量子もつれ③

2022.11.13

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こんばんは、土元です。

秋も深まり外を歩けばそこかしこに落ち葉が舞う季節ですね。

紅葉が見ごろを迎えている地域もあることでしょう。

皆さんいかがお過ごしでしょうか。

本日の記事は前回の続きです。

前回の記事はコチラ。

では、物理学のお話を続けて参りましょう。

量子もつれとはどんな状態を指すのか、という説明を前回までにしました。

今回のノーベル物理学賞は「量子もつれ状態の光子を用いた実験によるベルの不等式の破れの実証と、量子情報科学における先駆的研究」に対して与えられたものです。

簡略化して表現しなおすと、光速を越える情報伝達の実現とそれを応用した情報科学の研究、とでも申しましょうか。

アインシュタインの想定した宇宙では光の速度が最大で、それ以上のものは無いと考えられていたのですが、量子間の情報伝達はそれを越えることが示されたのです。

これが、量子を情報伝達媒介とするコンピューターの開発可能性への扉を開きました。

現在我々が用いている電気的な(あるいは電子的な)情報の伝達スピードよりも高速度での情報処理ができるということです。

科学技術の発展に自信のある国々の間では競争が激化していますが、量子コンピューターは完成すると、現存する全てのコンピューターを過去のものにしてしまう可能性が高いのです。

現状でも十分すぎるほど優秀な演算能力を持つスーパーコンピューターも例外ではありません。

完成した暁に、単なる庶民である私がまず実感できる恩恵は、天気予報の精度が上がることかもしれませんが。

【参考文献】

ノーベル賞でたどる物理の歴史

小山慶太　丸善出版

別冊　量子論のすべて　改訂第二版

ニュートンプレス

「量子論」を楽しむ本

佐藤勝彦　PHP文庫

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