東洋医学 伝統鍼灸 清明院

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「表裏(ひょうり)」する臓腑

2010.09.29

_20200921_201720

 

 

 

東洋医学では、人間の内臓の主なものを「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」と呼び、西洋医学とは”部分的には”オーバーラップしながらも、

「まったく」

と言っていいほど異なる内臓観を持っています。

「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」って何ですか? 参照

 

 

このことは、そもそも東洋医学と西洋医学では、「生命観」そのものが根本的に違う、ということをも示唆しています。

 

 


・・・まあ、それはさておき、これまで述べてきたように、この「五臓六腑」というものは、それぞれが独特の働きを持ち、
しかも、そのそれぞれが密接に関わり合いながら、

 

人間の「正常な生命活動、恒常性」を維持している訳ですが、この「五臓六腑」「五臓」と「六腑」に分けた場合、”特に”関わりの深い「臓と腑」というものが存在します。

 

 


それを東洋医学では、

「表裏(ひょうり)関係にある臓腑」

と呼んでいます。

 

 


そして、その組み合わせはというと・・・

肝(かん)・・・・・・・・・胆(たん)

心(しん)・・・・・・・・・小腸(しょうちょう)

心包(しんぽう)・・・三焦(さんしょう)※

脾(ひ)・・・・・・・・・・・胃(い)

肺(はい)・・・・・・・・・大腸(だいちょう)

腎(じん)・・・・・・・・・膀胱(ぼうこう)

となります。

 

 


東洋医学では、上記のように「臓と腑」を分類し、主にその”働きの上から”セットで考えます。

 

 


”働きの上で”関わりが深い、ということは、当然、病になった場合にも、セットで病みやすい組み合わせ、とも考えられます。

 

 


・・・ここで、賢い読者の皆様はすぐに気になるのが、

「あれ?五臓六腑、五臓六腑って言ってたのに、六臓六腑になっちゃってんじゃん!!」

というところでしょう。

 

 


これについては、今は詳しい解説はしませんが、臓と腑の関係性を説明する時には「五臓」に、「心包(しんぽう)」という臓を1種類加えて、

 

それが、「三焦(さんしょう)の腑」と表裏関係にある臓、とされています。

 

 


コレにはなかなか深い意味があるのですが、いずれ「心包」と「三焦」を解説する時に、私なりの意見を述べてみましょう。

 

 


・・・このように、東洋医学では、人間の生命、その根幹となる「五臓六腑」を考えていく時に、

”働きの上から”、

”形の上から”、

”実際に人体に起こる諸現象との整合性を意識して”、

”歴史的な様々な解釈も踏まえた上で”、

あらゆる角度から分析し尽くした上で、医学理論を構築している、と言えます。

 

 


その完成度はメチャメチャ高い、ほぼ完成していると「僕は」思います。

 

 

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「肺」って何ですか?(その11)

2010.09.19

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これまでのお話・・・


「肺」って何ですか?(その1)

「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
「肺」って何ですか?(その6)
「肺」って何ですか?(その7)
「肺」って何ですか?(その8)
「肺」って何ですか?(その9)
「肺」って何ですか?(その10)

 

☆「肺の臓」と「排便」


皆さんは毎日、あるいはきちんと定期的に排便してますでしょうか?

人間の体内には、必要なモノと不要なモノがいつも混在しておりますが、不要なモノが停滞してはいけません。

不要なモノが停滞すれば、当然病気になります。

だからどんどん捨ててかないと!

余分なモノも、気持ちも考え方も。


辛い過去でさえも。(笑)

 


