東洋医学 伝統鍼灸 清明院

お電話

03-6300-0763

10:00~21:00(完全予約制)

休診日:日曜(土曜、祝日の診療は18時迄)
〒151-0053東京都渋谷区代々木2-15-12クランツ南新宿601
初診・再診の御予約、予約の変更、
その他お問い合わせはこちら

Search Results for: 不眠

臨床メモ ③ 不眠

2019.02.18

20190120_212341.JPG

 

 

 

清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、求人募集しております!

 

 

募集内容の詳細はこちら!!

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ 

 

「エキテン」清明院サイト

 

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

眠れない患者さん、よくいます。

 

 

安定剤、導入剤に頼っているケースが大多数。

 

 

暫く使っていると、効かなくなってきたのでと、分量を増やしたり、より強い薬に変えていく。

 

 

雪だるま式に増えていく。

 

 

・・・そうなる前に、鍼灸をお勧めしたい。

 

 

不眠症は、東洋医学では「不寝(ふしん)」と呼んだりする。

 

 

明代の大名医、張介賓(張景岳 1563-1640)『景岳全書』(1624)に曰く。

 

 

不寝はただ邪正の二字すなわちこれを尽くすと知るなり。

 

 

神が安定すれば眠れる。

 

 

神を不安定せしめるものは邪の擾か、営気の不足。・・・

 

 

 

 

と、単純明快に喝破する。

 

 

また、清代の呉鞠通(呉瑭 1736-1820)『温病条弁』(1798)に曰く。

 

 

不寝の原因は甚だ多い。

 

 

陰虚で陽納出来ないもの、陽亢で陰に入れないもの、胆熱、肝気(肝用)不足、心気虚、心陰虚、心血虚、蹻脈不和、痰飲擾心。

 

 

 

 

と、多数のパターンを上げております。

 

 

どっちも正しいと思うが、張景岳先生の「所詮は虚実」という斬り方が個人的には好き。

 

 

標本主従あるけど、心神の関与はあると診た方がいい。

 

 

そして、蹻脈と心神、肝胆と心神に関して、生理と病理を整理するべき。

 

 

その上での「所詮は虚実」

 

 

 

【参考文献】

 

 

『症状による中医診断と治療』燎原出版

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

 

2023年、9月~年末の活動一覧

2024.01.11

 

 

 

 

清明院では現在、求人募集しております。

 

本物の鍼灸医学の世界を、我々と追求してみませんか?

 

募集内容の詳細はこちら

 

 

 

 

**********************************************************************************************
  にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

   ↑↑↑         ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

 

 

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

 

・・・いやー、去年の9月から、講演だのなんだののスケジュールがこの上なくギチギチになっていて、しかも水面下でも、失敗できない色々な仕事を抱えていて、さらに車も壊れたりとかしてて、

 

流石にブログで逐一報告する余裕もなかったし、言えないことも多いし、年末年始は泥のように、通算40時間ほど寝ていました(これはいつもだけど)ので、

 

「まあしかし、そうはいっても、備忘録的に、活動報告でもしときますか!!」

 

という気持ちになったのが、年をまたいで、今日ようやく、でした。笑

 

 

そこで、過去ブログを確認したら、2023.9.22の拙ブログで、8.31(木)順天堂東医研に参加した、という内容の記事を最後に、特に何も報告出来てなかったようです。。。笑

 

 

流石にこんなんは初めてなんだけど、まあ、厄年(後厄)ながらも充実していた、諸々、慎重を期すために、全集中していた、ということで、良しとしまして(笑)、

 

2023年9月以降の私の対外活動を、スケジュール表見ながら、以下にまとめてみました。

 

 

① まず、9.10(日)には大阪にて北辰会本部会に参加。

 

 

② 9.11(月)は日本東方医学会の分科会(オンライン)であるDAPA(医鍼薬地域連携研究会)カンファレンスに参加

 

 

・・・因みに、次回のDAPAカンファレンス2024.1.15(月)です!!

