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「熱中症」について(その5)

2011.07.05

前回までのお話・・・

35℃超え!!
「熱中症」について 
「熱中症」について(その2)
「熱中症」について(その3)
「熱中症」について(その4)

 


続いていきます!!

熱中症が起こりやすいパターンの3つ目、「激しい運動をしたとき」のお話に参ります!

今日はそれを東洋医学ではどのように考えるか、というお話です。

まあコレも、専門的には激しく「どんな」運動をしたのか、というところまで、本当は考えないといけないんですが、今日は大づかみバージョンのお話をさせていただきます。


激しい運動をするということは、気血津液が体を盛んに巡る、ということであります。


ですので、脈拍も早くなるし、呼吸も早くなりますし、体温も生理的に上昇しようとします。

 

全体として”動的な状態”つまり「陽」に傾くわけです。

気が体を盛んに巡れば、言わば交通量が増えて、生理的な鬱滞(というか充満)を生じ、「熱」を生じます。

その熱が、汗として十分に発散されてくれれば、余分な熱(邪熱)は生じませんが、汗がうまく出ない、あるいは出過ぎて、冷やす力(生理的な水分)まで失われた、

こうなった場合に、「余分な熱」が体内に籠り、オーバーヒート状態となり、まさに「熱に中(あた)る」、熱中症の第1段階になります。


・・・つまり、ここまでを纏めると、

・暑熱環境にいる→外界の熱邪に、生体側が過剰に反応し、「熱邪による」問題発生。

・大量発汗している→必要以上に出過ぎると陰陽ともに出てってしまうので補給が必要→補給できないと「熱邪」や「気と津液の不足」による問題発生。

・激しい運動をする→うまく発散されないと体内に熱邪(余分な熱)発生→それが籠ると「熱邪」による問題発生

ということになります。

(甚だおおざっぱではありますが。)

 

まー要するに、

・体内に熱をこもらせないこと

・水分、塩分、ミネラルをしっかりと補給し、発汗過多による体内の「水不足」「電解質不足」が起こらないようにすること

が肝要である、ということです。

 

コレを適切に遂行するには、平素からの自分の体質に対する「正しい」理解と、それにマッチした「正しい」養生、「正しい」鍼灸を受けておくことが、予防として有効なのは言うまでもなく、

たとえ、重度の熱中症状態で意識がないとか、嘔吐がひどくて口から飲めない、という状況になってしまったとしても、東洋医学的にやりようがない訳ではないということ、

また、そういった重篤な局面では、現代では「点滴による輸液」という大変優れた手法があるので、そうなった場合はそちらをやった方が安全確実、といったところです。

 

・・・では当然、熱中症にならないためには、そもそも

 

1.暑熱環境に行かず、

 

2.汗を極力かかず、

 

3.激しい運動もしなけりゃ問題なくね??

 

という視点が浮上します。

 

確かに上記3つを避ければ、熱中症にはなりにくいでしょう。

 

しかし、真夏にクーラーの効いた部屋で、汗もかかず、体も動かさない、それが健康的な夏の過ごし方かというと、それは違いますよねえ??

 

この辺を東洋医学ではどう考えるか。

 

 

 

次回に続く。

 

 

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「熱中症」について(その4)

2011.07.03

前回までのお話・・・

35℃超え!!
「熱中症」について 
「熱中症」について(その2)
「熱中症」について(その3)

 

 

続いて行きます!

 


大量発汗時、水分や塩分、ミネラルを十分に補給しなかった場合も、熱中症が起こることがあります。

 


今日はこれを東洋医学ではどう考えるか、という問題です。

 

コレを理解するには、「発汗」という現象によって東洋医学的な”人体”に何が起こるのか、を簡単に理解しなくてはいけません。

 


「発汗」という仕組みは、一般的には老廃物排出機構&体温調節機構です。

 


コレは東洋医学的に考えてもそうで、正常であれば汗によって余分なお水(水湿の邪)、余分な熱(熱邪)を体外に排出してくれている訳です。

 

つまり、ある程度出てくれて、止まってくれれば何ら問題のない生理現象です。

 

(発汗のメカニズムについては『素問』評熱病論(33)、痺論(43)あたりに記載があります。)

 

これが、過度の運動や、暑熱環境、あるいは”必要なだけ出してしっかりと汗を止める”という力がうまく発揮できない場合なんかに、

「汗かき過ぎ(発汗過多)→補給が必要!!」

という事態が起こるのです。

 