・・・前回、”肺とお水”というテーマで、人間の「余分な水分排出機構」のお話をしました。


つまり、主たるものは「発汗」、「排尿」、「排便」の3つですね。


そしてその3つともに、「肺の臓」が深く関わるよ、というお話をしました。


ここで、余分なものを「水分」という風に限定すれば、この3つの中では「排便」は相対的に脇役になります。


しかしこの「排便」というものにも、「肺の臓」は大きく関与します。

東洋医学的に、「排便」が直接行われるところと言えば「大腸の腑」です。


「大腸の腑」については、後ほどまた簡単に解説しようと思っていますが、基本的には上から送られてきた”飲食物のカス”の中から、

まだ”使いシロのある”お水や栄養分を取り出し、カラダに取り込み、最終的な”カス中のカス”を、体外に”大便”として排出する、

という働きを持っています。


実は「肺の臓」は、この「大腸の腑」の働きを、体の上部から大いに助けています。

では、どう助けているかと言うと、「肺」って何ですか?(その6)で述べたように、「肺」は「胃」と協調して、

”気を下に下に降ろす”

という大事な仕事を担っています。

 

ですので、大腸が便を排出するのも最終的には「下に」ですから、この「肺」と「胃」の助けがないと難しい、ということになります。

 

このようにして五臓六腑は、それぞれが極めて有機的に、密接に絡み合って、外界との

”動態的な陰陽バランス”

を非常に絶妙にとってくれているのです。

 

 


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「肺」って何ですか?(その10)

2010.09.12

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これまでのお話・・・

「肺」って何ですか?(その1)
「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)
「肺」って何ですか?(その6)
「肺」って何ですか?(その7)
「肺」って何ですか?(その8)
「肺」って何ですか?(その9)

 

☆「肺」と「お水」

一般によく言われることに、

「人間の体の約60%は水分!!」

という言葉がありますよね?


今年の夏も、熱中症で多くの方が亡くなりました。


だからこの言葉を、つい最近聞いた人も多いのではないかと思います。

暑くて汗をかき過ぎて、しまいには脱水症状を起こすと、場合によっては生命が危ない。

だから人間の健康は、一つには、この水分の出納(出入り)がうまくいっているかどうかにかかっている、と。

(・・・ただ、だから誰も彼もガンガン飲め、というのは、いかにも短絡的で僕は嫌いなんですがネ。)

僕もこのブログで、以前から再三、東洋医学における「水分」と「健康」の関わりの重要性を説いてきました。


患者さんの質問
たくさん飲んだ方が健康に!?
どうしてムクむの?
どうしてムクむの?(その2)
「湿熱」について
「脾」って何ですか?(その5)   などなど参照


これらを読んでいただくと、


量的に余分なお水、あるいは質的に偏ったお水、あるいはその両方
   ↓
胃腸に入る
   ↓
受け止めきれない(うまく捌ききれない)
   ↓
体内に余分なお水の停滞発生
   ↓
胃腸および全身の働きが弱り、諸症状発生

 


・・・という、簡単なメカニズムがご理解いただけるんじゃないかと思います。


このメカニズムから言えば、お水と直接関わるのは、五臓六腑で言うと「脾胃」や「小腸」「大腸」であり、他の臓腑はあまり関係ないようにも思えます。

しかし、そんなことはないのです。


「余分なお水」と「脾胃、腸以外の臓腑」は大いに関わります。


・・・「めちゃめちゃ」関わります。(笑)


ではどう関わるのか、という問題です。


人間に備わった、主な「余分な水分排出機構」というのは即ち、「発汗」、「排尿」、「排便」ですよね?


このうち、特に中心になるのが「排尿」と「発汗」ですよね?

例えば、「肺」って何ですか?(その6)で述べたように、「肺の臓」には、気を降ろす働きがあります。


気を降ろし、全身に気をくまなく巡らせる、というのは、肺の重要な働きでしたよね?


「気を降ろす」ということは、最終的には「下焦に降ろす」と考えていただいて差し支えない。


ということは、

「下焦に存在する”腎の臓”や”膀胱の腑”に降ろす」

と考えてよい。

「腎と膀胱」の重要な働きの一つは、

「尿を作って(溜めて)体外に排出すること」

です。

カテゴリ 「腎・膀胱」 参照

 

この働きに大きく関わる(助ける)のが、実は、”気を降ろす”働きを持った「肺の臓」なんですよ。


・・・そして、「発汗」ですが、発汗するところはどこかと言えば当然「皮膚」でございます。

「肺」って何ですか?(その7)で述べたように、その皮膚(皮毛)をつかさどるのは「肺」でございましたよね?