 

 

発表者は清明院スタッフの樫部であります。

 

 

お申込みは上記の文字リンクから、ぜひ!!

 

 

今回、大きな鍼灸師の団体の先生方や、外部の先生方も参加なさるようです。

 

 

2023年度からは、不肖私がDAPA(ダパ)の代表を拝命しておりますので、2024年はDAPAをさらに良い方向に改革して、活性化していこうと思っております。

 

 

DAPAに参加している鍼灸師、医師の先生方は、非常に真面目に、地域における医鍼連携に取り組んでおられる先生方ばかりです。

 

 

皆様、何卒ご協力の程、宜しくお願い致します。

 

 

③ 9.24(日)北辰会関東支部定例会にて実技指導。

 

 

④ 9.25(月)日本東方医学会の分科会、中医臨床カンファレンスを聴講。

 

 

・・・この講座についても、以前このブログで紹介しました。

 

 

この講座では、最前線の漢方医、鍼灸医の思考過程が分かる、非常に重要なカンファレンスだと思います。

 

 

⑤ 9.28(木)は、第56回、順天堂東医研にて「気血津液弁証・臓腑経絡弁証」を講義。

 

 

⑥ 10.1(日)は大阪にて北辰会本部会に出席。

 

 

⑦ 10.14(土)は医師のためのオンライン勉強会、ドクターズプライムアカデミアにて「臓腑経絡学 胆・肝」を講義。

 

 

⑧ 10.15(日)は東京にて行われた、第13回、日本中医薬学会学術総会「日本の中医学と世界の中医学」に出席。

 

 

⑨ 10.16(月)DAPAカンファレンス(オンライン)に出席。

 

 

⑩ 10.21(土)は三代目研修医の先生の受け入れを開始。

 

 

・・・清明院での医師の研修受け入れは、すでに春から4代目の先生も決定しました。

 

 

清明院の研修医の先生方は全員、とんでもないポテンシャルを秘めた、若い先生方ですので、今後、長きに渡って、非常に面白い活動が出来ることと思います。

 

 

⑪ 10.22(日)北辰会関東支部にて指導。

 

 

⑫ 10.26(木)第57回、順天堂東医研に出席し、長瀬眞彦先生の講義「生薬の話ー不眠に絡めてー」を聴講。

 

 

⑬ 10.29(日)は広島にて行われた第51回、日本伝統鍼灸学会学術大会に出席。

 

 

・・・今大会は第31回、日本刺絡学会学術大会との併催であり、今大会の実行委員長は清明院初代副院長の松木宣嘉です。

 

 

会場で見た彼は、いつになく生き生きとしており、20年以上前から知っている私としては、嬉しい気持ちになりましたね。(^^)

 

 

⑭ 10.30(月)日本東方医学会、中医臨床カンファレンス(オンライン)を聴講。

 

 

⑮ 11.4(土)は医師のためのオンライン講義、ドクターズプライムアカデミアにて「奇経八脈・奇恒之腑」を講義。

 

 

⑯ 11.5(日)北辰会本部会に出席。

 

 

⑰ 11.13(月)DAPAカンファレンス(オンライン)に出席。

 

 

⑱ 11.19(日)北辰会関東支部にて指導。

 

 

⑲ 11.26(日)第41回、日本東方医学会学術大会に会頭として出席、「原点を見つめなおす―医師のための鍼灸セミナーから始まった東方医学会―」という演題で講演。

 

 

・・・2023年という年は、この大会のために、ずーっと全集中していた、と言っても過言ではないです。

 

 

この大会は、2018年の末に、順天堂東医研の立ち上げから始めた、私の

 

「若い医師、医学生に、東洋医学を伝える」

 

活動の、この5年の集大成でもありますし、そこまで僕を導いてくれた藤本蓮風先生、北辰会はもちろん、日本東方医学会の創設者である間中喜雄先生(1911-1989)