この時、対応が遅れたり、間違っていたりすると、いわゆる「脱水症状」を呈することがあります。

 

発汗は「過多」になってしまうと、体にとって必要な熱(陽気)も、必要なお水(津液)も出ていってしまいます。

 

 

現代医学の言い方で「脱水」と言われますが、東洋医学的には、陰液だけでなく「陰も陽も」出ていってしまう、と考える、ということです。

 

この場合、すぐに陰陽ともに補給しないといけませんが、口から水分がとれるうちはいいけど、意識がないとか、嘔吐が止まらなくて、口から何も摂取出来ない状況になっていることもあります。

この場合どうするか、湯液が使えない訳ですから、東洋医学的には非常に難しい局面になってくると思います。

 

 

ここで「鍼灸」の出番ですよね。

 

昔の東洋医学の医者であれば、まず鍼なりで意識を付けたり、嘔吐を止めたりして、口から飲める状態にして、それから湯液なりを与えるようにするのだと思いますが、

まー面白くないこと言うようだけれど、現代では、この局面では病院に送ってしまって、点滴で輸液した方が圧倒的に確実簡単ですね・・・。(苦笑)


ただもし、救急車も呼べない、近くに病院がない、という状況だったり、救急車が来るまでの間には、何かしなくてはならない場合もあるでしょう。

ちなみに、まだ口から飲める状況であれば、スポーツドリンクを薄めたものなり、1%程度の食塩水を少しづつ飲ませ、あとはひたすら、

わきの下や股関節の前側の部分など、動脈のあるところを中心に冷やす、という、よくテレビなどで言っているあれです。

この時、状況にマッチした鍼をすることが出来れば、回復は断然早いと思います。

 

次回に続く。

 

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「熱中症」について(その3)

2011.07.02

さて、前回までのお話・・・

35℃超え!!
「熱中症」について 
「熱中症」について(その2)

 


前回、熱中症が起こる現代医学的なメカニズムについて、門外漢ながら、甚だ簡単ではありますが書かせていただきました。

 


今回は、熱中症が起こる状況として有名な、

・暑熱環境にいる

・大量発汗している

・激しい運動をしている

ということが、人体にどのような影響を及ぼすかについて、「東洋医学的に」考えてみたいと思います。

 

まず、暑熱環境についてですが、コレは外界の「熱邪(ねつじゃ)」、「暑邪(しょじゃ)」がきつい環境、という風に考えます。

(これは要は”自然界の余分な熱”です。)

「風」「火」について
「湿熱」について   参照

 


こういう時、もともと体が冷えている(温める力が弱っている)人にとっては、そんなにつらくないか、むしろ楽だという人もいます。

 

暑い時期や暑い場所にいると、極端に具合が悪くなる人、というのは、もともと体に「邪熱(じゃねつ)」、「内熱(ないねつ)」を持っていることが多いのです。

 

これを、体内の邪気と体外の邪気が合わさる、合体してしまう、という意味で、「内外合邪(ないがいごうじゃ)」と言います。

 

「内外合邪」については、以前述べました。

「ジメジメ」恐るるに足らず 参照

 


つまり一つには、もともと体内に「余分な熱」を持ってる人ほど、熱中症にかかりやすい、ということが出来ます。

 

では次に、大量発汗のケースですが、コレは次回。(笑)

 

 

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「熱中症」について(その2)

2011.07.01

さて、前回までのお話・・・

35℃超え!!
「熱中症」について 

 

前回の終わりに、同じように暑い環境にいても、同じように水分補給をしていても、熱中症を発症する人としない人がある、と述べました。

コレは、厳然たる事実ですよね?


今日もニュースで、目黒区の小学生が6人、熱中症で病院に搬送された、とニュースでやっていました。

児童6人、熱中症の疑い 東京・目黒の不動小学校

 

・・・この病気は、早めに病院に送っちゃえば、大事に至らないケースがほとんどです。


これから、7月8月と、全国のありとあらゆる病院の救急外来が、熱中症患者だらけになることでしょう。

頭では分かっているようでも、いざ自分がなってみたり、なった人を目の前にすると、素人ではなかなか冷静な判断が出来ないものです。

・・・が、そうはいっても、出来れば病院に行かずに済ませた方がいいです。

6人の児童の親御さんも、学校から第一報を受けた時は気が気じゃなかったことでしょう。

・・・で、どうしてこの6人がなったのか、という問題です。

 