さらには、「余分な水分排出機構」の中では脇役である、「排便」に関しても、実は「肺」は大きく関わります。

 


長くなってきたので、その話は次回・・・。(笑)

 

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「肺」って何ですか?(その6)

2010.09.02

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これまでのお話・・・

「肺」って何ですか?(その1)
「肺」って何ですか?(その2)
「肺」って何ですか?(その3)
「肺」って何ですか?(その4)
「肺」って何ですか?(その5)

 

さ、どんどんいきましょう!

 


☆「心の臓」と「肺の臓」の関わり


これまで書いてきたように、「心の臓」と「肺の臓」は両方とも上焦(胸部)に存在しております。

・・・というか、五臓六腑の中で、上焦に位置するのはこの2つのみです。

そしてなおかつ、この二臓は「氣管」によって連結され、他の3臓と比較すると、その結びつきは強い、と考えられています。

では具体的に、”どう”結びついているんでしょうか?

まず、「心」って何ですか?(その1)で述べたように、「心の臓」には、

”全身にくまなく「血」を送り込むポンプ作用”

というものがあります。

それと似た機能として、「肺の臓」には、

”五臓六腑のフタ(一番上に存在)となり、全身に気血を降ろし、巡らせる”

という機能があります。


この機能同士が密接に結びつき、お互いに支え合い、全身に「気血」を正常に循環させしめている、という訳です。


このようにして、「心」と「肺」は、”上焦(胸部)”という、人体における「上の部分」、つまり、人体の”上下”を陰陽で考えた場合、

「上」は陽なので、心と肺は「陽」という場の中で、陰陽の関係をなしている訳です。

 

つまり・・

心・・・上焦(陽)の中の陽

肺・・・上焦(陽)の中の陰

という風に、東洋医学では分類して考えます。


ここで当然、

「んん!?なんで心が陽で肺が陰なの??」

という疑問が浮上しますが、これもいずれ書こうと思います。

 


まあ要するに、心と肺は、”胸部”という場における夫婦みたいな関係だ、ということです。

 


そしてこの夫婦は、

全身にくまなく「気血」を降ろし、いきわたらせる、

という、人間が健康を保つ上で欠かせない、大変重要な働きを持っている、という訳であります。

 


また、この「降ろす」という働きと言えば、「胃」って何ですか?(その4)「胃」って何ですか?(その5)で述べたように、

「胃の腑」にも、”気を下げる(和降)”という働きがあります。

 

つまり、「肺」”気を下げる(粛降)”という働きは、「胃」の”気を下げる”という働きをフォローしているのです。

 

そして、「心」と「肺」が協調して、”気を全身に行きわたらせる”という働きは、「肝」って何ですか?(その2)で述べたように、

”肝が気血を全身にバランスよく配分する(疏泄)”という働きをもフォローしています。

このようにして、「五臓六腑」というのは、機能的に複雑に絡み合いながら、人体の正常な状態を維持するために、日夜頑張ってくれている訳です!!

 


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「肺」って何ですか?(その3)

2010.08.26

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これまでのお話・・・


「肺」って何ですか?(その1)

「肺」って何ですか?(その2)

どんどんいきましょう。

 

☆肺のカタチ

東洋医学の言う「肺の臓」の形は、実はとても興味深いものです。

 

肺の臓(医学原始)

 

↑↑中国清代、王宏翰『医学原始』(1692)より

 

 

これまた、一見、

「は?何すかコレ?」

ですよね。(笑)


でも、東洋医学がこの形で「肺」を表記したのには、当然大きな意味があります。

 


この形は、実は他の臓腑で言うと「肝」にそっくりです。

「肝」って何ですか?(その7) 参照

 

「肝」の時は、「肝」が「血(けつ)」を蓄える働きが、植物の葉っぱが養分を蓄える働きに似ていることから、葉っぱの形をしていると考えた、と説明しました。

 


では、「肺」は何を蓄えるんでしょう。

 

答えは「気」です。

 

 


「肺」は、そのすぐ下の、中焦に存在する「脾胃」が飲食物から取り出した「気血のもと」が、脾の働きによって上焦に持ち上げられたものと、

「肺」自身が天空から吸い込んできた「清らかな気」とをドッキングさせて、全身に行きわたらせる、という重要な働きを持っています。

カテゴリ「脾胃について」参照

 

このような働きを指して、

「肺は気をつかさどる」

なんて言われたりします。コレについては、重要なので後ほどもう少し詳しく述べようと思います。

 

そして、前回書いたように、「肺」は全身の清と濁の「気」を、絶えず交換しています。

 


これは植物の葉っぱの光合成やガス交換によく似ていますね?