 

間中先生亡き後、2015年まで本学会を牽引してこられた谷美智士先生(1937-2015)にもリスペクトの気持ちを込めて、万事うまくいくようにと、

 

何の組織力も持たない私が、先輩方のアドバイスを聴きつつ、初めてやる、学会の会頭という仕事を、どうにか一から段取りしました。

 

 

もちろん、至らない部分も多々ありましたが、順天堂の学生さんたち、清明院の研修医の先生たち、北辰会の先生方、大先輩の先生方、皆さん総出演で協力して下さり、結果は概ね最高でした。

 

 

なかなか大変だったので、暫くは良いけど(苦笑)、

 

「またいつかやりたい!」

 

と思えるような会になったと思います。

 

 

⑳ 11.30(木)は、第58回、順天堂東医研にて「病邪弁証・六経弁証」を講義。

 

 

㉑ 12.2(土)は、医師のためのオンライン勉強会、ドクターズプライムアカデミアにて「臓腑経絡学の最重要点ー総合と総体ー」を講義。

 

 

㉒ 12.3(日)日本東方医学会主催、市民公開講座にて「鍼灸の底力」を講演。

 

 

・・・この講演会も、かつて谷美智士先生がおやりになっていた講演会でありますが、清明院の患者さんが多く聴講に来て下さり、

 

「多くの患者さんの前で、東洋医学の話をする」

 

という経験は初めてだったので、非常に有意義な経験が出来ました。

 

 

患者さんの熱が凄くて嬉しかったのと、ああいう、一般人に向けた活動も、大事ですね。

 

 

㉓ 12.10(日)は、実に4年ぶりとなる、東京衛生学園専門学校での北辰会関東支部代表特別講演にて「近現代の日本の鍼術」を講演。

 

 

・・・これも久々に出来て、実に良かったです。

 

 

同時に、戦後の日本鍼灸の、多士済々の歴史と、その中における蓮風先生の主張がよく分かりました。

 

 

㉔ 12.14(木)は、第59回、順天堂東医研に出席、長瀬眞彦先生の講義「かぜのパターン分類」を聴講。

 

 

㉕ 12.17(日)は、静岡にて行われた第27回、日本統合医療学会学術大会にてワークショップ「医師向けの鍼治療講座」を講演。

 

 

・・・この学会にも、今回初めてお邪魔しまして、座長を関隆志先生にやって頂くことが出来まして、大変光栄でありました。

 

 

 

 

以上、2023年の9月以降は、上記の25講演を、やったり聴いたりしつつ、毎週の東洋鍼灸専門学校での講義は、普通にやっておりました。笑

 

 

・・・いやあー、流石にちょっとこれ、やり過ぎでしょ。苦笑

 

 

まあいずれ、どっかのタイミングで、ガッツリと充電期間に入ろうと思っています。

 

 

そしてまた、激しく放電しましょう。笑

 

 

しかし、今年もすでに色々と、外部での仕事が決まってきています。苦笑

 

 

2024年も、まあほどほどには講演活動もやろうと思っていますが、何よりコロナが明けたことで、2019年で止まっていた、海外研修を再開する流れになりそうです。

 

 

 

そういった全てを、日々の臨床、一鍼一鍼に還元して参りますので、皆様、お楽しみに!!

 

 

 

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

 

 

 

 

 

 

日本東方医学会「新・中医臨床カンファレンス」に参加してきました。

2022.09.29

_20220530_190420

 

 

 

清明院では現在、求人募集しております。

 

本物の鍼灸医学の世界を、我々と追求してみませんか?

 

募集内容の詳細はこちら

 

 

 

 

**********************************************************************************************
  にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

   ↑↑↑         ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

 

 

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

 

9.26(月)の夜は、いつもお世話になっている長瀬真彦会長にお声がけ頂き、日本東方医学会の分科会である「新・中医臨床カンファレンス」を視聴してきました!!

