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「胃ろう」の是非

2012.06.28

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今日、こんなニュースが目に止まった。


【胃ろうなど人工栄養中止可能に、医学会が指針】


日本老年医学会(理事長・大内尉義東大教授)は27日、高齢者の終末期における、胃ろうなどの人工的水分・栄養補給について、

導入や中止、差し控えなどを判断する際の指針を決定した。

指針は医療・介護関係者向けに作成されたもので、人工栄養補給を導入する際は、「口からの摂取が可能かどうか十分検討する」などと指摘。

さらに、胃ろうなどの処置で延命が期待できたとしても、本人の意向などにそぐわない場合、複数の医療関係者と本人・家族らが話し合った上で合意すれば差し控えが可能とした。

人工栄養補給を開始した後でも、苦痛を長引かせるだけの状態になった場合などは、再度、話し合って合意すれば、

栄養分の減量や中止もできるとした。

医療側に対しては、患者側が適切な選択ができるよう、情報提供することを求めている。

国内では近年、口から食べられなくなった高齢者に、おなかに小さな穴を開け、管を通して胃に直接、栄養分や水を送る胃ろうが急速に普及。

認知症で、終末期の寝たきりの患者でも、何年も生きられる例が増えた。

一方でそのような延命が必ずしも本人のためになっていない、との声が出ていた。

(6月28日 読売新聞)


・・・だそうです。


皆さんこのニュース、どう思いますか?


僕は大賛成ですねえ。


一度胃ろうを付けてしまったら、本人がどうな状態にあろうが「外す」という行為が許されない、ということが、どんな状況を生むかを、

僕はこれまで何度も実際に見てきました。


「胃ろう」については、以前、実際の事例を示して、チラッと書きました。

「胃」って何ですか? 参照


これ以外にも、思い出せばまだまだあります。


口内で咀嚼し、嚥下された飲食物を胃腸で消化吸収する、自然の恵みを、同化し、異化し、身体の正常な状態を保つ、というのは、我々にとって、日々当たり前の営みです。


この営みが出来なくなっても、生きている、という状態を、果たして「生きている」と言っていいのだろうか、という議論は、以前からあります。


僕は20歳の頃、往診に行き、まったく何の意思の疎通も出来ない、体は手も足もカチコチに拘縮し、麻痺している恍惚の老人が、胃ろうだけで生き延びている姿を見て、

 

衝撃を受けたことがあります。


その患者さんは褥瘡(じょくそう・・・床ずれのこと)が出来ても、胃ろうの接合部分にばい菌がついて炎症を起こしても、膿から強烈な悪臭を発しながらも、

 

まったく表情を変えることなく、横たわっていました。



痛いのか、痛くないのかすら、分からない。



口からモノが入らなくなっても、東洋医学でいう「胃の気」を強引に繋ぐことを実現させた、この技術については、もちろん否定しないけれども、

それが本人の望む姿なのか、ご家族の納得する姿なのか、そこはよくよく、考えるべきだと思います。




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この記事に関するコメント

“「胃ろう」の是非” への6件のフィードバック

  1. より:

    なんか、この背景にあるのは、マーゲンチューブ(鼻から胃に入れるチューブ)が、入っていると施設が引き受けてくれない。看護、介護がし易いように、腹腔鏡手術の発達によって、普及したように思います。
    現在、医療費、かなり重んでますからね~。それに、病院では、入院期間が限られていて、施設もいっぱい。
    行き場の無い、身寄りの無い、身内も面倒見れない、など、悲惨な状況もありますからね。
    医学が、科学がいくら発達しても、自然の摂理から外れた事をし続けるのは、どうかと思います。
    家族から見放されたお年寄り、痴呆が酷くても、わかるんです。面会に来られなくなり、捨てらた、と、話しかけても、無反応で、目の輝きが無く、廃人のようになられている方とか。
    その他、悲惨な事が病院や施設で起きている現場の、改善の大きな一歩になってくれたら良いです‼
    記事の提供を有り難うございましたm(_ _)m
    いんちょうも、20の頃にショックな出来事だったでしたが、貴重な体験をされましたね~。
    医療が良い方向に変われば良いですね~‼

  2. ムスタファ より:

    すばらしい技術が使う人によって台無しですね
    技術に思想が追いついてないのでしょう
    終末医療は莫大な金が動いていますし
    自分も含め日本人には死生観が培われてないですから
    こういった技術に走るんでしょう

  3. いんちょう より:

    ムスタファさん
    コメント、ありがとうございます!(拍手コメントも、読んでますよ☆)
    > 技術に思想が追いついてないのでしょう
    この言い方は面白いですね。本来、確たる思想のもとに作った技術なはずなのに、結果を見たら皮肉なもんですね。
    > 自分も含め日本人には死生観が培われてないですから
    日本人にとって死生観とは何でしょうね・・・。「悔いの無い死や生」というものについてあまり考えずに、目先の利益や損得勘定にあまりとらわれ過ぎてしまうと、大事な時に慌てることになりやすいでしょうねえ。

  4. いんちょう より:

    楽さん
    > なんか、この背景にあるのは、マーゲンチューブ(鼻から胃に入れるチューブ)が、入っていると施設が引き受けてくれない。看護、介護がし易いように、腹腔鏡手術の発達によって、普及したように思います。
    なるほどネ。真相はそんなことなんですか。嘆かわしいもんですね。
    > 現在、医療費、かなり重んでますからね~。それに、病院では、入院期間が限られていて、施設もいっぱい。
    > 行き場の無い、身寄りの無い、身内も面倒見れない、など、悲惨な状況もありますからね。
    経済状況と個人の幸福を、ごっちゃにして議論せざるを得ないのは、現代では仕方ないことだけれども、色々と考えさせられますよね。
    > 医学が、科学がいくら発達しても、自然の摂理から外れた事をし続けるのは、どうかと思います。
    > 医療が良い方向に変われば良いですね~‼
    そうですね~。

  5. より:

    日本人の死生観、西洋医学の発達と共に、違うものになった様に思います。
    人間のエゴでしょうね~。
    最近、ちょくちょく?テレビに出られている、京都大学医学部卒業の先生で、本を出されていて、その本もベストセラーになっている『大往生したけりゃ医療とかかるな(自然死)のすすめ』幻冬舎新書の本ですが、著者 中村仁人先生。
    納得の内容です。
    中村先生のお父様は、若かりし時に、医療ミスにより、両眼を失明し、鍼師さんになられたそうです。
    私も、苦しまない死に方は、ないものかと、考えた時に、大往生しかないな~、と思っていたので、元気に生ききるには?がテーマだったので、とても参考になる本でした。

  6. いんちょう より:

    楽さん
    > 日本人の死生観、西洋医学の発達と共に、違うものになった様に思います。
    > 人間のエゴでしょうね~。
    そうですか。(苦笑)
    > 最近、ちょくちょく?テレビに出られている、京都大学医学部卒業の先生で、本を出されていて、その本もベストセラーになっている『大往生したけりゃ医療とかかるな(自然死)のすすめ』幻冬舎新書の本ですが、著者 中村仁人先生。
    > 納得の内容です。
    僕も読みましたよ。興味深い本でしたね。(*^_^*)

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