東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「太極」「無極」の意味 12

2019.09.28

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これまでのお話し

 

「太極」「無極」の意味    

「太極」「無極」の意味 2 

「太極」「無極」の意味 3      

「太極」「無極」の意味 4 

「太極」「無極」の意味 5   

「太極」「無極」の意味 6

「太極」「無極」の意味 7  

「太極」「無極」の意味 8  

「太極」「無極」の意味 9   

「太極」「無極」の意味 10 

「太極」「無極」の意味 11             参照

 

 

さて、続きいきましょう!!

 

 

◆「周氏太極図」の解釈   その3

 

 

さて、「周氏太極図」の中の、「水火匡郭図」の下の「三五至精図」の解釈の話の続きです。

 

(ここから読んだ人は、もはや何が何だか分からんね。(゚∀゚))

 

 

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↑↑これですね。

 

 

まあ、以前書いたようにこの医学を語る上で外せない「五行」なるもの。

 

カテゴリ 五行     参照

 

 

「五行」とは、木火土金水の5つの要素(はたらき)のことであり、五行の「行」には”めぐる”という意味があり、これは、よく英訳されるように、

 

5つの元素(five elements)と考えるのではなく、森羅万象の5つの位相(five phases)と訳した方が正確なように思えます。

 

(これは、大先輩が書かれていたのの受け売りなんですが、東郷俊宏先生に確認したところ、英文の著作でも、モノや文脈によっては後者で書かれてあるそうです。(笑))

 

 

・・・ともかく、昨日述べたように、「三五至精図」は、まずは五行の位置関係が重要です。

 

 

左側に火と木(二と三で五)があること、右側に水と金(一と四で五)があること、真ん中に土(五)があることで、五行の調和、交流を示しています。

 

(魔方陣的なね。)

 

 

また、一番上の段に火と水があることは、五行というのは最終的には火水(陰陽)の働きに帰結するという考え方があり、「三五至精図」の上にある「水火匡郭図」の陰陽が、

 

そのまま下に降りてきた姿(陰陽をシンボライズ)と、考えること出来ます。

 

 

しかし、陰陽ではなく、五行で言う「火と水」の間には「水克火(すいこくか)」という、いわゆる相尅(そうこく)関係というものがあります。

 

(水で火が消える、っていう力関係を示したやつね。)

 

 

相尅関係にあるもん同士が横並びでは、バランスが悪いですね。

 

 

ここで、すぐ下にある「土」の意味が効いてきます。

 

 

「土」「水」の関係は「土克水(どこくすい)」ですから、この位置関係には、「土」の働きが「水」の働きを堰き止め、

 

結果的に「火」「水」の調和を助ける、という意味があります。

 

 

そして、左上(最も陽の位置)にある「火」から、中央の「土」へ、そして「土」から右下(最も陰の位置)にある「金」へ、そして「金」から今度は右上にある「水」へ、

 

「水」から中央の「土」を飛び越して、左下にある「木」へ、で、また「木」から左上の「火」へと、タスキのように、五行の「相生(そうせい 木→火→土→金→水)」の順番で線が引いてあります。

 

 

そして、その相生の線とは別に、火水木金から、それぞれ一番下の「天地の一元気」に向かって、線が引いてあります。

 

 

つまり、これは総じて、左側(火木)の「陽」と、右側(水金)の「陰」が、中央に「土」があることによって調和し、循環し、その結果として

 

「天地の一元気」が生まれることを示しています。

 

 

そしてこの下の大きな〇に、「乾道成男」「坤道成女」と書いてあり、男女(人間だけでなく動植物全ての生物のオスメスを含む)を示し、

 

その下の大きな〇で、「萬物化生」とあり、自然界の万物の生々化育を示してあります。

 

 

周敦頤さんはこの五段階、つまり

 

「太極而無極」

   ↓↓

「陰陽(水火匡郭図)」

   ↓↓

「五行(三五至精図)」

   ↓↓

 「男女」

   ↓↓

 「萬物」

 

の流れでもって、宇宙全体の成り立ちを示した訳ですね。

 

 

シンプルながら、なかなかすごい意味が凝縮された図だと思います。(゚∀゚)

 

 

wp-1589886566650.jpg

 