 

 

これは、参加者の先生(主に医師・鍼灸師)が症例を1例持ち寄って、それに対して、考えられる中医学的な病因病理と証に関して、中医学専門のベテランの医師の先生が解説して下さるという、

 

初級~中級の先生方にとっては非常にありがたい内容の講座です。

 

 

講師の先生方は以下の通り。

 

長瀬 眞彦 吉祥寺中医クリニック 院長 ・ 日本東方医学会 理事長
髙橋 博樹 東銀座タカハシクリニック 院長 ・ 日本東方医学会 理事
菅沼 栄  えみクリニック東大前 中医師 ・ 日本東方医学会 講師

 

 

どの先生も、大変高名な先生方です。

 

 

東方医学会の現会長である長瀬眞彦先生も、駆け出しの頃、この講座で非常に勉強され、成長したと仰っておりました。

 

 

今回の症例は、鍼灸師の先生による

 

大腸と右足のすねの内側からの出血、日中の倦怠感、16時頃からの微熱、不眠・中途覚醒

 

という、往診治療中のご高齢の女性患者さんの症例でした。

 

 

この患者さんは、上記以外にも、うつ病であったり、癌であったり、様々な重篤な既往歴を持っておられる患者さんであり、現状はどうにか改善傾向ではあるものの、対応に苦慮しておられる、という症例でした。

 

 

こういう症例に、駆け出しの先生が鍼灸単独で臨むというのは、ある意味非常に危険なことではありますが、私も在宅医療を20年以上やっていますので、

 

苦慮しながらも一生懸命やっている、また、こういう症例をこそやりたい、と考える気持ちはよく分かります。

 

 

しかし、その清らかな気持ちと同時に重要なのは、そもそも往診治療を成立させてくれている、同意書を書いて下さっている医師の先生との綿密なコミュニケーションや、

 

患者さんの服薬内容などの西洋医学的な処置にも複眼的に注意を払いながら、置かれている環境まで含めて患者さんを俯瞰で見て、「三方よし」で慎重に進める姿勢でしょう。

 

 

また、それと同時に、基礎中医学的な「出血」「発熱」のメカニズムをキチッと押さえながら、学術的に的確な弁証論治も進めないといけません。

 

 

解説の先生方が問題点を絞って解説して下さり、僕はある意味出る幕がありませんでしたが、私自身の経験から、症例を公に出す際の注意点として、気付いた点をいくつかコメントさせて頂きました。

 

 

まあ何にしろそうですが、自分の症例を、自分の考えだけで完結させていると、うまくいっていても、うまくいっていなくても、自分に都合よく解釈し、裸の王様になっていく危険性があります。

 

 

ある程度の熟練度を得るまでは、恥を忍んでせっせと発表し、諸先輩方の御批判、御指摘を積極的に仰ぐべきですね。

 

 

この講座は、毎月第4月曜の20:00~やるようです。

 

 

お申込みはこちらから、ご興味のある医師、鍼灸師、薬剤師の方はぜひ!!

 

 

 

 

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

 

 

 

 

 

 

メモ「心積」について

2019.11.14

dsc_10392959847873983776321.jpg

 

 

 

**********************************************************************************************
  にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

 

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

『霊枢』経筋萹(13)には、手少陰心経の経筋の病症について書かれている。

 

 

ここには、

 

 

1.心窩部から臍周にかけて腫塊があり胸中の煩悶感や不眠を伴う

(気血の停滞であり、心積のこと)

 

2.肘のあたりが引きつり痛む

 

3.流注上が痙攣を起こしたり痛む

 

4.心積を起こし血膿を吐くものは助からない

(経筋を通じ臓を傷っている)

 

5.腹中が急に引きつり痛む

(胃痙攣や胆石疝痛に相当する)

 

 

という病症が紹介されているが、ここでのポイントは以下の二つ。

 

 