症状をみると、手のしびれ、吐き気、6人中2人は自力で歩行できない状態だった、とあります。

 


実際に詳しいことは、診ていないので何とも言えませんが、この6人の心身の状態が、運動する前から、すでにして他の子供よりも不健全であった可能性は高いです。

 

(もちろん東洋医学的に診て、です。)


・・・また、他の可能性も想定できます。

1.むしろ他の子供よりも健全であったが、子供自身が相対的に激しく運動し過ぎて発症した。

コレはよくある、非常に重要なケースだと思います。

 

 

子供にはほどほどで加減する、という考え方はなかなか出来ません。

 

(僕の幼少期なんて、まさにそうでした。)

 

 

さっきまであんなに元気だったのが突然・・・、てやつですね。適度に休憩させる、保護者の監督力が重要です。

 

2.学校側の対処法が誤っており、適切な水分補給をさせてなかったか、させ過ぎていた。

 


コレもあり得るケースでしょうね。

 

 

しかしこれはなかなか、現場の教員の先生達からしても、医療のプロではないので、児童全員を完璧にコントロールするのは難しい面があると思います。

 

 

あまり保護者側を強く断罪するのも、如何なものか、とよく思います。

 

・・・よく、テレビなどでは「水分補給、水分補給」と盛んに伝えています。

 

 

僕は昔からこれに、一抹の不安を覚えます。

平素から考えなしに真水をガブガブ飲んだら(飲ませたら)、それがかえって熱中症の原因になることだってあるんです。

こないだ、スタッフブログで樫山先生が書いておられましたが、暑くて汗をかいている時は、水分とともに塩分やミネラルも一緒に出ていっております。


こむら返り
猛暑到来  参照

 


だから水分と合わせてこれらも補給しないと、かえってミネラル不足から、けいれん等々が起こってくることがあるわけです。


汗として塩分やミネラルが体外に出てってしまうと、当然血中濃度は下がり、そこに塩分やミネラルを含まない真水を飲むと、余計に塩分、ミネラルの濃度が下がり(薄まり)、不足状態が助長される、という訳です。


・・・まあ、そのために作られたのがスポーツドリンクってやつですね。

 

 

しかし、スポーツドリンクについては以前から「糖分が過剰である!」という批判がかなりあります。

 


今のところの私の考えでは、スポーツドリンクは、運動時でしかも大量発汗時であれば、吸収スピード等々を考えた時に、摂り方を間違わなければいいのではないかと思っています。

 


それでも、

「いや、俺は現代科学なんぞには頼らん!あんな甘っとろいの呑めるか!!」


という方は、うす~い塩水(1%ぐらい)がいいと思います。

 

(また最近では「経口補水液」なんてのもありますね。)

 

 


・・・要はこうして、ミネラルと塩分を、水分と一緒に吸収することで、電解質異常を回避する訳です。

 


ここでまた、

 

ミネラルって何??塩分って何??スポーツドリンクの具体的な取り方は??

 

 

・・・という疑問がわくでしょうが、そういうことを詳しく書いて下さっている良質なサイトはいくらでもありますので、それについてはそちらを見ていただくとして、

 

ここでは早いとこ、東洋医学の話に行きましょう!!

 

長くなっちゃったので、次回に続く・・・。(苦笑)

 

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「熱中症」について

2011.06.30

昨日の記事を受けて、「熱中症」というものについて、僕の考えを述べてみたいと思います。(笑)

 

・・・と言っても、西洋医学的な熱中症の程度分類やら、塩分やミネラルのお話、意識障害やけいれんについてとか、そういうサイトはゴマンとあるんで、

ここでは、要するに患者さんから見て、我々鍼灸医学、東洋医学に聞きたいこととしては、

1.熱中症って、コワいコワいって言うけど、要するにどうすれば回避できるの??

2.それでも、もしなっちゃったら、どうすれば最小限に食い止められるの??

3.熱中症に対して、東洋医学はどう考え、何が出来るの??