 

古代の中国人は、実際に解剖してみた場合の、”写実的な”内臓の様子をそのまま書き残すのではなく、その臓腑が持つ「機能」に着眼、重視して、臓腑の形態を描き示しました。

 

個人的には、あるものをそのまま書くよりも、その方が賢い(というかシャレてる)気がします。

(まあそこは、好みの問題だけどネ。)

 


さて、この写真の上の部分に、「氣管」がくっついているのが分かるかと思いますが、そこに、

「肺管九節(はいかんきゅうせつ)」

と書いてあることに気付くと思います。

 

 

また、

「六葉 両耳」

コレにも目がいきますよね?これらにも当然、深い意味があります。

 

「九節」に関しては、氣管の節目の間の数であり、「六葉両耳」というのは、「肺」を構成する葉っぱの数が全部で「八枚」ある、ということを教えています。

 

以前、「東洋医学」と「数学」に書いたように、この医学に数字が出てきた時には、ほぼ間違いなく、特別な意味があります。

 

ですからこの「九」と「八」にも、当然意味が隠されている訳です。

 


さて、その説明は長くなりそうなので次回、お楽しみに♪

 

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「肺」って何ですか?(その2)

2010.08.25

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これまでのお話・・・

「肺」って何ですか?(その1)

 


・・・今日、患者さんから、

「五臓六腑の話し、分かりやすいです!楽しみにしてますので、どんどん書いて下さい!」

と言われ、すっかり上機嫌なので、続きを書きます。(笑)

 

☆肺の位置

これは、前回も書きましたが「胸部」です。

東洋医学では、人間の体の「膈(かく)」から上の部分のことを「上焦(じょうしょう)」と呼びますが、

(「膈」についてはこちら参照)

「肺の臓」はまさしくこの”上焦”「胸部」に位置します。


そして、胸部にはもう一つ、重要な臓である「心」があります。

ではこの「心」と「肺」との位置関係はどうかと言うと、

 

「肺」の方が「心」よりも上にあり、ちょうど「心」に乗っかったような位置関係

 

にあります。

 

そして、以前書いたように、「心」と「肺」は、それ以外の3つの臓と比較すると、相対的に結びつきが強い、と考えられています。

 

これは東洋医学では、「氣管(きかん)」という、空気の通り道で、心と肺が直接つながっているためだ、としています。

(形態的には、ですよ。機能の話は追々しましょう。)

 


☆「肺」と「呼吸」

 


東洋医学の言う「肺」は、ちょうど「ふいご」のような役割を果たす、と考えています。

 


要するに空気を吸ったり出したりする訳です。

(簡単ネ。)

 

ここで大事なのは、

天空の清らかな空気(清気)を取り入れ(吸)、

体内の汚れた濁気(だっき)を排出する(呼)、

という風に、単なる出し入れではなく、「気の清濁入れ替え作業」を行っている、という考え方です。

 


東京なんかにいますと、全然「天空の清らかな空気」という感じがしませんが、生活できる、ということは、これでもまだ何とか「清らか」なようです。(苦笑)

 

この「清らかな空気」というものが、体内を巡る最も重要な「気」というものの原料の一つになります。

 


「気」の原料は他に何があるか、と言うと、「飲食物」です。

カテゴリ「脾胃」について 参照

 

人間が外の世界から取り入れているものは「空気」と「飲食物」だけです。

基本的には、それ以外のものは取り入れることは出来ません。

なので、結局はこの2つから「気」を作り出し、不要なものは大小便と汗などによって体外に排出することで、生命を維持している訳です。


逆に言うと、それしか出来ないんです。

 