1.臓腑には流れない、と言われる経筋の病なのに、臓腑の病や生命予後に関わる病症が出てくる

 

2.「心積」というものについて理解しておく必要がある。

 

 

ここらあたりだろう。

 

 

特に2.の「心積」については、『難経』56難も参考になる。

 

(もちろん56難については、48難から61難迄(特に51難から60難)の流れとして読まないと、と思いますが。)

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

 

にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

腹診における逆証所見 6

2018.12.13

DSC_0154_1540875356659.JPG

 

 

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ 

 

「エキテン」清明院サイト

 

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

これまでのお話し

 

腹診における逆証所見 1

腹診における逆証所見 2

腹診における逆証所見 3

腹診における逆証所見 4

腹診における逆証所見 5

 

参照

 

 

さて、続きいきましょう。

 

 

1.煩渇吐逆腹脹(はんかつとぎゃくふくちょう)

 

黄疸煩渇、吐逆腹脹+不眠、煩躁熱渇するものは2、3日で死す。

 

(浅田宗伯(1815-1894)『先哲医話』に福井楓亭(1725-1792)の言として紹介)

 

 

2.凸臍移動臍(とつさい いどうさい)

 

水腫で腹滿し、凸出するもの、臍を按じて、あちらこちらに移動するもの

 

(原南陽(1753-1820)『叢桂亭医事小言』)

 

水腫の腹、按じて臍が左右に移動するもの

 

(畑金鷄(1767-1809)『金鷄医談』)

 

 

1.黄疸+煩渇、吐逆不眠+煩渇は、何度か診たことがありますが、実に可哀想な状態です。

 

 

鍼しても、薬入れても、まさに焼け石に水、といった感じで、非常にキツイ思い出がよみがえりますね。

 

 

でも、鍼して、その場だけでもスーッと一時的にでも楽になる感覚は、亡くなる寸前の患者さんにとって、大きな救いになるのはなるようです。

 

 

まるで神仏にでも拝むかのようにして、感謝して頂いたことを、今でも鮮明に覚えています。

 

 

2.の臍の位置が不安定になるパターンも、たまに診ますが、これに関しても、最近、(一社)北辰会奥村裕一先生が最近の研究論文で深く掘り下げて下さいました。

 

「江戸期鍼灸諸流派における膏之原・肓之原ー膈膜・募原・心包・三焦との関わりー」2016『伝統鍼灸』43巻1号、および「日本鍼灸古流派の研究―腹診および腹部刺鍼を中心として―」1997『全日本鍼灸学会雑誌』47巻4号

 

 

奥村先生の論文は短い文章の中に、圧倒的な研究量、知識量が凝縮されています。

 

 

何度も何度も読んで、少しづつ理解しましょう。

 

 

また(一社)北辰会では、約40年前の発足以前より、江戸期の夢分流の腹診を参考に、臍には非常に注目しており、以前の蓮風先生の症例でも、

 

事故で意識不明になった患者さんを、臍の際に鍼をして蘇生させた話を聞いたことがあります。

 

 

生命予後に関わるような重症疾患や、ここ一番の時に臍周を使う印象がありますね。

 

 

・・・まあ、人間も、胎児のうちは臍から栄養を受ける。

 

 

人間を果物に例えれば、蔕(ヘタ)のようなものです。

 

 

出生後も、西洋医学的に、解剖学的に何もないから、そこには何もない、とは考えません。

 

 

逆証の患者でなくても、臍が浅いか深いか、歪んでいないか、臍周囲の色や緊張や膨隆の具合などはどうか、これらは東洋医学に非常に大事な所見です。

 

 

 

続く

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

 

ある日のカルテ

2018.07.24

dsc_2569-783869293.jpg

 

 

清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、求人募集しております!

 

募集内容の詳細はこちら!!