という3点に尽きるかと思いますので、この3点について書いてみたいと思います。

 

・・・まあ、まずは熱中症の定義ぐらいは、簡単に述べておきましょう。


「熱中症(暑熱障害 Hyperthermia)」


というのは、

体の中と外の”熱”によって引き起こされる、様々な体の不調

 

のことで、専門的には、

「暑熱環境下にさらされる、あるいは運動などによって、体の中でたくさんの熱を作るような条件下にあった者が発症し、

体温を維持するための生理的な反応より生じた失調状態から、全身の臓器の機能不全に至るまでの、連続的な病態を指して言う。」 

 だそうです。

赤字部分は具体的に言うと、吐き気とかのぼせ感、めまいやけいれんなどのことを指します。

 

(詳細はこちらのサイト 甲府病院「熱中症」ページ 参照)

 

・・・ちなみに、”熱中症”とは、熱に中る(あたる)症(証)のことを言います。

(よく、脳卒中のことを”中風(ちゅうふう)”と言いますが、あれも”風に中(あた)る”という意味があります。)


「中る」というのは東洋医学によく出てくる言い方で、侵される、毒される、というような意味です。


ちなみにちなみに、よく聞く「霍乱(かくらん)」というのは東洋医学の病名で、暑気あたり、いわゆる日射病を指す場合があります。

 

(『霊枢』経脈篇(10)、五乱(34)『素問』通評虚実論(28)、気交変大論(69)、六元正紀大論(71)『傷寒論』弁霍乱病脈証并治(13)『金匱要略』禽獸魚蟲禁忌并治(24)などなど)

で、まず1.についてですが、同じように炎天下でスポーツしてようが、同じように猛暑の日にクーラーのない部屋にいようが、

全員が全員熱中症を発症する訳ではありません。

 


熱中症を発症するには、それなりの理由がすでにしてその人の体にあるはずです。

 

 


・・・長くなったので、続きは次回。

 

 

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「寒痢」と「熱痢」

2010.06.13

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今日は久々のオフでございます。

 


先輩から頼まれていた古文献の閲覧、コピーをしに国立公文書館に行こうかな、と思っていましたが、電話したら、あそこって土日休みなんですってね!

 


知らんかった・・・。

 


じゃあ僕が行けるなんて至難の業じゃないですか!

 


ホントもう、役所とか、そういうとこって、何でいつもそうなの?

 


コンビニを見習いなさい!と言いたくなります。(笑)

 


・・・まあそれはともかく、今朝起きて、何気なく冷蔵庫のミネラルウォーターを飲んだら、直後に珍しく強烈な腹痛に襲われました。

「まさか、賞味期限切れか!?」

と思い確認しましたが、そんなことはない、

「・・・てことは、なるほど、冷えですか!」

ということで早朝から下痢という、貴重な休日の幕開けです。(笑)

 


この下痢というもの、ほとんどの方は経験したことがあると思います。

 


ただ、下痢はなにも悪いことばかりではありません。

 


体(消化器)が極端に冷やされた時、極端に消化に負担のかかるものをたくさん食べたり飲んだりしたときなんかに、それをお掃除する意味で下痢します。

 


これは、体を正常な状態に戻さんがための反応であり、これを無理に止めたり、我慢しすぎたら大変なことになる場合があります。

(てか多いです。僕は自分の体で実験済みです。丈夫な人はやってみな。ホントきついよ。(笑))

 


東洋医学では下痢を大きく2パターンに分類します。

 


体の内外の冷えからなるものを「寒痢(かんり)」、主に暴飲暴食などからなるものを「熱痢(ねつり)」と言います。

 


寒痢は臭いがさほどなく、水様になっていることが多く、熱痢は臭いがきつく、泥状で、排便時に肛門に灼熱感や痛みを伴うことがあります。

 


そしてさらにこの両者には、「虚実」があります。

 


「虚」の場合は、体側の消化吸収する力が弱っていて、必要なもの(まだ吸収しきれてない)が下ってしまうパターンです。

 


この場合は、下痢の中に消化されきっていないもの(未消化物)が混じっていたりします。

 


「実」の場合は、無駄なものを摂り過ぎたために起こるものです。

 


この場合は、便の内容物にもその”無駄なもの”が反映されます。

 

今朝の僕のケースは明らかに「寒痢」でした。

 


そして「実」です。

 


・・・まあ、「生理的な寒痢」とでも言うべきか、出たら腹痛はスッキリで、ハイ終わり、です。

 


このようになれば、体の調整作用が働いた結果であるだけなので問題ないけど、下痢した後にスッキリしたのではなく、下痢したら余計しんどいとか、

 

あるいは全然症状に変化がない、となると「看過できない病的な下痢」である可能性が高くなります。

 

 

大便、小便は、読んで字のごとく「大きな便り」、「小さな便り」ですから、その患者さんが日頃どういう傾向を持っていて、今現在どうなのかを知ることは、

 

正しい診断する上では欠かせないのです。

 

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「寒熱」って何ですか?