 

↑↑改めて見ると、ヘエ~(゜o゜) オオ~(゜o゜) となりますね☆

 

 

この図については、微妙に違う、類似している図があったりとか、仏教や道教の影響とか、清代以降にバカにされた歴史とか、まだまだ言い出せばキリがない話題を含んでいるんですが、

 

まあ今回は紹介として、こんなところにしときましょう。

 

 

・・・では次回から、こういった、

 

「やれ太極だ、無極だ、陰陽だ、五行だ、万物だ」

 

とかっていうのを考えていることが、実際に我々の日々の臨床にどう役立つのか、考えてみましょう。

 

 

 

続く

 

 

 

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「太極」「無極」の意味 6

2019.09.21

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これまでのお話し

 

「太極」「無極」の意味    

「太極」「無極」の意味 2 

「太極」「無極」の意味 3      

「太極」「無極」の意味 4  

「太極」「無極」の意味 5      参照

 

 

さて、続きいきましょう!!

 

 

◆「陰陽論」ではなく「”太極”陰陽論」。 その②

 

 

さて前回は、蓮風先生の著書における「太極」のとらえ方を紹介し、北辰会が鍼灸臨床で「太極」をどう考えているのか、というお話を紹介しました。

 

 

僕らは、あくまでも現代日本の鍼灸臨床家なので、古代中国哲学や、哲学用語の歴史的変遷や、東洋医学のバイブルとされるような各種古典の内容を、

 

あくまでも現代日本人への鍼灸臨床に役立つような、理解運用の仕方をするように心がけています。

 

 

これが北辰会の提唱する「臨床古典学」という立場ですね。

 

 

因みに、(一社)北辰会では「無極」という言葉についてはあまり言及されないのですが、奥村裕一学術部長がかつて1997年に『全日本鍼灸学会誌』上に発表された、

 

「日本鍼灸古流派の研究-腹診および腹部刺鍼を中心として」

 

という論説の中に、日本の江戸期の医家による、腹部における「太極」「無極」という表現が出てきます。

 

 

ここについても今回、ついでなんで、あとで触れておきましょう。(∩´∀`)∩

 

 

・・・ところで、前回言うように、北辰会では「陰陽論」を単に「陰陽論」と言わずに、あえて「”太極”陰陽論」と呼んでいるのには、陰陽は偉大な哲学、分析学だけれども、

 

あくまでも常に「太極を踏まえた上で」分析することが重要だ、というメッセージが含まれています。

 

 

陰陽という「二」で考えつつも、常に太極と言う「一」の視点を外さないこと。

 

 

ですので「陰陽論」は単純な二元論ではなく、「二元的一元論」なのである、という重要な主張です。

 

 

陰陽論が、森羅万象に対する単なる分析学なのであれば、その境界線やものさしは精密で精緻であればあるほど良いわけですが、西洋医学のように、

 

電子顕微鏡レベルにまで精密精緻になってくると、出来ることや分かったことが増える一方で、分からないことも増えていき、時に「木を見て森を見ず」となって、

 

結果的にかえって「自然(人体)のトータルな全体としてのバランスの調和」を見逃す、見誤る、ということが起こりうる訳ですね。

 

 

手術はうまくいったけど亡くなってしまった、とか、血液検査の数値上は薬は効いているけど、全体的な体調としては悪化した、などですね。

 

 

ここに、よく言われるように、西洋医学で治らないものが、東洋医学では治ることがある、という事実の謎の一つが隠されているのではないか、と考えています。

 

 

上記の考えは北辰会方式のすべてを貫いており、以前紹介した「総合と総体」の話や、「直観と論理」の話にも通じてきます。

 

総合と総体(東洋医学の哲学)   

「直観」を含む記事              参照

 

 

あくまでも「気一元」の世界観。

 

 

色々分けるけど、そもそも分けれないもの「太極=太一」なのだ、ということが大前提なんです。

 

 

 

続く。

 

 

 

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いやー、鍼最高。

2019.08.17

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昨日今日と、お盆明け、イイ感じの緊張感で治療に入らせていただきました。

 

 

臨床はホントに待ったナシ。

 

 

でもそれが最高。

 

 

やっている人にしか分からんね。

 

 

