)」
にフォーカスした内容でした!
奥村学術部長の圧倒的知識量と、新風代表のサクッとしたまとめ、というコンビネーションで語られるこの講義ですが、回を重ねるごとに分かり易さが増している感じがあります。
今回は、今の晩夏~初秋の時期にタイムリーな「内傷」で、主に金元の4大医家の一人である李東垣(1180-1251)の説を引きながら、
内傷のほとんどは中気(中焦の気≒脾胃の働き)が関係している、従って脾胃に着眼した治療は重要、という内容でした。
(なかなかの極論ではありますが。。。)
食欲の秋であり、また、夏の間にした暴飲暴食の影響が悪い面で出てきやすい時期でもありますので、このことについて知っておく、意識するのはとても重要です。
今回は、なぜか僕だけ(苦笑)画面がフリーズしましたが、どうにかリカバリーできました。(^^;
まあこういう不具合とか操作上の問題なんかも、今後の5Gの時代ではどんどん改善されてくるのでしょう。
こうやって何回もやっていくうちに、講師の方も、視聴者の方も、オンライン講義に慣れて、コロナもまだまだ長引きますから、今後は座学はこれが間違いなく主流になることと思います。
こんな便利なことに慣れたら、もはや以前に戻れるわけないですな。(*‘∀‘)
今回、印象的だったのは、「補中益気湯の中に柴胡と升麻が入っていることの重要性」というお話。
金元の4大医家の中でも、特に脾胃の働きを重視し、”補土派”と言われる李東垣(1180-1251)が創方した薬として有名で、現代の臨床でも非常によく使われる「補中益気湯」という薬(補気剤)があります。
これの中身(構成生薬)は、各古典によって多少の違いはありましょうが、基本的には
人参・白朮・黄耆・当帰・柴胡・陳皮・炙甘草・升麻(by『中医臨床のための方剤学』)
なのですが、この薬の中に入っている柴胡と升麻は、表証の薬(辛凉解表薬)でありながら、補気剤に配合すると升陽作用を発揮します。
これを鍼で表現しようとすれば、脾胃を補う配穴に、臨泣などの木気を巡らせる配穴を足すと、補中益気湯のそういう側面が表現できたりします。
臨床上、上實下虚や上熱下寒、いわゆる冷えのぼせや、人体の上下のアンバランスが起こった状態の患者さんに接する機会は多いですが、
意外と中焦脾胃に注目して「補気昇提」という考え方で治療するとうまくいくケースがあります。
何でも清熱や降気を考えりゃいいってもんじゃない。
中焦を補気し、清陽を押し上げることで、かえって邪気が降りる、足が温もる。
ここもなかなか、東洋医学の臨床家の腕の見せ所でしょう。
改めて、よくよく考えておくべきだと思いましたね。
また、以前から奥村先生が深く研究されている腹診論に関して、先天易と後天易と境界と、木土の五行の相生相剋の話、また、味岡三伯門下で岡本一抱(1655-1716)の同期で、
弟子の中の四傑といわれる浅井周伯(1643-1705)の子孫が記したと言われる「五蔵決用圖」の話など、今回もなかなか含蓄のあるお話を頂きました。
まあ簡単にいうと、江戸期の医家は腹部に宇宙を見て、治療をやっていた、ということですね。
これを壮大で、スケールが違う!美しい!!と取るか、Primitiveととるか、非科学的でとるに足らない、思弁的であり、観念論では病気は治らない、と斬るか。
・・・とまあこのように、2000円では安すぎる、非常に学びのあるこの講座、会員の先生方限定の講座ですが、これを機に入会の方はぜひ☆
「なんちゃって」じゃない、本気の東洋医学の素晴らしい世界が、待っていますよ☆
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2012.07.08
2016.05.09
2016.04.12
2016.04.28
2015.06.04
2012.12.23
2014.02.17
2014.04.26
2024.04.13
(一社)北辰会、組織再編。2024.04.02
2024年3月の活動記録2024.04.01
2024年 4月の診療日時2024.03.14
2024年2月の活動記録2024.03.01
2024年 3月の診療日時2024.02.15
2.17(土)ドクターズプライムアカデミアで喋ります!2024.02.04
3.10(日)(公社)群馬県鍼灸師会で講演します!2024.02.03
3.3(日)「浅川ゼミ会」にて講演します!2024.02.02
2024年1月の活動記録2024.02.01
2.25(日)順天堂東医研、第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」に登壇します!!2024.02.01
2024年 2月の診療日時2024.01.11
2023年、9月~年末の活動一覧2024.01.05
診療再開!!2024.01.01
2024年 1月の診療日時2023.12.30
2023年、鍼療納め!!2023.12.21
(一社)北辰会、冬季研修会のお知らせ2023.12.01
2023年 12月の診療日時2023.11.26
患者さんの声(60代女性 背部、頚部の痒み、首肩凝り、高血圧、夜間尿)2023.11.25
患者さんの声(70代女性 耳鳴、頭鳴、頭重感、腰下肢痛、倦怠感)2023.11.22
12.3(日)市民公開講座、申し込み締め切り迫る!!2023.11.21
今週からの講演スケジュール2023.11.16
日本東方医学会学術大会、申し込み締め切り迫る!!2023.11.01
2023年 11月の診療日時2023.10.10
清明院14周年!!2023.10.04
12.3(日)市民公開講座やります!!2023.10.01
2023年 10月の診療日時2023.09.23
第41回、日本東方医学会学術大会のお知らせ2023.09.22
第55回、順天堂東医研に参加してきました!2023.09.21
第27回、日本病院総合診療医学会で発表してきました!!2023.09.20
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.09.01
2023年 9月の診療日時2023.08.18
第54回、順天堂東医研で喋ってきました!2023.08.17
順天堂東医研の学生さんと、「森のくすり塾」へ。2023.08.16
診療再開!!2023.08.01
2023年 8月の診療日時2023.07.24
第53回、順天堂東医研に参加してきました!2023.07.23
(一社)北辰会関東支部に参加してきました!2023.07.22
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.07.21
第73回 日本東洋医学会に参加してきました!2023.07.01
2023年 7月の診療日時2023.06.12
(一社)北辰会関東支部定例会に参加してきました!2023.06.11
(一社)北辰会本部会に参加してきました!!2023.06.10
Dr’s Prime Academiaで喋ってきました!2023.06.09
第52回、順天堂東医研で喋ってきました!!2023.06.08
第14回 日本プライマリ・ケア連合学会学術大会に登壇しました。2023.06.01
2023年 6月の診療日時2023.05.31
日本東方医学会、医鍼薬地域連携研究会(DAPA)について2023.05.30
生薬観察登山に行ってきました!2023.05.12
清明院のコロナ後遺症対応に関して2023.05.01
2023年 5月の診療日時