2010.02.23

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前回に続いて、今日は「寒熱(かんねつ)」についてです。

 

人間はみんな、体に

「冷やす力」



「温める力」

が同時に備わっています。

 


だから、少々の気候変動では、健康状態が左右されることはない訳です。

 


暑ければ薄着をして、それでもダメなら汗をかいて、体内の余分な熱を漏らし、寒ければ厚着をして、それでもダメなら鳥肌を立ててガタガタ震えて、小便を出して、体を温めようとします。

 


しかし、これら二つの力のうちの、どちらかが弱ったり、元々持っているその力を超えた、激しい気候変動にさらされたりすると、病変が出現します。

 

 

要は体が「熱側に」「冷え側に」傾いてしまうのです。

 


治療にあたっては、これらがどうなっているかを考えて、崩れた寒熱のバランスがうまく調うように治療します。

 


上記の二つのうち、人体が元々持つ「温める力」が弱ったり(陽虚)、自然界の「寒さ」があまりにも強い(寒邪の邪気実)ことによって病気になったものを

「寒証(かんしょう)の病」

なんて言います。

 


この場合、温める治療が主になります。

 


「温める治療」と言うと、お灸が思い浮かぶと思います。

 


基本的にはそうですが、これは鍼でも出来ます。

 


逆に、人体の「冷やす力」が弱ったり(陰虚)、自然界の「暑さ」があまりにも強くて起こる病気(熱邪の邪気実)を

「熱証(ねっしょう)の病」

と言います。

 


この場合は冷やす治療が主になります。

 


では「冷やす治療」はどうかというと、これは東洋医学では主に鍼で行います。

 


お灸でも出来ないことはないけれど、ちょっとやりにくいのであえて初手では使いにくい、と個人的には思います。

 


もちろん上記の両方とも、漢方薬でも治療は可能です。

 


この考え方も、治療する上では外せない考え方です。

 

 

”寒熱”という相反する概念を使って、病の”性質”を考えるわけですから「病性」と言ったりします。

 


この「寒熱」(病性)に、前回書いた「虚実」(病勢)を重ねて、さらには「表裏」(病位)も重ねます。

 


こうすることで、その患者さんの

「どこが」

「どのように」

「どの程度」

悪くなっているかが、徐々に明らかになってくる訳です。

 


・・・次回は「表裏(ひょうり)」について書きます!

 

 


ドンドン行きますよ~!!

 

 

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「湿熱」について

2010.01.20

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前回は、「寒燥」についてのお話をしました。

 

 


今回はその逆の「湿熱(しつねつ)」について書いてみようと思います。

 

 


最近の気候は、前回述べたように、まさに「寒燥」という感じであります。

 

 


それとまったく逆なので、時期外れのように感じますが、日々、患者さんを診ていますと、今の「寒燥」の時期であっても、この「湿熱」という邪気が問題になることがあります。

 

 


・・・コレ、なぜでしょうか?

 

 


これは、現代の食生活と、発達した空調機器に、問題の中心があるのではないかと愚考しています。

 

 


◆「湿」について

 

 

「湿邪(しつじゃ)」というのは、外界では湿度の高さ、人体内では水分の停滞が過剰に存在することで、人体に病的な異常を起こす「邪気」の一つであり、

 

性質の上から「陰邪」に分類されます。

 


つまり、「湿邪」というのは、平た~く言うと、

「余分なお水」

を意味しますので、単純に水分(お酒も含む)の摂り過ぎ、あるいは食べすぎで胃腸が弱った場合にも、水分がうまく捌けなくなって、結果として体内に「湿邪」が生じます。

 

 


体外の「余分なお水」は、というと梅雨時期や夏場のムシムシ、ジメジメした時期に湿度が高くなる、
まさにあれのことです。

 

(もちろんそれが人体に悪影響を及ぼした時に、”湿邪”という邪気として認識する訳ですね)

 

 


◆「熱」について

 


それに対して「熱邪(ねつじゃ)」というのは性質的には「陽邪」に分類され、からだの内外に存在する”余分な熱”のことを言います。

 


ここで勘違いしてほしくないのは、現代人は「熱」と聞けばすぐ体温の「発熱」を想像しますが、
東洋医学の言う「熱」というのはそれだけではなく、

 