色々な名案が、浮かんでは消える。

 

 

暑邪傷気と腎着上焦で痰化しているのは何でか、補瀉の迎隨の考え方・・・、などなど。

 

 

この時期は水と気のバランスと位置、寒熱も含めてよく考えないと。

 

 

見えるもんも見えない。

 

 

楽勝ムードの症例で、足元すくわれる。

 

 

あらゆるリスクを考えて進めないと。

 

 

気が抜けない。

 

 

・・・けども、ありがたい。

 

 

 

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「芎帰調血飲第一加減」と鍼灸と。

2019.07.12

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ここまでのお話し

 

「温経湯」というお薬

「芎帰調血飲」というお薬   

「温経湯」と「芎帰調血飲」と鍼灸と。

「温経湯」と「芎帰調血飲」と鍼灸と。  2       参照

 

 

◆「芎帰調血飲第一加減」なる薬。

 

 

先日、「芎帰調血飲」という薬を紹介した。

 

 

これの出典は明代(1587年)、龔廷賢(16-17世紀)先生『万病回春』であり、そこには30パターンもの加減方が紹介されていることをお話しした。

 

 

ある先輩から、臨床的には芎帰調血飲より芎帰調血飲第一加減の方がよく効く印象、と聞いた。

 

 

・・・で、どう違うんだろう、と思って調べた。

 

 

芎帰調血飲第一加減ていうのは、『万病回春』芎帰調血飲の加減方では3番目に出てくる加減方を、あの漢方の流派、一貫堂医学が名付けた処方のようで、

 

矢数格先生『漢方一貫堂医学』や、松本克彦先生『漢方一貫堂の世界』に詳しく書かれています。

 

一貫堂医学について 10(患者の死と道伯先生の臨床)   参照

 

 

これは、まあ簡単に言えば、芎帰調血飲桃仁紅花、延胡索などを加え、瘀血をとる作用を強めたものだそうです。

 

 

血虚があるにはあるけど、瘀血をとるのに、理気に寄せるか、活血に寄せるか、みたいな使い分けですね。

 

(瘀血>血虚であれば、瘀血を攻めても血を傷ることはない、という考えですね)

 

 

一貫堂では、これよりもさらに瘀血がきつくなったら活血散瘀湯、さらにきつかったら通導散加減、となっていくようです。

 

 

まあやっぱ、瀉法を強めた方が、使っている側としてはバシッと効いた印象が強くなるのかもしれませんね。

 

 

これは鍼灸の臨床においても良くあることです。

 

 

鍼灸では、瘀血をとるのにも、その深さや程度、正気の虚とのバランスで、選穴や手法を考えますが、芎帰調血飲であれ芎帰調血飲第一加減であれ、

 

三陰交に上手に鍼すりゃ、イケちゃいそうな気も。。。(゚∀゚)

 

 

また、そんなこと言うと怒られるか。(^^;)

 

 

暫くはこれ、意識して診てみよっと☆

 

 

因みに一貫堂では、この処方の流れと腹診所見を合わせて論じていますので、そこも興味深いです。

 

 

 

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「温経湯」と「芎帰調血飲」と鍼灸と。

2019.07.06

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ここまでのお話し

 

 

「温経湯」というお薬

「芎帰調血飲」というお薬      参照

 

 

 

◆では、使い分けはどうする??

 

 

あくまでも、私は湯液に関しては専門家ではないので、実際に使ってみての印象は語れませんが、何人かの専門家にも質問させていただいたので、ここに簡単にまとめてみます。

 

 

『中医臨床のための方剤学』では、温経湯芎帰調血飲は、「理血剤」のグループです。

 

 

「理血」とは、”血の病変を治す薬”という意味であり、「活血袪瘀剤」「止血剤」に分けられます。

 

 

「活血袪瘀剤」の代表選手は、有名な桃核承気湯、血府逐瘀湯、桂枝茯苓丸あたりでしょう。

 

 

「止血剤」にはマニアックな処方が多いのですが、『金匱要略』にも出てくる芎帰膠艾湯は有名ですね。

 

(ここにも”芎帰”が!(゜o゜))

 

 

このうちの、「活血祛瘀剤」の中に出てくるのが、温経湯芎帰調血飲であります。

 