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ 

 

「エキテン」清明院サイト

 

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

清明院の、ある日のカルテの一部を公開しましょう。

 

 

1.4歳男児 チック症 経過良好

 

2.70代男性 不眠症 不安神経症傾向 経過良好

 

3.30代女性 首肩凝り 上肢の痺れ 不安感 経過少し改善し横ばい

 

4.50代女性 背部痛 嗅覚障害 経過良好

 

5.50代女性 更年期障害(冷えのぼせ 不眠) 経過良好

 

6.50代女性 関節リウマチによる全身の痛み 経過良好

 

7.40代男性 重症のアトピー性皮膚炎 少し緩解し横ばい

 

8.50代女性 関節リウマチ用の痛み 経過良好

 

9.10代男性 低血糖症 過敏性腸症候群 経過まずまず良好

 

10.30代男性 耳鳴、頭鳴 経過良好

 

11.60代男性 五十肩、足底の痺れ 経過まずまず良好

 

12.10代男性 軽度のアトピー性皮膚炎、手掌の水泡、痒み 経過良好

 

13.40代男性 不眠 経過良好

 

14.50代男性 突発性難聴 経過良好

 

15.40代女性 ネフローゼによる浮腫 経過良好

 

16.20代女性 咽喉の違和感(ヒステリー球様) 経過まずまず良好

 

17.20代女性 中等度のアトピー性皮膚炎、ADHD 経過まずまず良好

 

18.60代男性 動揺性の眩暈、頭重 少し緩解して横ばい

 

19.30代男性 切れにくい慢性の痰 経過まずまず良好

 

20.30代男性 糖尿病、高血圧 経過良好

 

 

・・・まあ、ほんの一部になりますが、こんな感じです。

 

 

こういう日々であります。

 

 

全ての症例において「経過良好」と書けるように、今後も精進します。

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

本日の医案回想

2018.03.07

20180207_002553.JPG

 

 

清明院では現在、院内診療、訪問診療ともに多忙のため、求人募集しております!

 

募集内容の詳細はこちら !!

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ 

 

「エキテン」清明院サイト

 

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

いきなりですが、本日の医案(カルテ)を回想しましょう。

 

 

今日、就職希望者を二人ほど面接しましたが、

 

「なぜ清明院で働こうと思ったんですか?」

 

というごく当然の問いに対して、求職者は

 

「東洋医学で病気を診ている鍼灸院で働きたいと思いました。」

 

と仰る。

 

 

以前書きましたが、ないんですよ本当に、そういう鍼灸院の「まともな」求人て。。。

 

東洋医学をやっている鍼灸院の求人がほとんどないメカニズム 5   参照

 

 

・・・で、僕は今日も、たくさんの病気を診させていただきました。

 

 

今日の患者さんの医案(カルテ)の中から10例ほどピックアップし、回想してみたいと思います。

 

 

1.ADHD、アトピー、不眠の若い女性

 

2.卵巣癌による子宮、卵巣全摘後の全身倦怠感、動悸、浮腫などの不定愁訴の中年女性

 

3.うつ病の中年男性

 

4.口腔扁平苔癬の中年女性と男性

 

5.全頭脱毛の男児

 

6.動悸、息切れ、皮膚瘙痒の高齢女性

 

7.生理不順の若い女性

 

8.人工関節置換術後も継続する疼痛の中年女性

 

9.視野欠損の高齢男性

 

10.リウマチ性多発筋痛症の中年女性

 

という感じです。

 

 

上記は、それがそのまま患者さんの主訴であって、こういう傷病名を持った患者さんが、肩こり腰痛で来てるよ、とか、そういう話じゃないんです。

 

 

みんな、上記のような病気で、一度は西洋医学の専門医にかかり、良くならないから我々東洋医学のところに来られた患者さんです。

 

 

現在は東洋医学単独の人もいますし、西洋医学と並行して治療している患者さんもおられます。

 

 

そして、上記のほとんどは数カ月継続来院患者さんであり、主訴も緩解傾向であります。

 

 

鍼一本で、あらゆる病と真剣勝負する、させていただける、この仕事の、超好きなトコです。(゚∀゚)

 

 

鍼最高!!