人間ていうのは。

 


昔っから。

 


・・・東洋医学を「古い」という人がいるが、僕はそうは思いません。

人間自体の基本が変わってないんだから、東洋医学の基本原理だって変化する必要がないんです。


少なくともここ数千年は。

対して、この数百年で劇的に変化した西洋医学。

 


「医学」としての完成度が高いのはどっちでしょうかネ・・・。

 


ちょっと話がそれたけど、「肺」の基本的な機能は何と言っても「呼吸」だ、というお話でした。

 

 

次回に続く

 

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「肺」って何ですか?(その1)

2010.08.24

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さてさて、そろそろ五臓六腑シリーズを再開したいと思います。

こないだ、「怒り方の大事」のコメントの多さをみた時、

「あれ、みんなもしや、東洋医学の話し、あんましキョ―ミないのかしら??」

とか、

「やっぱちょっと難しかったんカナー・・・。」

・・・とも思いましたが、負けずに書き続けようと思います。(笑)

このブログの裏テーマは、読み手(皆様)のニーズと、僕の楽しめる世界との最大公約数の模索であります!

(・・・言っちゃったら”裏”じゃないけど。(笑))

まあ、なるべく「面白く」、「分かりやすく」を心がけて、愛すべき東洋医学の世界を語っていきますので、難解、あるいは不可解な表現等がありましたら、

 

遠慮なくコメント下さいますよう、宜しくお願いします。<m(__)m>

ではいきます。

 

「肝」「心」「脾」「胃」ときまして、続いて「肺」であります。


ちなみにこのシリーズは、どこから読んでも分かるように配慮して書いていますので、これまでのシリーズを読んでいなくても分かる書き方で書いていきます。



☆東洋医学の言う「肺の臓」とは

毎回毎回、うるさいかもしれませんが、東洋医学の言う、五臓六腑の一つとしての「肺の臓」は、西洋医学の言う「肺=lung」とは違います。

「全然」違います。(笑)

ではどういうものか、と言うと、

1.胸部に位置し、

2.呼吸運動や、それに伴う様々な部位に深く関係し、

3.「心の臓」と協調し合いながら他の臓腑の働きを助け、

4.皮膚や粘膜と深く関わり、

5.人間の本能とも深く関わり、

6.「お水」の出納(すいとう)にも関わり、

7.便通にも関わる、


という「臓」です。

これをざっと見ると、

「なんだ、やっぱ西洋医学の”肺”と似てんじゃん!」

と思う人もいるかもしれませんが、それは違います。

・・・「全然」違います。(笑)

「関わる」と言っても、その「関わり方」も、「関わる対象自体」も、全然西洋医学のそれとは違うんだから、同じな訳ないんです。

これから何回かに分けて、以上の7つのテーマを軸に語っていきます。

お楽しみにネ!!

 

次回に続く

 

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再分析(具体例)

2010.07.27

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早速ですが、通りすがりさんから、質問コメントをいただきましたので、忘れないうちに(笑)、「再分析」の重要性について、具体例を示してちょっと説明しましょう。

 


・・・まあ、専門用語は使わず、なるべく簡単にいきましょう。

 

 

「よく分からん」と言われたらイヤなので。

 


あとちなみに、この話題に関するこれまでのお話は以下の3つです。


再分析(病因病理について)
再分析(標本について)
続・再分析(標本について)

 

 

清明院には、アトピー性皮膚炎の患者さんが多いのですが、とあるアトピーの患者さんを例に挙げて説明してみようと思います。

 

 

僕は初診時の情報から、東洋医学的に、その患者さんの皮膚のかゆみの原因を、

A.仕事による過度のストレスによる血行不良

B.甘いものや脂っこい物の食べ過ぎによる消化機能の弱り

と考えました。

 


そしてこれの優先順位は「A>B」でした。

 

 


この場合、AもBも同時に治療してしまうと、本当の中心がどっちなのかはっきりしませんし、この方の場合は明らかにAの方が中心でした。

 


というわけで、よりシャープな効果を狙って、まずは「Aのみ」から治療し始めました。

 