 

温経湯は下焦(足厥陰肝経、場合によっては肝の臓まで)を温め、血流を改善し、瘀血を去って新血を作ります。

 

 

芎帰調血飲は、気血の巡りをよくすることに主眼が置かれていますが、出典である『万病回春』にあるように、患者さんの状態に合わせて、約30パターンにもわたって、臨機応変に加減して使う薬です。

 

(そういう汎用性のある処方だからこそ、龔廷賢”産後一切の諸病”とまで言いきっているのでしょう。)

 

 

温経湯では冷え(下焦の寒邪の邪実による気血の停滞)が中心になりますから、例えば月経痛なんかの下腹部痛はさすったくらいでは引かない、きついものです。

 

 

しかも口唇が乾燥したり、手が火照ったりと、上焦には熱も持ちます。

 

 

このような上熱下寒のバランスを調えつつ、血の流れをよくして瘀血を去り、新血を作るのが温経湯

 

 

それに対して、肝気を巡らせて、結果的に血を巡らせるのが芎帰調血飲

 

 

・・・さてこれ、鍼灸ではどうやるか。

 

 

長くなったので続く。。。

 

 

 

 

 

 

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扁鵲の六不治

2019.06.05

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こないだ読んでた本にたまたま出てきた、「扁鵲(へんじゃく)の六不治」

 

 

・・・まあ「六不治」は、相当有名な話であり、この医学を勉強し始めた頃ぐらいから知ってはいたが、今読むと、また味わいが違う。(笑)

 

 

このブログでは、ずいぶん前にチラッと部分的に紹介しただけなので、いい機会なんで、ここらできちんと書いておこう。

 

あくまで「ご提案」    参照

 

↑↑なんか、上記の過去記事読むと、開業したてで漸く軌道に乗ってきたころで、患者さんを何としても治そうと意気込んで、よく言えば躍起になっている、

 

悪く言えば少し傲慢になっている、実に青臭い文章で、読んでて赤面しますね。(笑)

 

 

・・・でもいいです、そういう時期があって、今がある。

 

 

それも歴史の真実なので、別に修正とかしません。

 

 

「六不治」は前漢の司馬遷『史記』扁鵲倉公列伝に出てくる言葉で、ここでいう「不治」というのは”治らない人”という意味ではなく、「医者から見て治しにくい人」という意味にとるのが妥当のようです。

 

 

・・・で、「六不治」の内容とは、

 

1.驕恣(きょうし)理を論ぜざるは、一の不治なり

 

 (わがままでおごり高ぶり、論理的に物事を考えることが出来ない人)

 

2.身を軽んじ財を重んずるは、二の不治なり

 

 (体よりもお金、と、治療費をケチる人)

 

3.衣食適する能わざるは、三の不治なり

 

 (衣食が適切でない、あるいは何らかの理由で適切に出来ない人)

 

4.陰陽并背、臓気定まらざるは、四の不治なり

 

 (陰陽のバランスが極端に悪く、五臓の状態が極端に悪い人)

 

5.形つかれて服薬能わざるは、五の不治なり

 

 (体が衰えて、薬も飲めない人)

 

6.巫を信じ医を信ぜざるは、六の不治なり

 

 (宗教を過信し、医師、医療を信じない人)

 

とあります。

 

 

・・・上記6パターン、全て治療にあたったことがありますが、まあー、治しにくいですよね。。。(苦笑)

 

 

とはいえ、それでも逃げずに治療に向かう、説明を尽くす。

 

 

・・・で、最終的には患者さんの体だし、命だし、患者さん自身の人生だし、というところで、患者さんの意向は最大限尊重する、可能な限り寄り添う、

 

無茶はしない、というところが大事じゃないかな、と思っています。

 

 

自分が出来ることを最大限やらせていただく、という姿勢が大事だと思うんで、患者さんを診ていて、

 

「こんなんだから治らんのだ!」

 

とかは、別に今は思わないですね。。。(*‘∀‘)

 

 

 

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中国の宇宙論 ③ 渾天説

2019.05.25

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これまでのお話し

 

中国の宇宙論 ① イントロ

中国の宇宙論 ② 蓋天説       参照

 

 

◆渾天説とは。

 

 