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

(一社)北辰会スタンダードコース大阪会場に参加してきました!!

2017.12.05

20170429_232529.JPG

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ 

 

「エキテン」清明院サイト

 

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

12.3の日曜日は、大阪で行われた(一社)北辰会スタンダードコースに参加してきました!!

 

 

午前中は実技訓練。

 

 

聴講生の班を久々に担当させていただきましたが、聴講生の方もよく勉強しておられますね。

 

 

ああいう努力を数年間、数十年間、継続すれば、いつの間にか力がついていくことでしょう。

 

 

午後は芦屋で「鍼風堂」を開業している各務裕貴先生による「睡眠」に関する講義。

 

 

”不眠”に代表される、睡眠障害を主訴とする患者さんは多いし、何か他の症状のある患者さんでも、睡眠障害を伴っている患者さんは非常に多いです。

 

 

しかもこの「睡眠」について、キチッと東洋医学的に説明してある本は意外と少ない。

 

 

今回、本部のみで行われた貴重な講義、各務先生は立派にやっておられました。

 

 

最後は私から「奇経八脈 シリーズ①」。

 

 

今回、新風先生の代打であり、しかもEラーニング用の講義ということで、気合い入れていきました!!

 

 

かれこれ、奇経に興味を持って15年以上。

 

 

まあ、スタンダードコースでもあるし、奇経八脈にまつわる全てを、僅か90分で理解させるなんて、土台無理な話。

 

 

だから、皆さんにこれから長く長く、一生かけて奇経を勉強していっていただくために、その材料を提供するような内容にしました。

 

(一部リクエストがあったので、強引に臨床の話も入れつつ。(笑))

 

 

・・・まあ、これまでの私のお勉強の、超ダイジェスト版のような講義になりました。

 

 

あれを材料に、「あくまでも基礎を主軸に」慎重に、弛まず勉強を進めれば、いつの間にか非常に鍼が上手くなることと思います。

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

皮膚科医に協力していただき、治療を進める

2017.07.19

20170429_235125.JPG

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ 

 

「エキテン」清明院サイト

 

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

数年前から断続的に清明院に通っておられる患者さん。

 

 

これまで、痛風、頻尿、不眠、皮膚炎などなど、色々な症状を治療しては、うまくいくことで、信頼関係を構築してきました。

 

 

ある日、久々に手掌に皮膚炎が出た。

 

 

今回のものは、治療すると楽にはなるものの、症状が戻ってしまう。

 

 

ひどい時は痒みで眠れない時もある。

 

 

仕事が忙しいので、頻回には治療に来れない。

 

 

こんな時、皮膚科の塗布剤で上手に症状がコントロールできると、鍼灸サイド的にもやりやすい。

 

 

しかし、それを患者さんに伝えると、

 

「これまで、皮膚科では”アレルギーです。”ばかり言われて、ステロイドを含む色々な薬を試してきたけど、全然治らない。塗るとかえって悪化する。」

 

と、これまでかかってこられた皮膚科医に対する不信感を仰って、皮膚科を変えることに難色を示す。

 

 

そこで、私の方で色々と調べ、

 

「ここなら良さそうだ」

 

という皮膚科を紹介。

 

(もちろん、紹介状付きで。)

 

「鍼灸師が紹介状書いていいんですか?」  参照

 

 

西洋医学のドクターでも、ちゃんとした先生は、紹介状を付ければ、丁寧なお返事の手紙をくれます。

 

(まあ、そうでない先生も居るけどね。。。)

 

「鍼なんて効かねえよ!」   参照

 

 

お返事の手紙の処方と診断名を見て、

 

「なるほど!」

 

と納得。

 

 

どうやら、その患者さんがこれまでに使ってきた全ての塗布剤を調べて、それらと違う、しかも効果の挙がりそうなものを、

 