要するに血行をどんどん良くする治療です。

 


治療が進むにつれて、皮膚の状態が改善してきました。

 


しかし、最初の症状の強さを数字の10だとすると、4ぐらいまで改善してきたところで、症状の改善が止まってしまいました。

 


そこで「再分析」してみると、体の状態が、「A>B」から、「B>A」に変化しています。

 


そこで今度は「Bのみ」に対する治療に切り替えました。

 

 

要するに胃腸の機能を活性化する治療です。

 

すると、再び皮膚の状態が快方に向かい始め、最終的にかゆみのレベルとしては、最初を10だとしたら1か2ぐらいで安定しています。

 


現在もAとBとの優先順位に注意しながら、完治を目指して治療続行中です。

 

 


・・・とまあこのように、

「皮膚のかゆみの原因はAとBで、中心はAである」

ということも、途中で症状の改善が停滞してきた時に

「原因の中心がAからBに移ってきた」

ということも、結局は初診時にキッチリ情報が取れているか、それをキッチリ分析、治療できているか、ということにかかって来るんです。

 


また、病理の中心のなかの中心を明確にして、そこにシャープにアプローチできた治療の方が、効果もシャープに出ます。

 


ちなみに、通りすがりさんがおっしゃったような、アトピーの経過中に肩こりが出てきた、というような場合であれば、

・何かきっかけはなかったのか

・そもそもこの場合、皮膚と肩こりには関係があるのか

・どういう時に肩がこり、どういう時は楽なのか

・その時皮膚の状況はどうなのか

などという観点から、再分析します。

 


そして、肩こりも考慮に入れながらの治療をやる場合や、肩こりは皮膚とはまた別の病、という認識で治療をやる場合など、対策を考えます。

 


このように我々は、患者さんが日々訴える様々な症状に「振り回される」のではなく、それらがどうして起こっているのか、

「冷静に東洋医学的に分析」

しながら治療にあたっているのです。

 

 

少しでもお分かりいただけましたら幸甚です。

 

 

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「脾」って何ですか?(その9)

2010.07.08

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これまでのお話・・・

「脾」って何ですか?(その1)
「脾」って何ですか?(その2)
「脾」って何ですか?(その3)
「脾」って何ですか?(その4)
「脾」って何ですか?(その5)
「脾」って何ですか?(その6)
「脾」って何ですか?(その7)
「脾」って何ですか?(その8)

 

☆脾が弱ると出血する!?

 


これまで、「消化吸収のかなめ」としての「脾の臓」に注目して話をすすめてきました。

 


その流れから言うと、今回の話は意外に思えるかもしれません。でもこういうことが、実際にあるのです。

 


今日も患者さんから、

「どうして不正出血ってするんですか?」

という質問をいただきました。実はこういった、不正出血や下血、鼻血なんかの原因に、「脾の弱り」があることがあります。

(・・・まあ、今日の患者さんの場合はちょっと違ったけどネ。)

 


僕は普段の臨床の中で、脾の弱りがメインの患者さんを診た場合、例え症状が不正出血であったとしても、

「胃腸の、消化、吸収する力が弱っていることが今回の症状の原因です。」

という説明をすることがあります。

 

これを言うと多くの患者さんは、

「ハ?消化吸収と出血に、何の関係が??」

という顔をします。(笑)

 


しかし、こういうことはあるんです。今日はそんなお話しです。

 


まず、(その7)でお話ししたように、「血(けつ)」のもとは飲食物であり、飲食物から「血のもと」を取り出す要は「脾の臓」でしたよね?