古代中国で、「蓋天説」の後に出てきた、もう一つの有名な宇宙構造論が「渾天(こんてん)説」です。

 

 

「渾天」とは、大きく丸い天、というほどの意味です。

 

 

これは、宇宙を卵のようなものと捉え、黄身が大地、殻が天、上半分は空気、下半分は水、と考え、殻である天が動いているとする、いわば

 

「素朴な天動説」

 

です。(笑)

 

 

これまた、こちらのサイト様の図示とご説明がたいへん分かりやすかったです。<m(__)m>

 

 

これで、二十八宿(星座の動き)二至二分(夏至・冬至・春分・秋分)など、色々なことが説明できるようになったのですが、天が水中に潜るという説、

 

天地が水に浮かんでいるという説は、前漢の当時に「蓋天説支持派」から、かなり論難されたようです。(苦笑)

 

 

蓋天渾天論争では、前漢末期の揚雄さん桓譚さんという人がずいぶん激しく論争したことが知られているそうです。

 

 

しかしまあ、結果的には渾天説の方が実際の現象と合致するため、徐々に渾天説が優勢となっていったという経緯があるらしく、現代的な球面天文学からみても、

 

蓋天説から渾天説への変遷は、科学の進歩、ととれます。

 

 

渾天説を大成したと言われる人物に、後漢の科学者、政治家である張衡(78-139)という人物がいます。

 

 

彼は紀元前4世紀からある「渾天儀」という天球モデルを完成させた人物として有名であり、その著書の中で「渾天説」を明確に述べたことで知られています。

 

 

渾天儀に関してはこちらのサイト様の解説が、実に詳しくて参考になります。

 

 

彼が作った渾天儀は、水時計の水の流れを応用して水流で動き、二十八宿の位置など、現実の現象、位置と悉く一致したといいます。

 

(・・・なんかそれ、欲しいな。。(゜o゜))

 

 

この渾天説と人体観、医学の関わりですが、僕としては真っ先に李時珍(1518-1593)の説が思い浮かびます。

 

 

李時珍の『奇経八脈考』冒頭の「八脈」の部分に、

 

「陽維脉は表、陰維脈は裏で乾坤を言い、陽蹻脉は左右の陽、陰蹻脉は左右の陰で東西を言い、督脈は後ろの陽、任脈衝脈は前の陰で南北を言い、帯脈は諸脈を束ねる、六合を言うなり。」

 

とあります。

 

(文章はかなり省略意訳しています。)

 

 

渾天説における天球の、赤道にあたる部分が帯脈、上下(天地、転じて表裏)は維脈、左右(東西)は蹻脈、前後(南北)は任督衝と、奇経八脈それぞれで、

 

球体としての人体(六合、つまり宇宙)の気のバランスをとっている、と考える説です。

 

 

因みに”宇宙”という単語の出典は『尸子』あるいは『淮南子』であります。

 

(”宇”が空間を意味し、”宙”が時間を意味します。つまり宇宙とは時空のことであります。)

 

 

李時珍は恐らく、天文学についても相当深く理解していたことでしょう。

 

 

彼が、小宇宙である人体を、球体(三次元空間における空間物体)として考えた時に、奇経八脉を用いてこのような論を説いたのは、鍼灸臨床家としては非常に面白い説だと感じます。

 

 

 

続く

 

 

 

 

【参考文献】

 

「蓋天説と渾天説の話」日本科学史学会

「梁武の蓋天説」山田慶児

Wikipedia「蓋天説」

『中国古代天文学簡史 日訳版』浅見遼訳 近代出版

『中国天文学研究』小沢賢二著 汲古書院

『東洋天文学史論叢』能田忠亮著 恒星社

『中国天文学・数学集』薮内清 編 朝日出版社

『古代中国の宇宙論』浅野裕一 岩波出版

 

 

 

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「桂枝湯」という薬

2019.04.09

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最近のお話し

 

「牛車腎気丸」という薬

「治打撲一方」という薬

「小青龍湯」という薬

「麻黄湯」という薬

「葛根湯」という薬

 

参照

 

 

前回書いたように、葛根湯は、桂枝加葛根湯麻黄を加えたもの。

 

 