ある種の咽喉の渇きや便秘、過食傾向、またカゼや感染症の原因などになるもの(邪気)として「熱邪」というものを位置づけています。

 

 


こういう、東洋医学と西洋医学の概念の混同が、東洋医学が正確に理解されにくい原因の一つだったりします。

 

前もこんなようなこと言ったかもしんないけど、カゼひいて熱がある人をみた時に、「すごい熱だね~」ではなく、

「体温がHOTだね~。」

とか、

「HEATだね~。」

とか言ってくれれば、混同されにくいのにな~・・と思います。(笑)

 

 


体外の「熱邪」は、というと、夏場の暑い時期や、冬場でも過剰な暖房などで不快なほど熱すぎる状況の時に、人体に悪影響を及ぼした時に「熱邪」と考えます。

(分かりやすく言うとね。)

 


この2つ、「湿邪」と「熱邪」が合体したものを、東洋医学では「湿熱の邪気」と呼び、「寒燥」と同じように、陰邪と陽邪ががうまいことバランスをとっている、
邪気の中でも「手強い奴」な訳です。

 

 


現代は、外が寒くて乾燥していれば、家の中は暖房と加湿器を使って快適を得ようとします。

 

 

しかしやりすぎれば、秋冬なのに「ムシ熱い室内」になってしまいかねません。

 

 


そうなれば「寒燥」ではなく、季節外れの「湿熱」の病になりやすくなります。

 

 


また冬場は、寒いからと、あまり外に出歩くことも少ない人が多く、運動不足になりやすく、忘年会や新年会などで、暴飲暴食、過食傾向になりやすいです。

 


こうなると胃腸は弱り、水分が捌き切れず、体内に余分なお水である「湿邪」が増えます。

 

 


さらに、汗もかきにくい時期ですので、体内の余分な「熱邪」を汗によってうまく排出(発散)することも出来ず、結果、体内に「湿熱の邪気」が生じてしまう場合があります。

 

 


こうして現代では、冬場なのに「湿熱」の病が問題になることがある訳です。

 

 


「湿熱」については、大変面白い部分でもありますので、もっと細かく書こうかなとも思うのですが、
時期的に梅雨時期とかの方が実感しやすいかな、

 

と思うので、その頃になったら、また詳しく述べてみようかなー、と思っています。

 

 

 


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「熱があるんですけど…」

2010.01.08

たまーに、治療の予約が入っている患者さんから、その日になって電話がかかってきて、

「ちょっと風邪ひいちゃったみたいで熱があるんですけど、鍼しても大丈夫なんでしょうか?」

と聞かれることがあります。

 

 

僕の答えは当然、

「もちろん大丈夫です。高熱で、歩くのもお辛いような状態じゃないのであればお越しください。鍼にはむしろ熱を早く下げる効果もあります。」

と、答えています。

 

 

ここでもし、

「いやあ、歩くのもつらい状態なんですけど…。」

と言われてしまったら、そのときの状態(症状)を電話で聞ける限り聞き、出来る限りの養生のやり方をお伝えするか、

 

場合によっては救急で病院に行ってもらうのを勧めることもあります。

・・・一般的には、発熱時は鍼灸はやっちゃダメ!という認識が根強くあるようです。

 

 

鍼灸学校で使われる『はりきゅう理論』という教科書では、鍼灸施術の禁忌として「⑤高熱症状を呈している場合」という表現で記載されています。(旧版P28)

 

 

(ある意味、微熱ならいいってことですね。)

 


なぜこうなのかについてはまた今度語ることにして、東洋医学では、数千年も前から、風邪のみならず、熱の出る病気に対しては、あらゆる考え方や方法論が試されています。

 

 

もちろん、古代中国には水銀式の体温計はなかった訳ですから、医者が患者の体を触っての熱感をもって、治療、診断の対象にしています。

そういうものに対して、ちゃんと鍼灸や漢方で対応し、結果を出してきたと、あらゆる文献に残っていますし、現代でも、中国や韓国などでは、

 

風邪をひいて発熱したときに鍼するなんてことは、別に当り前のことだそうです。

 

(韓国では、風邪をひいて発熱した時は、家庭にある鍼で自分で治療を行う、とか、中国でも、高熱を出してぐったりしている状態で中医学の病院に普通に運ばれてくる、なんて話も聞いたことがあります。)

 

 