しかも使用法をじゃっかん工夫して、処方してくださったようです。

 

 

結果は、その患者さんの皮膚症状は、見事、劇的に改善しました。

 

 

それにより、患者さんが眠れるようになりました。

 

 

それにより、鍼の効きも良くなりました。

 

 

なぜなら、症状が軽減されたことで、患者さんの「心神」が安定し、不安感が除去されたからですね。

 

 

眠れるようになったことで、陰分の不足もマシになる。

 

(この時期、それは大変重要なことなんです。)

 

 

ですので当然ながら、気の動きはよくなるわけです。

 

精神科疾患と東洋医学   参照

 

 

・・・こういうのをどんどんやりたいね、正直、俺は。

 

 

西洋医学がお手上げのモノを鍼灸単独でバシッと治すのも、気分がいいしカッコいいけど、西洋医学と協力して、結果的にズバッと治すのも微笑ましい。

 

 

西洋医学が持っている、

 

「圧倒的標治力(とでもいうべきか)」

 

の力を借りた方がいいケースというのが、臨床現場には厳然とある。

 

 

要は治りゃいいワケで。

 

 

そのためにやっているワケで。

 

 

それが分かんねえやつとは、会話にならねえ。

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

「麦飯」ってどうでしょう?? 5

2017.07.07

20170308_193348.JPG

 

 

**********************************************************************************************
      にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ 

 

「エキテン」清明院サイト

 

  ↑↑↑        ↑↑↑
こちらを、1日1回クリックに是非ご協力下さい!<m(__)m>

クリックしていただくと、ランキングポイントが上がります!!
**********************************************************************************************

 

 

これまでのお話

 

「麦飯」ってどうでしょう??

「麦飯」ってどうでしょう?? 2

「麦飯」ってどうでしょう?? 3 

「麦飯」ってどうでしょう?? 4   参照

 

 

では続きいきます!!

 

 

◆白米、東洋医学的にはどうか。

 

 

今日は白米の東洋医学のお話。

 

 

かなり前にチョロッと書きましたが、東洋医学では白米(うるち米)のことは粳米(こうべい)といい、もち米のことは糯米(だべい)といいます。

 

「大寒」とお餅 参照

 

 

もうあの記事から6年半も経っていることにひきましたが(苦笑)、今回はもう少し詳しく述べてみましょう。

 

 

粳米性は平、五味は甘、苦であり、脾胃を養う、と言われます。

 

カテゴリ 「脾胃」 参照

 

 

効能としては補中益氣、健脾和胃、徐煩渇、止痢、と言われます。

 

(要は胃腸、消化吸収機能をシャンとさせて、上下のアンバランスを調えるわけですな。)

 

 

しかし、当然ながら、粳米ばかりでは偏りますから、色々な食材を足しましょう、と、よく言われます。

 

 

家庭療法として面白いのが、鼻血が出た際に、米のとぎ汁を少し飲む(同時にゴマ油か大根の汁を点鼻する)とか、

 

乾煎りした米を煎じて飲み、夏バテや食欲不振や乳幼児の嘔吐に使ったり、お粥に蓮子を入れて不眠に使ったりと、

 

幅広い応用法があるようです。(゜o゜)

 

 

ただいずれにしても、お米のみ、という偏った摂り方は止めましょう、と言われます。

 

(まあ、別にそんなんしねーよ、って感じですがネ。(*‘∀‘))

 

 

次回はもち米(糯米)について考えてみましょう。

 

 

 

続く

 

 

 

読者の皆様、1日1回、こちらをそれぞれ1クリックお願いします!!

 

 

   にほんブログ村 健康ブログ 鍼灸(はり・きゅう)へ

 

「エキテン」清明院サイト

 

 

清明院オフィシャルサイト

 

 

清明院スタッフブログ『清明なる日々』

 

 

 

 RSSリーダーで購読する

ブログ内検索
おすすめ記事一覧
カテゴリー
最近の投稿