 


ということは、「よい血」を手に入れるには、「よい飲食物」+「よい脾」が重要、ということになります。

 


では、ここでいう「よい血」とはいかなるものかというと、大まかに言うと、

1.血管から勝手に漏れ出さず、

2.全身をキッチリと栄養し、

3.滞ることのない、

血のことです。

 

 

この1~3の条件を満たした血こそが、理想的な「血」なのです。

 


これは言いかえれば、少し難しい言い回しかもしれないけど、「気」とのバランスのとれた「血」と言ってもいいと思います。

 


・・・まあともかく、脾が弱ると、この1~3の条件が満たせなくなります。

 


だから仮に飲食物を気をつけて、いいものを食べていても、からだ側の「脾」が弱っていると、”出血”という病的状態になってしまうことがあります。


(専門家の先生方、簡単に済ませて申し訳ないが、”脾不統血”、”気不摂血”というキーワードを、『難経』42難、49難などを踏まえてミックスした、患者さん用の僕なりの説明です。勘弁してネ。)

 


・・・ここまでで「脾」の形と働きの説明は大体終わります。

 


最初の方で述べたように、「脾」は「胃」とセットで考えねばなりません。

 


なので次回から”「胃」って何ですか?”シリーズでいこうと思っています。

 


「脾胃」は生命力のかなめです。

 


ココが弱い若者が多い、ということは、日本の将来は一体・・・。

 

 

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「脾」って何ですか?(その8)

2010.07.07

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これまでのお話・・・


「脾」って何ですか?(その1)

「脾」って何ですか?(その2)
「脾」って何ですか?(その3)
「脾」って何ですか?(その4)
「脾」って何ですか?(その5)
「脾」って何ですか?(その6)
「脾」って何ですか?(その7)

 


いや~、今日のジメジメも半端じゃなかったですね~!!

 


湿度は常に70%以上!

 


自然界がジメジメの時、体も心もジメジメになっちゃあいけません!

 


「サラッ」とさせとかないと!

 


・・・大体この時期、体がジメジメの人は太り、心がジメジメの人は痩せますな。(笑)

 


今日はそんなお話。

 


☆脾と「太る」「やせる」

 

これまでの話を読んだ人なら、これはなんとなく想像できると思います。

 


何度も出てきているように、当然「脾の臓」は消化、吸収に大きく関わります。

 


ということはこれがうまくいかなかったら過剰に太ったり、過剰に痩せたりしてしまうんです。

 


・・・まあコレ、当たり前の話ですけどね。(笑)

 


僕のところにも、いまだに、

「鍼で痩せられますか?」

とか、

「食欲のなくなる鍼ってないんですか?」

という問合せや質問がたま~にあります。(苦笑)

 


一体いつまで続くんでしょうか、女性の「楽して痩せたい」願望(幻想)・・・。

 


確かに、テレビや雑誌に出ているスリムで美しい女性を見て、ああなりたい、と思う気持ちはよく分かります。

 


でも、楽して、他力本願でそうなりたい、とか、何か一つのことだけやればあとは何もしなくていい、というのは、やっぱり虫のいい話のようです。

 


清明院では不自然に、無理やり食欲をなくさせたりするような、病気を形成、助長する行為は致しません。

 


どうしてもやりたければ他へどうぞ、という話にならざるをえません。(笑)

 


ただ、治療をしていくことで、その方の本来の消化吸収機能を取り戻し、体内の余分なものが減っていった結果として「やせる」ということはよくあります。

 


また逆に、やせ過ぎていた女性が、治療をすることによって適度に肉がついてきた、という変化もまたよくあります。

 


この変化に大きく関わるのが「脾の臓」です。

 


脾がうまく働かないと、飲食物が大して吸収もされずに、未消化便となって体から出ていってしまうことがあります。

 


また、吸収したのはいいけど、それがいつまでも無駄に体に留まる場合もあります。

 


前者の場合は痩せていくし、後者の場合は太っていきます。

 


ではどういう人がこのパターンに分かれるかというと、それは「脾の臓」以外の臓腑との機能のバランスによって決まってきます。

 


詳しくは難しくなるので書きませんが、例えば、すでに出てきた「心の臓」とか「肝の臓」とか、あるいは一番そばにある「胃の腑」とかとのバランスです。

 


これらがきちっと協調し合いながら仕事してれば問題ないんだけど、アンバランスがあると、先ほどの2つのタイプに分かれてきます。

 


何事もバランス、ということです。

 

 

陰陽あるけれども、「中庸(ちゅうよう)」が大事、というのが東洋医学的な健康体の基本です。

 

 


次回に続く。

 

 

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