で、桂枝加葛根湯は、桂枝湯葛根を加えたもの。

 

 

今日は

 

「そんじゃ桂枝湯は?」

 

というお話。

 

 

・・・これこそ、まさに漢方薬の王様みたいな薬です。

 

 

出典はもちろん漢代、『傷寒論』でありまして、『傷寒論』のド頭に出てくるのが桂枝湯です。

 

 

また、北辰会会員の必携の書である『袖珍中医四部経典(※)』にも収録されている、清代の名医、呉鞠通の著書『温病条弁』も、ド頭に出てくる方剤はこの「桂枝湯」なのであります。

 

((※)・・・『黄帝内経素問』『黄帝内経霊枢』『傷寒論』『金匱要略』『温病条弁』がすべて簡体字で収録されている、何とポケットサイズの書。)

 

 

数千年の風雪に耐えてきた名方ですね☆

 

 

『傷寒論』中の桂枝湯掲載の条文を全てここに拾おうと思うと、あまりにも長くなるのでやめますが、これ自体にもとにかく非常に多くの使い方があり、

 

バリエーションも非常に多くある、漢方薬の王様です。

 

 

『金匱要略』にも、栝楼桂枝湯、白虎加桂枝湯、枳実薤白桂枝湯、鳥頭桂枝湯、柴胡桂枝湯と、様々なバリエーションや使い方が紹介されています。

 

 

・・・まあー、それだけ奥が深い薬なので、あまり簡単に語るのは語弊があるのですが、最もポピュラーな使い方は、カゼの初期に使う場合です。

 

 

しかし、麻黄湯とは違って、桂枝湯の場合は汗があります。

 

 

外から邪気が入ったことによって、体の表面における気血の流れのバランスが崩れて、本来出てはいけない汗が、ダラダラと出てしまっている状態です。

 

 

そこで、気血を調和させて、気の流れをよくし、結果的に邪気を散らし、汗を自然に止める薬、という理解が、最もポピュラーでしょう。

 

 

また、以前書いたように、桂枝湯は、服用した後に熱くて薄いおかゆ(熱稀粥)をすすれ、と書いてあることも有名ですね。

 

『傷寒論』の時間指示と電話 参照

 

 

映画『レッドクリフ』で、感染症にかかった兵士に桂枝を煎じて飲ませているシーンがありましたが、三国志の時代から使われる、超有名な方剤です。

 

(映画の中でも孔明が言っていたけど、ああいう重篤な感染症が桂枝湯で治るというワケではないよ。)

 

 

この桂枝湯の様々なバリエーションについても、いつか気が向いたら書きましょうかね。

 

 

 

 

 

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抜鍼のやり方「去如絃絶」について 4

2019.03.25

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これまでのお話し

 

抜鍼のやり方「去如絃絶」について 

抜鍼のやり方「去如絃絶」について 2    参照

 

 

ここまで、『黄帝内経霊枢』九鍼十二原(1)に出てくる補瀉法のうち、補法に関して、先日のセミナーで藤本新風先生が強調しておられたやり方に関して書いてきました。

 

 

しかし、補法だけへの理解ではアンバランスです。

 

 

今日はこの部分に書かれている瀉法についても書いておきます。

 

 

しかもしかも、誤解を恐れず言うと、現代日本の鍼灸院での外来臨床では、運動不足で飽食の時代、デスクワーク中心の頭脳労働、ストレス社会、

 

結果的に癌、脳卒中、心臓病、糖尿病など、あらゆる邪気(病理産物)をため込んだ、実証(邪気のカタマリ)の患者さんが、基本的には多いように思います。

 

(苦笑・・・もちろん決めつけはダメですが)

 

 

ですので、瀉法に対する理解、適切な運用は非常に重要です。

 

 

瀉法の場合は素早く刺入してゆっくりと抜く、「速刺徐抜」です。

 

(因みに補法はその逆ね。「徐刺速抜」です。)

 

 

しかも鍼孔は閉じず、邪気を漏らせと書いてあります。

 

 

ここに、抜鍼の時に「排陽得鍼(陽を排して鍼を得べし)」という表現が出てきます。

 

 

これには色んな解釈があるようなのですが、要するにきれいに邪気を散らすためには、皮膚表面の気を停滞させないことです。

 