また、(公社)全日本鍼灸学会の鍼灸論文検索サイト「JACRiD」「発熱」と検索すると、この通り、いくつかの論文が出てきます。

 

 

ここで、

「風邪をひいて熱が上がっている状態」

というのを、東洋医学でどう考えるかというと、外から入ってきた冷えや異物(邪気と呼びます)に対し、患者さんの体の恒常性を保とうとする力(正気)が、

 

邪気を排出しようと一生懸命戦っている状態、と考えます。

 

ということは、体の「陰陽」のアンバランスを整えて、「治る力」を増強する鍼灸治療は、体にしてみたら、この戦いの強い味方なんです。

よって、熱があっても鍼して全然問題ない、むしろやるべき!という風に、僕は考えています。

 


ちなみに、今日来た患者さんでも、風邪をひいて38℃弱発熱している方がおられましたが、治療後体温を計ってみると、多量の発汗とともに36.6℃まで下がっていました。

 


・・・信じられないかもしれませんが、まあ、事実だからしょうがないですね。(笑)

 

 

効くものは効きます。


(ただ、断わっておきますがどんな発熱でも鍼すれば間違いなくその場で下がる訳ではないですよ。誤解なきように!)

 


ですから、最近話題になった新型インフルエンザなんかも、鍼では全くお手上げかというと、学術的には全然そんなことないです。

 


しかし、ああいった感染力の強い、未知の感染症の場合は、保健所への届け出等、法律的な問題も関与してきますので、

 

現状の日本の一般の鍼灸院で診るケース自体が少ない、ない、ということなんです。

 


・・・ちなみに、今日書いたのは、あくまでも僕が思う、「東洋医学的に正しい鍼灸」をやった場合においての話です。

 

 


皆様に、この医学に対する「正しい」認識をどうか持っていただきたい、と思っています。

 

 

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2024年2月の活動記録

2024.03.14

 

 

 

 

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2024年、2月に入っても、グイグイとやっております!!

 

 

活動報告が一つ一つ書くと多過ぎるんで、もう月ごとに1記事に纏めます!笑

 

 

まず2.11(日)~12(月)北辰会の冬季研修会(順雪会)で熱海へ。

 

「順雪会(じゅんせつえ)」を含む記事 参照

 

 

忌々しいコロナ禍によって、2020年の冬季研修会が中止となって早4年、ついに、2019年以来5年ぶりの冬季研修会(順雪会)を開催すること出来ました!!

 

 

今回は、初日からビッチリと打鍼、古代鍼、刺鍼の実技指導が続き、2日目のメインは藤本新風代表、初の「公開臨床ノーカット版」です。

 

 

「全身の冷え」という、なかなか手ごわい主訴の患者さんでしたが、見事な弁証と治療で、素晴らしい効果を挙げておられました。

 

 

詳細はこちら(北辰会ブログ)!!

 

 

そして2.17(土)ドクターズプライムアカデミア「東洋医学へのいざない 生理学編⑪ 気血津液精神の生理と病理」です!

 

 

今回で、生理学編を1区切りとし、だいぶ過去講義も充実してきたので、再配信でキッチリ勉強して頂いて、次回からは隔月でゆるゆると進めていこうと思っています。

 

 

2.18(日)は北辰会本部会、2.19(月)藤本漢祥院にて研修です。

 

 

蓮風先生も、冬季研修会で久々に会員の顔を見て、非常に元気になっておられたのが印象的でした。

 

 

2.25(日)順天堂東医研第5回特別公開シンポジウム「日本とインドの伝統医学」

 

 

今回はゲストに日本アーユルヴェーダ学会の会長である北西剛先生をお迎えして、いつもお世話になっている日本東方医学会会長、長瀬眞彦先生とともに、

 

「花粉症」をテーマに、インド伝統医学のアーユルヴェーダ、漢方、鍼灸の立場から知見を述べるという企画でした。

 

 

事後のオンデマンド配信も視られますので、見逃した方、まだ申し込んでない方はこちらから!!

 

 

今回、この企画を仕切ったのはなんと医学部の1年生!!

 

 

映像も音声も綺麗に撮れているし、しっかりと編集してあるし、素晴らしいの一言です。

 

 

未来は明るいね。

 

 

・・・てなわけで、2月も毎日数十人治療しつつ、毎週末、どっかで講演してたり、実技指導してたりします。。。笑

 

 

 

幸せなことです。

 

 

 

 

 

 

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