 

瀉法の場合、グッと一気に刺鍼して、ジワーッと抜く、しかも皮膚表面に気を停滞させずに、きれいに邪気が散るように持っていく、これが大事です。

 

 

ただ、邪気であれ正気であれ、どちらも所詮は「気」です。

 

 

補瀉の対象は「気」

 

 

ここには「言実与虚.若有若無.(虚と実を言わば、有るが如く無きが如し)」と書いてあります。

 

 

補瀉とは、相対的なものであるということです。

 

 

新風先生も、先日の講義の中で石坂宗哲(1770-1841)の補瀉観である「虚法、実法」を紹介していましたが、ここらへんが補瀉の妙だと思います。

 

石坂宗哲という人物

墓マイラー 16 石坂宗哲    参照

 

 

まずは型を覚え、しかる後に、それを臨機応変、変幻自在に運用できる世界を志向する。

 

 

型が大事、基礎が大事、でもそれにとらわれないことが大事。

 

 

それまた陰陽論。

 

 

 

おもしれ-話になってきたけど、おわり。(゚∀゚)

 

 

 

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小建中湯について 2

2019.03.05

20190120_211226.JPG

 

 

 

 

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ここまでのお話し

 

四君子湯と六君子湯

平胃散について 

安中散について

大建中湯について

小建中湯について     参照

 

 

前回、小建中湯の話がエラク中途半端に終わったので、続きを書きます。(^^;)

 

 

小建中湯は、実は以前このブログにもチョコッとだけ登場しています。

 

「麦飯」ってどうでしょう?? 7

「紅汗」について考えてみましょう。15   参照

 

 

小建中湯は、桂枝湯のアレンジ版であることは前回お話ししました。

 

 

しかし、ここら辺を細かく話していくと、『傷寒論』の太陽病の講義みたいになってしまうので、ここではしません。(^^;)

 

(興味ある人は、無数に出ている『傷寒論〇〇』という本を5冊くらい買って勉強しましょう。)

 

 

小建中湯は、今日では東洋学術出版『中医臨床のための方剤学』「脾虚肝乗」という言い方をするように、脾の臓が弱ってしまって、肝の臓とのバランスが崩れたものによく使われます。

 

 

もちろん、この薬のもともとの出典は『傷寒論』ですから、寒邪に傷られた傷寒病の、ある段階においても使いますし、これをやって治らなかった場合に小柴胡湯を使う、という流れもあります。

 

「小柴胡湯」を含む記事   参照

 

 

また、『傷寒論』の中の小建中湯適応の脈診所見に「陽脈濇、陰脈弦」という、解釈次第では色々拡大出来るような脈状の表現も出てきます。(*‘∀‘)

 

 

あるいは『金匱要略』の中にも、この薬は”虚労病”、”黄疸病”、”婦人病”のところに出てきます。

 

 

さらに『金匱要略』では、目的に応じて、小建中湯黄耆(おうぎ)を加えて「黄蓍建中湯」という薬を提示していたり、少し時代が下って中国唐代、

 

孫思邈(そんしばく 581?-682)『千金翼方』では小建中湯当帰(とうき)を加えた「当帰建中湯」があったり、日本の江戸期、あの華岡青洲(1760-1835)の

 

『瘍科方筌(ようかほうせん)』では、この「黄蓍建中湯」「当帰建中湯」を組み合わせて、さらに膠飴を使わずに「帰耆建中湯(きぎけんちゅうとう)」という方剤を創方し、

 

癌が潰れて膿が止まらず、日々憔悴していくほどの重篤な病人に使用していたようです。

 

孫思邈という人物

遠方からの患者さんが増える

墓マイラー 44 華岡青洲先生

華岡青洲という人物        参照

 

 

・・・まあしかしこの、

 

「肝と脾のバランスが崩れている」

 

ことが、カゼから花粉症からアトピー、リウマチ、癌まで、あらゆる現代病の根本原因になっていることは、臨床上、実に多いと思います。

 

「脾」って何ですか?(その9)

「肝」って何ですか?(その13)    参照

 

 

ここんとこをシンプルに調整してくれる薬だからこそ、約2000年の風雪に耐えて来れたんでしょうね。

 

 

 

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